JPS6313174B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真フイルム走査装置に関し、更に
詳しくは露光制御に必要な濃度情報を写真フイル
ムから読み出すための写真フイルム走査装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

一般的な写真プリンタは、ネガ像のLATD
（Large Area Transmitance Density）に基づ
いて焼付光量を制御しているが、このLATDで
は濃度欠陥や色欠陥等を持つたコマに対しては、
濃度及びカラーバランスを良好に仕上げることが
できない。これらの欠陥を有するコマを自動的に
判定し、それに対する露光補正量を自動的に算出
するには、LATDだけではなく各種特性値、例
えば最大濃度、最小濃度、コントラスト等をネガ
像から収集することが必要である。なお、この各
種特性値を用いて露光補正量を算出する点につい
ては、特願昭50−100454号の明細書に記載されて
いる。

前記ネガ像から濃度情報を読み出すために、写
真フイルム走査装置が用いられる。従来の写真フ
イルム走査装置としては、CRTフライングスポ
ツトスキヤナーを用いたもの、受光器を多数並べ
てこれにネガ像を投影するもの、あるいは測定ス
ポツトに対応する小穴をあけた回転円板にネガ像
を投影し、これを透過した光量を測定するもの等
が知られている。

また、１個のスキヤンスリツトと、複数のスポ
ツト規定スリツトを一定ピツチで形成した回転円
板とを用い、２個のスリツトの交点を通つた光を
光検出器で測定し、この測定値から濃度情報を求
めるようにした装置も知られている（特開昭51−
63673号公報）。この装置では、プリント開口に向
かつて移送中の写真フイルムを光源で照明し、写
真フイルムの移送方向（副走査方向）と直交する
方向（主走査方向）に伸びた１個のスキヤンスリ
ツトから、写真フイルムの透過光が取り出され
る。回転円板は、スキヤンスリツトの像を光検出
器に向けて投影する光学系の途中に設けられてお
り、スポツト規定スリツトがスキヤンスリツトの
像と直交したままでこれに沿つて移動するように
回転するから、これらのスリツトの交点を通過し
たスポツト光が取り出されて光検出器で測光され
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

写真フイルムには、135フルサイズ、135ハーフ
サイズ、126サイズ、110サイズ等各種の画面サイ
ズが存在しているが、前述した従来の装置では画
面サイズに関係なく、同じ大きさの測定スポツト
で測定しているため、画面サイズが小さいもので
は測定個数が少なくなり、高精度の測定を行うこ
とができなかつた。

〔発明の目的〕

本発明は、測定スポツトのサイズを画面サイズ
に応じて変更することができるようにした写真フ
イルム走査装置を提供することを目的とするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本発明は、主走査
方向に伸びた複数のスキヤンスリツトからなり、
各スキヤンスリツトは写真フイルムの画面サイズ
に応じた長さ及び幅を有し、写真フイルムに近接
して配置されたスリツト群と、このスリツト群の
像を光検出器に投影する光学系と、光学系の途中
に配置され、スリツト群の像を長手方向に移動さ
せるミラースキヤナーと、スリツト群の像と直交
するように、ミラースキヤナーと光検出器との間
に配置され、この直交する部分の幅が変化したス
ポツト規定スリツトと、スリツト群のうち選択さ
れた１個のスキヤンスリツトを写真フイルムを介
してライン状に照明する照明手段と、スキヤンス
リツトの幅に応じて、写真フイルムの送り又はミ
ラースキヤナーの回動速度を制御して、副走査方
向での走査ピツチを変更する手段とを設けたもの
である。

〔作用〕

写真フイルムの画面サイズに応じて、スリツト
群の中から１個のスキヤンスリツトを選択し、副
走査方向に移送される写真フイルムを介して照明
手段でライン状に照明する。この写真フイルム及
びスキヤンスリツトを通過した光は、これと直交
する方向に配置したスポツト規定スリツトに達
し、これらの交点を通つた光だけが光検出器に入
射する。ミラースキヤナーは、スポツト規定スリ
ツトに投影されたスキヤンスリツトの像をその長
手方向に移動させるから、二種類のスリツトを通
過する点の位置が変化し、それによつて写真フイ
ルムが主走査方向に走査される。

前記スキヤンスリツトは、画面サイズに応じて
幅及び長さが異なつたものが用意されており、ま
たスポツト規定スリツトはスキヤンスリツトの像
と交差する部分がスキヤンスリツトの幅に応じて
変化しているため、測定スポツトの大きさを画面
サイズに応じて変えることができ、また選択した
スキヤンスリツトの幅に応じて、写真フイルムの
連続送り速度もしくは間欠送り量、又はミラース
キヤナーの回動速度を制御することで、画面サイ
ズが異なつてもほぼ一定個数の測定データを得る
ことができる。もちろん、写真フイルムの送り速
度とミラースキヤナーの回動速度の両方を同時に
制御して、副走査方向の走査ピツチを変更するこ
ともできる。

以下、図面を参照して本発明の一実施例につい
て詳細に説明する。

〔実施例〕

ライン状照明手段１０は、ランプ１１と写真フ
イルム１２をライン状に照明するための光フアイ
バー束１３とから構成されている。この光フアイ
バー束１３は、多数の光フアイバーからなり、そ
の入射端がまるめられてホルダー１４に嵌め込ま
れ、ランプ１１に対向するように配置されてい
る。また、光フアイバー束１３の射出端は、細長
の角筒１５に嵌め込まれており、この角筒１５が
写真フイルム１２を介してスキヤンスリツト１６
に対面するように配置されている。このスキヤン
スリツト１６は、プリント開口（図示せず）の手
前に位置し、写真フイルム１２の移送方向（副走
査方向）と直交する主走査方向に細長く伸びてい
る。

前記スキヤンスリツト１６と同一平面上で適当
な間隔を保つてスキヤンスリツト１７〜１９がそ
れぞれ配置されている。これらのスキヤンスリツ
ト１６〜１９は、写真フイルムの通路の下面に位
置し、画面サイズに応じた幅と長さに設定されて
いる。例えば、スキヤンスリツト１６は135フル
サイズの測定に用いられ、そしてスキヤンスリツ
ト１７は126サイズに、スキヤンスリツト１８は
110サイズに、スキヤンスリツト１９は135ハーフ
サイズに用いられる。これらのスキヤンスリツト
１７〜１９に対しても、光フアイバー束（図示せ
ず）が対向するように配置されている。

前記複数の光フアイバー束は、写真フイルム１
２の画面１２ａのサイズに応じて１個だけが選択
され、そして選択されない光フアイバー束は光が
シヤツトされる。この光のシヤツトは、例えば各
光フアイバー束の入射端にシヤツタを設けること
により、あるいは各光フアイバー束毎にランプを
設けた場合には、ランプを選択的に点灯させるこ
とにより行うことができる。

前記スキヤンスリツト１６〜１９の下方には、
回転軸２２ａを中心にして矢線方向に往復回動す
るガルバノミラー２２が設けられており、ここで
横方向に反射された光がレンズ２３を通つてスポ
ツト規定スリツト２４に投影される。このスポツ
ト規定スリツト２４は、スキヤンスリツト１６〜
１９の像１６ａ〜１９ａと直交するように配置さ
れている。また、スポツト規定スリツト２４は、
スキヤンスリツト１６〜１９の幅に対応するよう
に、位置によつて幅が変化しており、それにより
画面サイズが変化しても、測定スポツトの大きさ
を画面サイズに対して一定の比率のものとするこ
とができる。

前記ガルバノミラー２２が往復回動すると、ス
キヤンスリツト像１６ａ〜１９ａが、スポツト規
定スリツト２４と直交する方向に移動するから、
写真フイルム１２の画面１２ａが主走査方向に走
査される。そして、写真フイルム１２は、周知の
移送手段で副走査方向に移送されているため、画
面１２ａの全域を走査することができる。この主
走査と副走査とを正しく行うためには、一回の主
走査が終了したときに、選択されたスキヤンスリ
ツトの幅だけ移送されるように、ガルバノミラー
２２の回動速度と、写真フイルム１２の移送速度
とを対応させておくことが必要である。更に、ガ
ルバノミラー２２は、画面サイズ毎に振幅と回動
速度とを適切にコントロールすることも必要であ
る。

前記スポツト規定スリツト２４を通つた光は、
光検出器２５に入射して光電変換される。なお、
光検出器２５の出力信号は、周知のようにＡ／Ｄ
変換器でデジタル変換され、そして対数変換器で
濃度信号に変換される。このデジタル変換時に、
画面サイズに応じた同期信号を発生させ、この同
期信号でサンプリングしてこれを量子化すること
が必要である。また、光検出器２５にスポツト光
が入射する位置を一定とするために、スポツト規
定スリツト２４と光検出器２５との間に、フイー
ルドレンズを入れることが望ましい。

次に、上記実施例の作用について説明する。プ
リントすべき写真フイルムの画面サイズに応じて
スキヤンスリツトを選択し、これに対応する光フ
アイバー束に照明光を入射する。例えば135フル
サイズの場合には、光フアイバー束１５を選択
し、これにランプ１１の光を入射し、写真フイル
ム１２を介してスキヤンスリツト１６を照明す
る。このライン状に照明された光は、写真フイル
ム１２を透過してからスキヤンスリツト１６を通
過する。このスキヤンスリツト１６を通過した光
は、ガルバノミラー２２、レンズ２３を経て、ス
ポツト規定スリツト２４に投影され、そしてこの
スポツト規定スリツト２を通過した光だけが光検
出器２５に入射して光電変換される。ここで、ガ
ルバノミラー２２は往復回動しているから、スキ
ヤンスリツト１６の像１６ａがその長手方向に移
動し、スポツト規定スリツト２４と交差する部分
が変化する。したがつて、ガルバノミラー２２の
回動位置によつて、光検出器２５に入射するスキ
ヤンスリツト像１６ａの部分が変化するから、ス
キヤンスリツト上の写真フイルム１２が主走査方
向に走査されることになる。

写真フイルム１２の１回の主走査が終了する
と、写真フイルム１２がスキヤンスリツト１６の
幅だけ送られて再び主走査が行われる。こうし
て、写真フイルム１２の画面１２ａの全域が走査
されて濃度情報が読み出される。

写真フイルム１２の光学走査によつて得られた
濃度情報から種々の特性値を抽出し、濃度欠陥や
色欠陥を有するコマの露光補正量を算出する。そ
して、このコマがプリント開口に送られてプリン
トされる際に、LATDから求めた露光基本量と、
露光補正量とを用いて焼付光量を制御し、色欠陥
や濃度欠陥を持つたコマに対しても、濃度及びカ
ラーバランスが良好となるようにプリントする。

画面サイズが異なつた写真フイルムをプリント
する場合、例えば110サイズの写真フイルムをプ
リントする場合には、スキヤンスリツト１８を選
択してライン状に照明する。この場合には、スポ
ツト規定スリツト２４には、スキヤンスリツト像
１８ａが投影され、これらの交点の光が光検出器
２５に入射する。ここで、スキヤンスリツト像１
８ａは、スポツト規定スリツト２４の幅が狭い部
分に投影されるから、測定スポツトの大きさが小
さくなり、また写真フイルムの副走査方向の送り
も小さくなる。したがつて、画面サイズが小さく
なると、これに応じて小さな測定スポツトで走査
されるから、画面サイズに関係なく、ほぼ一定個
数の濃度情報を収集することができる。

なお、プリンタ組込み用の例について説明した
が、本発明は判定機単体としても利用することが
できるものである。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明によれば、
写真フイルムの画面サイズに応じて幅及び長さが
異なつた複数のスキヤンスリツトを写真フイルム
に近接して設け、これに対応して場所によつて幅
が変化したスポツト規定スリツトをミラースキヤ
ナーと光検出器との間に配置したから、画面サイ
ズが変化しても、測定スポツトの大きさを画面サ
イズに対して一定の比率にすることができる。し
たがつて、画面サイズが変化しても一定数の濃度
情報を収集することができるから、高精度の測定
を行うことができる。また、任意の画面サイズに
ついて、画面全体に対する測定点の位置、間隔等
の対応づけが極めて容易であるという利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図であ
る。 １０……ライン状照明手段、１１……ランプ、
１２……写真フイルム、１３……光フアイバー
束、１６〜１９……スキヤンスリツト、１２……
ガルバノミラー、２４……スポツト規定スリツ
ト、２５……光検出器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 写真フイルムを副走査方向に移送して、これ
   と直交する主走査方向に写真フイルムの画面を光
   学的に走査する写真フイルム走査装置において、 前記主走査方向に伸びた複数のスキヤンスリツ
   トからなり、各スキヤンスリツトは写真フイルム
   の画面サイズに応じた長さ及び幅を有し、写真フ
   イルムに近接して配置されたスリツト群と、 前記スリツト群の像を光検出器に投影する光学
   系と、 前記光学系の途中に配置され、スリツト群の像
   を長手方向に移動させるミラースキヤナーと、 前記スリツト群の像と直交するように、ミラー
   スキヤナーと光検出器との間に配置され、この直
   交する部分の幅が変化したスポツト規定スリツト
   と、 前記写真フイルムの画面サイズに応じて選択さ
   れた１個のスキヤンスリツトを写真フイルムを介
   してライン状に照明する照明手段と、 前記選択したスキヤンスリツトの幅に応じて、
   写真フイルムの送り又はミラースキヤナーの回動
   速度を制御して、副走査方向での走査ピツチを変
   更する手段とからなることを特徴とする写真フイ
   ルム走査装置。 ２ 前記照明手段は、多数の光フアイバーの射出
   端を細長に配列するとともに、入射端を円形にま
   とめた複数の光フアイバー束を含み、各光フアイ
   バー束の射出端がスリツト群の各スキヤンスリツ
   トに対向するように配置されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の写真フイルム走
   査装置。