JPS6312223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アースドリルのように伸縮式の掘削
具を用い、この掘削具をスイベルジヨイントを介
してワイヤロープにより支持する竪孔掘削機にお
けるスイベルジヨイントの泥水飛散防止装置に関
するものである。

アースドリルにおいては、バケツトの中に土砂
を取入れ、地上に引上げて排土することを繰り返
すことにより竪孔を掘削する関係上、この繰り返
し作業を容易にするために、第１図に示すよう
に、クレーン１でワイヤロープ２によりバケツト
３を支持する方式が採られている。尚、バケツト
３はケリーバ４の下端に取付けられ、ケリーバ４
はフロントフレーム５に設置されたケリーバ駆動
装置６により上下動自在に保持されると共に、上
端がワイヤロープ２にスイベルジヨイント７を介
して連結され、ケリーバ駆動装置６を作動させる
ことによつてケリーバ４及び掘削具としてのバケ
ツト３が回転されるようになつている。また、ワ
イヤロープ２は、ブーム８の上端のシーブ９に掛
けられたウインチ１０によつて繰り出し、繰り込
みされることにより、バケツト３の引上げ、降下
がなされるようになつている。

またケリーバ４は伸縮式になつており、バケツ
ト３を取付けている一番内側のケリーバにスイベ
ルジヨイント７が接続されている。尚、掘削孔１
１には泥水が満たされているため、掘削孔が深く
なるとスイベルジヨイント７は泥水に浸かること
になる。またスイベルジヨイント７は伸縮式のケ
リーバ４を組立てたのち一番内側のケリーバにピ
ンで連結する関係から、一番外側のケリーバの上
端から抜け出した状態にさせなければならない。。
従つて地上に引上げてバケツト３の土砂を排出す
る際はスイベルジヨイント７がケリーバ４から露
出した状態になる。この時、バケツト３が着地す
ることでワイヤロープ２は緊張状態から弛緩状態
となり、ワイヤロープの特性上縒りが戻される。
そして再び緊張状態になつた時、激しくスイベル
ジヨイント７が回転し、スイベルジヨイント７に
付着した泥や泥水が周囲に放射状に飛散し、作業
者に降りかかるという問題点があつた。

本考案は上記の問題点を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、スイベルジ
ヨイントのケリーバへの取付性を損うことなく、
スイベルジヨイントからの泥水等の飛散を防止す
るための装置を提供することにある。

この目的を達成するために本考案は、ワイヤロ
ープによりスイベルジヨイントを介してインナケ
リーバが支持される伸縮式ケリーバを有するアー
スドリルにおいて、アウタケリーバの上端部にス
イベルジヨイントを包囲する筒状のカバーを脱着
可能に取付け、そのカバーの高さはケリーバを折
りたたんだ時のスイベルジヨイントの位置より高
い寸法に設定されていることを特徴とするもので
ある。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
より、さらに具体的に説明する。第１図は本考案
の筒状のカバー１２を取付けたアースドリルの掘
削作業状態図を示したものである。第２図は伸縮
式ケリーバ４にバケツト３、スイベルジヨイント
７、筒状のカバー１２を取付けた拡大断面図で、
この時の伸縮式ケリーバ４は完全に縮められた状
態にある。この構成を詳細に述べると、まずバケ
ツト３は角断面構造のインナケリーバ１３とピン
１４とで連結され、角パイプ断面構造のセカンド
ケリーバ１５及びアウタケリーバ１８は圧縮ばね
１６、座金１７を介してインナケリーバ１３に載
つており、アウタケリーバ１８にセカンドケリー
バ１５が、セカンドケリーバ１５にインナケリー
バ１３がそれぞれ差し込まれている。アウタケリ
ーバ１８の上端部にはスイベルジヨイント７を包
囲する筒状のカバー１２がボルト１９によつて固
定されている。そのカバー１２の高さは第２図に
示すように、伸縮式ケリーバ４を折りたたんだ時
のスイベルジヨイント７の位置より高い寸法に設
定されている。カバー１２のボルト１９の差し込
み部にはねじ穴があけられているが、アウタケリ
ーバ１８にはきり穴１８ａがあけられている。
尚、このきり穴１８ａは輸送時にセカンドケリー
バ１５が抜け出ないように、アウタケリーバ１８
の内側にストツパ（図示しない）を取付けるため
の穴で、掘削作業中はこのストツパは外されてい
る。このためボルト１９はカバー１２と連結さ
れ、ボルト１９のアウタケリーバ１８のきり穴１
８ａにかかる部分はねじ部分を切り落した段付き
形状にしてあるため、単に穴に差し込まれた状態
になつている。従つて、外側からボルト１９をね
じ込むことにより、カバー１２がアウタケリーバ
１８に固定されることになる。また、カバー１２
は第３図に示すように、コ字型カバー材１２ａ，
１２ｂに縦方向に２分割され、ピン２０，２１に
よつて互いに連結されている。スイベルジヨイン
ト７はピン２２によつてインナケリーバ１３に連
結されており、コ字型カバー材１２ａ，１２ｂで
包囲されている。またアウタケリーバ１８の内側
の下端には突起１８ｂが、セカンドケリーバ１５
の外側の上端には突起１５ａが、内側の下端には
突起１５ｂがそれぞれ設けられている。これによ
り突起１８ｂと突起１５ａとが、また突起１５ｂ
とスイベルジヨイント７とがそれぞれ係合するこ
とになつて、ケリーバ４を伸長しても抜け出ない
構造になつている。

次に組立手順について説明する。まずアウタケ
リーバ１８に対し上からセカンドケリーバ１５を
差し込み、次に圧縮ばね１６、座金１７を取付け
たインナケリーバ１３を下から差し込む。そして
ワイヤロープ２を取付けたスイベルジヨイント７
をピン２２でインナケリーバ１３に連結する。そ
してあらかじめボルト１９を取付けてある２分割
構造のカバー１２を、ボルト１９がアウタケリー
バ１８のきり穴１８ａに合うように左右からはめ
込む。そしてピン２０，２１で連結すると、カバ
ー１２がアウタケリーバ１８に安定的に取付けら
れる。

次に作用について説明する。第１図の掘削状態
から次第に掘削深度が大きくなると、ケリーバ４
を構成する各ケリーバが伸長し、スイベルジヨイ
ント７やワイヤロープ２が掘削孔１１の泥水に浸
かる状態になる。そしてバケツト３内に土砂が一
杯になると、ワイヤロープ２をウインチ１０で巻
上げる。これによりケリーバ４は折りたたまれて
地上に引上げられる。この時ワイヤロープ２及び
スイベルジヨイント７には、泥水が付着している
と共にワイヤロープ２は緊張状態にある。そして
地上で排土すべくバケツト３を着地させるとワイ
ヤロープ２は弛緩され、このためにロープの縒り
が戻され、再びバケツト３を持上げた時ロープが
緊張状態となり、スイベルジヨイント７が急速回
転する。この時スイベルジヨイント７に付着した
泥や泥水が飛散するが、カバー１２によつてスイ
ベルジヨイント７が覆われているため、飛散した
泥や泥水はケリーバ４内に落ちるが外部には飛散
しない。

尚、カバー１２に取付けるボルト１９の代わり
にノツクピンを用いても良い。

また、カバー１２を２分割構造した例を示した
が、一体構造にしても良い。但しこの場合は、ス
イベルジヨイント７をインナケリーバ１３に取付
ける前に、カバー１２２の中にワイヤロープ２と
スイベルジヨイント７とを通しておく必要があ
る。

以上述べたように本考案によれば、アウタケリ
ーバの上端部にスイベルジヨイントを包囲する筒
状のカバーを脱着可能に取付け、そのカバーの高
さをケリーバを折りたたんだ時のスイベルジヨイ
ントの位置より高い寸法に設定ししたので、ワイ
ヤロープの弛緩、緊張の繰り返しによるスイベル
ジヨイントからの泥や泥水が外部に飛散するのを
完全に防止できる効果がある。また、インナケリ
ーバにスイベルジヨイントを取付ける作業に全く
支障を与えない他、組立手順やケリーバの構造を
大巾に変更する必要が無いので、既納したアース
ドリルにも比較的簡単に装着することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したアースドリルの全体
側面図、第２図は本考案の装置を取付けた伸縮式
ケリーバの断面側面図、第３図は第２図の−
線に沿う拡大平面図である。 ２……ワイヤロープ、４……伸縮式ケリーバ、
７……スイベルジヨイント、１２……筒状のカバ
ー、１２ａ，１２ｂ……コ字型カバー材、１３…
…インナケリーバ、１８……アウタケリーバ、１
９……ボルト、２０，２１……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ワイヤロープによりスイベルジヨイントを介
   してインナケリーバが支持される伸縮式ケリー
   バを有するアースドリルにおいて、アウタケリ
   ーバの上端部にスイベルジヨイントを包囲する
   筒状のカバーを脱着可能に取付け、そのカバー
   の高さはケリーバを折りたたんだ時のスイベル
   ジヨイントの位置より高い寸法に設定されてい
   ることを特徴とするスイベルジヨイントの泥水
   飛散防止装置。 ２ 前記筒状のカバーは縦方向に分割可能に構成
   されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のスイベルジヨイントの泥水
   飛散防止装置。