JPS6310975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、クラツチハウジングの点検蓋構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

クラツチは、エンジンとトランスミツシヨンと
の間にあつて、エンジンの動力を駆動輪に対して
断続するものであり、摩擦熱が大量に発生する。
このため、クラツチハウジングの上端部位置の下
方に傾斜しかつ湾曲した外壁面に点検孔を設け、
そしてこの点検孔を覆う点検蓋にこの摩擦熱を外
部に放出するための通気孔（ブリーザ）を設けて
いる。この通気孔はクラツチハウジング内部から
摩擦熱を放出させるものであるが、この通気孔を
介して外部から水、特に泥水が侵入した場合は、
クラツチの機能低下等の不具合を招くおそれがあ
るので、外部から水が侵入しないようにする必要
がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これまで提案されたクラツチハ
ウジングの点検蓋構造によれば、例えば点検蓋の
両側位置に切込線を設けて、この切込線を設けた
部分を表面側に膨出加工して通気孔を設けていた
ので、水の侵入を充分に阻止できない問題があつ
た。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、摩擦熱を外部に放出でき
ると共に、水の侵入を阻止し、クラツチの機能低
下等の不具合を防止することができ、且つ加工が
容易で、コストが安いクラツチハウジングの点検
蓋構造を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、点検蓋に
屈曲する凹みを設け、該凹みの内端部をクラツチ
ハウジングの点検孔に臨ませ、その外端部を前記
点検孔の周縁部外に臨ませるとともに、前記外端
部に対向する内壁面を含む前記凹みの中央部を前
記点検孔の周縁部上に位置せしめて通気路を形成
してなるものである。

〔作用〕

換気に際し、点検蓋３に形成された凹み４の外
端部４ａから空気と共に水が侵入せんとしても、
水は前記外端部４ａ近傍の内壁面４ｃに衝突し、
再び前記外端部４ａより外方に排出され、外部か
らの空気のみが前記凹み４を介し内端部４ｂを経
て点検孔２からクラツチハウジング１の内部に流
入する。

〔実施例〕 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す 第１図は本考案のクラツチハウジングの点検蓋
構造の第一実施例を示す平面図で、図中１はクラ
ツチハウジングである。このクラツチハウジング
１の上端部位置の下方に第２図に示すように傾斜
した外壁面には点検孔２が設けられていると共
に、この点検孔２を覆う点検蓋３が設けられてい
る。

点検蓋３は、略方形状で点検孔２よりも大き
く、その長さ方向両側部の下面にはクラツチハウ
ジング１の内部に通ずる点検孔２と外部とを連通
する凹み４がそれぞれ設けられている。この凹み
４は、点検蓋３の内面をプレス加工して窪ませる
ことにより設けられるもので、略Ｔ字状に構成さ
れている。また、第４図に示すように点検孔２の
周縁部２ａの外側につき出た凹み４の外端部４
ａ，４ａはクラツチハウジング１の外部と連通す
る外部開口となり、更に、第３図に示すように点
検孔２の周縁部２ａの内側、すなわち点検孔２に
臨むようにつき出た凹み４の内端部４ｂがクラツ
チハウジング１の内部と連通する内部開口となつ
ている。

また、前記外端部４ａと内端部４ｂとは凹み４
に形成した前記外端部４ａに対向する内壁面４ｃ
を含む中央部により連結し、該中央部は点検孔２
の周縁部２ａ上に位置せしめて通気路を形成して
おり、摩擦熱により熱くなつたクラツチハウジン
グ１内の空気と外部の冷えた空気とがこれら外端
部４ａ，４ａ、前記中央部及び内端部４ｂを通し
て交換される。換気に際し、水が空気と共に点検
蓋３の下側から外端部４ａ，４ａ、に侵入しよう
とすると、水は外端部４ａ，４ａ内に入るもの
の、凹み４は略Ｔ字状に構成されているために直
接内端部４ｂまで流れることなく、一旦外端部４
ａ，４ａの近傍の凹み４の内壁面４ｃに衝突す
る。このように、凹み４の内壁面４ｃに衝突する
と、水はそれ以上凹み４内に侵入することなく、
再び外端部４ａ，４ａにもどされて外方に排出さ
れ、空気のみが内端部４ｂを経て点検孔２からク
ラツチハウジング１の内部に流れる。また、上方
に位置する外端部４ａから侵入した水のうちある
部分はもとにもどらないで周縁部２ａの上面を流
れ落ちて下方の外端部４ａから外に排出される。
したがつて、水が凹み４を通つてクラツチハウジ
ング１内に侵入するおそれはない。

水の侵入を阻止するためには、第５図に示す第
二実施例のように凹み４を略Ｌ字状に構成しても
よい。この第二実施例にあつても、外端部４ａか
ら侵入した水は、この外端部４ａの近傍の凹み４
の内壁面４ｃに衝突してもどされてしまい、内端
部４ｂまで流れることはない。

前記第二実施例の場合、外端部４ａが内端部４
ｂよりも下方に位置しているので、外端部４ａに
侵入した水が誤つて周縁部２ａの上面に沿つて流
れ落ちて内端部４ｂ内に流入するおそれは全くな
い。

第６図、第７図に示す第三実施例のように、点
検蓋３の長さ方向両側端縁を下方に略直角に折曲
してフランジ３ａを設ければ、点検蓋３の下側か
ら凹み４の外端部４ａ，４ａに侵入する水はまず
このフランジ３ａにより阻止される。

したがつて、防水効果は前述の第一、第二実施
例に示すものよりも優れている。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案のクラツチハウジン
グの点検蓋構造は、点検蓋に屈曲する凹みを設
け、該凹みの内端部をクラツチハウジングの点検
孔に臨ませ、その外端部を前記点検孔の周縁部外
に臨ませるとともに、前記外端部に対向する内壁
面を含む前記凹みの中央部を前記点検孔の周縁部
上に位置せしめて通気路を形成してなるので、ク
ラツチハウジング内の摩擦熱を外部に放出するこ
とができると共に、水、特に泥水がクラツチハウ
ジング内に侵入するのを阻止し、クラツチの機能
低下等の不具合を防止することができる。また、
前記通気路は点検蓋に設けるようにしたことによ
り、クラツチハウジングに形成するものに較べて
その加工が容易であり、コストが低減される効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクラツチハウジングの点検蓋
構造の第一実施例を示す平面図、第２図は第１図
の−線に沿う断面図、第３図は第１図の−
線に沿う断面図、第４図は第１図の−線に
沿う断面図、第５図、第６図は本考案のクラツチ
ハウジングの点検蓋構造の第二、第三の実施例を
示す部分平面図、第７図は第６図の−線に沿
う断面図である。 １……クラツチハウジング、２……点検孔、３
……点検蓋、４……凹み、４ａ……外端部、４ｂ
……内端部、４ｃ……内壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 点検蓋に屈曲する凹みを設け、該凹みの内端部
   をクラツチハウジングの点検孔に臨ませ、その外
   端部を前記点検孔の周縁部外に臨ませるととも
   に、前記凹みの前記外端部に対向する内壁面を含
   む中央部を前記点検孔の周縁部上に位置せしめて
   通気路を形成してなるクラツチハウジングの点検
   蓋構造。