JPS631268Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は振子時計に係り、ケース背面部に突起
を残置形成した開口窓を設け、運搬時に振竿をこ
の突起に仮固定することにより、運搬時に振竿及
び振子がガタつかずムーブメント、ケース等を損
傷することのない振子時計を提供することを目的
とする。

従来より指針を回転駆動するムーブメントより
振子を振動させる振子機構を独立させた擬似振子
を有する振子時計がある。このような振子時計の
中にはデザイン上の理由によつてケース内部で振
動する振竿の一部をケースの開口窓よりケース外
部に突出させてケース外に振子を設けたものがあ
る。このような時計では振竿及び振子を簡単にケ
ースから分離することができないため、振竿及び
振子を取付けたままでは梱包が困難であり、運搬
中に振竿及び振子が動いて時計のムーブメント、
振子機構、ケース等を損傷するおそれがあるとい
う欠点があつた。

本考案は上記の問題点を解決したものであり、
以下図面と共にその一実施例につき説明する。

第１図は本考案時計の一実施例の斜視図を示
し、第２図は一部を取り去つた背面斜視図を示
し、第３図はその断面図を示す。第１図乃至第３
図において１はケースであり、ケース１の内部に
はムーブメント２及び擬似振子の振子機構３が固
定されている。ムーブメント２により回転駆動さ
れる時針軸及び分針軸はケース１を挿通してケー
ス１の外部に突出しており、この時針軸及び分針
軸の夫々に固定された時針４及び分針５が回転駆
動され、時刻の表示が行なわれる。

擬似振子の振子機構３はケース１に固定された
電気回路収納部６と、この電気回路収納部６のエ
ツヂ６ａに釣支されたアーム７とに大別される。
電気回路収納部６にはコイル８が固定されてお
り、電気回路に電源が供給されてこのコイル８が
一定周期で通電されることにより、アーム７のコ
イル８と対応する位置に固定された永久磁石が付
勢されこのアーム７が一定周期で振動する。この
アーム７には第４図に示す如き略Ｌ字状の振竿９
がガイドピン１０で位置決めされた上でネジ１１
により固定されている。振竿９の端部９ａはケー
ス１の時刻表示面上部に設けられた開口窓１ａを
挿通してケース１の外部に突出している。この開
口窓１ａは振動する振竿９の端部９ａの軌道に対
応した略円弧形状である。ケース１の外側におい
て振竿９の端部９ａには第１図及び第４図に示す
如きリング状の振子１２が固定されており、ケー
ス１の内側において振竿９の端部９ｂには第２図
に示す如き振子１２とのバランスをとり、かつ振
竿９の振幅を規制するための風切板１３が固定さ
れている。

この振子時計は電気回路収納部６のコイル８が
一定周期で通電されると、アーム７及びこれに固
定された振竿９、振子１２が一体的に振動する。

次に運搬時における振竿９及び振子１２の固定
について説明する。第２図に示す振子時計の背面
はケース１の背面部である第５図示の背面カバー
１４によつて覆われる。背面カバー１４の略中央
位置には開口窓１４ａが設けられている。開口窓
１４ａには基部１４ｂ、幅狭部１４ｃ、先端部１
４ｄよりなる突起１４ｅが残置形成されている。
この背面カバー１３は第２図に示すケース１の背
面に嵌合されて背面カバー１４の四隅にある貫通
孔１４ｆ〜１４ｉ夫々を挿通したネジによりケー
ス１の内側の四隅に設けられた受座１ｂ〜１ｅに
固定される。運搬時において振竿９はアーム７に
固定され、かつ振竿９の端部９ａはケース１を挿
通してケース外部に振子１２を固定されたままの
状態で、第５図に示す如くアーム７、振竿９及び
背面カバー１４の突起１４ｅの幅狭部１４ｃに紐
１５が巻回されて結ばれ、アーム７及び振竿９は
突起１４ｅに仮固定される。

このため振子時計の運搬中にアーム７、振竿９
及び振子１２がガタつくことはなく、紐１５は突
起１４ｅの幅狭部１４ｃに巻回されるため突起１
４ｅより抜け落ちることはない。また、仮固定を
解除する場合は紐を解くだけの簡単な操作で良
い。

なお、振竿９を突起１４ｅに仮固定する方法は
紐１５の代りにＵ字状のゴム等の弾性材を突起１
４ｅの幅狭部１４ｃに嵌合させて振竿９を仮固定
しても良く、また、先端部１４ｄに貫通孔を設け
ると共に振竿９のこの貫通孔に対応した位置にネ
ジ穴を設け、ネジによつて振竿９を突起１４ｅに
仮固定しても良く、上記実施例に限定されない。

上述の如く、本考案になる振子時計は、ケース
の部において振竿を振動させる振子時計におい
て、ケースの背面部に突起を残置形成した開口窓
を設け、運搬時にケース内部の振竿を突起に仮固
定してなるため、振竿をケース内部に収納したま
まで仮固定でき、運搬中に振竿及びこの振竿に固
定された振子がガタつくことがなく、時計のムー
ブメント、ケース等を損傷することがない等の特
長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案時計の一実施例の正面
斜視図、一部を取り去つた背面斜視図、第３図は
第１図示の時計の断面図、第４図は第１図示の時
計の一部の斜視図、第５図は第３図示の背面カバ
ーの平面図、第６図は第１図示の時計の背面斜視
図である。 １……ケース、２……ムーブメント、３……振
子機構、７……アーム、９……振竿、１２……振
子、１４……背面カバー、１５……紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースの内部において振竿を振動させる振子時
   計において、該ケースの背面部に突起を残置形成
   した開口窓を設け、運搬時に該ケース内部の該振
   竿を該突起に仮固定してなる振子時計。