JPS6310009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般に、屋上その他断熱を必要とする場所にコ
ンクリート、モルタル等（以下、単に「コンクリ
ート等」と略称する）を打設するにあたり、コン
クリート等を打設する基礎となるコンクリートス
ラブ上に発泡ポリスチレンフオーム等の独立気泡
合成樹脂発泡体等からなる断熱材を敷設し、この
上にコンクリート等の伸縮を吸収する目地材を適
宜間隔で設置した後、コンクリート等を打設する
ようにした断熱構造が採られている。

この考案は、上記コンクリートスラブ上に敷設
する断熱材に関するものである。

従来、この種の断熱材にあつては、一般に単に
平板状に形成されたものが使用されており、コン
クリートスラブ上に敷設した断熱材の上に目地材
を設置する場合、まず断熱材の上面に目地割りの
目地墨出しを行い、目地材をこの目地墨出し線に
したがつてモルタルその他の接着剤またはそれに
代る台座などを使用して固定するものであつた。
このため、目地材の設置作業が非常に面倒であ
り、非能率的で作業工期が長くなることは避けら
れなかつた。また、モルタル等で固定された目地
材は安定性を欠き、保持強度が劣悪であるため、
コンクリート等の打設の際目地材に衝撃を与えな
いような配慮が要求された。又、上記断熱材を形
成する発泡ポリスチレンフオーム等の独立気泡合
成樹脂発泡体は硬質であるため、断熱材を敷設す
るコンクリートスラブ面に凹凸がある場合、この
凹凸を吸収しにくく、又衝撃に弱く破損し易いと
いつた問題点を有している。

そこで、この考案は上記点に鑑み、断熱材上に
簡単に目地材を設置できるようにし、そしてこの
目地材はコンクリート等の打設によるその流圧に
も十分耐え、且つ直線性を保持できるようにし、
コンクリートスラブ上への敷設作業を容易にし、
更にはコンクリートスラブ面の凹凸を有効に吸収
し、断熱材へ衝撃が加わつた場合これを吸収する
ことにより断熱材の破損を防止することを目的と
した断熱材を提供するもので、その要旨はコンク
リートスラブ上に敷設する正方形の板体からなる
断熱材であつて、該板体の上面にそれぞれ対向す
る辺の中心を結んで直交した基準線を挾んで対向
する突条をそれぞれ形成し、該突条を目地材嵌入
挾持部とし、前記板体の各辺には、対向する一方
の辺に凸部を、他方の辺に前記凸部に対応する凹
部をそれぞれ形成し、更に前記板体の下面或は
上・下面に独立気泡構造を有するポリオレフイン
系発泡シートを重合したところにある。

以下この考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

図面において、１は断熱材を構成する発泡ポリ
スチレンフオーム等の独立気泡合成樹脂発泡体等
からなる正方形の板体であり、この板体１の上面
にそれぞれ対向する辺２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂの
中心Ａ，ＢとA′，B′を結んで直交した基準線
（仮想線）Ｘ，Ｙを挾んで対向する突状４，４′と
５，５′をそれぞれ形成し、この突状４，４′と
５，５′をそれぞれ目地材嵌入挾持部６とする。
７は突状４，４′間と５，５′間をもつてそれぞれ
形成される目地材嵌入溝である。そして、板体１
の４辺２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂには、対向する一
辺２ａ，３ａに凸部８ａ，９ａを、他辺２ｂ，３
ｂには前記凸部８ａ，９ａに対応する即ち同形の
凹部８ｂ，９ｂを形成する。かかる４辺２ａ，２
ｂ，３ａ，３ｂに形成する凸部８ａ，９ａと凹部
８ｂ，９ｂにあつては、第１図に示すように板体
１の４辺２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂの中心Ａ，Ｂ，
A′，B′の位置に形成してもよく、或は第３図に
示すように板体１の４辺２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ
のそれぞれに、それぞれの中心Ａ，Ｂ，A′，
B′を中心点とした左右対称位置に同形の凸部８
ａ，９ａと凹部８ｂ，９ｂとを形成してもよく、
又前記凸部８ａ，９ａ、凹部８ｂ，９ｂの形状は
特に限定されるものではない。

そして、上記構成からなる板体１の上面と下面
に発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレン等の軟
質性の独立気泡構造を有するポリオレフイン系発
泡シート１０を重合する。

実施例ではポリオレフイン系発泡シート１０を
板体１の上面及び下面双方に重合しているが、上
面，下面のいずれか一方のみ重合してもよい。

なお、図中１１は目地材嵌入挾持部６に嵌入し
た目地材である。

次にこの考案を、その作用の一例として屋上の
断熱構造施工に使用する場合について説明する。

屋上コンクリートスラブ上に施工された防水層
の上面に板体１を、１つの板体１の１辺に形成さ
れた凸部８ａ，９ａ又は凹部８ｂ，９ｂと、これ
に隣設する他の板体１の１辺に形成された凹部８
ｂ，９ｂ又は凸部８ａ，９ａをそれぞれ係合させ
るようにして順次縦横に敷設する。しかして、各
板体１の辺に形成された凸部８ａ，９ａと凹部８
ｂ，９ｂとを係合させることにより、隣接する板
体１は凸部と凹部との係合により、その方向性が
規制され、縦横に敷設した板体１は縦横の辺の直
進性が確実に得られ、板体１は防水層上面にきれ
いな碁盤目状に敷設される。同時に、板体１の上
面にそれぞれ対向する辺の中心を結んで直交する
基準線を挾むようにして形成された対向する突条
４，４′，５，５′からなる目地材嵌入挾持部６
は、前記凹部と凸部の係合により、その端部を隣
接する板体１の目地材嵌入挾持部６の端部と突き
合い、縦横に敷設した板体１の目地材嵌入挾持部
６の直進性が確実に得られ、敷設した板体１上に
はきれいな碁盤目状の目地材嵌入挾持部６が形成
される。碁盤目状に形成された目地材嵌入挾持部
６にそれぞれ目地材１１を嵌入して固定し、それ
から敷設した板体１上にコンクリートを打設す
る。

この考案に係る断熱材は、その使用の一例とし
て上記のように使用されるが、コンクリートスラ
ブ上に断熱材を敷設するに際し、コンクリートス
ラブ面に凹凸がある場合、断熱材を構成する板体
１の下面に軟質性の独立気泡構造を有するポリオ
レフイン系発泡シート１０を重合してあるので、
このポリオレフイン系発泡シート１０が前記コン
クリート面の凹凸を有効に吸収し、断熱材はコン
クリートスラブ面に平滑に敷設される。又板体１
にコンクリート打設時のコンクリートの衝撃やそ
の他の衝撃が加わつたとき、板体１の上・下面に
重合したポリオレフイン系発泡シート１０がこの
衝撃を吸収するので板体１の破損が防止される。

以上のようにこの考案はコンクリートスラブ上
に敷設する正方形の板体からなる断熱材であつ
て、該板体の上面にそれぞれ対向する辺の中心を
結んで直交した基準線を挾んで対向する突条をそ
れぞれ形成し、該突条を目地材嵌入挾持部とし、
前記板体の各辺には、対向する一方の辺に凸部
を、他方の辺に前記凸部に対応する凹部をそれぞ
れ形成し、更に前記板体の下面或は上・下面に独
立気泡構造を有するポリオレフイン系発泡シート
を重合したものであるから、コンクリートスラブ
上に敷設した断熱材に目地材を設置するにあた
り、従来のように断熱材の上面に目地割り墨出し
作業を行い、目地材を接着剤等で接着固定すると
いつたようなきわめて面倒で手間のかかる作業を
行う必要がなく、単に断熱材の上面に形成された
目地材嵌入挾持部に目地材を嵌入するといつた簡
単な作業で設置することができるので、作業が容
易であり且つ能率良く行なえ作業工期を短縮する
ことができる。又断熱材上に設置された目地材は
断熱材の上面に形成された目地材嵌入挾持部によ
りその両側を挾まれるようにして設置されるもの
であるから、コンクリート等の打設の際その流圧
に十分耐え得ることができ、安定性に優れたもの
となる。又敷設した各断熱材の目地材嵌入挾持部
の直進性が確実に得られるので目地材の嵌入が容
易であり、しかも施工後の意匠的効果にも優れた
ものとなる。更に断熱材を構成する板体の上面・
下面に独立気泡構造を有するポリオレフイン系発
泡シートを重合したものであるから、断熱材を敷
設するコンクリートスラブ面に凹凸があつても、
上記ポリオレフイン系発泡シートがこれを有効に
吸収するのでコンクリートスラブ面に断熱材を平
滑に敷設することができ、又断熱材に衝撃が加わ
つても、上記ポリオレフイン系発泡シートがこの
衝撃を吸収するので断熱材の破損を有効に防止で
きる。更に又、構成が簡単なので製造が容易であ
り安価に得ることができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はこの考案に係る断熱材の平面図、第２図は同
上の斜視図、第３図は他の実施の一例を示す平面
図、第４図は同上の斜視図、第５図は第１図に示
す断熱材の施工状態を示す説明図、第６図は第３
図に示す断熱材の施工状態を示す説明図である。 １……板体、２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ……辺、
４，４′，５，５′……突条、６……目地材嵌入挾
持部、８ａ，９ａ……凸部、８ｂ，９ｂ……凹
部、１０……ポリオレフイン系発泡シート、Ａ，
Ｂ，A′，B′……辺の中心、Ｘ，Ｙ……基準線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートスラブ上に敷設する正方形の板体
   からなる断熱材であつて、該板体の上面にそれぞ
   れ対向する辺の中心を結んで直交した基準線を挾
   んで対向する突条をそれぞれ形成し、該突条を目
   地材嵌入挾持部とし、前記板体の各辺には、対向
   する一方の辺に凸部を、他方の辺に前記凸部に対
   応する凹部をそれぞれ形成し、更に前記板体の下
   面或は上・下面に独立気泡構造を有するポリオレ
   フイン系発泡シートを重合したことを特徴とする
   断熱材。