JPS6312954Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本願考案は牛豚肉、魚肉等の如く食品材料（加
工物）に適当な深さの切れ目を確実に形成する溝
板に関する。

「従来の技術」 イカその他の魚貝類、肉類等の調理に当つて
は、柔みを出し、見た目の良さを作出し、あるい
は熱の通りを良くするために、平行のないし交錯
する切れ目（筋目）を入れることがある（鹿の子
切り、花切り）。

そして、冷凍食品、インスタント食品等の製造
過程ないしレストラン等大量にその切れ目入れ作
業を行なう必要がある場合のために、その作業を
機械的に行なう装置が種々考えられている。

例えば、一定の間隔を置いて対置したロールカ
ツターと受ロールとの間に加工物を送り込み、ロ
ールカツターで切れ目を入れるとか、ベルトで搬
送されてくる加工物にスライドする刃で切れ目を
入れるとかいつたものである。（実公昭26−5270
号公報および特公昭57−53045号公報参照） これら従来の装置においては、いずれも刃と受
ロール、ベルト等との間が一定間隔で設定されて
いて、加工物の形状に対応してその都度間隔が変
化するような工夫はなされていない。

したがつて、中盛形状のものが多いイカ等の加
工物の場合、従来の装置によつて切れ目入れ加工
をすると、肉厚部は深い切れ目ができるが、肉薄
部は浅い切れ目しかできず、ときには切れ目がで
きないこともある。

このような場合は外観上中途半端な感じがする
だけでなく、切れ目に沿つて肉が反り上がるとい
う花切りの効果も生じない。

この欠点を解消すべく抑止板が開発された。
（第８図、第９図参照） しかし、該抑止板１は長方形状のメタルプレー
トに回転刃の必要部分のみを露出させるための長
孔２が形成されているのみであるから、押圧部材
にて加工物が押圧されると、弾力性にとむメタル
プレート１の中央部分が撓み（彎曲する）、浅く
切り込まれるところと深く切り込まれるところが
できる。

したがつて、不揃いに切り込まれた加工物はそ
の商品価値が低下するため実用的でない。（実公
昭59−8549号公報参照） 「考案が解決しようとする問題点」 本考案の技術的課題は加工物の原薄、形状の大
小変化に関係なく均一に切れ目が形成されるので
外観が一段とよくなり商品価値を高める溝板を提
供することにある。

「問題点を解決するための手段」 上記技術的課題を達成する本考案の構成すなわ
ち技術的手段は次の通りである。

丸刃カツターとガイドローラ間に溝板を設けて
なる肉類等加工装置において、該溝板は複数のバ
ー材を用いて形成した長方形状フレームと、該長
方形状のフレームの長手方向に所要間隔で溶着し
た間隔片とから構成されることを特徴とする肉類
等加工装置における溝板にある。

「作用」 回転中の丸刃カツターとガイドローラ間に被加
工物を処理台の一方より流すと、被加工物はガイ
ドローラと溝板との間に挾持されながら前進し、
他方へ送られると同時に溝板の間隔片により形成
される溝より露出する刃先により切れ目が正確に
形成される。

「実施例」 以下図に基いて本考案の一実施例を説明する。

１０は架台、１１は架台の先端に取付けた流
し、２０は架台１０の上部に取付けた処理台、該
処理台２０は回転軸２１を枢軸として処理台昇降
ねじ２２の調整により架台１０に対し上下動させ
ることができる。

２３は処理台２０のほゞ中央に嵌め込まれた溝
板で、該溝板２３は複数のバー材すなわち長い板
２３１と短い板２３２を溶接の如く手段を用いて
接合a.a…して長方形状のフレームを形成し、さ
らに該長方形状のフレームの長手方向に沿つて巾
狭肉厚プレート２３４をそれぞれ内側溶接の如き
手段を用いて接合b.b…し、該巾狭肉厚プレート
２３４．２３４間に該プレートに直角に所要間隔
をおき間隔片すなわち肉厚帯状片２３５．２３５
…を溶接の如き手段を用いて接合c.c…して多数
の溝２４が形成される。

２５．２５…は溝板２３の取付孔、２６はビス
である。

３０は丸刃カツターで、該カツター３０は架台
１０のフレームに支承されたシヤフトにスペーサ
ーを介して多数丸刃３１．３１…が保持されてお
り、該丸刃３１はその刃先が溝板２３の肉厚帯状
片２３５．２３５…によつて形成される溝２４．
２４…から処理台２０上に突出するように配置さ
れている。

４０は非弾性材料より構成されるガイドロー
ラ、４１は該ガイドローラ４０に形成された環状
溝、４２は該ガイドローラを支持する支持枠、４
３はガイドローラの支持枠４２の一端を支承する
中間シヤフト、４４はガイドローラ４０の昇降ね
じである。

ガイドローラ４０は中間シヤフト４３を枢軸と
して、ガイドローラ昇降ねじ４４の調整により、
架台１０に対し上下動させ、ガイドローラ外周面
と丸刃カツターの刃先との間隔を調整でき、ま
た、丸刃カツターの刃先を環状溝４１内に嵌入さ
せることができる。

図面中符号５０は丸刃カツター３０とガイドロ
ーラ４０を回転せしむるモータ、６０は加工され
るかである。

作用について まず、いかの表面に切れ目を形成するさいは、
処理台２０の昇降ねじ２２を調整して処理台２０
とともに溝板２３を上昇若しくは下降せしめ、該
溝板２３上の丸刃３１．３１…の刃先の出具合、
すなわち、いかの切れ目深さに相当するように加
減する。

また、ガイドローラの昇降ねじ４４の調整して
ガイドローラ４０を上下動させ、ガイドローラ４
０と溝板２３との間隔をいかの厚薄にあわせて調
整する。

次いで、モータ５０で丸刃カツター３０とガイ
ドローラ４０を回転させ、いか６０を処理台２０
の一方より流すと、いか６０はガイドローラ４０
と溝板２３との間に挾まれながら前進し、他方へ
送られると同時に溝板２３の溝２４より露出する
刃先により切れ目が形成される。

「考案の効果」 上記技術的手段により、ガイドローラと溝板間
に送り込まれる肉厚の不均一な加工物はガイドロ
ーラにより強く押圧されることにより、溝板を押
圧するも、強力な溝板は撓むことがなく水平状態
が保持されるので、加工物に切れ込む量（深さ）
に変ることがない。

したがつて、加工物の肉厚、変形に何等左右さ
れることなく均一切れ目が形成され、しかるの
ち、適宜サイズに切り、これが煮沸された加工
物、例えばむらさきいかの外観にむらがなく、商
品価値を高めることができる。

また、いかの塩から珍味等を作るさいは前記処
理台の昇降ねじ２２を調整して溝板２３を降下せ
しむるとともにガイドローラ４０の昇降ねじ４４
を調整して該ガイドローラ４０を降下せしめ、第
６図および第５図イに示すように丸刃３１．３１
…をガイドローラ４０の環状溝４１内に嵌入させ
る。

しかるのち、丸刃カツター３０とガイドローラ
４０を回転させいかを一方から流すと、いかはガ
イドローラ４０と溝板２３との間に挾まれながら
他方へ送られ、同時に丸刃３１．３１…により細
く截断される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の溝板を組付けた生いか切れ目
カツターの全体斜視図、第２図は本考案の溝板の
裏面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４
図は本考案の溝板を組付けた生いか切れ目カツタ
ーのチエーンカバーを取外した状態を示す側面
図、第５図はガイドローラを昇降ねじによつて上
昇させた状態を示す断面拡大図、第６図は第４図
Ｂ−Ｂ線断面図、第７図は生いかを溝板とガイド
ローラとの間を通過させ、溝板上に出た丸刃カツ
ターの刃先で生いかを加工する状態を説明する斜
視図、第８図は公知の溝板（抑止板）の平面図、
第９図は第８図のＣ−Ｃ線断面図である。 ２３：溝板、２３５：間隔片、３０：丸刃カツ
ター、４０：ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架台に支承されたシヤフトと、該シヤフトには
   スペーサーを介して多数の丸刃が保持されている
   丸刃カツターと、該丸刃カツターと略平行にし
   て、かつその上方処理台に支承されたガイドロー
   ラと、該ガイドローラと前記丸刃間に溝板を設け
   てなる肉類等加工装置において、該溝板は略長方
   形状のフレームの長手方向に所要間隔をおいて帯
   状片が固着されていることを特徴とする肉類等加
   工装置における溝板。