JPS6310933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は地中に埋設されている例えばガス管を
引き抜いて徹去するための引抜機に関するもので
ある。

地中に埋設されたガス管を新管に更新するよう
な場合、従来であると更新全区間を掘削していた
が、このような工法は掘削、復旧工事に経費が嵩
むと共に道路などの場合には交通の障害となる。

斯かる点から、出願人は特願昭56−193112（特
開昭58−94688号公報）として、更新区間を掘削
することなく、一方端に掘削した坑内に旧管の引
抜機を設置し、この引抜機により旧管を引き抜く
と共に旧管の引き抜き端末に新管を接続してお
き、引き抜きと同時に新管に更新してしまうとい
う工法を提案している。

本考案は上記出願に係る工法に使用される引抜
機であつて、引き抜きに際して旧管を良くチヤツ
キングすることができるように、油圧シリンダー
を利用してチヤツキングすると共に引き抜き応力
に比例してチヤツキング力を増大するようにした
ことが特徴である。公知のチヤツキング装置とし
ては特開昭53−14311にみられるように２本のベ
ルト状物を利用したもの或いは特公昭53−30144、
同53−30145にみられるように油圧式のチヤツキ
ング装置の提案はあるが、特開昭53−14311の場
合には、耐久性に問題があると共に被引抜管にア
スフアルトジユートが巻き付けてあつたり、プラ
スチツクライニングパイプ等の場合には、すべり
の危険がある。又、特公昭53−30144、同53−
30145の場合にはチヤツキング力が一定のため、
引抜き応力によつてはすべりが生じて使用上制限
を受けるようなこともある。又、従来のチヤツキ
ング装置は何れも構造が複雑な欠点を有してい
る。

本考案は斯かる点に鑑みて提案されるもので、
その構成は機枠１内に於いて水平方向に往復運動
可能な垂直状の円盤プレート２と、この円盤プレ
ート２を往復運動するために、同心円線上に配設
され、ピストンロツド４が円盤プレート２に、基
部が機枠１の側板５に連結されたスライドシリン
ダー３と、前記円盤プレート２から突出させた軸
受アーム７に対して回動自在に取り付けられると
共に前記スライドシリンダー３の間に配置された
チヤツク６と、前記チヤツク６の先端６′を中心
方向に回動するためにチヤツク６にそのピストン
ロツド１１が結合され、前記円盤プレート２から
突出した固定プレート８に対してその基部を回動
自在に取り付けたチヤツキングシリンダー９と、
前記スライドシリンダー３及びチヤツキングシリ
ンダー９を夫々制御する油圧ユニツト１０と、前
記油圧ユニツト１０内に組み込まれた前記スライ
ドシリンダー３にかかる応力に比例してチヤツキ
ングシリンダー９に送る圧油を高くする油圧制御
装置１０′とから成り、以下その実施例を添付図
面に基づいて詳記する。

第１図は本考案に係る引抜機を利用した引き抜
き作業図にして、更新区間の一部に竪坑ａを掘削
し、この中に引抜機を図のように設置して旧管ｂ
を矢印方向に引き抜くものである。

この引き抜き工法に使用される本考案引抜機
は、機枠１内に於いて水平方向に往復運動（スラ
イド）可能な垂直状の円盤プレート２と、この円
盤プレート２を往復運動するために、同心円線上
３ケ所に等間隔にて配設され、ピストンロツド４
が前記円盤プレート２に、基部が機枠１の側板５
に連結されたスライドシリンダー３と、前記円盤
プレート２から突出させた軸受アーム７に対して
軸１１により回動自在に取り付けられると共に前
記スライドシリンダー３の間に等間隔で３ケ所に
配設されたチヤツク６と、前記チヤツク６の先端
６′を中心方向に回動するためにチヤツク６にピ
ストンロツド１２が結合せられ、前記円盤プレー
ト２から突出した固定プレート８に後端が軸１３
により回動自在に取り付けられたチヤツキングシ
リンダー９と、前記スライドシリンダー３及びチ
ヤツキングシリンダー９を油圧制御するための油
圧ユニツト１０とを主要構造としており、油圧ユ
ニツト１０は第１図に示すように地上に設置され
ている。また、この油圧ユニツト１０内にはスラ
イドシリンダー３にかかる応力に比例してチヤツ
キングシリンダー９に送る圧油を高める油圧制御
装置１０′が組み込んである。なお、この油圧制
御装置１０′としてはシーケンスバルブ等がある。

本考案は以上のように構成され、第１図に示す
ようにチヤツク６の中心に旧管ｂを挿入し、チヤ
ツキングシリンダー９に圧油を送つてチヤツク６
を第３図矢印ｃ方向に回転させ、旧管ｂをチヤツ
キングする。次にスライドシリンダー３に圧油を
送り、スライドシリンダー３の作動によりピスト
ンロツド４を介して円盤プレート２を第３図矢印
ｄ方向にスライド（前進）させる。この作用によ
り旧管ｂは引き出され、第３図一点鎖線の位置ま
で前進したらスライドシリンダー３の作動を止
め、チヤツキングシリンダー９のピストンロツド
１２を引込めてチヤツク６を矢印ｃとは反対方向
に回動してチヤツキングを解除し、次にスライド
シリンダー３を後退作動させる。この繰り返しに
より旧管ｂを引き抜く。なお、引き抜いた旧管ｂ
は竪坑ａ内に於いて短かく切断し、坑外に排除す
る。

上記引き抜き作業に於いて、旧管ｂの引抜力
（負荷）は一定しない。特に引抜力が大きくなつ
た場合にはスライドシリンダー３に対して大きな
負荷がかかるので、この負荷の増大を油圧制御装
置１０′が検出し、チヤツキングシリンダー９に
送る圧油を高め、チヤツキング力を増してすべり
が生じないようにする。

よつて本考案によれば旧管ｂを引き抜く力に関
係してチヤツキング力を調整し、特に負荷の増大
に際してチヤツキング力を増してすべりを防止し
ているから、引き抜き不能と云つた問題はなくな
る。又、油圧ユニツト１０を地上に設置し、スラ
イドシリンダー３及びチヤツキングシリンダー９
の作動制御をすべて地上に於いて行うことができ
るので、作業性が良く、竪坑ａ内に作業員が入つ
て引抜機の操作を行う必要もないので、作業上の
安全確保も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る引抜機を使用した埋設管
の引き抜き作業例図、第２図は本考案引抜機の側
面図、第３図は作用説明図、第４図は正面図であ
る。 １……機枠、２……円盤プレート、３……スラ
イドシリンダー、６……チヤツク、９……チヤツ
キングシリンダー、１０……油圧ユニツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機枠１内に於いて水平方向に往復運動可能な垂
   直状の円盤プレート２と、 この円盤プレート２を往復運動するために、同
   心円線上に配設され、ピストンロツド４が円盤プ
   レート２に、基部が機枠１の側板５に連結された
   スライドシリンダー３と、 前記円盤プレート２から突出させた軸受アーム
   ７に対して回動自在に取り付けられると共に前記
   スライドシリンダー３の間に配置されたチヤツク
   ６と、 前記チヤツク６の先端６′を中心方向に回動す
   るためにチヤツク６にそのピストンロツド１１が
   結合され、前記円盤プレート２から突出した固定
   プレート８に対してその基部を回動自在に取り付
   けたチヤツキングシリンダー９と、 前記スライドシリンダー３及びチヤツキングシ
   リンダー９を夫々制御する油圧ユニツト１０と、 前記油圧ユニツト１０内に組み込まれた前記ス
   ライドシリンダー３にかかる応力に比例してチヤ
   ツキングシリンダー９に送る圧油を高くする油圧
   制御装置１０′と、 から成る埋設管の引抜機。