JPS6310914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案ベルトサンダー機における加工材踏圧装
置に係り、短寸の加工材についても従来よりはる
かに優良に研削、研摩を施し得るようにしたもの
である。

（従来の技術） 従来の加工材踏圧装置には、第１図に示すよう
にロールａ等に掛渡されたサンデイングベルトｂ
に送材ベルトに対応するサンデイング部ｃを構成
し、サンデイング部ｃの前後に加工材踏圧用の従
動ロールｅ，ｅを配置した構造のものがある。こ
の踏圧装置は従動ロールｅ，ｅの軸間距離ｘが大
きくなる欠点があり、ｘ寸法程度の短い加工材を
送材ベルトｄにより送つて加工することは可能で
あるが、寸法が短いと送材方向前側の従動ロール
ｅの下を通過してから後側の従動ロールｅにより
押えられるまでに後側が前側の従動ロールｅの下
を離脱すると浮動を生じてオーバーサンデイング
となり、優良な研削、研摩加工を施すことができ
ない。

又、第２図に示すように先端間の間隔を縮めた
踏圧板ｆ，ｆをサンデイング部ｃの前後両側に設
ける場合もある。しかるに第２図装置によりオー
バーサンデイングを防止するには踏圧板ｆ，ｆに
作用するばね９の弾力を強くして踏圧圧力を増加
せねばならず、かくては加工材に筋状の条痕を生
じてサンデイング効果を不良にする欠点になる。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前項に述べた従来の加工材踏圧装置が
サンデイングベルトのサンデイング部の送材方向
の前後の間隔を短縮しても、踏圧のための加工材
に条痕を残すのを、残さないようにすることを解
決すべき問題点とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の問題点を解決することを目的と
するものであつて、サンダーベルトのサンデイン
グ部に対応させて送材ベルトを設け、前記サンデ
イング部の送材方向前後に加工材を送材ベルトに
押しつける踏圧機構を配置してなるベルトサンダ
ー機において、前記サンデイング部の送材方向の
前後に対応させた一対の踏圧フレームを軸によつ
て揺動可能に軸支し、該各フレームのサンデイン
グ部に接近する尖鋭な先端に小円弧部を形成する
と共に、軸より外側に回転ロールを設け、小円弧
部と回転ロールとに踏圧ベルトをＶ形に掛渡し、
該踏圧フレームの軸よりサンデイング部に近い部
分に押下げ用の弾機をかけ、軸より外端側に前記
の弾機に拮抗させたストツプ具を設けたことを特
徴とするベルトサンダー機における加工材踏圧装
置に係るもので加圧材の送り込み移動の速度によ
つて従動する踏圧ベルトにより加工材を押え、特
に研摩研削後の加工材に条痕を生じないようにす
ることができる。

（作用） 本考案は、サンデイング部７の送材方向の前後
に軸２３により軸支した一対の踏圧フレーム２
２，２２により直接に加工材Ｗを踏圧するもので
はなく、該フレームによつて加工材Ｗに踏圧条痕
を生ずるのを、該フレームに掛け渡して、加工材
の送りと共に触転する踏圧ベルト２９により踏圧
するもので、各踏圧フレーム２２はサンデイング
部の前と後とに対応する尖鋭な先端部２５に踏圧
ベルト２９の折返しを円滑にする小円弧部２８を
設け、その小円弧部２８と、軸２３より外側のロ
ール２６とに、踏圧ベルト２９をＶ形に掛けてい
るから、サンデイング部の前後の小円弧部２８，
２８間の間隔ｚ（第３図参照）を第４図のように
狭めながら踏圧ベルト２９，２９により踏圧する
と同時にその踏圧ベルト２９，２９を加工材Ｗの
送りと同調させて触転させ、加工材Ｗに踏圧ベル
ト２９，２９の接触の跡を残さないようにする。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面について説明する。

第３図は本考案装置を備えたベルトサンダー機
の概要を示した側面図であつて、下部フレーム１
に縦フレーム２を立設し、該フレーム２の上部に
テンシヨンロール４を頂部に設けたサンデイング
フレーム３を取付け、該フレーム３の下側にサン
デイングロール５を設けると共に、前記両ロール
４，５の無端サンデイングベルト６を走行自由に
掛け渡して加工材Ｗの上面に対応するサンデイン
グ部７を構成する。８は前記の縦フレーム２に昇
降案内を介して昇降自由に取り付けた送材フレー
ムであつて、その前部に送材従動ロール９を、後
部に送材駆動ロール１０を夫々軸架して前記両ロ
ール９，１０に無端送材ベルト１１を走行自由に
掛け渡す。その他１２は送材フレーム８の昇降ね
じ、１３は昇降ハンドルである。

２１は本考案の加工材踏圧装置の一例を示すも
のであつて、前記サンデイング部７の送材方向の
前部と後部に対称形に配置する。該加工材踏圧装
置２１は縦フレーム２に横渡した揺動中心の軸２
３に踏圧フレーム２２を謡動可能に軸支すると共
に、該フレーム２２のサンデイング部７より遠い
外端部２４に回転ロール２６を軸２７により回転
自由に支持し、サンデイング部７に臨む尖鋭な先
端部２５に小円弧部２８を形成して該小円弧部２
８と回転ロール２６とに無端踏圧ベルト２９を走
行自由にしてＶ形に掛け渡す。無端踏圧ベルト２
９の内面には走行案内凸条２９ａを第６図のとお
りに周設し、踏圧フレーム２２の先端部２５及び
小円弧部２８に夫々無端踏圧ベルト２９の走行案
内凸条２９ａを嵌合する走行案内凹溝２５ａ、２
８ａを形成すると共に、第６図のとおりに回転ロ
ール２６にも走行案内凹溝２６ａを環設して無端
踏圧ベルト２９の片寄り走行を防止する。また前
記回転ロール２６の軸２７は踏圧フレーム２２の
外端部２４に切込んで設けた調整溝３０内で水平
移動自由に支持したもので調整ボルト３１により
支持位置を前後に変えて踏圧ベルト２９の緊張度
を調整できるようにする。さらに踏圧フレーム２
２の両側には、前記の軸２３より先端側にスプリ
ング受座３２を突出させ、該受座３２に上方から
対応するスプリング係止片３３を下端に設けたボ
ルト３４を縦フレーム２に螺合してロツクナツト
３５によりスプリング受座３２との対応間隔調整
自由に固定すると共に、受座３２とスプリング係
止片３３とに弾機３６を掛けて踏圧力を付勢す
る。３７は縦フレーム２に螺合したボルトからな
るストツプ具であつて、その下端を踏圧フレーム
２２の外端部２４の上面に削成して設けた衝合面
３８に当接して、前記スプリング３６に拮抗させ
て踏圧フレーム２２の下方揺動を規制する。

前記の加工材踏圧装置２１は、サンデイング部
７の前部と後部の両側に、踏圧フレーム２２の尖
鋭な先端部２５の小円弧部２８を接近させて軸２
３により揺動可能に支持しているから、加工材Ｗ
を無端サンデイングベルト６により前記サンデイ
ング部７に向かつて送り込むと、加工材Ｗは尖鋭
な先端部２５の小円弧部２８を下げる踏圧フレー
ム２２に掛けた無端踏圧ベルト２９に接触し、該
フレーム２２をスプリング３６の付勢弾力に抗し
て押上げ、これにより踏圧力を受ける無端サンデ
イングベルト６によつて強く踏圧されて、サンデ
イング部７でサンデイングされる。この時加工材
Ｗに接触する無端踏圧ベルト２９は加工材Ｗの進
行とともに踏圧フレーム２２上で触転状を以て走
行する。

本考案は第３図に示したコンタクトロール型ベ
ルトサンダー機の他、下側に前後の案内ロールを
配し、その両案内ロールの間に、サンデイングベ
ルトの内面を加工材に向つて押下げる踏圧バツド
を配置して、前記ベルトにサンデイング部を構成
したワイド・ベルトサンダー機に適用することが
できる。その場合には前記サンデイング部の前後
に本考案の踏圧装置を設置する。

（効果） 本考案の加工材踏圧装置は上記した構成作用に
なり、揺動可能に支持した踏圧フレーム２２のサ
ンデイング部７の前側及び後側に対応する尖鋭な
先端に小円弧部２８を形成し、該小円弧部２８と
外端部２４の回転ロール２６とに無端踏圧ベルト
２９を走行自由にしてＶ形に掛け渡し、弾機によ
り前記先端部を押圧して加工材に踏圧力を作用さ
せるようにしているもので、先端部に小円弧部２
８を形成することにより該踏圧装置をサンデイン
グ部に接近させて配置することができ、これによ
りサンデイング部に極く近い位置の前後で踏圧力
を加工材に作用させることができるから、加工材
の長さが短くても先端部又は後端部が浮動してオ
ーバーサンデイングとなることがなく、また加工
材Ｗの送材に伴なつて踏圧ベルト２９が走行する
から、加工材踏圧装置に強い弾機を使用して大き
な踏圧力を作用させても、加工材Ｗの表面に筋状
の条痕を生じてサンデイング加工を不良にするこ
ともない。さらにストツプ具３７により踏圧フレ
ーム２２の先端の下方揺動を規制するようにして
いるから、本考案装置が障害となつて加工材のス
ムースな送材が妨げられることもない等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を例示し、第１、２
図は従来の欠点を示した説明図、第３図は概要側
面図、第４図は要部の一部切欠拡大側面図、第５
図は第４図Ａ−Ａ線切断面図、第６図は同Ｂ−Ｂ
線切断面図である。 １……無端サンデイングベルト、１１……無端
送材ベルト、２１……加工材踏圧装置、２２……
踏圧フレーム、２３……揺動中心軸、２４……外
端部、２５……先端部、２６……回転ロール、２
８……小円弧部、２９……踏圧ベルト、３７……
ストツプ具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サンダーベルトのサンデイング部に対応させて
   送材ベルトを設け、前記サンデイング部の送材方
   向前後に加工材を送材ベルトに押しつける踏圧機
   構を配置してなるベルトサンダー機において、 前記サンデイング部の送材方向の前後に対応さ
   せた一対の踏圧フレームを軸によつて揺動可能に
   軸支し、該各フレームのサンデイング部に接近す
   る尖鋭な先端部に小円弧部を形成すると共に、軸
   より外側に回転ロールを設け、小円弧部と回転ロ
   ールとに加圧材を踏圧する踏圧ベルトをＶ形に掛
   渡し、該踏圧フレームの軸よりサンデイング部に
   近い部分に押下げ用の弾機をかけ、軸より外端側
   に前記の弾機に拮抗させたストツプ具を設けたこ
   と特徴とするベルトサンダー機における加工材踏
   圧装置。