JPS6310160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は浴室における物干装置に関するもの
である。

近年の住宅においては、空間を多目的に利用し
たり、効率よく利用するために様々の工夫がなさ
れている。上記工夫の中の１つに浴室の天井近く
に物干竿を取り付けて浴室を構成し、浴室を物干
場として利用するといつたものがある。

ところが、天井近くに物干竿が見える浴室であ
ると、入浴時に天井近くの物干竿が気になり、浴
室の天井が低くなつたような感じを受けて圧迫感
を覚えるといつた欠点がある。また、特にユニツ
ト式の浴室等においては、天井面を曲面状に形成
する等して天井面に付着した水滴が入浴中の人に
落ちないように構成されているが、天井の下に物
干竿があると、物干竿から水滴が入浴中の人に落
ちてしまう問題がある。なお、浴室内に物干竿が
露出して見えること自体、意匠面で問題がある。

そこで、従来技術として、実開昭57−78885号
に見られるような浴室ドアのアルミサツシ製開口
枠内に浴室側へ開口した物干しパイプ収納縦溝を
形成し、伸縮自在な物干しパイプの基端を収納縦
溝の上部に枢結するとともに、浴室ドアの対向壁
面の上部に物干しパイプの先端に嵌合自在なキヤ
ツプを形成した浴室装置が知られている。しかし
上記従来の浴室装置は、物干しパイプの基端を収
納縦溝の上部に枢結しているため、物干しパイプ
をその都度収納縦溝に脱着し、しかも狭い浴室内
で物干しパイプを回動させるとともに伸縮する必
要があり、狭い浴室内では上記作業がやりにく
く、かつ面倒であるという問題がある。

この考案は上記背景に鑑みてなされたもので、
浴室の天井部を低天井板と高天井板とから形成
し、この低天井板の上面に物干竿を出入自在に収
納し、入浴時には前記低天井板上面に物干竿を一
操作でスライドさせて収納し目立たなくでき、従
来の問題点や欠点を解消し得るとともに、必要に
応じて一操作で物干竿をスライドさせて引き出し
物干し用に利用できるなど狭い浴室内でも簡単に
取り扱いができる浴室における物干装置を提供す
ることを目的とする。

以下この考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図ないし第３図はこの考案の一実施例を浴
室ユニツトに適用したものを示している。図中Ａ
は浴室Ｂを形成する浴室ユニツトを示し、この浴
室ユニツトＡの壁部１と天井部２と浴槽部３と洗
い場部４とは各々FRP（ガラス繊維強化樹脂）等
の樹脂材で形成されたものである。また、上記天
井部２は、この天井部２の幅（第１図の横幅）の
半分程の幅を有し浴槽部３の上方に位置する低天
井板２ａとこの低天井板２ａより高い位置にある
高天井板２ｂとを天井部２の中央部に段部２ｃを
形成して段違いに連設し構成されたもので、高天
井板２ｂの壁部（第１図の右側の壁部）１側には
突部状の支持部２ｄが上記段部２ｃに対向して形
成されている。そして、上記段部２ｃには中心軸
線を水平にした挿入孔２ｅが天井板を貫通して形
成されるとともに、上記支持部２ｄの側面には差
込穴２ｆが挿入孔２ｅと同軸位置に形成されてい
る。さらに、上記低天井板２ａの上面には収納パ
イプ５が一側の開口部５ａを上記挿入孔２ｅに挿
入して取り付けられ、この収納パイプ５には棒状
の物干竿６が摺動自在に挿入されるとともに、物
干竿６の一端には収納パイプ５の外径とほぼ等し
い外径の差込ヘツド６ａが取り付けられていて、
この差込ヘツド６ａは上記差込孔２ｆに嵌入する
大きさにされ、物干竿６の長さは収納パイプ５か
ら引き出された際に支持部２ｄに到達できる長さ
にされている。なお、収納パイプ５内部の取付孔
２ｅ近くには物干竿６の外周面に接触するＯリン
グ７が設けられている。

また、第１図と第２図中、８は低天井板２ａの
上に載置された乾燥機を示し、乾燥機８の乾燥空
気吹出口は低天井板２ａに形成された吹出孔（図
示略）に連通されていて、乾燥機８から浴室Ｂに
乾燥空気を吹き出すことができるようになつてい
る。

次に上記のように構成されたこの考案の作用に
ついて説明する。

入浴等の目的で浴室Ｂを使用する場合、物干竿
６は第１図と第３図とに示すように収納パイプ５
内に入れ、差込ヘツド６ａを挿入孔２ｅの開口部
に位置させておく。このようにすると浴室Ｂの天
井に物干竿６が見えないため、天井が低くなつた
ように感じることはなく、物干竿６が気になるこ
ともない。また、物干竿６が入浴時に浴室Ｂ内に
露出していないので、物干竿６に付いた水滴が入
浴中の人に落ちるといつた従来の問題は生じな
い。

また、浴室Ｂに洗濯物等を干す場合には、挿入
孔２ｅから物干竿６を第４図に示すように引き出
し、差込ヘツド６ａを第２図に示すように差込穴
２ｆに嵌め込んで物干竿６を固定した後に物干竿
６に洗濯物を掛けて洗濯物を干すようにするとよ
い。上記のように低天井板２ａの上面に収納した
物干竿を一操作でスライドさせ自由に出入できる
ので狭い浴室内でも簡単に取り扱うことができ
る。ここで、必要に応じて乾燥機８を作動させ、
浴室内に乾燥空気を送り込み、洗濯物の乾燥を促
すようにすることもできる。

なお、収納パイプ５や低天井板２ａに強固に取
り付け、収納パイプ５に洗濯物の荷重を支持させ
得る構成とした場合は、図面に示す支持部２ｄは
省略しても差し支えない。すなわち上記構成とし
た場合は収納パイプ５自体が支持部を兼ねるわけ
である。さらに、低天井板を厚肉に形成し、この
厚肉の低天井板に物干竿６を収納する長尺の挿入
孔を形成し、収納パイプ５を省略することもでき
る。さらにまた、物干竿６を壁部１の上端より低
い位置に設けた場合は、支持部２ｄを壁部１に形
成することもある。一方、挿入孔２ｅを天井部２
に複数形成し、物干竿６を複数本天井部２に収納
する構成にもできる。

以上説明したようにこの考案は、浴室の天井部
を低天井板と高天井板とから形成し、この低天井
板の上面に段部を貫通して物干竿を出入自在に収
納するようにしたので、狭い浴室内でも一操作で
簡単に物干竿を出し入れでき物干竿の出し入れに
面倒がない。そのため、入浴時には物干竿を浴室
内に露出しないようにでき、また、洗濯物を干す
場合には物干竿を浴室内に出して物干しをなすこ
とが極めて簡単にできる。したがつて入浴中の人
に物干竿に付いた水滴が落ちるといつた従来生じ
ていた問題は生じない。また、入浴中に天井近く
に物干竿が見えて天井が低く感じられ、圧迫感を
受けるといつた従来の問題も生じない。すなわ
ち、この考案によれば、従来の諸問題を解消した
上で浴室を物干場として活用できるのである。ま
た、物干竿を低天井板上面に入れて目立たなくし
ておけば、浴室の美観を損うこともない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は物干竿の収納状態を示す断面図、第２図は物
干竿を繰り出した状態を示す断面図、第３図は第
１図の要部拡大断面図、第４図は物干竿を若干繰
り出した状態を示す断面図である。 Ｂ……浴室、１……壁部、２……天井部、２ｄ
……支持部、２ｅ……挿入孔、６……物干竿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴室の天井部が低天井板とこの低天井板より高
   い位置に段部を介して段違いに連設された高天井
   板とから形成され、前記低天井板の上面には物干
   竿が前記段部を貫通して出入自在に収納されてな
   ることを特徴とする浴室における物干装置。