JPS629628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は駆動部出力をベルクランクを介して直
角方向に変換してしや断器に連結するリンク機構
を持つしや断器に関するものである。

第１図は広く一般に使われている２点切りしや
断のリンク機構部分を示したものである。図示し
ない操作機構に連結されたＡ部の上下方向の動き
を絶縁ロツド３によつてベルクランク４に伝え、
このベルクランク４を固定軸５を中心に回転して
リンク６を介し出力点Ｂ点の動きをしや断部１に
伝えるものである。この方式ではベルクランク４
の先端が円弧運動をするために、Ｂ点において本
来の動きと直角方向の力が作用し、これに対処す
るためにリンク６の長さをある程度長くしまたし
や断部１の可動部軸受けを直角方向の力にも耐え
るよう強固なものとする必要があり、特に単圧
SF₆ガスしや断器のように強大な操作力を有する
ものにあつては寸法縮少化の大きな阻害要因とな
つている。図で２はリンクケースを示す。

これに対し第２図はよく知られたスコツトラツ
セル機構で、Ａ点の直線運動をＢ点の出力点に１
本のリンクで結び、このリンクの中央部をピン結
合した他のリンクで固定軸７に枢支したものであ
り、Ａ点の直線運動に対してＢ点は完全な直線運
動をする。しかしながらこの機構では、Ａ点に直
線運転のためのガイドが必要なこと、広い範囲に
Ａ点あるいはＢ点を動かした場合に双方の動きの
比が著しく変化することなどから比較的大形のリ
ンクを使用してせまい運動角度で使用する必要が
あり、寸法小形化の目的に添わない等の欠点があ
る。

本考案は上記点にかんがみ、比較的寸法の小さ
いリンクを広角度に動かしても出力点が略直線運
動をし、さらに入力と出力の動きの比率が略一定
であり、しかも各部に作用する力が従来第１図方
式とそれほど変らないリンク機構を持つしや断器
を提供することを目的とする。

以下、図面を参照し本考案の一実施例として２
点切りしや断器を例に説明する。本考案では第３
図に示すように、第１図のベルクランク４を用い
る夫々のリンク機構において、固定軸１３を設
け、この固定軸１３に一端を枢支した第２のリン
ク１２の遊端をピン結合した第１のリンク１１を
介してベルクランク１４の先端にピン結合し、こ
の第１のリンク１１の中央部B′をしや断部１へ連
結する出力点とする構成としている。他の第１図
と同符号のものは同一部分を示すものなのでそれ
らの説明は省略する。

上記本考案構成とすれば、Ａ点の上下方向の運
動に伴ないベルクランク４の先端は円弧運動をす
ることになるが、この円弧運動に伴ないリンク１
２のピン結合部も逆回転の円弧運動をするので、
リンク１１の中間点B′は両者の図面での上下方向
の動きを相殺した軌跡を描き略直線動となる。

一例として（ベルクランク４の腕の長さ）＝（リ
ンク１２の長さ）＝（リンク１１の長さ）＝ｌとし
てベルクランク４を中立より±45゜回転させた場
合、第１図の従来構成ではベルクランク４の先端
は図の上下方向に0.3lの変位をするが、第３図本
考案構成では出力点B′は0.02lの変位しかせず、
略完全な直線運動となる。したがつて第１図のリ
ンク６に相当するものは十分に短かくとも、ある
いは場合によつては省略することも可能であり、
さらにしや断部１の軸受も直角方向の強い力に耐
える必要がないので小形化、構造の簡単化が可能
となる。またリンク機構にて特に大きな力の作用
する部分もないのでその構成が容易となる。

以上記載のように本考案によれば、比較的単純
なリンク構成によつてしや断器の動作の方向変換
部分で近似直線動作が得られ、また特に強い力の
発生する部分もないのでしや断器の軸受部分、連
結部分の簡素化、縮少化が可能となり、しや断器
の小形化が達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のしや断器の異なるリ
ンク部構造を説明する図、第３図は本考案の一実
施例のリンク部構造を説明する図である。 １……しや断部、４……ベルクランク、Ａ……
操作機構連結部、Ｂ，B′……しや断部への連結
部、１１，１２……リンク、１３……固定軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動部出力をベルクランクを介して直角方向に
   変換してしや断部に伝達するリンク機構を持つし
   や断器において、ベルクランクの先端に第１のリ
   ンクをピン結合し、この第１のリンクの他端に第
   ２のリンクをピン結合し、この第２のリンクの他
   端は固定ピンに枢支し、前記第１のリンクの中央
   部をしや断部に連結したしや断器。