JPS6312623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は文字放送受信機に関し、特に、テレ
ビ信号の垂直帰線期間に多重伝送されるデイジタ
ル信号を受信し、文字あるいは図形としてテレビ
ジヨン受像機に表示する文字多重放送の受信機に
おいて、垂直帰線期間内の数本の走査線を用いて
大量の番組を伝送する場合の信号を受信する文字
放送受信機に関する。

従来より提案されている文字多重放送システム
では、ほとんどが文字パターンそのものを伝送す
る形式であり、大量の番組を伝送するには極めて
多くの時間が必要である。たとえば１本の走査線
で文字画面の走査線１本分のデータを伝送すると
すれば、200本の走査線で構成される１画面分の
データを伝送するのに約３秒程度必要とされる。
したがつて、走査線１本のみを使用する場合に
は、10種類ぐらいの番組を送るのが実用上の限界
と考えられ、それ以上の番組を送る場合には数本
の走査線を使用する方法をとらざるを得ない。

多くの走査線を使用して番組を伝送する場合、
同じ番組の連続したデータを同じフイールドの連
続した数本の走査線で送出する場合と、同じフイ
ールドの中には異なつた番組のデータしか存在し
ないようにし、同じ番組のデータはつねに同じ走
査線で送るように構成する場合とがあるが、前者
の場合には受信機での信号の走査に高速性が要求
されかつ受信者にとつては後者に比べて待時間な
どに優位性があるわけでもないので、後者のシス
テムが望ましい。

ところで、本願考案者はすでに文字放送受信機
として、送信されてくるデイジタル信号をいつた
んバツフアメモリに貯え、マイクロコンピユータ
のプログラムの制御によつて入力信号の番組コー
ドを判断し、必要な番組であればこれを内部処理
して表示し、不要な番組であればこれを捨て去る
方式を提案した（特願昭52−126960）。

それゆえに、この考案の主たる目的は、多数の
走査線を使用して送出される多数の文字番組デー
タを上述の方式を用いて効率よく受信できるよう
に改良した文字放送受信機を提供することであ
る。

この考案を要約すれば、CRTデイスプレイの
一画面の表示領域よりも多い記憶領域を有するリ
フレツシユメモリの一部の領域を、複数の文字番
組データを一時記憶するためのバツフアメモリと
して用い、文字番組データを受信したことに応じ
て、各水平走査期間ごとにそれぞれの文字番組デ
ータをバツフアメモリに記憶させ、バツフアメモ
リに記憶した文字番組データのうち、指定された
文字番組データがあるか否かを判別し、指定され
た文字番組データがバツフアメモリに記憶されて
いれば、その文字番組データが伝送される水平期
間のデータのみを順次所定の処理を行なつて、バ
ツフアメモリとしての領域を含むリフレツシユメ
モリに記憶させるように構成したものである。

この考案の上述の目的およびその他の目的と特
徴は以下に図面を参照して行なう詳細な説明から
一層明らかとなろう。

第１図はこの考案の一実施例の概略ブロツク図
である。構成において、図示しないチユーナない
し検波器で放送電波が受信され、文字放送データ
がデイジタル信号として抽出される。このデイジ
タル信号は直並列変換器１に与えられる。直並列
変換器１はデータバスDBを介してリフレツシユ
メモリ３に接続される。データバスDBには並直
列変換器２とCPU４とROM５とＩ／Ｏポート６
とが接続される。また、CPU４からアドレスバ
スABを介してアドレス信号が出力される。この
アドレスバスABはROM５とＩ／Ｏポート６と
アドレス切換器９とに接続される。アドレス切換
器９はリフレツシユメモリ３に与えるアドレス信
号としてCPU４から出力されるアドレス信号と
DMA制御部１０から出力されるアドレス信号と
を切換えて出力するものである。DMA制御部１
０はリフレツシユメモリ３の垂直方向のアドレス
を指定するためのＨカウンタ１１と、水平方向の
アドレスを指定する水平方向カウンタ１２とを含
む。Ｈカウンタ１１はHD信号を計数し、水平方
向カウンタ１２はたとえば１ライン256ビツトの
クロツクパルスを計数する。前記Ｉ／Ｏポート６
にはキーボード１３が接続される。このキーボー
ド１３は所望の文字番組データを指定するための
ものである。また、Ｉ／Ｏポート６にはデコーダ
７が接続される。

垂直カウンタ８は前記デコーダ７に接続され
る。この垂直カウンタ８は垂直帰線期間内の11H
ないし20H期間のHD信号を計数し、VD信号に
よつてクリアされる。したがつて、デコーダ７は
垂直カウンタ８から計数出力信号が与えられる
と、11Hないし20H期間のゲート信号を出力す
る。このゲート信号によつてアドレス切換器９が
DMA制御部１０側に切換えられるとともに、
DMA制御部１０と直並列変換器１とが能動化さ
れる。

第２図は第１図に示すリフレツシユメモリ３に
記憶されるデータを示す図解図である。

ここで、バツフアメモリに読み込むべき信号を
１走査線あたり256ビツトとし、表示されるパタ
ーンを1H256ビツトで200H分とした場合、表示
パターンのリフレツシユメモリは51200ビツト必
要とされる。しかし、実際に入手の容易なRAM
を利用するとすれば、たとえば1Kビツトが４個
１つのパツケージに入つたようなメモリ（インテ
ル2114）を用い、８ビツト並列処理の構成にすれ
ば、このメモリを14個使つて57344ビツトという
若干余裕のある構成になるのが一般的である。し
たがつて、この余つたメモリ部分に表示パターン
の表示色情報つまりカラーコードを収容するとい
うことが可能になる。カラーコードとしては
1H256ビツトとして17H分あれば十分であるの
で、まだ1Kビツトほど余裕がある。

従来は、この部分を入力データの1H分のバツ
フアメモリに利用していた。しかるに、垂直帰線
期間内にたとえば10種類の文字データが送出され
るとなると、これを全部記憶するには2560ビツト
ものバツフアメモリが必要となる。そこで、この
考案ではある番組のデータは必ず同一の走査線で
送られてくる点に着目し、新しく番組を受信する
場合には、表示すべきパターンを蓄積するリフレ
ツシユメモリ３の一部をも利用して入力信号を記
憶し、いつたん受信したい番組を記憶したのち
は、その番組が送られてきた走査線の信号のみを
１走査線分のバツフアメモリに記憶するように構
成し、バツフアメモリ３の容量を実際には増加さ
せずに対処できるようにする。

すなわち、第２図に示すように、リフレツシユ
メモリ３は0Hないし223H分のデータを記憶する
記憶領域を有するが、そのうち0Hの記憶領域は
従来から知られた本来的なバツフアメモリとして
用いられる。そして、0Hないし9Hの記憶領域３
１は11Hないし20Hの間に送出されるたとえば10
種類の異なる文字データを記憶するために、一時
的にバツフアメモリとして使用する。また、7H
ないし23Hの17H分の記憶領域３２はカラーコー
ドを記憶するために用いられる。さらに、24Hな
いし223Hの200H分の記憶領域３３はパターンメ
モリとして用いられる。

次に、第１図および第２図を参照してこの考案
の一実施例の具体的な動作について説明する。垂
直カウンタ８はHD信号を計数し、垂直帰線期間
における11Hから20Hまでの計数値をデコーダ７
に与える。したがつて、デコーダ７は11Hから
20Hまでのゲート信号を出力し、アドレス切換器
９をDMA制御部１０側に切換える。また、この
ゲート信号はDMA制御部１０に含まれるＨカウ
ンタ１１を能動化するとともに直並列変換器１も
能動化する。それによつて、リフレツシユメモリ
３はDMA制御部１０から与えられるアドレス信
号によつてアドレス指定される。一方、直並列変
換器１はデータバスDBを介して垂直帰線期間内
の11Hから20Hに多重伝送されたデイジタル信号
をリフレツシユメモリ３に与える。このデイジタ
ル信号は第２図に示すようにリフレツシユメモリ
３の0Hないし9Hの記憶領域３１に順次記憶され
る。水平走査線が21H目になると、デコーダ７か
らゲート信号が出力されなくなり、アドレス切換
器９はCPU４側に切換えられる。したがつて、
以後CPU４から出力されるアドレス信号によつ
てリフレツシユメモリ３のアドレスが指定され
る。CPU４はリフレツシユメモリ３の0Hないし
9Hの記憶領域３１に記憶したデイジタル信号と
キーボード１３から入力された文字番組指定信号
とを比較する。キーボード１３で指定された番組
がたとえば5Hに存在したとすれば、これは16H
に該当するので、この16Hに相当するコードを、
番組が検出されたことを示す信号とともにＩ／Ｏ
ポート６からデコーダ７に出力する。したがつ
て、デコーダ７は16Hにのみゲート信号を出力す
る。この16Hのゲート信号はアドレス切換器９を
介してリフレツシユメモリ３のアドレスを指定す
る。すなわち、リフレツシユメモリ３の0Hの記
憶領域のみが指定され、この記憶領域に入力され
たデイジタル信号が記憶される。

なお、リフレツシユメモリ３のパターンメモリ
として用いられる記憶領域３３に記憶された文字
パターンは、データバスDBを介して並直列変換
器２に与えられ、ビツト直列の信号に変換されて
出力される。

以上のように、この考案によれば、CRTデイ
スプレイの一画面の記憶領域よりも多い記憶領域
を有するリフレツシユメモリの一部の領域を、複
数の文字番組データを一時記憶するためのバツフ
アメモリとして用い、文字番組データを受信した
とき各データをバツフアメモリに記憶させ、その
記憶した文字番組データのうち指定されたデータ
があれば、以後、その文字番組データのみを所定
の処理を行なつて、バツフアメモリの領域を含む
リフレツシユメモリの記憶領域に記憶させること
ができる。したがつて、たとえ複数の文字番組デ
ータが伝送される場合であつても、所望の番組デ
ータ以外の番組データを記憶するためのメモリを
必要とせず、メモリの記憶領域を少なくすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の概略ブロツク図
である。第２図は第１図に示すリフレツシユメモ
リに記憶されるデータを示す図解図である。 図において、３はリフレツシユメモリ、４は
CPU、５はROM、６はＩ／Ｏポート、７はデコ
ーダ、８は垂直カウンタ、９はアドレス変換器、
１０はDMA制御部、１３はキーボードを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 垂直帰線期間内の複数の水平走査期間に、
   CRTデイスプレイに表示するための複数の文字
   番組の文字番組データを送出し且つ同じ文字番組
   データを各フイールドの同一の水平走査期間内に
   伝送する文字多重放送システムにおける文字放送
   受信機において、 前記CRTデイスプレイの１画面の表示領域よ
   りも多い記憶領域を含み、その一部の記憶領域が
   複数番組の文字番組データを一時記憶するための
   バツフアメモリとして兼用されるリフレツシユメ
   モリと、 文字番組データを受信したことに応じて、各水
   平走査期間ごとに、それぞれの文字番組データを
   前記バツフアメモリに順次記憶させる書込み手段
   と、 前記CRTデイスプレイに表示すべき文字番組
   データを指定する番組指定手段と、 前記番組指定手段で指定された文字番組データ
   が前記バツフアメモリに記憶されているか否かを
   判別する判別手段と、 前記番組指定手段によつて指定された文字番組
   データが前記バツフアメモリに記憶されているこ
   とが前記判別手段で判別されたときに、以後当該
   文字番組データのみを文字多重信号中から抽出
   し、その抽出された文字番組データを前記CRT
   デイスプレイでの表示に適するよう処理して前記
   リフレツシユメモリの前記バツフアメモリの領域
   を含む記憶領域に記憶させる手段 とを備えた文字放送受信機。