JPS63125385A - スタンプ台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、朱肉油のような顔料系インクや通常のスタン
プインクのような染料系インクを含浸させるスタンプ台
に関し、更に詳しくは、ポリアミド系樹脂粉末を焼結し
て特定の表面層に形成させて成る１通常使用される表面
布を必要としない実用性の優れた多孔質スタンプ台に関
する。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、スタンプ台は、一般に、スポンジゴム等の各種の
インクを含浸保有させたインク含有部材の表面に、イン
ク親和性を有する繊維の布を張設したものが広く用いら
れている。しかし、そのような従来使用されているスタ
ンプ台には、例えば次のような問題点がある。

（１）インク等を含浸している含浸体は１通常、軟らか
すぎて、印の抑圧において大きく変形するため、印字に
関係のない印影の部分にもインクが付着し、その結果、
印自体の汚れと共に手や卵収納容器などを汚す。

（２）使用回数が多くなると１表面布の繊維が擦り切れ
、けば立って、その切れた繊維がインクと共にスタンプ
の印字部に付着したり四部に挟まり、すっきりした印字
が得られなくなる。

（３）スタンプや印をスタンプ台に少し強く押し付けた
だけで、インクが印字部に必要以上に付着し。

押印した印字のインクが濃すぎて汚くなる。

従って、本発明の目的は、長期間の使用にも、けば立つ
ことがなく、印字部を汚すことのないスタンプ台を提供
することにある。また、他の目的は、インクを付着させ
る印等の押圧力に大きく影響されることなく、且つ連続
的使用にも適切なインク濃度の印字が押印できる実用的
に望ましいスタンプ台を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、上記の問題点を解決する方法について鋭
意研究を重ねた結果、多孔質体の表面層を特定の物理的
状態に形成させるとき１表層布を省略することができ、
且つ長期間の使用、あるいは連続的使用にも上記のよう
な欠点のない実用的に優れたスタンプ台を開発した。

すなわち、本発明は、ポリアミド系樹脂粉末を焼結させ
た盤状多孔質体であって、その表面層が有効多孔率２０
〜５０％及びショア硬度１５〜６５の範囲に形成されて
成るスタンプ台を提供する。

本発明におけるスタンプ台は１通常のスタンプや各種印
鑑の印字面を押し付けてこれにインク類を供給するため
の各種の台を包含する。

本発明のスタンプ台は、ポリアミド系樹脂微粉末を加熱
焼結した盤状多孔質体として提供されるものであって、
少なくともその表面層の有効多孔率を２０〜５０％の範
囲に、且つ表面層のショア硬度を１５〜６５の範囲に形
成させることが重要である。

本発明のスタンプ台の形成に用いられるポリアミド系樹
脂としては、例えば、６−ナイロン（ε−カプロラクタ
ム重合体）、４・６−ナイロン（ｌ、４−ジアミノブタ
ンとアジピン酸の重合体）、６・６−ナイロン（ポリへ
キサメチレンアジピン酸アミド）、６・１０−ナイロン
（ポリへキサメチレンセバシン酸アミド）、１１−ナイ
ロン（１１−アミノウンデカン酸の重合体）及び１２−
ナイロン（ω−ラウロラクタムの重合体）等が挙げられ
る。これらの樹脂は、一種のみでもよいし、二種以上を
組み合わせて混合使用することもできる。

本発明において、有効多孔率とは、ＪＩＳ　　Ｚ２５０
６に規定された方法によって測定される連通気孔率であ
り、また、ショア硬度とは、ＪＩＳＨＯ５０５に記載さ
れた方法によって測定される硬度“ｐ　Ｉ＋である。

本発明のスタンプ台において１表層部とは、いわゆる謹
白の上面側表層であって、その層厚は使用対象印によっ
て変動するが、通常、スタンプ台の表面から０．２〜１
．２ａ程度である。しかして、その表層部は、表面のイ
ンクを印等に供給すると共に、消費されたインクをその
下層のインク貯留部から、台の表面に迅速に供給する機
能層であって、その有効多孔率は、使用するインクの粘
度、着色料の種類あるいは液媒体の種類等に対応して、
また１表面層のショア硬度は、使用対象印に応じて適宜
選択形成される。

しかし１表面層の有効多孔率が２０％未満では、台の表
面へインクを供給する機能が悪く、印字濃度が極端に低
下するので好ましくなく、また、５０％を超えると、印
字濃度は上昇するが、その印字が濃すぎて汚くなり易い
ので不都合である。好ましい範囲は３０〜４０％である
。

また、表面層の硬度は、硬い印鑑等の場合にこれを傷付
けないだけでなく、台自体が傷まない適度の柔軟性を有
することが重要であり、また、ゴム印のような柔らかい
印等に対しては適度の硬さをもつことが望ましいが、多
孔質表面層のショア硬度が１５未満では、柔らかすぎて
押印の際に該層に傷が付き易いので不都合であり、また
、６５を超えると、多孔質体の適度の変形みなく、押印
の際にかなりの抑圧を必要とするので好ましくない。

ポリアミド系樹脂は、一般に、その粉末を焼結させて、
有効多孔率２０〜７０％程度の多孔質体をつくるとき、
好都合なことに７０〜１５程度のショア硬度の焼結体が
形成される。スタンプ台は、対象とする印や含浸インク
等に応じて、その表面層を所望の条件に形成させるので
、その場合、より柔らかい樹脂類や硬い無機質及び気孔
形成性物質等の粉末を添加して、所望の有効多孔率及び
ショア硬度の焼結体に調製することができる。

かかる焼結体調製用添加剤としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、ポリアミド樹
脂と化学的に結合し得るエポキシ樹脂、フェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂やアルミナの如き無機質充てん材等が
挙げられる。

本発明のスタンプ台は、インクを含浸保有し供給するこ
とに関連して、表面層の下側のインク貯留層（実質的な
スタンプ台本体）の多孔性は、該機能を可及的高度に達
成し得るように形成させることが好ましく、例えば、有
効多孔率を４０〜５０％程度に形成させることが実用的
である６本発明のスタンプ台は、全体を均一な多孔質体
に形成させてもよいが、上記のように、それぞれの機能
を考慮して、表面層とその下側の層との有効多孔率を異
なるように形成させることが好ましい、そのような各層
の有効多孔率をコントロールするには。

例えば、材料樹脂の粉粒度を選択することにより、また
予備成形圧力あるいは焼結圧力によって、ある程度可能
であるが、好ましくは、焼結温度以下、特に、ポリアミ
ド樹脂の融点以下、屈曲点以上の温度において熱分解し
てガスを発生したり、気化するような粉末状気孔形成性
物質を利用して、その適当量の粉末をポリアミド樹脂に
添加配合することにより、一層好都合に行うことができ
る。

そのような気孔形成性物質は、熱分解性物質としては１
例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸セリウム等の炭酸塩、硫酸アル
ミニウム、硫酸ナトリウム。

硫酸マグネシウムカリウム、硫酸セリウム等の硫酸塩、
りん酸二水素ナトリウム、亜りん酸二水素ナトリウム、
りん酸水素ナトリウム等のりん酸塩、亜硫酸ナトリウム
のような亜硫酸塩、水酸化亜鉛。

水酸化コバルト等の水酸化物、塩化アルミニウム。

塩化マグネシウム等の塩化物等の如き無機化合物類、し
ゆう酸アンモニウム、しゆう酸鉄、酒石酸カリウム、く
えん酸カリウム等の有機塩類、及びアゾジカルボアミド
、４．４’−アゾジフェノール。

ＰｙＰ　’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
、ジクミルパーオキシド、ジニトロソペンタメチレンテ
トラミン、２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサ
ンｅＰ−トルエンスルホニルヒドラジド、トリヒドラゾ
ノトリアジン、ｔ−ブチルパーオキシド等の有機化合物
類が挙げられる。

また、昇華性気化物質としては、１．１’−アゾナフタ
レン、２−アミノ−Ｐ−クレゾール、０−アミノフェノ
ール、ｐ−キシレン−２，５−ジオール、２−キノルア
ミン、サリチルアルコール、１．４−ジヒドロキシアン
トラキノン、ｄ−ショーノウ、１，５−ナフタレンジア
ミン、１，６−ナフタレンジオール、５−ニトロキノリ
ン、フタルイミド及びρ−メチルアントラセン等が挙げ
られる。

これらの気孔化性物質は、一種又は二種以上を組み合わ
せて用いることができる。また、これらの気孔化性物質
は、常温においては固体であって、容易に粉砕すること
ができるので、粉末化してポリアミド樹脂粉末に均一に
混和使用される。これら気孔化性物質の使用量は、所望
有効多孔率により、また、気孔化性物質の種類によって
適宜選択されるが、当業者であれば、所望多孔率の焼結
体を形成させるのに、簡単な実験により、その適量を容
易に決定することができる。

本発明のスタンプ台の形成において、有効多孔率の異な
る二層部具上を一体に形成させるには、それぞれの有効
多孔率を形成する成形材料を調製し、例えば、それらを
所望の層状態に金型内に配置して加圧成形するか、第一
の層を加圧成形し。

次いで、その上に第二の層を一体に、更に次の層等を一
体に成形して形成された予備成形体を加熱焼結すること
により多孔質成形体を製造することができる。

このように形成された本発明のポリアミド系樹脂製多孔
質成形体スタンプ台は、従来のそれのように、上面に繊
維布類を張設する必要が全くなく、従って、繰返しの使
用により繊維が擦り切れて印字部に付着する不都合がな
いばかりでなく、表面に一定量のインクが迅速に供給さ
れるので、抑圧力の相違によるインク付着量の差が実質
的になく、常に一定濃度のきれいな印字が得られる。

本発明に係るスタンプ台は、ポリアミド樹脂の望ましい
特性のために、水性インク及び油性インクのいずれにも
好適に使用することができる。また、インクに、例えば
、芳香剤を加えて、香りのよいスタンプ台として提供す
ることができる。

第１図は、本発明のスタンプ台の一例の模式的断面図で
ある。図において、表面層１とインク貯留層２で構成さ
れるスタンプ台は、ケース本体３内に嵌合状に納められ
、押え部材６によって固定されている。ケース本体３に
は、蝶番５により回動状にＭ４が取り付けられ、カバー
されている。

〔実施例〕

次に、実施例により、本発明のスタンプ台を更に詳細に
説明する。

実施例　１ ８０メツシユのふるいを通過した６・６−ナイロン粉末
４０ｇと１１−ナイロン粉末Ｌｏｇに、気孔化性物質と
して２０メツシユのふるいでふるい分けた炭酸水素ナト
リウム粉末５０ｇを加え、ボールミルで粉砕混合してス
タンプ台形成用粉末材料を調製した。

この成形材料７ｇを成形用金型に充てんし、１５０ｋｇ
／Ｊで加圧成形し、直径４０＋ｍ、厚さ５ｍの成形体を
作成した。次いで、この成形体を２５０℃の温度条件下
に約３時間加熱焼結し、単一多孔質層のスタンプ台を得
た。

コノ焼結体をＪＩＳ　Ｚ　２５０５及びＪＩＳ　Ｚ　２
５０６に記載の測定法に従って測定した密度及び有効多
孔率は。

それぞれ０．５１　ｇ　／　ａｌ及び５５．０％で、Ｊ
ＩＳ　Ｈ０５０５の方法によるショア硬度は、２５〜３
０であった。

このスタンプ台に、４％の芳香剤を添加した朱肉油を含
浸させ、印鑑を用いて印字試験を行ったところ、初期印
字においても朱肉油が出すぎることも、印鑑の印字面以
外が汚れることもなく、また、その初期印字は一万回目
の印字と実質的に同等の印字濃度であった。更に、長期
の使用にも、樹脂が剥落する不都合はなく、使用のたび
によい香りがして、朱肉油独特の臭いが抑制された。

実施例２ 表面層用成形材料として、１００メツシユのふるいでふ
るい分けた６・６−ナイロン粉末４０ｇと１２−ナイロ
ン粉末ｌｏｇをボールミルで混合調製し１次に、上記表
面層用と同じナイロン樹脂混合物に、更に気孔化性物質
として２０メツシユのふるいでふるい分けた炭酸水素ナ
トリウム粉末５０ｇを添加し、ボールミルで混合して下
層部成形用成形材料を調製した。

実施例１と同じ金型を用い、まず調製された表面層用成
形材料１ｇをいれて水平にならし、次いで、インク含浸
貯留層（下層）用成形材料６ｇを充てんして、所要圧力
１５０ｋｇ／ａＪで加圧成形し、直径４０１、厚さ５ｍ
ｍの成形体を作成した。この成形体を設定温度２４０℃
の′醇気炉内にいれ、２時間加熱焼結して、二層ポリア
ミド樹脂多孔質焼結体のスタンプ台を得た。

この焼結体は、表面層の厚さが１＋ｎｍ、下層部の厚さ
が４閣で、それぞれの密度及び有効多孔率は。

表層部が０．８２　ｇ　／　ｄ　、　３１．６％、下層
部が０．５０ｇ／ａｌｌ、　５８．１％であった。また
、表面層のショア硬度は、５５〜６０であった。

この焼結体をスタンプ台として、通常のスタンプインク
を含浸させて印字試験をしたところ、二号回の印字にお
いても印の汚れは見られず、また。

初期印字と同等のすっきりした印字が得られた。

〔発明の効果〕

本発明のスタンプ台は、繰返しの使用にも、乱れのない
すっきりした一定濃度の印刷印字が得られ、また、長期
間の使用においてスタンプや印鑑の汚れは極めて僅かで
、連続する押印においても、インクが表面層の多孔毛管
現象により、速やかに表面に適切量補給されるので、印
字が薄くなることもなく、実用的に極めて望ましいもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明のスタンプ台の一例の断面図である。 図中の符号： １・・・スタンプ台表面層

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ポリアミド系樹脂粉末を焼結させた盤状多孔質体で
   あって、その表面層が、有効多孔率２０〜５０％及びシ
   ョア硬度１５〜６５の範囲に形成されて成るスタンプ台
   。 ２、ポリアミド系樹脂粉末が、ポリアミド樹脂の一種又
   は二種以上の混合物から成る特許請求の範囲第１項記載
   のスタンプ台。 ３、表面層の下側のインク含浸貯留層の有効多孔率が４
   ０〜８０％である特許請求の範囲第１項に記載のスタン
   プ台。