JPH01309948A - プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 - Google Patents

プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法

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JPH01309948A
JPH01309948A JP14076888A JP14076888A JPH01309948A JP H01309948 A JPH01309948 A JP H01309948A JP 14076888 A JP14076888 A JP 14076888A JP 14076888 A JP14076888 A JP 14076888A JP H01309948 A JPH01309948 A JP H01309948A
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章 菅原
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、自動車部品の電装品に用いられるワイヤーハ
ーネスのターミナル用材料として好適な高強度導電性銅
基台金の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
周知のとおり自動車産業は日本の基幹産業として大きな
役割を果たすに至っており、その生産台数の増加と近時
ではカーエレクトロニクスの発達により5これに使用さ
れる伸銅品材料がますます増加している。車の電装品の
一翼を担うワイヤーハーネスもこれに漏れず1台当りl
kmの長さ、20kgの重量が使用されるまでになった
。そして、近時の自動車に対する軽量化、高倍転化、低
コスト化の要求はますます厳しいものになり1従ってワ
イヤーハーネスも軽量且つ高信転性且つ低コストが要求
されるようになってきている。ここでワイヤーハーネス
は電線とターミナルが一体となったものであり軽量化と
配電の高密度化のためにはターミナル材料の材料特性お
よび信鯨性の向上が必要不可欠となった。
このような背景のもとに、実際面ではターミナル材料は
薄肉化されまた複雑な形状にプレス成形されることから
1強度1弾性、導電性およびプレス成形性が良好なこと
が必須となった。またさらに耐食性、耐応力腐食割れ性
が良好なことはもちろん、エンジンルーム周辺や排ガス
系周辺では熱的な負荷も加わることから耐応力緩和特性
にも優れていなければならない。
このような要求に応えるべく本発明者らは特願昭62−
106426号などにおいてワイヤーハーネスのターミ
ナル用銅合金およびその製造法を提案してきている。特
願昭62−106426号に記載の発明はCuマトリッ
クス中にN i−T I基金属間化合物を均一微細に析
出させることによって優れた特性を発現したものである
が、このようにCuマトリックス中にNi−Ti系金属
間化合物を析出させた銅基合金としては特公昭34−1
253号公報、特公昭62−8491号公報、特公昭6
3−4890号公報、特開昭62−54048号公報等
に記載のものが知られており、またその製造法としては
例えば特開昭62−50453号公報に記載された方法
等が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の公報等に開示されたC u−N i−T i系合
金においては、主に強度、導電率の向上に適した製造法
を用いている場合が多く、従ってこれらの従来の製造法
では?j!雑な形状にプレス成形することを目的とした
Cu−Ni−Ti系合金のワイヤーハーネスのターミナ
ルを製造する場合には必ずしも適していない場合が多い
例えば特公昭344253号公報の実施例では[径5.
21線とした後、 1000’Cにて水焼入し、更に冷
間加工して径1.61線とし、最後に500°Cで1時
間焼戻して仕上線とした。」とある、これによって該発
明合金(2) (Cu−2,3N +−0,7T i合
金)は抗張カフ1、Okgf/mm”、  伸び3.5
%、ビッカース硬度214゜導電率60.6%の特性値
が示されている。だが、この方法にて得られた材料は9
強度、導電率などの材料特性値は優れているが、加工性
には劣るという欠点を持つ、従って、i9体化処理−2
,冷−強冷間加工−時効処理という工程は2強度、導電
率などの向上は有利であるが、加工性が極端に劣化して
しまうという問題がある。
また、特開昭62−50453号公報に記載の方法は。
該特公昭34−1253号公報に記載のものよりも、よ
り限定した熱処理条件、冷却条件および冷間加工率を用
いることにより強度、導電率などを向上したものである
が、基本的な製造法は溶体化処理−急冷−強冷間加工−
時効処理の工程であり特公昭34−1253号公報のも
のに準するものである。従って強度、導電率などに対し
加工性が悪いという問題がある。
これに対し、特公昭62−8491号公報、特公昭63
−4890号公報、特開昭62−54048号公報の場
合には軟化焼鈍と冷間圧延を繰返し、また場合によって
は最終冷間圧延後に時効処理を行って5強度、導電率な
どを向上させている。しかし、このような製造法によれ
ば1強度1弾性を向上させようとすれば軟化焼鈍後の冷
間加工率を比較的大きくとる必要があり、この場合プレ
ス成形性が大きく低下してしまう、そして更に溶体化処
理、急冷工程を用いて製造した材料より9弾性が低く且
つ耐応力緩和特性にも劣る。
このようなことから3本発明者らは先の特願昭62−1
06426号において1強度1弾性、導電性、プレス成
形性、耐応力緩和特性を向上させる方法を提案したが、
この製造方法は、溶体化処理−急、冷−冷間加工−時効
処理一冷間加工−時効処理に代表される工程で、加工、
熱処理条件を厳しく限定することによって特性を発現さ
せたものである。
しかし、このような製造法によっては溶体化処理後、製
品を得るまでの工程数が多く経済性に欠けるという問題
があった。
したがって2本発明の目的とするところは、プレス成形
性に優れ且つ強度1弾性、導電性、耐応力緩和特性にも
優れたワイヤーハーネスのターミナル材料に好適な銅基
合金を低コストで製造することにある。
〔問題点を解決する手段〕
前記の目的を達成せんとする本発明の要旨とするところ
は2重量%において、Ni;1.0〜3.0%。
Ti;0.1〜1.5%、ただしNi/Tiの重量百分
率の比率が1〜10の範囲、酸素; 50ppH以下、
さらに必要に応じてZn、Mg、Ca、Be、Zr、C
rからなる群より選択された1種または2種以上の元素
を総量で0.01〜1.0%含み、残部がCuおよび不
可避的不純物からなる銅基合金を、800〜970℃の
温度に加熱後、400〜650℃の温度まで10℃/s
ec以上の冷却速度で冷却し、 400〜650℃の温
度で5〜360分間加熱保持したあと常温まで冷却する
こと。
さらに場合によっては加工率30%以内の冷間加工を施
したうえ400〜600℃の温度で1〜360分間加熱
すること、を特徴とするプレス成形性に優れた高強度導
電性銅基台金の製造法である。
以下に本発明の内容を具体的に説明する。
〔発明の詳述] (1)本発明合金の成分組成について2本発明の銅基合
金はNi−Ti系金属間化合物による析出強化および分
散強化を図った点に基本的な特徴があり、このためNi
とTiは本発明合金において不可欠の元素である。
Niは、Tiと化合物を形成し強度1弾性、耐熱性およ
び耐応力緩和特性などの特性の向上に寄与する元素であ
る。また鋳造Ni織および熱間組織を微細にし且つ溶体
化処理時の結晶粒粗大化を防止する効果がある。このよ
うな効果を発揮するには1.0%41%、以下同じ)以
上の含有が必要であるが、3.0%を超えて含有すると
電気伝導性の低下が顕著となり、且つ溶体化処理温度が
高温になり製造上不利になり、また経済性のうえからも
好ましくない。したがってNi含存量は1.0〜3.0
%の範囲とする。
Ti含有量は0.1%未満ではNiとの共存下でも。
強度1弾性、耐熱性、耐応力緩和特性などの向上効果が
少ない、一方、Tt含存量が1.5%を超えると電気伝
導性が低下するとともにプレス成形性が掻端に低下して
くる。また鋳造性などの製造性が低下してくるので、T
i含有量は0.1−1.5%の範囲とする。
また、Niと′riは、Ni−Ti系金属間化合物とし
て析出するときに本発明の目的が有利に達成される。こ
のN i −T i基金属間化合物による強化を十分に
発揮するには、Ni/Tiの重量百分率による比率を1
〜lOの範囲にすることが必要である。
Ni/Ti比が1より小さい場合には、TiとCuの化
合物であるT i−Cu系金属間化合物が時効析出する
。このTi−Cu系金属間化合物が析出しても2強度9
弾性の向上は朋待できるものの、i!電気伝導性向上は
少なく、また、溶体化処理時に結晶粒が粗大化し易く、
従ってプレス成形時に曲げ面に肌荒れを生じ易くなる。
このようなことがらNi/Ti比は1以上とする必要が
ある。他方Ni/Ti比が10より大きい場合には、マ
トリックスに残留するNi1lが多くなり電気伝導性を
低下させる。このような理由から本発明の特性を十分に
発揮するためにはNi/Ti比を1〜10の範囲にする
ことが必要である。
Znは本発明合金のメツキ(8頬性を向上させる。
具体的にはSnメツキや5n−Pbメツキのメツキ付性
や耐熱密着性を向上させる。ワイヤーハーネスのターミ
ナルはSnメツキや5n−Pbメツキが施される場合が
あるが、これが通電やエンジン系統の熱によって長時間
加熱されると環境の影響も加わって添加元素であるNi
、′Fiがメツキ界面に拡散し、Snと反応拡散層を形
成する。この反応拡散層は脆弱であり、メツキが剥離し
易くなり、メ。
キイg軸性を低下させる。Znを添加するとN1やTi
のCu中での拡散が抑制され界面の反応拡散層の形成を
効率良く防止することができる。またZnは脱酸作用が
あり、78湯の脱酸剤にもなり、さらに湯流れ性を良く
するので鋳造性も向上させる。
このような効果を発揮するためにはO,1%以上のZn
の含有を必要とするが、1.0%を超えて含有すると電
気伝導性の低下が顕著となるので好ましくはZn含有量
を0.1〜1.0%の範囲とすることが必要である。
Mg、CaもZnと同様にメツキ信鎖性の向上と脱酸作
用に寄与する元素である。また1合金の弾性を同上させ
る効果も持つ、このような効果を発揮するためには、 
0.01%以上含有することが必要であるが、0.5%
を超えて含有すると合金の電気伝導性およびプレス成形
性の低下が著しくなり、また経済的に不利となる。従っ
て、Mg、Caの含有量は好ましくは0.01〜0.5
%の範囲とする。
Beは本合金の強度1弾性、耐応力緩和特性をさらに向
上させる元素である。また脱酸作用もあり溶湯の脱酸剤
にもなる。このような効果を発揮するためには0.01
%以上含有することが必要であるが、0.5%を超えて
含有すると合金の電気伝導性およびプレス成形性の低下
が著しくなり、また経済的にも不利となる。従ってBe
含有装は好ましくは0.01〜0.5%の範囲とする。
Zr、CrもBeと同様に強度9弾性、耐応力緩和特性
の向上と脱酸作用に寄与する元素である。
このような効果を発揮するためには、 0.01%以上
含有することが必要であるが、0.5%を超えて含有す
ると電気伝導性およびプレス成形性の低下が著しくなり
、また経済的にも不利となる。従ってZr、Crの含有
量は好ましくは0.01〜0.5%の範囲とする。
なおZ n + M g + Ca + B e、 Z
 r + Crは2種以上を総量で1.0%まで含有す
ることができる。1.0%を超えて含有すると電気伝導
性およびプレス成形性の低下が顕著になるとともに経済
的にも不利となる。
したがってz n + Mg + c a + B e
 * Z r + Crの群より選択された1種または
2f!!1以上を総量で0.01〜1.0%の範囲で添
加することができる。
酸素含有量については、 50ppmより多量に合金中
に含有すると析出したNi−Ti系金属間化合物が酸素
と三元の化合物をつくってN i−T i−0系の化合
物となり1強度1弾性、プレス成形性などの材料特性や
メツキ信輔性などを低下させる。また酸素含有量が多い
と合金の製造過程でI(エガスを用いる場合には9表面
および内部に水素脆化が起きることもある。したがって
酸素含有量は50ppm以下の範囲とする。
(2)本発明合金の製造条件について。
前記のように成分組成に調整した本発明の銅基合金はN
 i−T i基金属間化合物を均一微細に分散析出させ
ることよって近時のワイヤーハーネスのターミナルに要
求される緒特性を具備した材料とすることができる。こ
のような緒特性は特に熱処理を適切にコントロールした
製造法によって存利に発現させることができる。以下に
その製造法の詳細を説明する。
まず、前記の成分組成となるように合金成分および酸素
含有量を調整した銅基合金の鋳片を溶解鋳造して製造す
る。この溶解鋳造は不活性ガスあるいは還元ガス雰囲気
中で行うのが望ましい、また、vf造時の冷却速度はで
きるだけ速い方が好ましい。次いで鋳片を熱間圧延ある
いは均質化焼鈍後冷間圧延を行い板厚減少を施す、その
後、必要に同じて中間焼鈍、酸洗を挟んだ冷間圧延によ
って仕上げ前の板厚とする。
次いで、得られた素材品を800〜970℃の温度に加
熱し、溶体化処理を行う、この溶体化処理の温度が80
0℃未満であると十分に溶体化せず、したがって、鋳造
、熱延、焼鈍の工程で生じた粗大な析出物が十分に消失
しないので、特性の向上が計れない、また、800℃未
満の温度では結晶粒の調整も難しい。しかし970℃を
超える温度では短時間のうちに結晶粒が粗大化するので
好ましくない。
したがって1本発明においては溶体化処理の温度範囲は
800〜970℃とする。
溶体化処理後は10℃/sec以上の冷却速度、好まし
くは50℃/sec以上の冷却速度で400〜650℃
まで冷却する。10℃/sec未溝の冷却速度では冷却
の過程で析出が生じ、この段階で生じる析出物は強化に
はあまり寄与しない。冷却する温度域は溶体化処理温度
から400〜650℃の温度までで十分である。650
℃を超える温度では析出物が成長し粗大化するため特性
の一層の向上が計れない、なお引き続いて行う本発明の
時効処理の温度範囲が400〜650℃であり、溶体化
処理温度から400〜650℃まで急冷し、引き続きこ
の温度で時効処理することによって時効のための再加熱
が不要となり経済的に有利となる。
時効処理は400〜650℃の温度で5〜360分間加
熱保持する。この工程はN i−T i系金属間化合物
を均一微細に析出せしめるものであるが、400℃未満
の温度では析出に要する時間が長時間となり。
一方、650℃の温度を超える温度では析出物が成長し
て粗大化し特性の一層の向上が期待できなくなる。した
がって時効温度は400〜650℃の範囲とする。時効
時間は5分未満では析出物の形成が不十分であり、36
0分を超えるような長時間では析出物の成長のうえから
もまた経済性のうえからも好ましくない。
以上の諸工程によって得られた板材は非常に優れたプレ
ス成形性を存し、且つ、@度1弾性、導電率1 耐応力
緩和特性のバランスに便れている。
この処理を行った板材に、さらに加工率30%以内の冷
間圧延を行い、400〜600℃の温度で1〜360分
間加熱すると、材料特性を一層向上させることができる
。30%を趙える冷間加工率ではプレス成形性が掻端に
低下するため冷間加工率は30%以内とすることが必要
である。この冷間加工と最終時効処理によって与えられ
る内部ひずみの増加により5合金の強度1弾性1導電性
、耐応力緩和特性が一層向上するのであるが、この最終
時効処理の温度が400℃未満であると弾性の向上効果
が少なく、また600℃を超える温度では過時効になり
材料特性が低下する。保持時間は1分未満では弾性の向
上効果が少なく、360分を超えるような長時間では析
出物の成長のうえからも経済性のうえからも好ましくな
い。
以上の工程を経ることによってNi−Ti系金属間化合
物がCuマトリックス中に均一微細に分散析出した組織
の銅基合金のFl板が製造でき、これは後記の実施例に
示すように1強度9弾性、導電性、耐応力緩和特性をは
じめ、プレス成形性に優れるので近年のワイヤーハーネ
スのターミナル材料に要求される特性を満たすことがで
きる。
以下に代表的な本発明の実施例を挙げて本発明合金の特
性を具体的に示す。
〔実施例1〕 第1表に化学成分値(重量%)を示すM4基合金klを
高周波誘導溶解炉を用いて溶製し、 15wmX50■
−X 300m−の鋳塊に鋳造した。溶解鋳造雰囲気は
完全に不活性ガスでシールドした。この鋳塊を15ai
a+ X 50s■×20〇−鋤に切断後、900’C
で熱間圧延し厚さ5−一としたのち1面前を施し厚さ4
.2−一とした。これを、厚さが2mmと1mmの状態
にあるときに中間焼鈍(700℃X 1 hr)を行っ
た冷間圧延工程によって厚さ0.5−請まで冷間圧延し
た。この板材に第2表に示す条件の熱処理を施して試験
材を製造した。
これらの熱処理は不活性ガス中で行い、急冷用ガスは冷
却したArガスを用いた。また、冷却速度は溶体化処理
温度から引き続く時効処理温度までの平均冷却速度とし
た。
得られた試験材の硬度、引張強さ、伸び、導電率、プレ
ス成形性を調べた結果を第2表に併記した。硬度1 引
張強さと伸び、導電率の測定はそれソaJIs Z 2
244. JIS Z 2241. JIS H050
5ニ従って行った。プレス成形性は圧延方向に平行およ
び垂直な軸で内径半径Oで直角的げを行い2曲げ面およ
びその断面を拡大観察し1割れの無いものを01割れの
発生したものを×として評価した。
第2表の結果から次のことが明らかである。
本発明法に従って製造した(1)および(2)の合金は
硬度、引張強さ、伸び、導電率のバランスに優れ且つプ
レス成形性が良好である。したがって本発明法によって
製造した板材は、良好な材料特性と非常に優れたプレス
成形性とを併せ持ち、複雑な形状を有したワイヤーハー
ネスのターミナル材料としても好適であることがわかる
これに対し溶体化処理温度の低い比較例(3)は。
硬度、引張強さ、伸びが低く、他方溶体化処理温度の高
い比較例(4)はプレス成形性に劣って0いる。
また平均冷却速度が遅い比較例(5)は硬度、引張強さ
が低く2時効処理温度の低い比較例(6)は導電率が低
く、そして時効処理温度の高い比較例(7)は硬度5 
引張強さが低くなっている。
〔実施例2] 実施例1の第1表に示す成分の合金を実施例1と同様な
中間工程を用い厚さ2I1mの板材を得た。
これに700°CX60分間の焼鈍を施したうえ、以下
の製造法の素材板とした。
〔製造法1〕 前記の素材板を厚さ1■閣まで冷間圧延した後。
700°CX60分間焼鈍を行った。その後、厚さ0.
45amまで冷間圧延したうえ、 950’CX 2分
の溶体化処理し、平均冷却速度が60°C/secにて
550°Cまで冷却し、そのままこの温度で60分間の
時効処理を行なって室温まで冷却した。得られた時効処
理材を0.4mmまで冷間圧延し、480°Cの温度で
60分間の最終時効処理を行った。
(製造法2) 前記の素材板を厚さ0.8+l剛まで冷間圧延した。
これを950℃×2分の溶体化処理後、平均冷却速度が
60°(: /secにて550″Cまで冷却し、その
ままこの温度で60分間の時効処理を行って室温まで冷
却した。得られた時効処理材を0.4+I11まで冷間
圧延し、480℃×60分の最終時効処理を行った。
〔製造法3〕 前記の素材板を厚さIIl+1まで冷間圧延した。これ
を950°CX2分の溶体化処理後、水急冷した。
その後0.b 時効処理を行った。
上記の3製造法の条件は第3表にも記載したように、1
は本発明で規制する条件範囲内の例、2および3は該条
件を外れる比較例である。
各法によって得られた材料の硬度、引張強さ。
伸び5ばね限界値、導電率、応力緩和率、プレス成形性
を測定した結果を第4表に示した。硬度。
引張強さ、伸び、導電率の測定は実施例1と同様である
。ばね限界はJIS H3130に基づいて行った。
応力緩和率は試験片の中央部の応力が40kgf/ms
”になるようにU字曲げを行い、150°Cの温度で5
00時間保持後の曲げぐせを応力緩和率として次式によ
り算出した。
応力緩和率(χ)−((L、−L2)/(L、−Ll)
)×100 ただし、L、;治具の長さ (−一) Ll;開始時の試料長さ (am) L2;処理後の試料端間水平距離(118)また、プレ
ス成形性については、90’w曲げ試験(CBS−MO
OO2−6,R−0,2市−圧延方向および垂直方向)
を行い中央部両表面およびその断面を拡大観察し1割れ
のないものを01割れが発生したものを×として評価し
た。
第4表の結果から明らかなように1本発明にしたがう製
造方法(1)の合金は硬度、引張強さ、伸び、ばね限界
値、導電率、耐応力緩和特性に優れ且つプレス成形性に
優れており、ワイヤーハーネスのターミナル材料として
非常に優れた特性を有する合金であることがわかる。
これに対し、冷間加工率が本発明法で規定する範囲より
高い比較法(2)の合金はプレス成形性が劣り、また比
較法(3)のように溶体化処理−急冷−強冷間加工−時
効処理という従来の工程を用いた合金は材料特性が本発
明法(1)によって得られた合金よりも全最に劣り1且
つプレス成形性も悪い。
〔実施例5〕 第5表に化学成分値(!量%)示した銅基合金NQI−
Nn12をいずれも前記実施例2の製造法(1)に従っ
て製造した。得られた材料の硬度、引張強さ、伸び、導
電率、プレス成形性を測定し、その結果を第6表に示し
た。なお、これらの特性の測定方法は実施例2と同様に
行った。
第6表より2本発明法によって得られた合金は硬度、引
張強さ、伸び、ばね限界値、導電率に優れ且つプレス成
形性に優れていることがわかる。
以上のように本発明によると1強度1弾性、導電性、耐
応力緩和特性に優れ、且つプレス成形性に優れたワイヤ
ーハーネスのターミナル用銅合金が経済的に製造でき、
近年の自動車電装品の小型軽量化、配線の高密度化に十
分対応できるターミナル材料を提供するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%において、Ni;1.0〜3.0%、Ti
    ;0.1〜1.5%、ただしNi/Tiの重量百分率の
    比率が1〜10の範囲、酸素;50ppm以下、さらに
    必要に応じてZn、Mg、Ca、Be、Zr、Crから
    なる群より選択された1種または2種以上の元素を総量
    で0.01〜1.0%含み、残部がCuおよび不可避的
    不純物からなる銅基合金を、800〜970℃の温度に
    加熱後、400〜650℃の温度まで10℃/sec以
    上の冷却速度で冷却し、400〜650℃の温度で5〜
    360分間加熱保持したあと常温まで冷却することを特
    徴とするプレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の
    製造法。
  2. (2)重量%において、Ni;1.0〜3.0%、Ti
    ;0.1〜1.5%、ただしNi/Tiの重量百分率の
    比率が1〜10の範囲、酸素;50ppm以下、さらに
    必要に応じてZn、Mg、Ca、Be、Zr、Crから
    なる群より選択された1種または2種以上の元素を総量
    で0.01〜1.0%含み、残部がCuおよび不可避的
    不純物からなる銅基合金を、800〜970℃の温度に
    加熱後、400〜650℃の温度まで10℃/sec以
    上の冷却速度で冷却し、400〜650℃の温度で5〜
    360分間加熱保持したあと常温まで冷却し、次いで加
    工率30%以内の冷間加工を施したうえ、400〜60
    0℃の温度で1〜360分間加熱することを特徴とする
    プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法。
JP63140768A 1988-06-08 1988-06-08 プレス成形性に優れた高強度導電性銅基合金の製造法 Expired - Lifetime JPH0689440B2 (ja)

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