JPS6310127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、歯科技工において使用するワツクス
類の改良に関する。

従来技術 ワツクス類は、加熱及び冷却により、容易に液
化及び固化できるため、歯科技工において、歯牙
鋳造用のスプルーバー、無分割埋没法による義歯
製造時の歯型、又は人工歯の仮設置用ロウ板など
として広く使用されている。

ワツクス類は、これらのいずれの用途において
も使用後熱湯をかけるなどして、浴融除去される
が、完全なワツクス類の除去は困難であり、義歯
の歯間部や基底部などに残り易く、また溶融除去
したワツクス類が排水管を詰まらせるなどの問題
があつた。

発明の目的 本発明は、従来法同様の成形性を有し、しかも
簡単かつ完全に脱ロウできる扱い易いワツクス類
を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明の歯科用ワツクスは、ワツクス類の少な
くとも一種と非イオン系界面活性剤を混合してな
るものであつて、該非イオン系界面活性剤を２〜
20重量％、好ましくは５〜10重量％含有すること
を特徴とする。

非イオン系界面活性剤の種類は特に限定されな
いがポリオキシエチレン系界面活性剤、特に高級
脂肪酸を用いたポリオキシエチレン系界面活性剤
の使用が好ましく、通常１分子中にオキシエチレ
ン単位を10モル以上有するものが使用される。

ワツクス類は、通常の歯科技工に使用されるも
のがいずれも使用されるが、パラフイン系ワツク
スに密ロウ、マイクロワツクス及び高級脂肪酸エ
ステル系ワツクスからなる群から選ばれる１種以
上のワツクスを混合して使用するのが好ましい。

本発明の歯科用ワツクスの代表的な組成は次の
通りである。

パラフイン系ワツクス 25〜30重量％ マイクロワツクス ５〜10重量％ 密ロウ 20〜25重量％ 高級脂肪酸エステル 15〜20重量％ 非イオン系界面活性剤 ５〜10重量％ 本発明のワツクスは、パラフイン系ワツクス等
と相溶性のよい、非イオン系界面活性剤を適度の
量で含有するため、成形性がよく、しかも熱湯へ
の分散性に優れ、従来の歯科用ワツクス同様にス
プルーバーや義歯製造時の型の製造、人工歯仮設
置用のロウ板などいずれにも効果的に適用でき、
使用後の脱ロウが少量の熱湯で簡単に実施できる
ものとなる。

実施例 125〜135〓のパラフインワツクス 25.0 密ロウ 42.5 マイクロワツクス 7.5 高級脂肪酸エステル系ワツクス 17.5 非イオン系界面活性剤 7.5 顔 料 少量 上記組成物を溶融混合し、歯牙鋳造用のスプル
ーバーに成形して、ロウ義歯に接合して、石こう
に埋没させ、石こう硬化後、該スプルーバーを熱
湯で洗い流してレジン流込み用のゲートと空気抜
きを形成したか、上記組成物の使用では60℃の温
度少量で簡単にスプルーバーが分散除去され、汚
れのないゲートが形成され、品質のよい義歯の製
造が可能となつた。

発明の効果 本発明のワツクス組成物は、成形性がよく、し
かも60〜80℃という比較的低い温度の熱湯で簡単
に分散されるため、脱ロウ操作が容易に完全にで
きるものであり、義歯製造時のスプルーバーや型
材などに使用して、義歯にワツクス類を残存させ
たりすることなく、非常に作業性よく品質のよい
義歯の製造を可能とする。

なお、脱ロウ時に排水管など周囲の装置を汚染
することもない。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ワツクス類の少なくとも一種と非イオン界面
   活性剤を混合してなるものであつて、非イオン界
   面活性剤を２〜20重量％の割合で含有することを
   特徴とする歯科用ワツクス組成物。 ２ 非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン系
   界面活性剤であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の組成物。 ３ ワツクス類として、パラフイン系ワツクスと
   密ロウ、マイクロワツクス及び高級脂肪酸エステ
   ル系ワツクスからなる群から選ばれる少なくとも
   一種のワツクスとを混合使用することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項又は第２項記載の組成
   物。 ４ パラフイン系ワツクス 25〜30重量％ マイクロワツクス ５〜10重量％ 密ロウ 20〜25重量％ 高級脂肪酸エステル系ワツクス 15〜20重量％ 非イオン界面活性剤 ５〜10重量％ からなることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   〜第３項いずれか１項に記載の組成物。