JPS63105293A - スクロ−ル圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、たとえば冷凍用あるいは空調用として使用さ
れるスクロール圧縮機に係り、特に、生産性および信頼
性の向上を志向したスクロール圧縮機に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

まず、従来のスクロール圧縮機を説明する。

第４図は、従来のスクロール圧縮機の−１例を示す要部
拡大断面図、第５図は、この第４図に係るスクロール圧
縮機の圧縮動作を説明するための断面図、第６図は、第
４図における固定スクロール。

揺動スクロールの歯を示す要部拡大断面図である。

第４図において、１は、渦巻形状の歯１ｂを底板１ａ上
に形成した固定スクロール、２は、前記歯１ｂと形状が
同一で巻き方向が反対の歯２ｂを底板２ａ上に形成した
揺動スクロール、４は、両スクロール１，２間に形成さ
れる圧縮室、５は。

気体を吸入する吸入口、６は、揺動スクロール２のボス
部、７はクランク軸、７ａは偏心穴、８はバランサ、９
はオルダム継手、１０は軸受支え、ＬＯａはスラスト受
け、１０ｂは主軸受ライナである。

このように構成したスクロール圧縮機において、電動機
（図示せず）によって、クランク＠７が回転すると、こ
れに連結している揺動スクロール２が旋回を始めるが、
オルダム継手９により自転を妨げられるので、第５図に
係る圧縮原理（詳細後述）により気体を圧縮する。そし
て、吸入口５から吸入された気体は、圧縮されて固定ス
クロール１の中心部に設けられた吐出口３から排出され
る。

このとき発生するガス圧縮力の軸方向分力は、軸受支え
１０のスラスト受け１０ａによって支持され、半径方向
分力は、主軸ライナ１０ｂによって支持される。

前記圧縮原理を、第５図を用いて説明すると。

固定スクロール１は、空間に対して静止しており、揺動
スクロール２は、その姿勢を空間に対して変化させるこ
となく揺動運動を行なう、この揺動運動によって、固定
スクロール１と揺動スクロール２との間に形成される三
日月状の圧縮室４は、クランク軸回転角が０°→９０°
→１００ａ→２７０゜と変化するにつれて、その体積を
減少するので、該圧縮室４内に取込まれている気体が逐
次圧縮され、所定圧縮比になったとき吐出口３から排出
される。

ところで、前記圧縮室４は、第６図に示すように、歯１
ｂと歯２ｂとを組合せて形成されているので、これら歯
Ｌｂ、２ｂの寸法精度が充分でないときには、圧縮室４
内に取込まれた圧縮気体が室外へ漏れて圧縮比が低下し
たり、あるいは、かじりによって歯１ｂ、２ｂが破損し
たりするおそれがあった。これを防止するためには、特
に、歯ｌｂ、２ｂが互いに接触する接触面の良好な表面
精度、底板１ａ、２ａに対する歯１ｂ、２ｂの面角度が
要求される。材質としては、耐摩耗性が要求され、さら
に、高い圧縮比を得るためには、歯ｉｂ、２ｂの疲労強
度の高いものが望ましい、このため従来の固定、揺動ス
クロール１，２は、耐摩耗性および疲労強度に優れた高
価な金属材料を。

精密機械加工によってμｍオーダの高精度に仕上げてい
た。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述したように、固定スクロール、揺動スクロールは、
その歯を高い寸法精度に加工する必要があるので、多く
の工数と加工時間を要し、生産性が悪いという問題点が
あった。

この問題点を改善するために、たとえば特開昭５８−９
１３８８号公報に記載されているように、金属製の固定
、揺動スクロール母材の互いに対向する面に、樹脂層の
被覆材料を被覆したものが提案されている。このように
構成することにより、スクロールに要求される疲労強度
をスクロール母材で負担し、耐摩耗性１寸法精度を前記
樹脂層によって保持するようにしている。しかし、この
提案においては、その樹脂層用の樹脂として熱ＩＩ■塑
性樹脂などを使うとあるのみで、耐摩耗性、畠い寸法精
度、スクロール母材との優れた接着性を確保するための
具体的な材質の提案がない、前記スクロール母材の製作
においても機械加工を必要とし、このスクロール母材の
寸法精度が所定値以上になっていないと、樹脂層の厚さ
が不均一となり、スクロールに要求される寸法精度が確
保できないというおそれがあった。また、使用される気
体、すなわちフレオンと機械油との混合気体に対する耐
フレオン性、耐油性についての配慮がなされておらず、
信頼性についても問題点があった。

他の提案として、特開昭５９−７９０９０号公報に記載
されているように、固定スクロールおよび揺動スクロー
ルの両方、あるいは何才しか一方を合成樹脂によって形
成するものがある。この提案においても１合成樹脂の材
質については、熱０ｆ塑性樹脂を使用するとあるのみで
あり、固定、揺動スクロールに要求される高い寸法精度
、疲労強度、耐摩耗性を得るための具体的な材質および
構造の開示はない。

本発明は、上記した従来技術の問題点を改善して、固定
スクロール、揺動スクロールを、疲労強度の高いスクロ
ール母材上に、耐摩耗性２寸法精度の優れた被覆材料を
被覆したものにすることにより、該スクロールの生産性
および信頼性に優れたスクロール圧縮機の提供を、その
目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための本発明に係るスクロール圧
縮機の構成は、渦巻形状の歯を底板の歯形成面に形成し
たスクロール母材を樹脂によって被覆してなる固定スク
ロールと、前記歯と形状が同一で巻き方向が反対の歯を
底板の歯形成面に形成したスクロール母材を樹脂によっ
て被覆してなる揺動スクロールとを、前記歯同士を対向
させて組合わせ、前記固定スクロールに対して前記揺動
スクロールを揺動運動せしめることにより１両スクロー
ル間に形成された圧縮室内へ吸入した気体を圧縮するよ
うにしたスクロール圧縮機において。

スクロール母材を、ガラス繊維、アラミド繊維。

もしくは炭素繊維を充填したポリアミノビスマレイミド
樹脂によって成形したスクロール母材にし、このスクロ
ール母材を、ポリアミノビスマレイミド樹脂あるいはビ
スマレイミド・トリアジン樹脂に、無機充填フイラおよ
び固体潤滑剤を配合してなる樹脂組成物によって被覆し
たものである。

〔作用〕

スクロール母材は、ガラス繊維などを充填したポリアミ
ノビスマレイミド樹脂（以下、ＰＡＢＭ樹脂という）に
よって成形したものであるので、■スクロールに要求さ
れる高い疲労強度を有し、■たとえば鋳物製のスクロー
ル母材よりも寸法精度が優れており１機械加工を施すこ
となく、該スクロール母材の表面に均一な厚さの樹脂組
成物の被覆材料を被覆することができる。また、その被
覆材料は、石英ガラスなどの無機充填フイラと二硫化モ
リブデンなどの固体潤滑剤を配合したＰＡＢＭ樹脂ある
いはビスマレイミド・トリアジン樹脂（以下、ＢＴ樹脂
という）であるので、■歯の寸法精度が優れ、寸法の経
時変化もほとんどなく、■スクロール母材との接着性が
よくて剥離を生ずることはなく、の耐摩耗性に優れ。

■耐油・耐フレオン性に優れ、■機械的強度が高い。

〔実施例〕

実施例の説明に入るまえに、本発明に係る基本的事項を
説明する。

スクロール圧縮機の稼働時において、スクロールは、高
温・高圧ドにあり、また温度サイクルを受け、フレオン
と機械油との混合気体に曝されるなど、きわめて苛酷な
条件ドにある。このような条件下においても、高い寸法
精度を保持し、耐摩耗性に優れ、且つスクロール歯とし
ての機械的強度の耐久性に優れているスクロールの構成
は、従来の機械加工用に設計された鋳物のスクロール母
材の表面に、一般的な熱可塑性樹脂を被覆したものでは
、その実現がきわめて困難である。

熱ｉ１塑性樹脂の中でも、比較的成形性がよく、寸法精
度に優れたものとしてポリカーボネートなどの非品性樹
脂が知られているが、これは耐熱性に劣り、スクロール
圧縮機の稼働時に受ける熱応力に耐えないものである。

一方、比較的耐油性および耐熱性に優れたものとして、
ポリブチレンテレフタレートやポリエーテルサルフオン
樹脂などの結晶性樹脂があるが、これらは、逆に、成形
収縮率が大きく、スクロール歯の寸法精度の確保が困難
である。

そこで本発明においては、スクロール母材を、ガラス繊
維などを充填したポリアミノビスマレイミド樹脂によっ
て成形した繊維強化プラスチック製のスクロール母材に
し、このスクロール母材を。

ポリアミノビスマレイミド樹脂などに、無機充填フイラ
および固体潤滑剤を配合してなる樹脂組成物によって被
覆することによってスクロールを構成し、疲労強度が高
く、耐熱性、耐摩耗性、耐油・耐フレオン性および寸法
精度の優れたスクロールを提供することをｔｉＪ能にし
たものである。

以ト１本発明を実施例によって説明する。

第１図は、本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の
揺動スクロールを示す略示断面図、第２図は、第１図に
おける歯近傍の詳細を示す要部拡大断面図、第３図は、
第１図に係る揺動スクロールと、固定スクロールとの組
合わせ状態を示す要部断面図である。

この揺動スクロール１１は、渦巻形状の歯１２を底抜１
３の歯形成面１３ａに形成した繊維強化プラスチツク製
のスクロール母材１４（詳細後述）を、底抜１３の歯形
成反対面１３ｂを除いて、ＢＴ樹脂に無機充填フイラと
固体潤滑剤とを配合してなる樹脂組成物（詳細後述）に
よって被覆して一様厚さの樹脂層１５を形成してなるも
のである。１６は、底板１３の歯形成反対面Ｌ３ｂに形
成された。オルダム継手のオルダムキー溝、１７は、ク
ランク軸（図示せず）が嵌合するクランク軸受部である
。

前記スクロール母材１４を詳細に説明すると。

このスクロール母材１４は、Ｐ　Ａ　Ｂ　Ｍ樹脂１００
ｗｔ％に対してガラス繊維（繊維長さ１〜３０ｍ程度）
を３０　ｗ　ｔ％充填してなる樹脂組成物を使用し、圧
縮成形によって成形したものである。

この成形品の成形収縮率は０．１　％以下４表面粗さは
５〜２０μＲ＋ｍａｘ、寸法精度は±Ｏ，Ｌ　Ｗ＋であ
る。また、疲労強度は、スクロール圧縮機の使用温度範
囲（−２０〜１７０℃）において３ｋｇ／ｄ以上であり
、スクロールに要求される十分な強度を有している。前
記表面粗さであれば、そのままで樹脂層１５との接着性
はきわめて良好である。

樹脂層１５用の樹脂組成物は、ＢＴ樹１１！１００ｗｔ
％に対して、無機充填フイラに係る石英ガラス３０ｗｔ
％と固体潤滑剤に係るカーボングラファイト粉末２０ｗ
ｔ％とを配合（配合物の合計は。

３０＋２０＝５０ｗｔ％）してなるものである。

そして、この樹脂組成物を、真空・射出圧縮成形によっ
て、トリクレンなどの洗浄液で洗浄した前記スクロール
母材１４の表面に精密成形し、樹脂層１５（厚さ０．５
〜ｌｎａ、寸法精度±５μｍ）が形成されている。歯１
２に、この樹脂層１５を被覆した外形形状についていえ
ば、第２図に示すように、歯たけ方向にθ＝２°のテー
パを設けるとともに、先端および根元にｌｌｌ１！Ｉの
ｋを設けである。前記テーパを設けることにより、＃Ｉ
型性がよくなる。また、Ｒを設けることにより、圧縮室
内に取込められた圧縮気体によって樹脂層１５の隅肉部
に発生する集中応力を緩和する。

前記Ｂ　Ｔ樹脂は、高温下におる耐熱性があり、耐油・
耐フレオン性も優れている。石英ガラスを配合すること
により、該樹脂組成物の機械的強度が向上する。カーボ
ングラファイト粉末を配合することにより、耐摩耗性が
向上する。これらを配合してなる前記樹脂組成物のガラ
ス転移温度゛１゛ｇは２３０℃、スクロール母材との接
着力は２００ｋｇ／ａｌｆ（室温）以上であり、成形収
縮率が小さく、スクロール圧縮機の使用温度である一２
０’〜１７０℃において、■歯の寸法の経時変化がほと
んどなく、■スクロール母材１４との接着性がよくて剥
離を生ずることはなく、の耐摩耗性に優れ、Ｏ耐油・耐
フレオン性に優れ、■機械的強度が高いので、樹脂層１
５の信頼性がきわめて晶いものである。

以上は揺動スクロール１１について説明したものである
が、固定スクロール１８も、前記スクロール母材と同様
に成形したスクロール母材１９を、底抜の歯形成反対面
を除いて、前記樹脂組成物によって被覆し、樹脂層１５
を形成してなるものである。

この固定スクロール１８と前記揺動スクロール１１とを
組合わせて（第３図）、これをスクロール圧縮機に組込
んで所定の加速試験を行なったところ、歯同士がかじる
ことはなく、また圧縮比の経時変化もほとんどなく、精
密機械加エスクロ−。

ルと同程度の信頼性が得られた。また、この加速試験後
、スクロール圧縮機を分解して揺動スクロール１１．固
定スクロール１８を点検したところ、樹脂層１５の損傷
や白化などの異常は全くみとめられなかった。

以上説明した実施例によれば、繊維強化プラスチック製
のスクロール母材１４，１９の表面に、ＢＴ樹脂に無機
充填フイラと固体潤滑剤とを配合してなる樹脂組成物を
被覆して樹脂層１５を形成するようにしたので、スクロ
ール母材１４，１９の疲労強度が高く、このスクロール
母材１４゜１９と樹脂層１５との接着性がよく、μｍオ
ーダの寸法精度を有し、耐油・耐フレオン性に優れ、且
つ耐摩耗性に優れた。信頼性の高い揺動スクロール１１
．固定スクロール１８が得られるという効果がある。

また、従来の機械加工による精密切削スクロールに比べ
て、加工時間、工程数が大幅に低減し、生産性が向上す
るとともに、設備投資効率も改善することができる。

これに加えて、従来の精密切削スクロールに比較して重
量が約１／２以下になったので、クランク軸受、モータ
に対する負荷が軽減し、圧縮機効率が向上するという効
果もある。

なお、本実施例においては、スクロール母材の成形用に
、ＰＡＢＭ樹脂１００ｗｔ％に対してガラス繊維を３０
ｗｔ％充填した樹脂組成物を使用するようにしたが、そ
の充填量は、はぼ１０〜７０ｗｔ％の範囲であればよい
、また、ガラス繊維の代りに炭素繊維もしくはアラミド
繊維を、はぼ１０〜７０ｗｔ％充填するようにしても、
同等の効果を奏するものである。

また、樹脂層１５用の樹脂組成物として、石英ガラスを
３０ｗｔ％、カーボングラフライト粉末を２０ｗｔ％配
合するようにしたが、これらの配合物の合計は、はぼ４
０〜７５ｗｔ％の範囲であればよい、また、石英ガラス
の代りにマイカ、短繊維長の炭素繊維などの無機充填フ
イラを、カーボングラファイト粉末の代りに二硫化モリ
ブデンなどの固体潤滑剤を、それぞれ配合するようにし
てもよい、ＢＴ樹脂の代りにＰ　Ａ　Ｂ　Ｍ樹脂を使用
しても同等の効果を奏するものである。

さらに、歯の外形形状として、テーパ角θ＝２°、Ｒ＝
１膿としたが９本発明者らの研究によれば、テーパ角は
２°以上であれば離型性がよく、また、Ｒ＝０．５〜２
．０■であれば集中応力緩和の効果があり、成形性もよ
い。

さらにまた１本実施例においては、スクロール母材を、
底板の歯形成反対向を除いて、樹脂組成物によって被覆
したが、前記歯形成反対向も被覆するようにしてもよい
。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように本発明によれば、固定スクロ
ール、揺動スクロールを、疲労強度の高いスクロール母
材上に、耐摩耗性９寸法精度の優れた被覆材料を被覆し
たものにすやことにより、該スクロールの生産性および
信頼性に優れたスクロール圧縮機を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の
揺動スクロールを示す略示断面図、第２図は、第１図に
おける歯近傍の詳細を示す要部拡大断面図、第３図は、
第１図に係る揺動スクロールと、固定スクロールとの組
合わせ状態を示す要部断ｒＩＩＪ図、第４図は、従来の
スクロール圧縮機の一例を示す要部拡大断面図、第５図
は、この第４図に係るスクロール圧縮機の圧縮動作を説
明するための断面図、第６図は、第４図における固定ス
クロール、揺動スクロールの歯を示す要部拡大断面図で
ある。 １１・・・揺動スクロール、１２・・・歯、１３・・・
底板、１３ａ・・・歯形成面、１４・・・スクロール母
材、１５・・・樹脂層、１８・・・固定スクロール、１
９・・・スクロール母材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．渦巻形状の歯を底板の歯形成面に形成したスクロー
   ル母材を樹脂によつて被覆してなる固定スクロールと、
   前記歯と形状が同一で巻き方向が反対の歯を底板の歯形
   成面に形成したスクロール母材を樹脂によつて被覆して
   なる揺動スクロールとを、前記歯同士を対向させて組合
   わせ、前記固定スクロールに対して前記揺動スクロール
   を揺動運動せしめることにより、両スクロール間に形成
   された圧縮室内へ吸入した気体を圧縮するようにしたス
   クロール圧縮機において、スクロール母材を、ガラス繊
   維，炭素繊維，もしくはアラミド繊維を充填したポリア
   ミノビスマレイミド樹脂によつて成形したスクロール母
   材にし、このスクロール母材を、ポリアミノビスマレイ
   ミド樹詣あるいはビスマレイミド・トリアジン樹脂に、
   無機充填フイラおよび固体潤滑剤を配合してなる樹脂組
   成物によつて被覆したことを特徴とするスクロール圧縮
   機。