JPS6311196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はフアンデーシヨン用、或いはスポーツ
用衣類の付属品として適した伸縮性細幅用経編地
に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来からフアンデーシヨン素材として幅広の弾
性経編地が種々考案されており、特にサテン調の
エラステイツク・フアブリツクが主流となつてき
ている。

このような弾性経編地が開発される一方、これ
に対応する緻密な表面効果を有する伸縮性細幅テ
ープが要求されているが、従来品においては、風
合や物性、色調等を使おうとする広幅身生地に合
わすために、その身生地用の広幅生地を適宜な裁
断具にて所望の細幅にカツトし、これを伸縮性細
幅テープとして使用していた。

しかしながら、このような方法によつて得たテ
ープは、縁部の成形が煩わしいばかりでなく、洗
濯等において耳部のホツレが生じる等の問題点が
あつた。

考案の目的 本考案は上記従来の問題点をなくするもので、
広幅サテン調エラステイツク・フアブリツクに対
応した同様なサテン調組織の伸縮性細幅用経編地
を提供するものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案の伸縮性細幅
用経編地は、合成繊維糸条よりなる地編糸に弾性
糸を挿入編成してなる一定細幅の地編糸組織の両
側縁に耳編糸を編成すると共に隣接する地編糸組
織の耳編糸間に抜き糸を介在、挿入して経編地組
織を形成し、さらに、耳編糸側に挿入した弾性糸
の一部を前記抜き糸に絡ませてなるもので、抜き
糸を除去した際に、耳縁部が平滑なリボン状伸縮
性細幅テープとなるように構成したものである。

実施例の説明 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は合成繊維糸条よりなる地編糸１１、弾性糸２
１、耳編糸３１で編成してなる一定細幅の地編糸
組織でこの細幅地編組織１を多数、抜き糸４１を
介して接続することにより広幅の経編地組織Ａを
編成してある。

地編糸１１の編成は、第４図に示すように、一
番下のコースから３コース目までは同一ウエール
において閉目ループに形成し、４コース目に隣接
するウエールに移行してそのウエール上の３つの
コースに亘つて閉目ループを形成したのち再び前
記ウエールに戻つて同じく閉目を形成し、これを
繰り返し編成してなるものである。即ち、同一ウ
エール上に３つの閉目を形成し、これに隣接する
ウエールにおいても始めに形成した３つの閉目と
は対称の閉目を形成してなるものであり、この地
編糸１１を所望ウエール数に編成して一定細幅の
地編糸組織１を形成したある。

この地編糸組織１の各地編糸１１に挿入した伸
縮性を有する弾性糸２１は、第６図に示すように
最初のコースにおいて針の右側を走行し、次のコ
ースにおいて針の左側を走行するジグザグ状の挿
入組織を形成したのち、３コース目においては右
側の２針間を走行し、４コース目で再び２針間、
今度は逆方向の左側に走行して元のウエールに戻
り、該４コース目の針の左側を通過したのち５コ
ース目で針の右側を走行するジグザグ状の挿入組
織を形成する。さらに、６コース目においては左
側の２針間を走行したのち再び２針間右側に走行
して最初のコースのウエール位置に戻る挿入組織
を形成してある。

なお、この弾性糸２１の挿入組織は、最も普編
的にサテン調エラステイツクフアブリツクに使わ
れている挿入組織である。

耳編糸３１，３１は各地編糸組織１の両側縁に
挿入され、抜き糸４１は隣接する地編糸組織１，
１の耳編糸３１，３１間に介在、挿入してある。

これらの耳編糸３１と抜き糸４１の編成組織
は、第５図に示すように、１針間のみにおいて給
糸される開目を形成してなる鎖編である。

抜き糸４１は第１図に示すように、一番下から
３コース目で隣接する左側の弾性糸２１と絡み、
次に３コース進んだ部分で右側に隣接する弾性糸
２１に絡むというように、３コース進む毎に順次
左右の弾性糸２１，２１に絡みながら編成され、
この抜き糸４１を介して一定細巾の地編糸組織
１，１…１が連設して広巾の経編地組織Ａを編成
しているものである。

そして、抜き糸４１を抜き取つた時には、この
抜き糸４１に絡んでいた縁部の弾性糸２１が弾性
収縮して第２図の４２，４３部分に示すように、
地編糸１１と耳編糸３１で組織してなる耳部分に
包含される。

なお、地編糸１１と弾性糸２１で構成される組
織はサテン調弾性編組織である。

本考案における大きな特長の一つは、このよう
なサテン調編組織における弾性糸２１の挿入組織
が数コース毎（実施例においては３コース毎）に
右又は左に交互に２ウエール走り、次の走行で再
び元のウエールに戻つている組織を利用して２ウ
エール間走行した弾性糸部分に抜き糸４１を絡ま
せている点にある。

このように構成したので、第１図において弾性
糸２１が２ウエール走行して抜き糸４１と絡んで
いる部分４２，４３、を抜き糸４１を除去するこ
とによつて第２図に示す一定細幅の地編糸組織
１，１からなるテープに分かれるものである。

符号４２，４３の部分の余つた弾性糸２１のピ
コツト部分は、弾性糸なるがために収縮してテー
プ耳端のコースの地編糸１１と耳編糸３１で組織
してなる編目に包含される。

又、抜き糸４１は左右のテープの２ウエールを
走行部分４２，４３の弾性糸２１に３コース毎に
絡ませながら開目にて組織してなる鎖編であるか
ら、簡単に除去でき、弾性糸２１のピコツト部分
の収縮によつて平滑な耳部が形成され、あたかも
鋭利な刃物でカツトした外観を呈する伸縮性のリ
ボン状細幅生地が得られるものである。

考案の効果 以上のように本考案の伸縮性細幅用経編地によ
れば、一定細幅の地編糸組織１の両側縁に耳編糸
３１，３１を編成すると共に隣接する地編糸組織
１，１の耳編糸３１，３１間に介在させた抜き糸
４１に、耳編糸３１，３１側に挿入した弾性糸２
１、２１の一部を絡ませてなるものであるから、
フアンデーシヨン及びスポーツ衣類の分野におけ
る伸縮性経編地に対してこれと風合が類したリボ
ン状の弾性細幅編物が編成上無理なく得ることが
でき、しかも、抜き糸４１の除去が容易であると
共に除去した際に該抜き糸４１に絡んでいた弾性
糸２１が収縮して平滑な耳部を形成することがで
き、基布となる伸縮性経編地の付属品として縁部
の成形が不必要でホツレの生じない美麗なテープ
状弾性細幅編地となるものである。

さらに、染色面においても身生地用の広幅伸縮
性経編地と同一の染色加工を施すことができ、従
つて、寸法安定性、色相の安定性等の面において
も身生地用広幅伸縮性経編地と同様な物性が得ら
れるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
編成組織図、第２図は抜き糸を除去した状態の編
成組織図、第３図は第２図におけるテープ耳側の
編目意匠図、第４図は地編糸の編成組織図、第５
図は耳編糸及び抜き糸の編成組織図、第６図は弾
性糸の挿入組織図である。 １……地編糸組織、１１……地編糸、２１……
弾性糸、３１……耳編糸、４１……抜き糸４１、
Ａ……経編地組織。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成繊維糸条よりなる地編糸１１に弾性糸２１
   を挿入編成してなる一定細幅の地編糸組織１の両
   側縁に耳編糸３１，３１を編成すると共に隣接す
   る地編糸組織１，１の耳編糸３１，３１間に抜き
   糸４１を介在、挿入して経編地組織Ａを形成し、
   さらに、耳編糸３１，３１側に挿入した弾性糸２
   １，２１の一部を前記抜き糸４１に絡ませてなる
   伸縮性細幅用経編地。