JPS6313389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軽負荷運転時に過給気を２次エアとし
て排気系に導入するようにした過給機付エンジン
の吸気装置に関する。

従来より、この種の過給機付エンジンとして
は、過給機を介設した過給通路と過給機下流の過
給通路から分岐して排気系に２次エアを供給する
２次エア供給通路との分岐部に切換弁を設け、軽
負荷運転時には上記切換弁を切り換えて過給気を
排気系に導入し、排ガスを再燃焼させて軽負荷領
域の排気ガス浄化性能を改善する一方、高負荷運
転時には圧縮行程の初期に過給を行つて充填効率
を上げるようにしたものが知られている（例え
ば、特開昭56−18024号参照）。

ところで、この種の過給機付エンジンにおいて
は、過給気の圧力上昇によりエンジンが異常回転
して破損するのを防止するため、過給気の圧力が
一定値以上になると、過給気をリリーフ弁を通し
て過給機の上流に戻す安全装置が設けられている
が、過給圧が異常上昇する等エンジンに異常が発
生したときに、上記リリーフ弁等が故障し、エン
ジンが破損したりする恐れがあつた。

本考案は従来の過給機付エンジンのより一層の
安全を図るためになされたものであつて、軽負荷
運転時に過給気を排気系に導入するようにした過
給機付エンジンにおいて、切換弁制御装置を設け
てエンジン異常時に過給通路を２次エア供給通路
に連通させることにより、過給気を排気系にバイ
パスさせて、エンジンの破損を確実に防止するよ
うにした過給機付エンジンの吸気装置を提供する
ことを目的としている。

以下、添付図面を参照して本考案を具体的に説
明する。

図において、１２はエンジンＥのピストン、１
４はクランク、１６は上記エンジンＥの燃焼室１
８に開口する吸気ポート、２０は該吸気ポート１
６を開閉する吸気弁、２２は上記燃焼室１８に開
口する過給ポート、２４は該過給ポート２２を開
閉する過給用の弁、２６は上記燃焼室１８に開口
する排気ポート、２８は該排気ポート２６を開閉
する排気弁である。

上記エンジンＥにおいては、エアクリーナ３０
下流の吸気通路３２を分岐して上記吸気ポート１
６に連通する主吸気通路３４と、途中に過給機３
６が介設されるとともに上記過給ポート２２に連
通する過給通路３８を設ける一方、これら主吸気
通路３４と過給通路３８との分岐部４０よりも上
流の上記吸気通路３２に吸入空気量を検出する空
気量検出装置４２を設け、該空気量検出装置４２
の上記出力信号をマイクロコンピユータ等により
構成されるエンジン制御装置Ａに入力し、該エン
ジン制御装置Ａにより、上記出力信号に応じて燃
料噴射弁４４の燃料噴射量を制御するようにして
いる。

上記過給機３６下流の過給通路３８には分岐部
４６を設け、該分岐部４６には、エンジンＥの排
気ポート２６に連通して排気通路４８に２次エア
を供給する２次エア供給通路５０を接続するとと
もに、切換弁５２を設けている。

上記切換弁５２は、ダイヤフラム５４により弁
体５６が切換作動されるダイヤフラム弁であつ
て、上記ダイヤフラム５４によつて分割される室
５８は大気に連通する一方、いま一つの室６０は
パイプ６２を通して後述する３方弁６４に接続さ
れている。

一方、上記過給機３６上流の過給通路３８にも
分岐部６６を設け、該分岐部６６には、エアーク
リーナ３０に連通する大気導入通路６８を接続す
るとともに、いま一つの切換弁７０を設けてい
る。

上記切換弁７０は切換弁５２と全く同一の構成
を有し、弁体７１を切換作動させるダイヤフラム
７２によつて分割される室７４は大気に連通する
一方、いま一つの室７６はパイプ６２を通して３
方弁６４に接続されている。

上記３方弁６４は、エンジン制御装置Ａから入
力する切換信号により、上記パイプ６２を主吸気
通路３４内に設けられたスロツトルバルブ７８下
流および大気への連通を選択的に切り換えるため
の弁である。

エンジン制御装置Ａには、分岐部４６下流の過
給通路３８に設けた過給圧センサ８０により検出
される過給圧信号、エンジンＥの温度を検出する
エンジン温度センサ８２により検出されるエンジ
ン温度信号、および排気通路４８の途中に設けら
れた排気ガス浄化装置８４の温度センサ８６によ
り検出される排ガス温度信号を入力している。

上記エンジン制御装置Ａは、エンジンＥの軽負
荷運転時には、パイポ６２をスロツトルバルブ７
８下流の主吸気通路３４に連通させ、また、エン
ジンＥの高負荷運転時には、パイプ６２を大気に
連通させるように３方弁６４を切換制御する一
方、上記過給圧信号、エンジン温度信号もしくは
排ガス温度信号の少くとも一つが予め定めた設定
値を超えたときは、パイプ６２を強制的に、スロ
ツトルバルブ７８下流の主吸気通路３４に連通さ
せるように上記３方弁６４を切換制御する。

上記エンジンＥの過給機３６が介装された過給
通路３８には、安全装置として上記過給機３６の
下流と上流とを結合する過給気のリリーフ通路８
８を設けて該リリーフ通路８８の途中に、過給圧
が一定以上の値になると開くリリーフ弁９０を設
けており、また、２次エア供給通路５０にはエア
コントロールバルブ９２を設けている。

上記のようにすれば、エンジンＥの軽負荷運転
中は、３方弁６４はパイプ６２をスロツトルバル
ブ７８下流の主吸気通路３４に連通させるが、ス
ロツトルバルブ７８下流は負圧となつているた
め、切換弁５２のダイヤフラム５４および切換弁
７０のダイヤフラム４２が夫々バネ５４ａおよび
７２ａのバネ力に抗して変位し、これにより、弁
体５６および７１が分岐部４６および６６に夫々
開口する過給通路３８，３８の端面を夫々閉塞す
る。

このため、エンジンＥには過給機３６による過
給は行われず、上記過給機３６は大気導入通路６
８から取り入れたエアを２次エア通路５０から排
気通路４８に供給し、排ガスを再燃焼させる。

一方、エンジンＥの高負荷運転中は、３方弁６
４はパイプ６４を大気に連通させるため、切換弁
５２の弁体５６および切換弁７０の弁体７１は、
バネ５４ａおよび７２ａのバネ力により、分岐部
４６に開口する２次エア通路５０の開口端および
分岐部６６に開口する大気導入通路６８の開口端
を夫々閉塞する。

このため、エンジンＥには、過給機３６による
過給が行われる。

今、エンジンＥが高負荷運転されている上記状
態において、過給機３６下流の過給圧が設定値よ
り高くなると、通常は、リリーフ弁９０が開いて
過給気は通路８８を通して過給機３６の上流にも
どり、過給気圧の上昇によるエンジンＥの破損は
防止されるが、このとき、上記リリーフ弁９０が
故障していると、エンジン制御装置Ａは過給圧信
号の異常を検出して３方弁６４を切り換える。

この切換により、パイプ６２はスロツトルバル
ブ７８下流の主吸気通路３４に連通し、切換弁５
２および７０はエンジンＥの軽負荷回転時の状態
に切り換えられ、エンジンＥには過給は行われな
い。

また、このような切換動作はエンジン温度が異
常に高くなつた場合あるいは排気ガス温度が異常
に高くなつた場合にも行われ、エンジンの信頼性
が保証される。

なお、上記実施例において、エンジンＥの異常
は、過給気圧、エンジン温度もしくは排ガス温度
の他に、吸入空気量等のエンジン異常の検出が可
能なパラメータによつても検出することができ
る。

以上、詳述したことからも明らかなように、本
考案は、軽負荷運転時に過給気を排気系に導入す
るようにした過給機付エンジンにおいて、エンジ
ン異常時に過給通路を２次エア供給通路に強制的
に連通させて過給を停止するようにしたから、既
存の切換弁を使用して効果的な安全対策を施すこ
とができ、エンジンの信頼性が大巾に向上する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る過給機付エンジンの吸気装置
の一実施例の説明図である。 ３２……吸気通路、３４……主吸気通路、３６
……過給機、３８……過給通路、４６……分岐
部、５０……２次エア通路、５２……切換弁、６
４……３方弁、Ａ……エンジン制御装置、Ｅ……
エンジン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主吸気通路と過給機を介設した過給通路と上記
   過給機下流の過給通路から分岐して排気系に２次
   エアを供給する２次エア供給通路とを備える一
   方、上記過給通路と２次エア供給通路との分岐部
   に切換弁を備え、軽負荷運転時に過給気を２次エ
   アとして排気系に導入するようにした過給機付エ
   ンジンにおいて、エンジンの異常を検出して上記
   切換弁を切り換える切換弁制御装置を設け、エン
   ジン異常時に上記過給通路を２次エア供給通路に
   連通させるようにしたことを特徴とする過給機付
   エンジンの吸気装置。