JPS63128198A - 塗料密着性、耐蝕性にすぐれた複合めつき金属材およびその製造方法 - Google Patents

塗料密着性、耐蝕性にすぐれた複合めつき金属材およびその製造方法

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JPS63128198A
JPS63128198A JP27352586A JP27352586A JPS63128198A JP S63128198 A JPS63128198 A JP S63128198A JP 27352586 A JP27352586 A JP 27352586A JP 27352586 A JP27352586 A JP 27352586A JP S63128198 A JPS63128198 A JP S63128198A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な電気めっき皮膜を有する複合めっき金属
材及びその製造方法に係る。
更に詳しくは、塗料密着性、裸耐蝕性、塗装後耐蝕性、
溶接性、プレス加工性等の緒特性にすぐれた新規な有機
高分子複合電気めっき皮膜を有する塗料密着性、耐蝕性
にすぐれた複合めっき金属材及びその製造方法に関する
〔従来の技術〕
従来、金属表面、特に鋼板表面に美観および耐蝕性を付
与するため亜鉛や亜鉛合金めっきが広く行われている。
なかでも最近自動車用鋼板は融雪塩散布によって自動車
の使用環境が厳しい状況下にあるため防錆対策からこの
亜鉛系めっきが施される割合が急増している。これらの
めっき金属材は、耐蝕性の増加および装飾性付与等の目
的から、めっきの上に塗装して使用されることが多い。
ところが亜鉛および亜鉛合金めっき等の金属めっき表面
は一般に塗料密着性が悪いため塗装に先立って塗装下地
処理が施されるのが普通である。その方法は各種検討さ
れ実用化されており、代表例としてはリン酸塩処理法や
クロム酸溶液によるクロメート処理法などの化学的な処
理(化成処理)と、サンドブラスト、グリッドブラスト
等により表面に凹凸を付与する物理的処理等とがある。
これらの方法はいずれも有効接着表面積の増加やアンカ
ー効果を主に期待するものでいわゆる表面形態のコント
ロール技術である。
また一方では塗装下地処理を必要としないめっき皮膜も
検討されている。例えばめっき浴中に水不溶性樹脂を分
散して共析させる分散めっき方法(米国特許第3434
942号および同第3461044号)があり、この方
法は樹脂複合により皮膜の塗料との親和性の増加を期待
したものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるにリン酸塩処理やクロメート処理などの化成処理
は工程管理・公害防止上の点から問題が多い。即ちリン
酸塩処理は、亜鉛系めっき金属材の塗装下地処理として
は最も多く使用されているが、工程の長さく6〜9ステ
ツプ)や浴管理の煩雑、さばかりではなく、大量に発生
するスラッジや廃液処理などの点で制約・問題が多い。
一方クロメート処理はクロムの毒性および排水処理に難
点をもつばかりでなく、塗料密着性が必ずしも良好でな
いという本質的欠点を有している。
またこのような化学的処理によって被覆した無機酸化物
層は高度なプレス加工に耐えないという欠点を有してい
る。
サンドブラスト等による物理的処理はアンカー効果を充
分に発揮するまでの微細かつ複雑な凹凸を広範囲にわた
って付与することが困難である。
水不溶性樹脂の分散めっき法は注目すべき技術であるが
、樹脂粒子の均一分散安定化が難しく、スケールアップ
が極めて困難、即ち大面積の銅帯に均質なめっきを施す
のが難しい点や、塗料密着性が必ずしも充分でない、プ
レス加工性が悪いなど物性の点でも問題が多い。
上述の如く、現行技術ではめっき性能、塗装下地処理技
術とも不完全でありながら、工業的ニーズとしては、特
に自動車ボディーに使用される防錆鋼板には、近年耐久
年数の増加から高度な塗料密着性や防錆性に優れた防錆
鋼板が強く求められている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は従来の電気めっき皮膜特に亜鉛系めっき皮膜、
更には塗装下地処理のもっている欠点を鑑み、塗装下地
処理を施さなくとも充分塗料密着性に優れ、かつ耐蝕性
、溶接性、プレス加工性にすぐれた多機能めっき皮膜の
完成を意図したものである。即ち、本発明は従来の合金
元素の調整とか、化成処理およびブラスト処理などの塗
装前処理の改良といった従来の発想から離れて、めっき
表面の理想的化学特性および理想的表面形態(表面の凹
凸、結晶粒子径およびその形)を鋭意検討した結果、あ
る特定の化学構造を有した水溶性有機高分子を用いて結
晶粒子径およびその形態をコントロールし、かつこれら
の水溶性有機高分子をめっきマトリックス中に複合す、
れば上記目的を極めて容易に達成できることを見い出し
、ここに完成をみたものである。
即ち、本発明は、めっき皮膜中に、重量平均分子量が1
000〜100万のヒドロキシスチレン系重合体または
これらの誘導体からなる水溶性有機高分子の1種以上を
めっき全重量に対し0.05〜30重量%含有する電気
めっき皮膜を金属材表面に有することを特徴とする塗料
密着性、耐蝕性にすぐれた複合めっき金属材及びその製
造方法に係わるものである。
その特徴とする点は 1)水溶性有機高分子の基本骨格(芳香環、水酸基)、
極性基の種類(スルホン基など)、分子lit (10
00〜100万)等の作用およびめっき浴への添加量と
めっき条件とを選択することによって、めっき結晶粒子
径および形態コントロール(微細化および凹凸化)を行
い接着有効面積の増加を計り塗装下地表面に好適な表面
としたこと。
2)1)に記載の特定の有機高分子の適量と金属とを、
分子レベルで複合化(モレキュラーコポジフト)させ、
めっき表面の形態の効果に加えて更にめっき表面と塗料
との親和性、反応性(結合性)を高め、また複合した有
機高分子の作用によって防錆性、溶接性を高めた点であ
る。
本発明は特に次の一般式(A) (式中;m≧Q、n≧3でそれぞれ一般式(A)の有機
高分子の重量平均分子量が100万になるまでの任意の
数、 ;0≦に≦2゜ ;0≦p≦2゜ ;ただしl(+p+m>Q。
、p+、、R3はHまたは炭素数1〜5のアルキル基、
;Xは重合性のビニル系単量体1 、 y、zは同種または異種であり、かつ503M、 
 CHz  SOJ 、  Y’、  0(Jlil(
OR’) 、         (OR9)−CH2−
0−P<・w)、   −(C1h)−P (・w)q
(R11)t−、、(RIo)z−、。
R目 I I3 − CH20H から選ばれるものであって、〔式中 ;阿はH,アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはア
ミン類などの有機カチオン1 、yl、 y4はハロゲン ;YZ−〜Y3−はハロゲイオン、有機酸アニオン、無
機酸アニオンなどの対イオン ;−はSまたはO 、R4−Rhは同種または異種であって直鎖または分岐
鎖アルキル基あるいはヒドロキシアルキル基等のアルキ
ル基誘導体または芳香族基、またはR4とR5はN基と
で環を形成していてもかまわない。さらにR6はHをと
り得る。
、R?〜RI3は同種または異種であって、直鎖または
分岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル基等の
アルキル誘導体基、芳香族基、またはH ;q、s、t、uはOまたは1 ;rは0,1または2を示す〕) で表される水溶性有機高分子を用いれば特にすぐれた塗
料密着性、耐蝕性等にすぐれる複合めっき金属材が得ら
れることを見い出したものである。
上記一般式(A)において、m、  n、  k、  
pはそれぞれ整数とは規定せず、ある一定の範囲の任意
の数(実数)である。重合体を構成する単量体について
考えるならば、k、pは当然整数であり、構成単位のブ
ロックごとに考えるならば、mは整数であり、そして分
子ごとに考えるならば、nは整数である。しかしながら
重合体はその本質において、混合物であり、そして重合
体の性質はその混合物の性質としてとらえる方が、その
個々の構成単位を問題にするよりも正しい。従って、本
発明において、式(A)は平均組成として表示しである
上記一般式(A)で表されるヒドロキシスチレン系有機
高分子は、一般式(八)においてYまたはZで表される
ような置換基を有するかあるいは有しないところの、ヒ
ドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール(ヒドロ
キシ−α−メチルスチレン)あるいはヒドロキシ−α−
エチルスチレン等の単独重合体、これら同志の共重合体
あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量体と他の重
合性のビニル系単量体(X)との共重合体であり得る。
重合単位のヒドロキシスチレンあるいはイソプロペニル
フェノールなどはオルソ体、メタ体、パラ体あるいはこ
れらの混合物であってもよいが、パラ体あるいはメタ体
が好ましい。
また共重合体である場合の他のビニル系単量体の例とし
ては、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、メチ
ルメタアクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、イタコン
酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル
ギンエチルフォスフェート、アクリルアミド、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル
ニトリル、マレイミド、ビニルピリジン、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、フマル酸エステルある
いは各種有機酸のビニルエステルなどが挙げられる。ま
たこの場合におけるヒドロキシスチレン単位あるいとイ
ソプロペニルフェノール単位などのヒドロキシスチレン
系単位と他のビニル系単量体との割合はモル比で1 /
10〜20/lまでが適当である。またヒドロキシスチ
レン系単位の置換基−5o:IMまたは−CH2−SO
,Mにおける門のアルカリ金属またはアルカリ土類金属
としてはLi、 Na。
K+ Mg、 Ca、 Sr+、 Ba等が適当である
。スルホン基の導入は発煙硫酸または無水硫酸などをス
ルホン化剤として用いる通常のスルホン化法により達成
できる。またヒドロキシスチレン系単位におけるR4−
R6は同種または異種であって、炭素数1〜36の直鎖
または分岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル
基、アミノアルキル基、ホスホアルキル基、メルカプト
アルキル基等のアルキルjA 5体基、または炭素数1
〜16の直鎖、分岐鎖アルキル基で置換されたベンジル
基等の芳香族基等の中から選択されるもので、前記化合
物(A)が水溶性でなくなるまでの炭素Sr(を有する
ものである。またR4とR5は環を形成していてもかま
わない。従って好ましくは、直鎖または分岐鎖アルキル
基、ヒドロキシアルキル基、あるいは炭素数1〜5の直
鎖または分岐鎖アルキル基で置換された芳香族基が挙げ
られる。上記第3級アミノ基の導入は、例えばジアルキ
ルアミンとホルムアルデヒドとを用いるマ得られる。
また水溶性を向上させるためにはアミン部分を中和する
有機または無機酸が使用される。この目的に有用な酸は
酢酸、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、フェニル
ホスホン酸、クロルメチルホスホン酸、モノ、ジ、およ
びトリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、リン酸、
塩酸、ホウ酸、硝酸、沸化水素酸、ヘキサフルオロケイ
酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニ
ウム酸が挙げられる。これらを単独あるいは混合して用
いてもよい。
第4級アンモニウム塩基の導入は、例えば上記第3級ア
ミノ化物に対するハロゲン化アルキルによるメンシュド
キン反応により容易に■ (CHz  N  R6・Y−)が得られる。
R5゜ またヒドロキシスチレン系単位の置換基(OR7)。
−(CII2)、−0−P  (=z)a   (C)
(R”)z−r (OR9)。
■ −(C1h)t −P (=z)q     (o)(
R” ) z−。
におけるR7〜RI3は同種または異種であって、H又
は炭素数1〜36の直鎖または分岐鎖アルキル基あるい
はヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプ
トアルキル基、ホスホアルキル基等のアルキル誘導体基
、または炭素数1〜16の直鎖または分岐鎖アルキル基
で置換されたフェニル基の芳香族基等の中から選択され
るものであって、前記化合物(A)が水溶性でなくなる
までの炭素鎖長さを有するものである。従って好ましく
は炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖アルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、あるいは炭素数1〜5の直鎖または分
岐鎖アルキル基で置換された芳香族基が挙げられる。式
(D)で表されるヒドロキシスチレン系重合体は例えば
特開昭53−47489号公報に示されているように、
ヒドロキシスチレン系重合体をまずハロゲン化またはハ
ロメチル化し、それに3価のリン化合物を反応(アルブ
ゾフ反応)させ、ついでそれを熱転位させることによっ
て得られる。式(C)で表されるものは、例えば特開昭
53−71190号公報に開示されているように、ヒド
ロキシスチレン系重合体をメチロール化した後にリン酸
またはリン酸エステル基導入体と反応させることとによ
って得られる。また置換基に (CHz)−P  R”・Y3  で表されるホスホニ
ラム基を含むヒドロキシスチレン系重合体の製造は例え
ば特開昭61−34444号公報に示されているように
、ハロゲン化水素とホルムアルデヒドとを作用させて、
ハロゲノメチル化(例えば−cuzct化)を行い、次
いで3価の亜リン酸エステル類を作用すれば容易に得ら
れる。更にまた、本発明で用いるヒドロキシスチレン系
重合体は任意の方法で製造されたものであり得て、その
来歴は問わない。例えば、バラヒドロキシスチレン系単
独重合体であるポリバラヒドロキシスチレンはバラヒド
ロキシスチレンをカチオン重合、ラジカル重合、有機酸
による重合、あるいは熱重合することによって容易に調
整される。有機酸による重合では重量平均分子量致方〜
数十万の重合体が得られ、熱重合では数千〜致方の重合
体が得られ、またバラアセトキシスチレンのラジカル重
合の後加水分解することにより数十万〜200万程度の
ポリパラヒドロキシスチレンが得られる。
本発明に用いることのできる水溶性有機高分子はその重
量平均分子量が1000〜100万の範囲に、好ましく
は1000〜50万の範囲に、最も好ましくは2000
〜10万の範囲に限定される。この理由は有機高分子の
分子量が本発明の効果に影響を与え、分子量が1000
未満の低分子体では大きな塗料密着効果が得られに(<
、反面分子量が100万を越えると有機高分子ではめっ
き浴への溶解性が悪くなり、めっき浴への添力旧農度に
限界が生じて問題となると同時に本発明の効果も得られ
にくくなるからである。以上めっき浴への溶解性、塗料
密着性などの機能発現の容易さを考慮すると重量平均分
子量が2000〜10万の範囲が最も好ましい。
スルホン基、リン酸基等の極性基(水酸基、芳香環は含
まない)は有機高分子のめっき浴への溶解性を与える点
、およびめっき結晶粒径の微細化、表面の凹凸化に特に
重要であり、その好ましい極性基密度の範囲は、分子量
500単位当たり平均0.1〜5個の間に、更に好まし
くは1〜3個の間にある。極性基密度が0.1未満だと
めっき浴への溶解性が悪くて問題となり、5個を越える
と得られるめっき皮膜の耐蝕性が低下して問題となるか
らである。極性基としてはスルホン基、リン含有基、ま
たはアミン基が好ましい。これらの極性基をもつものが
優れた塗料耐水密着性を示すためである。水酸基および
芳香環の存在は特に重要で、塗料密着性向上、塗料密着
性向上の点から本発明の電気めっき浴用の有機高分子に
は必須な構成成分であり、かつバルキーな方が好ましい
ので一分子中に存在する数が重要である。分子N500
単位中に含まれる水酸基の数は多いほどよく、芳香環の
数は2個以上が好ましい。水酸基は芳香環に直接置換基
としてついていた方が、その効果がよ(発揮されるので
好ましい。上記の水溶性有機高分子の分子量、構成単位
、極性基の種類と密度、主鎖の種類等の因子は本発明の
複合めっき金属材にとって本質的役割を果たす重要な因
子である。
本発明の添加剤を配合するベースの電気めっき浴として
は、一般公知のあるいは新規のめっき浴を用いることが
できるが、酸性浴が好ましい浴として使用できる。特に
亜鉛めっき浴としては、亜鉛イオンを10〜600g/
l含む公知の亜鉛めっき浴、例えば(1)硫酸亜鉛を用
いる硫酸塩浴、塩化亜鉛を用いる塩化物浴、ホウフッ化
物浴あるいはこれらの混合浴を含む一般公知の酸性浴、
(2)塩化亜鉛をアンモニアにて中和して建浴した中性
浴、(3)ピロリン酸亜鉛を用いるピロリン酸亜鉛浴、
亜鉛、水酸化ナトリウムよりなるジンケート浴、(4)
シアン化亜鉛めっき浴など一般の公知の亜鉛めっき浴が
挙げられるが、このうち(1)のものが好ましい。
また本発明の添加剤を配合するベースの亜鉛合金めっき
浴としては、上記の亜鉛めっき浴(1)〜(4)の浴に
更に合金元素として考えられる鉄、ニッケル、クロム、
コバルトマンガン、銅、錫、鉛、マグネシウム、アルミ
ニウムなどの元素の1種以上をそれぞれの塩化物、硫酸
化物、フン化物、シアン化物、酸化物、有機酸塩、リン
酸塩あるいは金属単体等の中から選択してそれぞれ1〜
600 g / II添加した亜鉛合金めっき浴を用い
ることができる。このうち(1)の浴を基本に建浴され
たものが好ましい。
めっき浴への有機高分子の添加量は0.1〜200g/
lの範囲が使用でき、好ましくは1〜100g/l、最
も好ましくは2〜50g/βの範囲が良い。その理由は
0.1g/j2未満の添加量ではめっき結晶粒子径およ
びめっき表面の凹凸化の達成が不充分で、しかもめっき
皮膜の化学的特性(例えば塗料に対する1次および2次
密着性(結合性))の改善も充分に達成されない。一方
200g/7!を超えるとめっき皮膜がもろくなってプ
レス加工時の問題を生ずるからである。
塗料の1次回着性、2次(耐水)密着性更には裸および
塗装後耐蝕性、加工性までを含めたバランスのとれた機
能を実現するには1−100g/βの添加量が好ましく
、最も好ましくは2〜50g/i!の範囲にあり、この
条件では広いめっき条件で上記機能の実現ができる。
本発明の添加剤はめっき浴として金属イオン、pH緩衝
剤、pH澗整剤の必要量含んだ最も単純なめっき浴に上
述した特定の水溶性有機高分子の1種または以上を添加
配合すればそれで充分目的が達成できる点に大きな特徴
があり、本質的にその他のめっき浴助剤の添加を必要と
しない。
それどころか防錆剤とか光沢剤、ピント防止剤、ミスト
防止剤、消泡剤などの助剤(有機化合物)を添加する場
合、これら多くの有機化合物もしくは有機高分子による
助剤、例えば、α−ナフタレンスルホン酸、イソオクチ
ルポリオキシエチレンエーテル、ゼラチン、クマリン、
プロパギルアルコールなど従来一般に使われている助剤
は、本発明に使用するめっき皮膜の本質的機能を著しく
低下させる危険があるので、使用に際してはその配合量
などに厳しい注意が必要である。しかし、本発明では本
質的機能−塗料密着性、耐蝕性など−を阻害しない範囲
で他の添加剤を併用しても差し支えない。
本発明に使用されるめっき浴は浴調整後は有機高分子が
安定に溶解・分散しているため、分散均一化のための液
撹拌の必要はな(、スケールアップも容易に行うことが
できる。めっき浴のpHおよび金属イオン濃度によって
は、用いる水溶性有機高分子の溶解性が悪くなる場合が
あるので注意を要する。
めっき条件は電流密度1〜800A/dff12、浴温
1〜80℃の範囲で製造できる。めっき浴のpHはpH
1〜12の範囲で使用できるが、酸性側の方が好ましい
。電解電流としては直流電流が好ましいが、パルス電流
あるいは特殊波形電流を用いることもできる。めっき浴
の攪拌は高速めっきを行う際は重要であり、銅帯の高速
連続めっきの場合には相対速度(板とめっき浴の)で9
0〜120m/win程度の攪拌が望ましい。
本発明に使用される有機高分子複合めっき皮膜は、水溶
性有機高分子を用いているため、共析金属との複合化が
分子オーダーで起こる点に大きな特徴を有しており、マ
クロな分散・複合化しか達成し得ない従来の水不溶性粒
子を共析させる分散めっきと本発明とではこの点で太き
(相違するものである。
また、めっき皮膜中の水溶性有機高分子の含有量はめっ
き皮膜全重量に対して0.05〜30w t%の範囲が
使用でき、好ましくは0.2〜15−t%の範囲がよい
。有機高分子の共析量が少ないとZn単体めっきに近づ
くため、塗料密着効果や防錆効果が現れに<<、□反面
多すぎるとめっき皮膜がもろくなるためプレス加工性が
低下して問題となる。塗料密着性、耐蝕性、プレス加工
性の各機能のバランスを考慮すると有機高分子の共析量
の好ましい範囲は0.2〜15−t%にあり、最も好ま
しい有機高分子の共析量は0.5〜5wt%の範囲に存
在する。
水溶性有機高分子の共析量は、高分子濃度、電流密度、
攪拌および有機高分子の電荷によって主に変化する。高
濃度、高電流密度、強い攪拌によって共析量が増加する
。また、分子骨格がほぼ同一のものであれば、共析量は
カチオン性高分子〉両性高分子〉アニオン性高分子の順
である。従ってめっき時においては、有機高分子のめっ
き皮膜中への共析量は上記各因子を選択することによっ
てコントロールするわけであるがこのコントロールはか
なり容易に達成できる。
本発明では水溶性有機高分子の作用によってめっき結晶
粒子径およびその形態をコントロールして、主に塗料密
着性や耐蝕性の向上を計ることを目的としている。これ
は結晶粒子の微細化(平滑化を意味するものではない)
による接着有効表面積の増加と表面の凹凸化を促進して
アンカー効果の発現とを期待するものである。
従って、ここでは以下の2つの方向がある。1つは結晶
粒径をより微細化して接着有効表面積を増やす方向であ
る。他の1つは結晶は粗大でもよいから特定の方位面の
結晶成長を抑制して、例えばリン片状の結晶形態にして
それが3次元的に複雑に絡み合っためっき皮膜にして、
アンカー効果が発現しやすい表面形態を形成する方向で
ある。もちろんこの2つの方向を組み合わせたものがあ
ってもよい。これらの中で、結晶が粗大でも複雑な表面
形状にしてアンカー効果を期待するものは塗料の1次密
着性の点ではよいが、2次(耐水)密着性および耐蝕性
の点では結晶粒径を微細化したものに比べると悪い場合
が多い。この原因はめっき皮膜が緻密でないことに起因
していると考えられる。
本発明のめっき皮膜の結晶の大きさは10μ〜50人の
範囲のものがよい。ただしここで言う結晶粒子径とは、
粒子のXr’/、およびz軸の長さのうち長い方のもの
2つの平均値で表したものである。結晶粒径と塗料密着
性との関係は結晶粒子径が10〜2μ近辺のめっき皮膜
ではアンカー効果が期待できる複雑な表面形態でないと
優れた塗料密着性を示さない傾向にある。3次元的に複
雑なめっき表面形状でなくとも、結晶粒子径が2μ以下
になると塗料密着効果が発現し始め、5000Å以下で
顕著となり1000〜50人の範囲で最も優れた塗料密
着性が得られる。接着有効表面積の増加の効果が500
0Å以下特に1000Å以下で顕著に作用するためと考
えられる。
しかしながら、いずれにせよこの結晶粒子径の微細化お
よび、めっき表面の複雑化(アンカー効果)による物理
的効果では塗料の1次密着性には極めて有効であるもの
の、2次(耐水)密着性までは必ずしも保証されない。
湿潤環境下では塗膜下で発生するアルカリによってめっ
き皮膜の溶解、塗膜中の化学結合の切断がおこるためで
ある。したがって、2次密着性、耐蝕性までの機能を保
証するには、めっき皮膜を耐アルカリ性にするとか、め
っき皮膜の化学的特性を改良する必要がある。水溶性有
機高分子をめっきマトリックス中にモレキュラーコンポ
ジットするのはこの点からも重要であり、本発明の特定
の水溶性有機高分子の複合によりアルカリ溶解性の少な
いめっき表面にすることが実現できる。
本発明の結晶粒子径・結晶形状および水溶性有機高分子
の複合の両者の効果をミンクスして得られた複合めっき
皮膜は塗料密着性、裸耐蝕性、塗装後耐蝕性、溶接性、
プレス加工性に優れている。特に本発明の有機高分子を
複合しためっき皮膜は、塗料との親和性にとんでいる。
このために、塗装の際に従来必須工程として行われてい
たリン酸塩処理やクロメート処理などの化成処理かブラ
スト処理などの塗装下地処理を全く必要とせず、この点
に本発明のめっき金属材は大きな特徴を有している。更
に本発明のめっき皮膜は塗装下地処理を施さなくても、
施したもの以上の高い塗料密着性および塗装後耐蝕性を
有している。
本発明において、対象となる被めっき金属材には特に制
限はない。例えば鋼板、銅、真鍮、アルミニウムなどの
金属材料が使用できる。
本発明に使用される複合めっき浴は、金属材の耐蝕性、
美観を一段と向上させるため、得られるめっき皮膜上に
直接塗料を塗布することを前提として考えているので、
塗料に対する密着機能は有機高分子複合めっきに求めら
れる本質的機能である。
本発明の実施に当たっては、下層に上記一般式(A)の
有機高分子を含まないめっき皮膜層を有し、かつ上層に
上記一般式(A)の有機高分子を含む複合めっき皮膜を
有する多層めっき金属材とすることも出来る。
かかる多層、めっき金属材は、従来行われている、事実
上有機高分子を含まない、電気めっきおよび溶融めっき
皮膜とのハイブリッド化を考慮したものである。即ち本
発明の多層めっき金属材は従来の電気めっきおよび溶融
めっき皮膜を下層とし、その特性を生かしたまま、その
上層に塗料密着性にすぐれた有機高分子複合めっきを施
して従来のめっき皮膜のもつ欠点(塗料密着力不足)を
カバーしようとするものである。
下層となるめっき金属材には特に制限はなく、電気めっ
きでは、亜鉛および亜鉛合金めっき、スズめっき、ニッ
ケルめっき、クロムめっき、鉛および鉛合金めっき、あ
るいは無機粒子または水不溶性樹脂を複合した複合めっ
き金属材などが挙げられる。溶融めっきでは亜鉛および
亜鉛合金めっき、アルミニウムめっき金属材などが挙げ
られる。上層となる有機高分子複合めっき層の厚さは0
.1 μもあれば充分その特徴を発揮するが、より厚く
てもよい。
本発明の多層めっき金属材およびその製造方法はめっき
工程の最終セルを有機高分子複合めっき浴に切り換えれ
ば容易に生産可能であり、後続のリン酸塩処理やクロメ
ート処理などの塗装下地処理ラインは不要となる。
ところで、水溶性の有機化合物を電気めっきに使用する
ことは古くから行われている。これは比較的低分子量の
界面活性剤をめっき浴助剤として極く少ft (0,0
01〜0.05%)添加する用い方で、主に装飾性の向
上(光沢剤)をねらいとしたものである。その他の目的
としてはミスト防止剤、不純物除去剤(錯形成剤)、消
泡剤、不溶性懸濁剤、不純物の凝集沈澱剤、あるいは分
散めっき法においては、共析粒子の分散剤として用いら
れている。従って、上記の場合、用いた助剤の水溶性有
機化合物によって本発明のように塗料密着性および耐蝕
性は改善されないばかりか、あるいは逆に悪くなる場合
も多々見受けられる。従来はこれら界面活性剤はめっき
物性(もろさ、耐蝕性など)を悪くするという認識から
、その添加量はできるだけ低(押さえれられ、極め、て
低い濃度で使用されるのが常で   。
あった。このように従来用いられてきた有機化合物ある
いは種類は少ないがゼラチン、サッカリン、糖みつなど
の有機高分子はその化学構造に問題を有しているため積
極的にめっき浴に配合してめっき皮膜中に取り込んでも
光沢9作用以外大きなメリットは得られなかった。本発
明は従来の使用目的とは大きく異なり、主に塗料密着性
および耐蝕性の向上を主な目的としたものでそのため使
用の方法も異なっている。例えば光沢剤は一般に第1〜
第3光沢剤など3次分を配合して始めて効果がみられる
のに対し、本発明では水溶性高分子l成分でも充分目的
が達成できる。本発明においてはめっき金属と従来にな
いある特定の化学構造を有する水溶性有機高分子とを積
極的に共析、複合させることにより上記の機能を発現さ
せるものである。
本発明の複合めっき皮膜では従来一般に行われているリ
ン酸塩処理かクロメート処理あるいはブラスト処理など
の塗装下地処理を全く施すことなく直接めっき表面に塗
装できるので、塗装下地処理に伴う公害問題等や工程管
理の煩雑さなどのさまざまな問題、から解放し、かつ省
力・省エネ化を容易に達成できる。
塗装方法としては電着塗装、静電噴霧塗装、スプレー塗
装、ロールコート塗装、等公知の塗装方法を適用するこ
とができる。塗料としては電着塗料、粉体塗料、熱硬化
型塗料、常温乾燥型塗料、あるいは紫外線(UV)硬化
型塗料、電子線(EB)硬化型塗料のいずれでも使用で
きる。
〔作用〕
本発明の複合めっき皮膜は、以下1)〜5)に示す特徴
的作用を有する。
■) めっき皮膜内に分子オーダーでミクロに複合され
た有機高分子の作用により塗料との親和性・結合性(水
素結合、キレート結合など)の増加が得られる。その結
果極めて優れた塗料密着性および2次(耐水)密着性の
機能が発現する。
2) めっき皮膜内、即ちめっき結晶粒子内および粒界
に共析した有機高分子の絶縁効果あるいは防錆性により
耐蝕性が増加する。
3) また結晶の微細化およびめっき表面の凹凸化によ
り、有効表面積の増加やアンカー効果が発現して塗料密
着性が向上し、また結晶の微細化により緻密な膜となっ
て耐蝕性が向上する。
4)1)と2)の相乗効果により、一層優れた塗料密着
性、耐蝕性にすぐれためっき皮膜となる。
5) めっき浴に配合する水溶性有機高分子の分子量、
基本骨格、極性基の種類とその密度、配合濃度および電
解条件の相互作用により、めっきマトリックス中への水
溶性有機高分子の共析量が決まる。また上記相互作用に
よりめっき結晶粒子径およびその形状がコントロールで
きるが、特に分子量と極性基の種類とその密度が結晶粒
子径および形状に大きな影響を与える。
〔実施例〕
以下実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)めっき方法 前処理:冷延鋼板をアルカリ電解脱脂、水洗後、次の条
件でめっきを施した。
めっき浴:用いためっき基本浴の組成を表1に、水溶性
有機高分子を表2−a、b に示した。これらを組み合わせた有機 高分子複合めっき浴の組成を表3に示 す。
めっき条件:電流密度4〜200A/dm2の直流電流
を用い、浴温30〜60℃の範囲でめっきを行った。め
っき皮膜厚は全て3 μとした。膜厚測定には過電流式膜厚 計(サンコラ電子側、SL −2L−5M型)を用いた
尚、多層めっき金属材の製造例(表4)中の溶融めっき
鋼板の各種は市販のものを使用した。
(2)塗装方法 塗料と争て焼付型粉体ポリエステル塗料(日本ペイント
fjlNPc300)を用いた。これをめっき表面に直
接静電噴霧塗装後、230℃、5分間焼付けて40μの
膜厚とした。
尚、比較品の化成処理のリン酸塩処理およびクロメート
処理にはそれぞれ日本バー力ライジング製ボンデライト
3004のリン酸亜鉛処理および日本ペイント■製クロ
メート処理薬剤(グラノヂン92)を用いた。
(3)耐蝕性評価 仮橋理化0零製塩水噴霧試験機を用いてJIS2371
に基づいて5%NaClを2週間連続噴霧を行った。
表3は本発明に係る各種水溶性有機高分子複合めっき金
属材(単層めっきの場合)の塗膜1次、2次(耐水)密
着性、耐蝕性を比較品とともに示したものである。
ゴバン目試験による塗膜1次回着性評価結果においては
、比較品N17B、79を除いて本発明品(Th1〜7
0)と比較品(丸71〜98)との間に有意差は認めら
れない。
しかし、エリクセン押出試験による厳しい条件下での塗
膜密着性評価結果においては、顕著な差が存在している
ことがわかる。即ち、先ず有機高分子を全く含まないZ
n合金めっき皮膜(N[L71〜80)と比較すると、
有機高分子を複合した本発明品(隘1〜70)の塗膜密
着性が極めて優れていることがわかる。つぎに本発明の
条件を満たさない水溶性有機高分子゛を含んだめっき浴
から得られるめっき皮膜の場合を、比較品隘81〜90
として示す。これらの浴により得られるめっき皮膜によ
っても塗料の1次回着力は有機高分子を全く含まない純
亜鉛または亜鉛合金めっきに比べて改善される場合もあ
るが、しかし本発明品に比べてみると機能的に著しく劣
っていることがわかる。また、本発明の条件を満たす水
溶性有機高分子をめっき浴に含んでいても、その配合量
が少なく、かつめっき皮膜中への共析量が少ない複合め
っき(Nl19L、92)では塗料密着性の改善が充分
に行われないことがわかる。次に化成処理を施しためっ
き鋼板(N1193〜98)と本発明品とを比較すると
、ポリマー共析量の少ないl1hlの本発明品が比較品
と同等である以外は、全て本発明品が比較品を上回る塗
膜1次回着性を示すことがわかる。
耐水密着性評価結果においては、有機高分子を含まない
阻71〜80の比較品および患81〜92の比較品、化
成処理鋼板(覧93〜98)の比較品と本発明品(11
kL1〜70)とを比較すると、を機高分子の共析量が
比較的少ない本発明品患1が比較品魚94(化成処理板
は塗料密着機能のバラツキが大きい)と同等である以外
は本発明品(隘2〜70)が全ての比較孔を上回る性能
を示すことが判明した。
以上の結果から、本発明に係る水溶性有機高分子を少量
亜鉛金属と共析させることによって亜鉛系めっき表面の
塗料の1次および2次密着性が著しく改良されることが
わかった。
耐蝕性については本発明品患1が比較孔(患94、96
.98)と同等である以外は本発明品(磁2〜70)が
比較孔(隘71〜98)のいずれをも大幅に上回る結果
が得られ、本発明による複合めっき皮膜は耐蝕性改善に
も顕著な効果があることがわかる。
表4は各種の本発明に係る水溶性有機高分子複合多層め
っき金属材の塗膜1次、2次密着性、耐蝕性を比咬例と
ともに示したものである。純亜鉛系めっき皮膜上に化成
処理を施したものと比較しても上層に有機高分子複合め
っきを施すことにより塗料密着性、耐蝕性ともに大幅に
向上していることがわかる。この結果から、下層めっき
皮膜のもつ物性を生かしつつ、その表面層に本発明の特
徴である塗料密着性、耐蝕性などの機能を付与できるこ
とがわかる。
〔発明の効果〕
本発明は上記のように、特定の化学構造を有した水溶性
の有機高分子を用いたところに大きな特徴を有している
。本発明のめっき金属材ではめっき金属と有機高分子と
の複合化が分子オーダーで生じるため、比較的少量の有
機高分子の共析で高木、準の塗料密着性、耐蝕性等の付
与が可能である。従って、従来一般に行われていたリン
酸塩処理やクロメート処理などの塗装下地処理(化成処
理)を全く施すことなく直接塗装できるので、煩雑でか
つ公害対策の必要な化成処理を省略することが可能であ
る。この工業的メリットは多大である。更に、本発明の
めっき金属材を用いることによってもろい化成処理皮膜
を介在しない塗装金属材の製造が実現できるので、塗装
後のプレス加工に優れた家電機器用または建材用の理想
的なプレコー+−m板の製造が可能である。
本発明のめっき金属材は、塗料密着性、塗装後耐蝕性に
特にすぐれており、プレス加工性、溶接性も兼備できる
ので、自動車用防錆鋼板に応用すれば、極めて優れた耐
蝕性をもった防錆鋼板となりうる。
また、本発明のめっき金属材は塗料のみでな(ゴム、有
機フィルム、セラミックスなどのラミネート下地表面と
しても利用できる。
更に、本発明は食鑵などの罐用材料、銅箔などの電子材
料、あるいは装飾品の製造にも利用できる。
また、本発明のめっき金属材は、従来の電気めっき設備
で容易に生産でき、高価な設備や多大の労力を必要とせ
ず、工業的価値が高い。
更に、本発明の有機高分子複合効果は、全ての電気めっ
きに有効であるが、特に亜鉛または亜鉛合金めっきマト
リックスを用いた場合には一層有効であり、かつ被めっ
き金属材が鉄鋼板である場合に、本発明の効果を最大に
引き出すことができる。
更に本発明においては、Ah(h 、5i(hなどのセ
ラミックス粒子あるいは水不溶性高分子の分散めっきを
本発明の水溶性有機高分子と組み合わせることにより高
度な塗料密着性、塗装後耐蝕性の機能を付与することが
できる。この組み合わせ技術は従来の分散めっき皮膜の
欠点、特に耐水塗料密着性の改善技術として極めて有効
である。
表  −1 表−1つづき 表   −2a 表−2aのつづき 表−2aのつづき 表   2b 注1)金属中炭素分析装置(堀場製作所製EMIA−1
10)を用いて1350℃に加熱し、発生するCO□、
CO量を検出してめっき皮膜中の全炭素量を定量(wt
%)した。この値(炭素含量)をもって有機高分子の共
析量とした。
注2) 下地めっき面に達するゴバン目を1mm間隔に
100個描き、セロテープで剥離した時の塗膜残存数で
示した。
注3) 下地めっき面に達するゴバン目を1mm間隔で
100個描いた後エリクセン押出加工を行い、引き続き
セロテープ剥離試験を行った際の塗膜残存率で示した。
評価基準。
A・・・91の押出加工後のテープ剥離による剥離が全
く認められない。
B・・・8mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が
全く認められない。
C・・・7mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が
全く認められない。
D・・・6mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が
100/100未満である。
注4)  ゴバン目を描かない状態で60°Cのイオン
交換水に連続浸漬し、注2)のゴバン目試験を行った際
の塗膜残存率で示した。評価結果は A・・・180日間の浸漬でも剥離が認められない(1
00/100)。
B・・・150日間の浸漬でも剥離が認められない(1
00/100)。
C・・・120日間の浸漬でも剥離が認められない(1
00/100)。
D・・・100日間の浸漬でも剥離が認められない(1
00/100)。
E・・・100日未満の浸漬で剥離が認められる。
注5) 塗装後クロスカットを入れた調整片をJIS2
371に基づいて5%塩化ナトリウム水溶液連続噴霧を
行った後、クロスカット部のテープ剥離試験を行い、カ
ットラインからの塗膜剥離幅(片幅)で示す。
評価基準 A・・・3週間の連続噴霧後で、1mm以内の剥離幅、
クロスカット周辺部に塗膜ふ( れなし。
B・・・2週間連続噴霧後で、1+nm以内の剥離幅、
周辺部にふくれなし。
C・・・1週間連続噴霧後で、1mm以内の剥離幅、周
辺部にふくれなし。
D・・・1週間の連続噴霧後で、1mmを超える剥離が
認められる。
E・・・1週間の連続噴霧後で、1mmを超える剥離が
認められ、周辺部にふくれも認 められる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 めっき皮膜中に、重量平均分子量が1000〜10
    0万のヒドロキシスチレン系重合体またはこれらの誘導
    体からなる水溶性有機高分子の1種以上をめっき全重量
    に対し0.05〜30重量%含有する電気めっき皮膜を
    金属材表面に有することを特徴とする塗料密着性、耐蝕
    性にすぐれた複合めっき金属材。 2 水溶性有機高分子の構造が次の一般式(A)▲数式
    、化学式、表等があります▼(A) (式中;m、nはm≧0、n≧3でそれぞれ一般式(A
    )の有機高分子の重量平均分子量が100万になるまで
    の任意の数、 ;0≦k≦2、 ;0≦p≦2、 ;ただしk+p+m>0、 ;R^1〜R^3はHまたは炭素数1〜5のアルキル基
    、 ;Xは重合性のビニル系単量体、 ;Y、Zは同種または異種であり、かつ −SO_3M、−CH_2−SO_3M、−Y^1、−
    OCH_3、▲数式、化学式、表等があります▼、▲数
    式、化学式、表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、
    表等があります▼、 ▲数式、化学式、表等があります▼、−(CH_2)_
    tY^4、 −CH_2OH から選ばれるものであって、〔式中 ;MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはア
    ミン類などの有機カチオン、 ;Y^1、Y^4はハロゲン ;Y^2^−〜Y^3^−はハロゲイオン、有機酸アニ
    オン、無機酸アニオンなどの対イオン ;WはSまたはO ;R^4〜R^6は同種または異種であって、直鎖また
    は分岐鎖アルキル基あるいはヒドロ キシアルキル基等のアルキル基誘導体ま たは芳香族基、またはR^4とR^5はN基とで環を形
    成していてもかまわない。さらに R^6はHをとり得る。 ;R^7〜R^1^3は同種または異種であって、直鎖
    または分岐鎖アルキル基、あるいはヒ ドロキシアルキル基等のアルキル誘導体 基、芳香族基、またはH ;q、s、t、uは0または1 ;rは0、1または2を示す〕) で表されるアニオン性、カチオン性または両性のヒドロ
    キシスチレン系の水溶性有機高分子である特許請求の範
    囲第1項記載の複合めっき金属材。 3 有機高分子を複合する母相のめっき皮膜(マトリッ
    クス)が亜鉛または亜鉛合金皮膜である特許請求の範囲
    第1項または第2項記載の複合めっき金属材。 4 水溶性有機高分子が一般式(A)の置換基の水酸基
    (−OH)をパラ位に有するものである特許請求の範囲
    第2項記載の複合めっき金属材。 5 水溶性有機高分子が一般式(A)に於いてm=0、
    置換基の水酸基(−OH)がパラ位である、即ち次の一
    般式(B) ▲数式、化学式、表等があります▼(B) (式中、R^1〜R^3、Y、Z、k、p、nは前記に
    同じ)で表される有機高分子を含有する特許請求の範囲
    第2項または第4項記載の複合めっき金属材。 6 水溶性有機高分子の構造が(Y)_k=(SO_3
    M)_k、(Mは前記に同じ、0<k≦2)である特許
    請求の範囲第5項記載の複合めっき金属材。 7 水溶性有機高分子の構造が(Z)_p=(Br)_
    p(0<p≦2)である特許請求の範囲第5項または第
    6項記載の複合めっき金属材。 8 水溶性有機高分子の構造が(Z)_p=▲数式、化
    学式、表等があります▼、(0<p≦2)である 特許請求の範囲第5項または第6項記載の複合めっき金
    属材。 9 水溶性有機高分子の構造が(Z)_p=▲数式、化
    学式、表等があります▼、(0<p≦2) である特許請求の範囲第5項または第6項記載の複合め
    っき金属材。 10 水溶性有機高分子の構造が(Z)_p=▲数式、
    化学式、表等があります▼、(0<p≦2) である特許請求の範囲第5項または第6項記載の複合め
    っき金属材。 11 水溶性有機高分子の構造がk=0である特許請求
    の範囲第7項〜第10項の何れか1項記載の複合めっき
    金属材。 12 水溶性有機高分子の構造がR^1=R^2=R^
    3=Hである特許請求の範囲第7項〜第10項の何れか
    1項記載の複合めっき金属材。 13 めっきの結晶粒子径が50Å以上1000Å以下
    である特許請求の範囲第1項〜12項の何れか1項記載
    の複合めっき金属材。 14 下層に一般式(A)の有機高分子を含まないめっ
    き皮膜層を有する複合めっき皮膜を有する多層めっき金
    属材である特許請求の範囲第1〜13項の何れか1項記
    載の複合めっき金属材。 15 金属イオンの1種または2種以上を10〜600
    g/l含む電気めっき浴に、重量平均分子量が1000
    〜100万のヒドロキシスチレン系重合体またはこれら
    の誘導体からなる水溶性有機高分子の1種以上を必須成
    分としてその総和が0.1〜200g/lの範囲になる
    ように添加しためっき浴中で鋼板などの導電性金属材を
    陰極として電気めっきし当該表面に金属と水溶性有機高
    分子とを共析させ、水溶性有機高分子の割合が全共析量
    に対し0.05〜30wt%の範囲になるようにコント
    ロールすることを特徴とする塗料密着性、耐蝕性にすぐ
    れた有機高分子複合めっき金属材の製造方法。 16 めっき浴に含まれる金属イオンが10〜600g
    /lの亜鉛イオンの1種だけである単体金属めっき浴、
    またはこの浴に更に亜鉛以外の異種金属の1種以上がそ
    れぞれ1〜600g/l含まれた亜鉛合金めっき浴であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第15項記載の複合
    めっき金属材の製造方法。 17 水溶性有機高分子の共析量が全共析量に対し0.
    2〜15wt%の範囲にコントロールすることを特徴と
    する特許請求の範囲第15項又は第16項記載の製造方
    法。 18 陰極に用いる導電性基材が鉄、鋼板、銅板、鉛板
    の金属材である特許請求の範囲第15項〜第17項の何
    れか1項記載の製造方法。 19 陰極に用いる導電性基材が当該表面に、電気めっ
    きおよび溶融めっきが既に施されているめっき鋼板であ
    る特許請求の範囲第15項〜第18項の何れか1項記載
    の製造方法。
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