JPS629842Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は体腔内に挿入されて使用された内視鏡
挿入部を洗滌する内視鏡の洗滌装置に関する。

一般に、この種の内視鏡の洗滌装置はその洗滌
槽の上面開口部を蓋体によつて開閉するようにな
つているが、上記蓋体はたとえば第１図に示すよ
うに洗滌槽１の上端内周部にその周方向に沿つて
形成された受部２に載置されて洗滌槽１の上面開
口部を閉塞している。

しかしながら、従来のものは上記蓋体３の下端
面を洗滌槽１の受部２に面接触させていたため、
洗滌工程において石けん水を使用すると、上記面
接触部に浸透した石けん水が噴射ノズルから噴射
される石けん水の風圧によつてシヤボン玉現象と
なり、泡４を発生させ洗滌槽１の上端内周部と蓋
体２の外周部との間に形成される間隙５に溜まり
蓋体２の外周部に付着する。このため、蓋体３を
開放した場合には泡３が洗滌槽１内に滴下し、洗
滌後の内視鏡挿入部を再度汚してしまう不都合が
あつた。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは、洗滌槽の受部と蓋体の
下端面との間に隙間を形成することにより、蓋体
の外周部と洗滌槽の上端内周部との間に溜つた泡
を洗滌中の洗滌水によつて洗い流し除去できるよ
うにした内視鏡の洗滌装置を提供しようとするも
のである。

以下、本考案の一実施例を第２図にもとずいて
説明する。図中２１は枠体で、この枠体２１の上
部には洗滌槽２２が取付けられている。この洗滌
槽２２内中央部には給液管２３が設けられ、この
給液管２３は上記洗滌槽２２の内底中央部に穿設
された通孔２４内に挿通されその下端部は継手２
５によつて回転可能に支持されている。前記継手
２５は上記洗滌槽２２の底面に受板２６を介して
取付けられ、この受板２６にはビス３４によつ
て、ギヤボツクス２７が取付けられている。この
ギヤボツクス２７の駆動軸２８は上記受板２６の
通孔２９を介して上方へ突出され、この突出部に
はプーリ３０が装着されている。また、上記給液
管２３の中途部にはプーリ３１が装着され、この
プーリ３１と上記プーリ３０とはベルト３２を介
して連結されている。また、上記ギヤボツクス２
７の下面部には駆動モータ３３が取付けられ、こ
の駆動モータ３３の作動により上記ギヤボツクス
２７の駆動軸２８が回転され、これにより上記ベ
ルト３２が走行されて上記給液管２３が回転され
るようになつている。

一方、上記給液管２３の上端部にはヘツド部３
５が螺着され、このヘツド部３５の両側部には導
液路３６，３７が形成されている。前記導液路３
６，３７の上・下端部には接続管３８〜４１を介
して噴射ノズル４２〜４５が接続されている。ま
た、上記給液管２３の上端部には通孔４６，４７
が穿設され、これら通孔４６，４７は上記ヘツド
部３５に形成された連通路４８，４９を介して上
記導液路３６，３７に連通されている。また、上
記洗滌槽２２内には複数個の谷部５０ａ…を形成
するように折曲された針金で成形された支持部材
５０が設けられている。この支持部材５０の両端
部は上記洗滌槽２２の内壁部に固定され、その谷
部５０ａ…上に内視鏡の挿入部５１が螺旋状に載
置されている。５２は上記洗滌槽２２の底面部に
穿設された排液口５２で、この排液口５２から噴
射後の洗滌液が排出されるようになつている。ま
た、上記継手２５には管継手５３を介して図示し
ない洗滌液供給機構が接続され、この洗滌液供給
機構の作動により、上記給液管２３に石けん水と
洗滌水が交互に供給されるようになつている。

一方、上記洗滌槽２２の上面開口部は蓋体５４
によつて開閉可能に閉塞されている。この蓋体５
４の一端部は蝶番５５を介して上記洗滌槽２２の
外壁部に接続されている。また、上記洗滌槽２２
の上端内周部にはその周方向に沿つて受部として
の段部５６が形成され、この段部５６に介在物と
してのビス５７を介して上記蓋体５４の下端面が
載置されている。上記ビス５７の介在により上記
段部５６の上面部と上記蓋体５４の下端面との間
には隙間５８が形成されている。上記ビス５７は
上記段部５６に固定されている。

しかして、上述した構成において駆動モータ３
３を作動させるとともに洗滌液供給機構を作動さ
せると、まず石けん水が回転する給液管２３に圧
送され、この石けん水は回転するヘツド部３５の
連通路４８，４９を介して導液路３６，３７に導
入される。そして、この石けん水は導液路３６，
３７から接続管３８〜４１を介して噴射ヘツド４
２〜４５に送られ二点鎖線で示すように内視鏡挿
入部５１に噴射され、その洗滌がなされる。そし
て、この石けん水による洗滌が終了したのちは洗
滌水が上述したと同様にして内視鏡挿入部５１に
噴射され石けん水を除去して内視鏡挿入部５１の
洗滌を仕上げる。

ところで、上述した石けん水による洗滌時には
石けん水が洗滌槽２２および蓋体５４の内壁面に
吹き付けられて泡が発生し、この泡は石けん水の
噴射風圧によつて洗滌槽２２の上端内周部と蓋体
５４の外周面との間の隙間５９に進入し溜まる。
しかしながら、次の洗滌工程において散布される
洗滌水が蓋体５４の下端面と洗滌槽２２の段部５
６との間に形成される隙間５８から蓋体５４の外
周部と洗滌槽２２の上端内周部との間の隙間５９
に進入し上述した石けん水の泡を溶解してこれを
隙間５９から隙間５８を介して洗滌槽２２内に排
出させ除去する。

したがつて、石けん水の泡が蓋体５４の外周面
に付着することがなく、蓋体５４を開放しても石
けん水の泡を洗滌槽２２内の内視鏡挿入部５１に
滴下させる虞れはない。

本考案は以上説明したように洗滌槽の受部と蓋
体の下端面との間に隙間を形成したから、石けん
水による洗滌時にその泡が洗滌槽の上端内周部と
蓋体の外周部との間に進入して溜まつても次工程
の洗滌水による洗滌時に洗滌水が上記隙間を介し
て上記洗滌槽の上端内周部と蓋体の外周部との間
に導入され、石けん水の泡を溶解してこれを除去
する。したがつて、従来のように蓋体の外周部に
石けん水の泡が付着するようなことがなく蓋体を
開放しても石けん水の泡を洗滌槽内の内視鏡挿入
部に滴下してこれを汚すということは確実に防止
できるという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す縦断面図、第２図は本考
案の一実施例である内視鏡の洗滌装置を示す概略
的構成図である。 ２２………洗滌槽、５１……内視鏡挿入部、４
２〜４５……噴射ノズル、５６……受部、５７…
…介在物、５８……間隙、５４……蓋体、５９…
…隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内視鏡挿入部を収納させる洗滌槽と、外周部を
   上記洗滌槽の上端内周部との間に隙間を設けて洗
   滌槽の上面開口部を閉塞する蓋体と、上記洗浄槽
   内に収納された内視鏡挿入部に石けん水と石けん
   水を洗い流す洗滌水とを交互に噴射させる噴射ノ
   ズルとを有する内視鏡の洗滌装置において、上記
   洗滌槽の上面開口部を上記蓋体が閉塞したときに
   上記洗滌槽の上端内周部と上記蓋体の外周部との
   間に形成される隙間に連通する間隙を形成させる
   ために上記蓋体の下端面を受ける上記洗滌槽の受
   部の上面部に介在物を部分的に設けたことを特徴
   とする内視鏡の洗滌装置。