JPS63110524A - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、管本体の内壁面や上記管本体に内蔵される
電極の表面に、結合剤である水ガラスを介して導電性物
質を形成する陰極線管の製造方法に関するものである。

［従来の技術］ 第３図は、カラー陰極線管の一般的な構成を示す図であ
り、同図において、（１）はガラス製の皿状容器である
パネル、（２）はガラス製の漏斗状容器であつるファン
ネルてあり、両者（１）、（２）は低融点ガラス（３）
により溶融固着されている。

（４）は色選別機部を有するシャドウマスクであり、こ
れは、その周辺部において保持部材（４１）を介して上
記パネル（１）に内装保持されている。

（５）は蛍光体であり、上記パネル（１）の内面に形成
されている。（６）は導電性の内装ダックであり、第４
図の如く上記ファンネル（２）の内面に塗布形成されて
いる。

（７）は電子銃であり、上記ファンネル（２）の細径ネ
ック部（２１）に収納保持されていて、上記蛍光体（５
）に電子ビームを衝突させる。（７１）は上記電子銃（
７）を動作させる電位信号を与える電極素子であり、こ
れをガラスを用いて、上記細径ネック部（２１）に固着
保持することで、管内の真空状態を保つように構成して
いる。

以上のような構成のカラー陰極線管において、上記導電
性の内装ダック（６）として１通常、特公昭６１−２０
９９０号公報に開示されているように、黒鉛と結合剤と
しての水ガラスとか用いられていた。

また、近年、カラー陰極線管の映像をみやすくする手段
の１つに、映像を再現する画面を平坦化することが試み
られ、その結果、陰極管の動作中に電子銃（７）から放
射された電子ビームがシャドウマスク（４）に衝突して
、その運動エネルギーが熱に変換され、シャドウマスク
（４）の温度が上昇する。そのような温度上昇を抑制す
る手段として、たとえば特公昭５１−６９６９号公報に
開示され、第５図で示したように、シャドウマスク（４
）の表面に重金属（４２）を塗布し、その重金属（４２
）をシャドウマスク（４）の表面に接着させる手段とし
て、水ガラスか用いられている。

ところで、カラー陰極線管の製造方法としては、一般に
第６図のフローチャートで示す工程か採用される。

つまり、複数個の部品を溶接して組立てられたシャドウ
マスク（４）とパネル（１）とが、図示省略するが、シ
ャドウマスク（４）側に取付けられたマスクスプリング
を介して所定姿勢に組付けられたのち、第１の熱処理（
１０）が行なわれる。この熱処理（１０）は、大気中の
雰囲気で約４５０℃で、１０〜３０分間の加熱処理によ
って組立てによる歪の除去を行なうためのものである。

つぎに、パネル（１）の内面に蛍光体（５）、っまり絵
素を形成する。この絵素は、赤・緑・青を電子ビームの
衝撃により蛍光を発する物質、たとえば、Ｙｚ０２Ｓｉ
Ｅｕ　　ＺｎＳ：Ｃｕ、　ＡＩ、　ＺｎＳ：Ａｇで構成
され、コントラストをつけるために、各蛍光体間は、炭
素をに系あるいはＮａ系の水ガラスを用いて接着する。

また、絵素の電子銃（７）側の面は、輝度の向上と電子
ビームの衝撃にともなう帯電防止の目的のためアルミ膜
が蒸着されている。

ついで、第２の熱処理（１１）が行なわれるが、この第
２の熱処理（１１）は、パネル（１）内面の絵素な構成
するために用いられた水分、有機物（ＰＶＡ）などを焼
却し除去するものであり、約３５０℃で、１０〜３０分
間にわたり、大気中の雰囲気で加熱処理する。

つづいて、第３の熱処理（１２）か行なわれるが、この
第３の熱処理（１２）は、ファンネル（１２）の内面に
塗布形成された黒鉛を、ファンネル（２）に接着させる
ために用いられた珪酸塩、すなわち、水ガラス（珪酸ナ
トリウムや珪酸カリウム）に含まれている水分、結晶水
などを加熱除去することと、パネル（１）とファンネル
（２）との低融点ガラス（３）による結合を図ることを
目的とするもので。

約４５０°Ｃて、２０〜４０分間の加熱処理を行なう。

以上の製造工程で、上記の各熱処理（１０）、（１１）
。

（１２）はそれぞれ大気中の雰囲気のもとて加熱か行な
われるものであり、大気の影響がカラー陰極線管の内部
に塗布形成されている蛍光体物質や内装ダック物質に変
化を与える。

たとえば、Ｎａ系の水ガラス、つまり珪酸ナトリウムを
用いた場合、黒鉛または重金属をカラー陰極線管の所定
部分に接着させるためには、その水ガラスは。

Ｎａ２ＳｉＯ３＋　２Ｈ２０→Ｈ２Ｓ１Ｏｓ＋　２Ｎａ
ＯＨ）１ｔＳｉＯａ＋２ＮａＯＨ−＊　　　ＳｉＯ２＋
　　２ＮａＯＨ＋Ｈ２０で示すような変化を生じる。

つまり、水ガラスは５ｉ０２と　ＮａＯＨの固体になる
。

このような熱処理を常けた水ガラスによって固められた
黒鉛または重金属は、外気に触れ、その外気の水分によ
り表面は、 ＳｉＯ２＋ＨｘＯ→　Ｈ２Ｓ　ｉ　０３なる反応により
溶解し、所定面積以上に拡大された導電性内装ダックに
なったり、重金属の膜厚が薄くなったりする。

［発明が解決しようとする問題点１ 以上のように、従来の陰極線管においては、管内物質の
結合剤として用いられろ水ガラスが、陰極線管の製造工
程中に熱処理を受けることにより、結晶水および含有水
分か蒸発し、水分かなくなったことで結合力を発揮する
ことになるが、上記の各熱処理工程が完了し、冷却のた
めに大気の雰囲気に接すると、再び水分を吸着して、膜
の表面か溶解し、膜面積の拡大など所定の膜形状な保持
てきなくなる。このように膜形状に変化が生じると、第
７図で示すように、内装ダック（６）か点線て表わした
ようにたれ状態となり、その結果、電子ビームを発射す
る電子銃を構成する電極間において、同図中のＸＸＸを
印したように、陰極線管の動作中に放電か発生する回部
性があり、カラー陰極線管の電気特性に悪影響をおよぼ
すという問題があった。

さらに、シャドウマスク（４）の表面に塗布形成された
重金属膜（４２）において、第８図で示すように、所定
の面（ａ）で維持すべきものの一部（ｌａ）が溶解して
、上記の面（Ａ）から垂れ下がり、これが原因で電子ビ
ームの軌道の一部を遮蔽し、また膜厚に差か生じること
により、電子ビームの運動エネルギーの熱変換効率か不
揃いになって、シャドウマスク（４）の熱歪発生を抑え
る効果にむらかあり、カラー陰極線管の映像再現の画質
の低下を招く欠点かあった。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、結合剤である水ガラスか熱処理後に大気の雰
囲気に接しても、膜の変質、形状変化をなくし、電気特
性への悪影響を防止することができる陰極線管の製造方
法を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この発明にかかる陰極線管の製造方法は、陰極線管本体
の内壁面および陰極線管本体に内蔵される電極の表面を
形成する物質の少なくとも１部分を、気化性ガスにより
包囲して、外気と遮断することを特徴とする。

［作用］ この発明においては、陰極線管の製造工程において水ガ
ラスを結合剤として用いて表面に導電性物質を形成した
電極や管本体を熱処理して次の工程へ移行する際に、気
化性ガスにより上記電極表面や管本体の内壁面を包囲し
て、それら面が外気と直接接触することを避けることが
できる。これによって、大気中の含有水分および炭酸ガ
スと上記導電性物質との接触にともなう物質表面の溶解
を防止する。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を図面にもとづいて説明する
。

この発明の一実施例によるカラー陰極線管の構成の大部
分は、第３図ないし第５図で示したものと同様であるた
め、その構成についての説明は省略し、要点についての
み説明する。

第１図において、（８）はトロリーコンベヤなどに懸吊
される移載用ハンガーであり、このノ１ンガー（８）上
に、Ｎａ系水ガラスを結合剤として重金属膜（４２）を
塗布形成したシャドウマスク（４）と、パネル（１）と
を対に載置して熱処理工程から次の工程に移載するもの
である。（８２）は気化性インヒビターの粉末の一例で
ある亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム（８１）を収
納する容器であって、上記亜硝酸ジシクロヘキシルアン
モニウム（８１）の気化ガスを放出する孔（８３）を有
し、この孔（８３）から上記パネル（１）の内面に向け
て気化ガスを放出するように上記ハンガー（８）に取付
けている。

上記シャドウマスク（４）とパネル（１）とを上記ハン
ガー（８）を介して熱処理工程から次の工程に移載する
際、上記容器（８２）に収納された亜硝酸ジシクロヘキ
シルアンモニウム（８１）を気化させて、その気化ガス
を上記孔（８３）から放出することにより、パネル（１
）の内部に気化ガスを充満させて、重金属膜（４２）お
よび蛍光体（５）の表面が外気と接触することを防止し
、熱処理により無水化された水ガラスの溶解を防いで所
定形状を保持する。

第２図は、この発明の別の実施例を示す。同図はパネル
（１）とファンネル（２）とを低融点ガラス（３）によ
り溶融固着したのち、次工程である電子銃封止工程へ移
載している状態を示し、同図において、　（８４）は−
上記ファンネル（２）の細径ネック部（２１）の付根部
付近を吊下げ支持する形のハンガー（８）にステー（８
５）を介して保持させたフラスコ状の８湯てあり、この
容器（８４）内に亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム
（８１）を収納している。

この亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム（８１）の気
化ガスをファンネル（２）の下部開口から陰極線管本体
内に放出することにより、上記実施例の場合と同様に重
金属膜（４２）、蛍光体（５）および導電性ダック（６
）の表面を気化ガスで包囲して、水ガラスの溶解を防ぐ
。

なお、上記の気化性インヒビターとしては亜硝酸ジシク
ロヘキシルアンモニウム以外に、炭酸シクロヘキシルア
ミン、エタノールアミンの炭酸塩やその化合物、尿素と
亜硝酸ソーダの組合わせなどであってもよく、上記実施
例と同様の効果が得られる。

また、上述のような気化性ガスを紙に含浸させて、これ
をファンネル（２）の細径ネック部（２１）に封入し、
熱処理前に取り出しても同様の効果が得られる。

［発明の効果］ 以上のように、この発明によれば、水ガラスを結合剤と
して形成された物質の表面を気化性ガスにより包囲して
、外気と遮断することによって、熱処理後に上記物質表
面が外気と直接接触することを避けることができる。こ
れによって、水ガラスの溶解にともなう上記表面物質の
変質や形状変化をなくして、所定形状、所定面積の表面
物質を維持でき、陰極線管の映像再現の画質を向上でき
るばかりでなく、動作特性も改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す要部の縦断正面図、
第２図この発明の別の実施例を示す一部切欠き正面図、
第３図はカラー陰極線管の一般的な構成を示す一部断面
正面図、第４図、第５図は第３図の各要部の拡大断面図
、第６図はカラー陰極線管の製造工程を示すフローチャ
ート、第７図および第８図は従来の陰極線管の欠点を説
明するための要部の拡大断面図ある。 （１）・・・パネル、（２）・・・ファンネル、（４）
・・・シャドウマスク、（８）・・・導電性の内装ダッ
ク、（４２）・・・重金属膜、　（８１）・・・気化性
インヒビター（亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム）
の粉末。 なお、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。 代理人　　　大　　岩　　増　　雄 第１図 第２図 ８１：気化性インヒビターの粉末 第３図 第５図 ４２：　重金属膜

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）陰極線管の製造工程中において、陰極線管本体の
   内壁面および上記陰極線管本体に内蔵される電極の表面
   を形成する物質の少なくとも１部分を、気化性ガスによ
   り包囲して、外気と遮断することを特徴とする陰極線管
   の製造方法。
2. （２）上記電極の表面を形成する物質が酸化珪素を含ん
   だものである特許請求の範囲第１項に記載の陰極線管の
   製造方法。