JPS63114959A - 形状記憶合金シ−ト材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［ａ業上の利用分野］ 本発明は形状記憶合金シート材の製造方法に係り、特に
極めて屈曲性、柔軟性に富む形状記憶合金の薄膜ないし
箔を容易に製造することができる方法に関する。

［従来の技術］ 塑性変形させた合金をある変態温度以上とすると変形以
前の形状に戻る性質を有する形状記憶合金は既に知られ
ている。

形状記憶合金については、様々な分野における応用が研
究開発されており、形状記憶合金を使用目的に応じて成
形する技術の開発が必要とされている。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、形状記憶合金のシート材を製造する場合には
、圧延等の従来の成形方法では、柔軟性に富む薄膜ない
し箔状のものを得ることができない。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は極めて屈曲性、柔軟性に冨む形状記憶合金の薄
膜、ないし箔も容易に製造することができる形状記憶合
金シート材の製造方法を提供するものであって、 燃焼除去又は溶解除去可能な材質からなる薄材を基材と
し、この基材表面に形状記憶合金のスパッタリング膜を
形成した後、該基材を燃焼又は溶解により除去すること
を特徴とする形状記憶合金シート材の製造方法、 を要旨とするものである。

［作用］ スパッタリングによれば、基材表面に、形状記憶合金の
極めて薄い膜をも短時間で容易にかつ効率的に形成する
ことができる。

本発明においては、スパッタリング膜を形成した後、基
材を燃焼又は溶解により除去するため、極めて屈曲性、
柔軟性に富む形状記憶合金の薄膜ないし箔を容易に製造
することができる。しかして、得られた形状記憶合金シ
ート材の温度感度は極めて良好なものとなる。

［実施例］ 以下図面に示す実施例を参照しながら本発明について更
に詳細に説明する。

第１図（ａ）、（ｂ）は本発明の実施例方法を説明する
図である。

本発明においては、まず第１図（ａ）のような燃焼除去
又は溶解除去可能な薄材１を基材として用い、この基材
の表面に形状記憶合金のスパッタリング膜２を形成する
。

この薄材１としては、スパッタリング処理条件に耐え得
る材質のものが用いられる。その厚さは、スパッタリン
グ時にその形状を維持できる厚さであればよく、特に限
定はないが、なるべく薄いほうが後工程における除去量
が少なくて好適である。

燃焼除去できる薄材としては、炭素繊維の織布や抄紙、
その他合成樹脂フィルムや紙なども用いることができる
。また溶解除去できる薄材としては、アルミニウムやニ
ッケル等の金属箔や、有機溶剤にて溶解する合成樹脂等
の高分子フィルム等が挙げられる。

なお、第１図（ａ）では平板状の薄材１を示しているが
、本発明においては曲板状、折板状の薄材としてもよい
。

このような薄材１の基材に、スパッタリング膜２を形成
するには、通常の合金スパッタリング膜形成方法を採用
することができる。

一般に、スパッタリングにより２種以上の金属よりなる
合金膜を形成する場合、そのスパッタターゲットとして
は、所望とする合金膜の組成に応じた組成の合金よりな
るものを用いるが、合金の種類によっては、鋳造、加工
によりターゲットの形状とするのが困難なものがある。

この場合には、合金の各構成金属をその組成に応じて貼
り合せてターゲット形状とした複合ターゲットを用い、
これを回転させてスパッタリングを行なう方イ去を採用
するのが好ましい。

本発明において、スパッタリングを行なう形状記憶合金
としては特に制限はなく、目的に応じて適当な変態温度
を有するものを用いる。形状記憶合金としては、例えば
Ｎｉ−Ｔｉ系、Ｃｕ−Ｚｎ−Ａｎ系、その他Ｃｕ−Ｚｎ
％Ｃｕ−ＡｆＬ−Ｎ　ｉ系等の合金が挙げられる。代表
的な形状記憶合金とその変態温度は第１表に示す通りで
ある。

第１表 ＊１＝ｗｔ％ ＊２：Ｍｓ、＝冷却時の変態開始温度 ＊３：Ａｓ＝加熱時の変態開始温度 なお、Ｃｕ−Ｚｎ−Ａｌ１３元合金の形状記憶を示す濃
度範囲はＣｕ６８〜８０％で、残りの２０〜３２％は種
々の組成比のＺｎとＡλからなっており、組成をわずか
に変化するだけで、変態温度は大きく変化し、−１０５
〜３８０℃の範囲に調節することができる。

このような形状記憶合金のスパッタリング膜２を所望の
厚さに形成した後は、基材の薄材１の除去を行なう。こ
の基材の除去は、燃焼又は溶解により行なう。燃焼除去
を行なうには、酸化：囲気中において基材が燃焼する温
度領域に保持すればよい。この際、スパッタリング処理
装置内に保持したまま、７囲気を酸素又は空気に切り換
えて必要に応じて加熱し、処理装置内で基材の燃焼除去
を引き続き行なうこともできる。勿論、本発明において
は、−旦装置外に取り出して基材を燃焼除去してもよい
。

基材を溶解除去させる場合、例えば基材がアルミニウム
やニッケル等の金属であるならば、適当な濃度の酸を用
いる。また、アルミニウムはアルカリでも溶解除去する
ことが可能である。更に、基材が合成樹脂である場合、
それを適度な早さで溶解し得る有機溶剤を用いてもよい
。

基材の薄材１を除去することにより、第１図（ｂ）に示
す形状記憶合金のシート材３が得られる。

このような本発明の方法によれば、極めて薄いシート材
をも容易に製造することが可能である。

このようにして得られた形状記憶合金のシート材は、そ
の形状記憶効果を利用して、様々な製品に応用すること
ができる。

例えば、第２図（ａ）、（ｂ）に示すように、温度変化
により自動的に巻上げられる巻取りカーテン４（なお、
第２図（ａ）はカーテン４をおろした状態を示し、第２
図（ｂ）はカーテン４が巻ぎ上げられた状態を示す、）
や、第３図（ａ）、（ｂ）に示すように温度変化により
自動的に包装が解かれる包装紙５（なお、第３図（ａ）
は包装紙４で包装した状態を示し、第３図（ｂ）は包装
が解かれ被包装物６が現われた状態を示す。）、その他
温度変化により自動的に開く便箋等に応用することがで
きる。

［発明の効果］ 以上詳述した通り、本発明の形状記憶合金シート材の製
造方法は、燃焼除去又は溶解除去可能な材質からなる薄
材を基材とし、この基材表面に形状記憶合金のスパッタ
リング膜を形成した後、該基材を燃焼又は溶解により除
去することを特徴とするものであって、極めて屈曲性、
柔軟性に冨む形状記憶合金の薄膜ないし箔を短時間で容
易かつ効率的に、低コストで製造することができる。

しかして、得られた形状記憶合金シート材は、温度感度
が極めて高いことから、著しく優れた形状記憶効果を奏
し、形状記憶合金の各種分野への応用に極めて有用であ
り、形状記憶合金の適用分野の拡大を図ることができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ｂ）は本発明の実施例方法を説明する
断面図、第２図（ａ）、（ｂ）及び第３図（ａ）、（ｂ
）は本発明で得られる形状記憶合金シート材の応用例を
示す斜視図である。 １・・・薄材、　　　　　　２・・・スパッタリング膜
、３・・・形状記憶合金シート材、 ４・・・カーテン、　　　　５・・・包装紙。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）　燃焼除去又は溶解除去可能な材質からなる薄材
   を基材とし、この基材表面に形状記憶合金のスパッタリ
   ング膜を形成した後、該基材を燃焼又は溶解により除去
   することを特徴とする形状記憶合金シート材の製造方法
   。
2. （２）　形状記憶合金がＮｉ−Ｔｉ系合金であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の方法。