JPS63134640A - ばね用高強度銅合金およびその製造法 - Google Patents
ばね用高強度銅合金およびその製造法Info
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- JPS63134640A JPS63134640A JP27934386A JP27934386A JPS63134640A JP S63134640 A JPS63134640 A JP S63134640A JP 27934386 A JP27934386 A JP 27934386A JP 27934386 A JP27934386 A JP 27934386A JP S63134640 A JPS63134640 A JP S63134640A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、非磁性で高電気伝導性が要求される電気・電
子部品のばね材として好適なばね用高強度銅合金および
その製造法に関する。
子部品のばね材として好適なばね用高強度銅合金および
その製造法に関する。
導電部品の一種としての電気・電子部品用ばね材料は非
磁性であることと電気伝導性が優れていることが要求さ
れる。従来、この種の導電用ばね材料には例えば黄銅、
洋白、リン青銅またはへリリウム銅などが用いられてき
た。だが、黄銅は強度1弾性および信幀性の面で劣り、
洋白およびリン青銅は強度1弾性が若干不足し且つ10
0℃以上の温度では応力緩和特性が悪くなるという欠点
を有している。また、ベリリウム銅は価格が高く且つ1
50℃以上の温度で応力緩和を起こし易いという欠点を
存している。
磁性であることと電気伝導性が優れていることが要求さ
れる。従来、この種の導電用ばね材料には例えば黄銅、
洋白、リン青銅またはへリリウム銅などが用いられてき
た。だが、黄銅は強度1弾性および信幀性の面で劣り、
洋白およびリン青銅は強度1弾性が若干不足し且つ10
0℃以上の温度では応力緩和特性が悪くなるという欠点
を有している。また、ベリリウム銅は価格が高く且つ1
50℃以上の温度で応力緩和を起こし易いという欠点を
存している。
銅に適量のTiを含有させた時効硬化型のチタン銅が最
近開発された。このTi−Cuの二元系銅合金は2強度
および弾性が黄銅、洋白およびリン青銅を上回り、耐熱
性および耐応力緩和特性はベリリウム銅を含む従来の銅
合金よりも優れることが知られている。しかし、このT
i−Cu二元系の合金では、溶体化処理、焼入れおよび
時効処理が必要であり、また鋳造および熱間圧延が難し
いために製造上の制約が大きく、コスト高となっている
。加えて、この合金は溶体化処理時に結晶粒がネ■大化
し易く1 また時効処理時に粒界反応が発生し易いので
、その本来の特性を有効に発揮させるには種々の問題が
あるのが実情である。
近開発された。このTi−Cuの二元系銅合金は2強度
および弾性が黄銅、洋白およびリン青銅を上回り、耐熱
性および耐応力緩和特性はベリリウム銅を含む従来の銅
合金よりも優れることが知られている。しかし、このT
i−Cu二元系の合金では、溶体化処理、焼入れおよび
時効処理が必要であり、また鋳造および熱間圧延が難し
いために製造上の制約が大きく、コスト高となっている
。加えて、この合金は溶体化処理時に結晶粒がネ■大化
し易く1 また時効処理時に粒界反応が発生し易いので
、その本来の特性を有効に発揮させるには種々の問題が
あるのが実情である。
本発明は、このような従来の導電用ばね材料が有する問
題点を解決することを目的としてなされたものである。
題点を解決することを目的としてなされたものである。
本発明は1重量%において1.0〜2.0%のTiと0
.1〜2.0%のNiをT i/ N iの比が1〜5
の範囲で含有し、残部がCuおよび不可避的不純物から
なるばね用高強度銅合金を提供するものである。本発明
の合金は、TiとNiを上記の範囲で且つ適切な比率で
Cuに添加することによって。
.1〜2.0%のNiをT i/ N iの比が1〜5
の範囲で含有し、残部がCuおよび不可避的不純物から
なるばね用高強度銅合金を提供するものである。本発明
の合金は、TiとNiを上記の範囲で且つ適切な比率で
Cuに添加することによって。
Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物
および/またはCLl−T i−N i系金属間化合物
をCuマトリックス中に微細に分散析出させることによ
ってばね材にとって好ましい緒特性を発現させた点に基
本的な特徴がある。
および/またはCLl−T i−N i系金属間化合物
をCuマトリックス中に微細に分散析出させることによ
ってばね材にとって好ましい緒特性を発現させた点に基
本的な特徴がある。
そして、このばね材にとって好ましい緒特性を有利に発
現させるための本発明合金の製造法として1重量%にお
いて1.0〜2.0%のTIと0.1〜2.0%のNi
をTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残部がCu
および不可避的不純物からなる鋳片を製造する工程。
現させるための本発明合金の製造法として1重量%にお
いて1.0〜2.0%のTIと0.1〜2.0%のNi
をTi/Niの比が1〜5の範囲で含有し、残部がCu
および不可避的不純物からなる鋳片を製造する工程。
この鋳片を圧下率60%以上および熱延仕上温度850
℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕上温度から
300℃以下の温度まで30℃/分以上の冷却速度で冷
却して熱延板を得る工程。
℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕上温度から
300℃以下の温度まで30℃/分以上の冷却速度で冷
却して熱延板を得る工程。
得られた熱延板を圧下率50%以上のもとで第一回目の
冷間圧延を行い1次いで300〜600℃の温度で5〜
720分間の焼鈍を行う工程。
冷間圧延を行い1次いで300〜600℃の温度で5〜
720分間の焼鈍を行う工程。
得られた冷延板を目標板厚まで冷間圧延によって(数回
の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟んだ冷間圧延に
よって)Fi、厚減少を行う工程。
の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟んだ冷間圧延に
よって)Fi、厚減少を行う工程。
最終冷間圧延後に300〜750℃の温度で5〜180
秒のテンション・アニールを行う工程。
秒のテンション・アニールを行う工程。
からなるばね用高強度銅合金の製造法を提供するもので
ある。
ある。
〔発明の詳細な
説明の銅合金における添加元素の含有量の範囲選定理由
について先ず説明する。
について先ず説明する。
Cu−Ti系金属間化合物、Ti−Ni系金属間化合物
および/またはCu−T i−N i系金属間化合物を
Cuマトリックス中に析出させることによって強化を図
った本発明合金においてTiおよびNiは不可欠の元素
である。
および/またはCu−T i−N i系金属間化合物を
Cuマトリックス中に析出させることによって強化を図
った本発明合金においてTiおよびNiは不可欠の元素
である。
Ti含有量が1.0重量%未満ではNiとの共存下でも
強度1弾性および耐熱性の向上効果が少なく、2.0重
量%を超えてTiを含有させると析出物が過度に多くな
り合金の延性、折り曲げ性を低下させるのでTi含有量
は160〜2.0重量%の範囲とする。
強度1弾性および耐熱性の向上効果が少なく、2.0重
量%を超えてTiを含有させると析出物が過度に多くな
り合金の延性、折り曲げ性を低下させるのでTi含有量
は160〜2.0重量%の範囲とする。
NiはTiと化合物を形成することによって合金の強度
9弾性および耐熱性の向上に寄与し、また、熱間組織の
微細化および時効処理時の粒界反応の抑制に寄与する。
9弾性および耐熱性の向上に寄与し、また、熱間組織の
微細化および時効処理時の粒界反応の抑制に寄与する。
このような効果を発揮するには、0.1重用%以上のN
i含有量が必要である。
i含有量が必要である。
しかし、2.0重量%を超えて含有させるとTi−Ni
系の化合物の析出が進み、延性、折り曲げ性の低下が著
しくなる。したがって、Ni含有量は0.1〜2.0重
量%の範囲とする。
系の化合物の析出が進み、延性、折り曲げ性の低下が著
しくなる。したがって、Ni含有量は0.1〜2.0重
量%の範囲とする。
そして、これらTiとNiの元素は、Cu−Ti系金属
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはC
u−T i−N i系金属間化合物として析出するとき
に本来の有効性を発揮するので2重量%の比率でTi/
Niが1〜5の範囲となるように、前記念有量の範囲内
において各元素の配合比を調整する必要がある。T i
/ N i比が1より小さいと。
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはC
u−T i−N i系金属間化合物として析出するとき
に本来の有効性を発揮するので2重量%の比率でTi/
Niが1〜5の範囲となるように、前記念有量の範囲内
において各元素の配合比を調整する必要がある。T i
/ N i比が1より小さいと。
T i−N i系化合物の析出が少ないので導電率が低
くなり、また熱間Ni織が粗大になりやすく従って折り
曲げ性が低下する。一方、Ti/Ni比が5よりも大き
くなると、Ti−Ni系化合物が多量に析出し、導電率
は向上するが折り曲げ性が著しく低下する。このような
ことから、Ti;1.0〜2.0重量%、Ni; 0
.1〜2.0重量%の範囲においてTi/Niを1〜5
の範囲に調整することが必要であり、これによって、C
u−Ti系金属間化合物。
くなり、また熱間Ni織が粗大になりやすく従って折り
曲げ性が低下する。一方、Ti/Ni比が5よりも大き
くなると、Ti−Ni系化合物が多量に析出し、導電率
は向上するが折り曲げ性が著しく低下する。このような
ことから、Ti;1.0〜2.0重量%、Ni; 0
.1〜2.0重量%の範囲においてTi/Niを1〜5
の範囲に調整することが必要であり、これによって、C
u−Ti系金属間化合物。
Ti−Ni系金属間化合物および/またはCu−T 1
−Ni系金属間化合物をCuマトリックス中に微細に析
出させてばね材に要求される緒特性を具備させることが
できる。
−Ni系金属間化合物をCuマトリックス中に微細に析
出させてばね材に要求される緒特性を具備させることが
できる。
かような金属間化合物の析出によって導電性ばね材料に
要求される緒特性を発現するには、鋳片から熱間圧延お
よび冷間圧延を経て所望の板厚材料に加工するさいの条
件を適切にコントロールすることによって有利に行い得
る。
要求される緒特性を発現するには、鋳片から熱間圧延お
よび冷間圧延を経て所望の板厚材料に加工するさいの条
件を適切にコントロールすることによって有利に行い得
る。
以下にその製造法の詳細を工程順に詳述する。
熱間圧延工程
TiとNiの含有量およびTi/Ni比を前記の範囲に
調整した鋳片を溶解鋳造によって製造し、この鋳片(鋳
塊)を熱間圧延に供するのであるが。
調整した鋳片を溶解鋳造によって製造し、この鋳片(鋳
塊)を熱間圧延に供するのであるが。
そのさいに、鋳片を900℃以上に加熱し、熱延圧下率
を60%以上、熱延仕上温度を850℃以上として実施
するのがよい。これによって、鋳造組織を完全につぶす
ことができ、且つ鋳塊に生している偏析の影響をなくす
ことができる。
を60%以上、熱延仕上温度を850℃以上として実施
するのがよい。これによって、鋳造組織を完全につぶす
ことができ、且つ鋳塊に生している偏析の影響をなくす
ことができる。
そして、熱延仕上温度から300℃以下までの温度域を
30℃/分以上の冷却速度で冷却する。この冷却は熱延
したあと直ちに急水冷を実施することによって行うのが
よい。これによって、TiおよびNiが完全に固溶した
熱延材を得ることができる。この熱延後の冷却を30℃
7分より遅い冷却速度で行うとその冷却過程でこれらの
元素が析出して粗大な化合物を生じてしまうことが判明
した。
30℃/分以上の冷却速度で冷却する。この冷却は熱延
したあと直ちに急水冷を実施することによって行うのが
よい。これによって、TiおよびNiが完全に固溶した
熱延材を得ることができる。この熱延後の冷却を30℃
7分より遅い冷却速度で行うとその冷却過程でこれらの
元素が析出して粗大な化合物を生じてしまうことが判明
した。
また、30℃/分以上の冷却速度で冷却したとしても、
その急冷開始温度が850℃より低い場合にも同じく粗
大な化合物を生してしまうことがわかった。この段階で
析出する析出物は粗大であり、この粗大析出物によって
は合金の強度1弾性および耐熱性の向上は期待できず、
逆に折り曲げ性に悪影響を及ぼす。この粗大析出物を消
失させるには溶体化処理をしなければならず、従ってコ
スト高になる。本発明においては、TiおよびNiが完
全に固溶した熱延板が得られるような熱延条件を採用す
る点に一つの特徴がある。なお、この急冷のさいの冷却
終点温度については300℃以下であればよい。300
℃以下の温度では析出は実質上起こらないからである
。
その急冷開始温度が850℃より低い場合にも同じく粗
大な化合物を生してしまうことがわかった。この段階で
析出する析出物は粗大であり、この粗大析出物によって
は合金の強度1弾性および耐熱性の向上は期待できず、
逆に折り曲げ性に悪影響を及ぼす。この粗大析出物を消
失させるには溶体化処理をしなければならず、従ってコ
スト高になる。本発明においては、TiおよびNiが完
全に固溶した熱延板が得られるような熱延条件を採用す
る点に一つの特徴がある。なお、この急冷のさいの冷却
終点温度については300℃以下であればよい。300
℃以下の温度では析出は実質上起こらないからである
。
冷間圧延および焼鈍工程
前工程で得られたTiおよびNiを完全に固溶した熱延
板は次いで必要に応じて表面研削或いは酸洗を行ったあ
と、焼鈍を挟んだ冷間圧延を数回行って所望板厚にまで
冷延するのであるが、最初の冷間圧延と焼鈍の条件を適
切にすることによってこの段階でCu−T i系金属間
化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはCu
−T i−N i系金属間化合物を微細に析出させる。
板は次いで必要に応じて表面研削或いは酸洗を行ったあ
と、焼鈍を挟んだ冷間圧延を数回行って所望板厚にまで
冷延するのであるが、最初の冷間圧延と焼鈍の条件を適
切にすることによってこの段階でCu−T i系金属間
化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはCu
−T i−N i系金属間化合物を微細に析出させる。
すなわち1第一回目の冷間圧延は圧下率50%以上で行
ない、この第一回目の冷間圧延後の焼鈍を300〜60
0℃の温度で5〜720分間の条件で実施する。この第
一回目の冷間圧延および焼鈍の条件は本発明法において
極めて重要である。
ない、この第一回目の冷間圧延後の焼鈍を300〜60
0℃の温度で5〜720分間の条件で実施する。この第
一回目の冷間圧延および焼鈍の条件は本発明法において
極めて重要である。
第一回目の冷間圧延の圧下率が50%未満では圧延組織
が均質化せず、引き続く焼鈍においてCu−Ti系金属
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはC
u−Ti−Ni系金属間化合物が微細に析出できなくな
る。
が均質化せず、引き続く焼鈍においてCu−Ti系金属
間化合物、Ti−Ni系金属間化合物および/またはC
u−Ti−Ni系金属間化合物が微細に析出できなくな
る。
この最初の冷延後の焼鈍を600℃を超える温度で行う
と析出物が粗大化して特性の向上が期待できなくなる。
と析出物が粗大化して特性の向上が期待できなくなる。
また、300℃未満の温度では析出させるに要する時間
が長くなりすぎるので好ましくない。従って、この最初
の焼鈍の温度は300〜600℃で行うのがよく、その
さいの焼鈍時間については、5分未満では析出物の形成
が不十分であり。
が長くなりすぎるので好ましくない。従って、この最初
の焼鈍の温度は300〜600℃で行うのがよく、その
さいの焼鈍時間については、5分未満では析出物の形成
が不十分であり。
また720分を超えるような長時間では析出物の成長お
よび経済面から好ましくないので、5〜720分とする
のがよい。
よび経済面から好ましくないので、5〜720分とする
のがよい。
この条件で第一回目の冷間圧延と焼鈍を行うことによっ
てCu−T i基金属間化合物、Ti−Ni系金属間化
合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物が
微細に析出した材料を得ることができる。以後は所望の
厚さまで冷間圧延を行って板厚減少を行えばよい。その
さい数回の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟んでも
よい。
てCu−T i基金属間化合物、Ti−Ni系金属間化
合物および/またはCu−Ti−Ni系金属間化合物が
微細に析出した材料を得ることができる。以後は所望の
厚さまで冷間圧延を行って板厚減少を行えばよい。その
さい数回の冷間圧延を行う場合には中間焼鈍を挟んでも
よい。
テンションづ二−ル工程
所望板厚まで冷間圧延した冷延材に適度の張力をかけな
がら300〜750 ℃の温度で5〜180秒のテンシ
ョン・アニール処理を実施する。このテンション・アニ
ール処理によって均質且つ平坦度の高い製品を得ること
ができ、また材料の延性、折り曲げ性が向上する。テン
ション・アニール処理の実施にさいして、300℃未満
の温度ではこれらの効果を発揮するに要する時間が長く
なり、酸化や経済性の面から好ましくない、また750
℃を超える温度では短時間でも材料が軟化してしまう。
がら300〜750 ℃の温度で5〜180秒のテンシ
ョン・アニール処理を実施する。このテンション・アニ
ール処理によって均質且つ平坦度の高い製品を得ること
ができ、また材料の延性、折り曲げ性が向上する。テン
ション・アニール処理の実施にさいして、300℃未満
の温度ではこれらの効果を発揮するに要する時間が長く
なり、酸化や経済性の面から好ましくない、また750
℃を超える温度では短時間でも材料が軟化してしまう。
また、その処理時間については、5秒未満では均質化が
不十分であり 180秒を超えても効果には差が現れな
い。このようなことから、テンション・アニールは30
0〜750℃の温度で5〜180秒間の処理条件で実施
するのがよい。
不十分であり 180秒を超えても効果には差が現れな
い。このようなことから、テンション・アニールは30
0〜750℃の温度で5〜180秒間の処理条件で実施
するのがよい。
以下に実施例を挙げて本発明合金の効果を具体的に示す
。
。
第1表にその化学成分値(重量%)を示す1lhl〜隘
9の銅合金を高周波溶解炉を用いて溶製し。
9の銅合金を高周波溶解炉を用いて溶製し。
400m+w X 301111 X 140+mの鋳
塊を鋳造した。この鋳塊を40■mX30+sII+X
5m+sの大きさに切断し、この鋳片を950℃で均熱
したあと、厚さ1 、2a+mまで熱間圧延を行い、9
00℃の温度から水中に冷却した。この時の冷却速度は
30℃/分を十分に超え且つ終点温度も300℃を十分
に下回っていた。
塊を鋳造した。この鋳塊を40■mX30+sII+X
5m+sの大きさに切断し、この鋳片を950℃で均熱
したあと、厚さ1 、2a+mまで熱間圧延を行い、9
00℃の温度から水中に冷却した。この時の冷却速度は
30℃/分を十分に超え且つ終点温度も300℃を十分
に下回っていた。
得られた熱延板を厚さ1 、0mmまで面削を行ったあ
と、厚さ0.45+uwまで冷間圧延した。次いでこの
冷延板に500℃×60分の焼鈍を施した。
と、厚さ0.45+uwまで冷間圧延した。次いでこの
冷延板に500℃×60分の焼鈍を施した。
そして、圧下率10%で冷間圧延を行って厚さが0.4
m−の冷延板を得た。得られた冷延板を8 kgf/
mm”の張力を加えながら400℃×30秒のテンショ
ン・アニール処理を施した。この処理を終えた材料を試
験材とした。
m−の冷延板を得た。得られた冷延板を8 kgf/
mm”の張力を加えながら400℃×30秒のテンショ
ン・アニール処理を施した。この処理を終えた材料を試
験材とした。
得られた試験材を用いて硬度、引張強さ、ばね限界値、
導電率、耐熱性および折り曲げ性を調べた結果を第1表
に併記した。硬度、引張強さ、ばね限界値および導電率
の測定は、それぞれJIS Z2244、 JIS Z
2241. JTS H3130およびJIS H0
505に従って行った。耐熱性は400℃の温度30分
間加熱保持後の硬度が、初期硬度の80%以上であれば
0.80%より小さいものは×として評価した。折り曲
げ性は906W曲げ試験(CBS−?10002−6.
R=0.3mm)を行い、中央部山表面が良好なもの
をO,シワが発生したものを61割れが発生したものを
×として評価した。
導電率、耐熱性および折り曲げ性を調べた結果を第1表
に併記した。硬度、引張強さ、ばね限界値および導電率
の測定は、それぞれJIS Z2244、 JIS Z
2241. JTS H3130およびJIS H0
505に従って行った。耐熱性は400℃の温度30分
間加熱保持後の硬度が、初期硬度の80%以上であれば
0.80%より小さいものは×として評価した。折り曲
げ性は906W曲げ試験(CBS−?10002−6.
R=0.3mm)を行い、中央部山表面が良好なもの
をO,シワが発生したものを61割れが発生したものを
×として評価した。
第1表の結果から次のことが明らかである。
本発明によるNi1−Ni3の合金は、硬度、引張強さ
5ばね限界値、導電率のバランスに優れ、且つ耐熱性お
よび折り曲げ性も良好である。したがって、導電用のば
ね用高強度材料として非常に優れた合金であることがわ
かる。
5ばね限界値、導電率のバランスに優れ、且つ耐熱性お
よび折り曲げ性も良好である。したがって、導電用のば
ね用高強度材料として非常に優れた合金であることがわ
かる。
これに対して、Tiが本発明で規定する量より少ない比
較合金ぬ6は、硬度、引張強さ並びにばね限界値が低い
。Tiが本発明で規定する量より多い比較合金Ni7は
折り曲げ性が悪い。そして。
較合金ぬ6は、硬度、引張強さ並びにばね限界値が低い
。Tiが本発明で規定する量より多い比較合金Ni7は
折り曲げ性が悪い。そして。
TiおよびNlの含有量は本発明で規定する範囲であっ
ても、Ti/Ni比が5より大きい比較合金階8.およ
びTi/Ni比が1より小さい比較合金11&19は、
ともに折り曲げ性が悪い。
ても、Ti/Ni比が5より大きい比較合金階8.およ
びTi/Ni比が1より小さい比較合金11&19は、
ともに折り曲げ性が悪い。
以上のように1本発明は高強度且つ高弾性を有すると共
に耐熱性、折り曲げ性に優れたばね用銅合金を提供する
ものであり、電気・電子部品の軽薄短小化、高信頼化を
可能にするものである。
に耐熱性、折り曲げ性に優れたばね用銅合金を提供する
ものであり、電気・電子部品の軽薄短小化、高信頼化を
可能にするものである。
Claims (3)
- (1)重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1
〜2.0%のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含
有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなるばね用
高強度銅合金。 - (2)重量%において1.0〜2.0%のTiと0.1
〜2.0%のNiをTi/Niの比が1〜5の範囲で含
有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる鋳片を
製造する工程、 この鋳片を圧下率60%以上および熱延仕上温度850
℃以上のもとで熱間圧延したうえ、該熱延仕上温度から
300℃以下の温度まで30℃/分以上の冷却速度で冷
却して熱延板を得る工程、 得られた熱延板を圧下率50%以上のもとで第一回目の
冷間圧延を行い、次いで300〜600℃の温度で5〜
720分間の焼鈍を行う工程、 得られた冷延板を目標板厚まで冷間圧延によって板厚減
少を行う工程、そして、 最終冷間圧延後に300〜750℃の温度で5〜180
秒のテンション・アニールを行う工程、 からなるばね用高強度銅合金の製造法。 - (3)目標板厚まで冷間圧延によって板厚減少を行う工
程は、中間焼鈍を挟んだ数回の冷間圧延によって行う特
許請求の範囲第2項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27934386A JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27934386A JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63134640A true JPS63134640A (ja) | 1988-06-07 |
JPH0240725B2 JPH0240725B2 (ja) | 1990-09-13 |
Family
ID=17609851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27934386A Expired - Lifetime JPH0240725B2 (ja) | 1986-11-22 | 1986-11-22 | Baneyokokyododogokinoyobisonoseizoho |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0240725B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01309948A (ja) * | 1988-06-08 | 1989-12-14 | Dowa Mining Co Ltd | プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 |
-
1986
- 1986-11-22 JP JP27934386A patent/JPH0240725B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01309948A (ja) * | 1988-06-08 | 1989-12-14 | Dowa Mining Co Ltd | プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 |
JPH0689440B2 (ja) * | 1988-06-08 | 1994-11-09 | 同和鉱業株式会社 | プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0240725B2 (ja) | 1990-09-13 |
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