JPS6296081A - 酵母新株 - Google Patents

酵母新株

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JPS6296081A
JPS6296081A JP61240543A JP24054386A JPS6296081A JP S6296081 A JPS6296081 A JP S6296081A JP 61240543 A JP61240543 A JP 61240543A JP 24054386 A JP24054386 A JP 24054386A JP S6296081 A JPS6296081 A JP S6296081A
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lactic acid
yeast
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acid bacteria
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、酵母の新株カンジダ クルセイ(candi
da krusei) 3  柏山株〔微工研究条寄第
332号〕に関する。この新株を乳酸菌と混合し、(例
えば脱脂乳培地)又は炭水化物(例えば乳糖等)或はそ
の他の必要栄養分を含有する合成培地等を発酵させると
、新規な発酵製品を得ることができる。
従来の技術 乳酸菌に対し、酵母を少量加えて粉乳及び糖蜜含有培地
を発酵させることからなる乳酸菌飲料の製造法が知られ
ている(特開昭49−25158号公報)。この発明に
使用した酵母は、本発明で用いる前記のカンジダ クル
セイ 8柏山株(又はカンジダ クルセイ 7柏山株或
はそれらの混合系)で特定されているものではない。ま
た乳酸菌としてブルガリア菌及びラクチス菌を使用する
、活性乳酸菌の育成方法(特開昭49−20387号公
報)が知られているが、その共存酵母については、何も
教示されていない。
更に乳酸菌に対し、酵母菌の少量を加えることを含む特
殊乳酸菌飲料の製造法が知られているが、その使用酵母
は別異のものであった(特開昭50−95453号公報
)。
本発明者及びその共同研究者らは、上記特開昭50−9
5453号公報記載の発明につき、さらに研究をす5め
、前記の乳酸菌株そのものが、複数種の微生物の混合株
であることをつき止め、またそれらの中から、有用新株
として、上記のカンジダ クルセイ 8柏山株(及び同
7拍山株)をとり出し、本発明に到達した。
ところで、従来より乳酸発酵においては、2種又はそれ
以上の菌株による「混合系スターター」が実用的に利用
されている。その使用目的は、微生物菌群間でのダイナ
ミックな相関性を有利に利用する良質なスターターの調
整にある。
本発明は、発酵製品等に乳酸菌飲料では従来はとんど例
をみない「本発明の酵母−乳酸菌一混合系スターター」
を使用することにより、菌学的、栄養学的に新しいタイ
プの乳酸発酵形式を実現したものである。
したがって、本発明は、酵母新株 カンジダクルセイ 
8柏山株(微工研条寄 第332号)に関するというこ
とができる。
酵母の説明 以下、本発明の新規な酵母について詳述する。
まず本発明の酵母 カンジダ クルセイ 8柏山株は、
次の菌学的性質を有するものである。
(a)各培地における生育状態 (1)麦芽汁又はMY液体培地: 栄蚕細胞の大きさは巾3〜5μm、長さ5〜10μm、
形状は長円形(oval)(2)バレイショ抽出液寒天
培地におけるスライド培養: マイコトルラ型偽菌糸形成; プラストスボアは書状に着生せず伸長し、時に連鎖をな
す; 分節胞子及び厚膜胞子を形成せず (3)その他の培養学的緒特性: 1)寒天斜面培地上のコロニーの形状:(麦芽汁及びM
Y寒天培地) 無光沢(dull)白色(white)の集落;ソフト
な粗造表面で周辺は波形 ((Indulate ) ii )深部コロニー(同上培地): 不規則な塊状で通常直径3〜5mm 1ii )巨大コロニー: 二様性:10 ニー (dimorphism) 。そ
の中心部は円滑な隆起である。
iv)液体培地における皮膜成形: (麦芽汁及びMY液体培地) 白色(white)薄い(thin)クリーピング型(
creeping type)の皮膜形成(b)子嚢胞
子      形成せず (c)射出胞子      形成せず (d)各生理的性質: 1)生育最適pH3,0〜5.0 生育最適温度   30℃(45℃で生育せず)2)生
育の範囲 p)I       1.0〜10.0;好適範囲 3
.0〜7.0 温度  5〜42℃; 至適範囲 20〜40℃; 好適範囲 30〜37℃ 3)硝酸塩の資化性  資化せず 4)脂肪の分解    分解せず 5)尿素の分解    分解せず 6)ゼラチンの液化  液化せず 7)食塩耐性     食塩生育限界濃度12〜14 
(W/ V )% 最適食塩濃度 0〜4% 8)色  素     生成せず 9)有機酸の生成   揮発性酸としてギ酸、酢酸; 
不揮発性酸として コハク酸; ケト酸とし てピルビン酸、α−ケト グルタル酸を生成 10)エステル生成   エタノール、酢酸エチルの他
のイソアミルアルコ ールを主体とする高級ア ルコール及びそれらの酢 、酸エステルを生成 11)デンフリ様類似物質の生成  生成せて12)ビ
タミン要求性  要求せず 13)その他: グルコシドの分解性  分解せず IJ )マスミルク反応  凝固せず リドマス赤変せず (e)炭素源の同化性及び発酵性 1)糖類の発酵性 D−グルコースの発酵性を有し、D−ガラクトース、シ
ョ糖、麦芽糖、乳糖、ラフィノース、トレハロース、イ
ヌリンに対シては発酵性は認められなかった。
2)炭素源の同化性 D−アラビノース       − L−アラビノース       − D−リボース         − D−キシロース        + D−グルコース        + D−ガラクトース       − L−ラムノース        − L−ソルボース        − ショ糖           − 乳糖      − メリビオース         − セロビオース          − トレハロース          − ラフィノース         − メレジトース         − α−メチルーD−グルコシド  − 可溶性デンプン        − イヌリン           − エタノール          + エ リ ト リ ッ ト              
     −イノシフト          − D−マンニット         − D−ソルビット        − ズルシット           − グリセリン        + DL−乳酸塩         十 コハク酸塩          十 クエン酸塩          − 酢酸塩            十 (+資化する、−資化しない) 〔乳酸を資化し、加えて強い耐酸性を示し、栄養要求性
も単純である点で乳酸菌との共存が容易である。即ち本
酵母は唯一の炭素源として乳酸を用いた場合に高濃度の
乳酸(約5%)によっても何ら生育阻害を受けず、低p
H(初発pH1,0)でも良好な生育を示す。むしろ初
発pHが低い程乳酸の資化率は増加する(初発pH3,
0>初発pH5,0)。
本酵母による乳酸の代謝様式を知る目的で乳酸の酸化的
分解能を測定したところ呼吸商(Qco□/Qo□)は
0.96であり、乳酸ははゾ完全にCO2と820に分
解された。〕(f)  本発明の酵母は、酸性プロテア
ーゼを有する。
従って乳酸菌との混合培養において、本酵母と乳酸菌と
の蛋白分解力が相乗的に働き、(蛋白分解物で比較した
とき混合時の蛋白分解物量は乳酸菌単独時の1.8倍と
なる)、乳酸菌のアミノ酸、ペプチド要求性と関連して
乳酸菌の生育環境をより改善する。
又、このようにして得られる発酵製品は、易消化性の遊
離アミノ酸及びペプチドを多量に含み、同時に呈味性に
おいてすぐれている。又これらは当然カゼイン由来のも
のであるから栄養学的に良質なアミノ酸である。
なお、本件出願人は酵母 カンジダ クルセイ7柏山株
〔微工研条寄 第331号〕に関する別異の出願をして
いる。該7柏山株を前記のカンジダ クルセイ 8柏山
株と比較すると、多くの性質は同一であるが次の諸点に
おいて相違する。
1)巨大コロニーの形状において異なる。すなわちゼラ
チンを20%になるよう加えたMY培地上に20℃、3
0日間培養して形成させた巨大コロニーの形状は、7柏
山株及び8柏山株の両画とも二様性を呈するが、その中
心部が7柏山株ではしわ状であるのに対し、8柏山株で
は円滑な隆起である。
2) 培地の種類によっては生育度合が異なる。
0.5%グリセリンを加えたウィッカハムの炭素源資化
用合成培地においては7柏山株はわずかに生育を示すの
に対し8柏山株は非常によく生育する。すなわち、8柏
山株はグリセリンを強く資化するのに対し、7柏山株は
グリセリンを弱く資化する。
またウィカハムのビタミン欠培地においても、8柏山株
の生育度合は7柏山株よりも明らかに高く、濁度で約5
倍高くなる。
公知種との相異点(新規な菌株としての認定)本発明の
酵母に最も近縁の既知菌株としては、カンジダ クルセ
イが挙げられる。しかしカンジダ クルセイ8柏山株を
公知のカンジダクルセイ株と比較すると、D−キシロー
スに対して資化性を有する点で異なり、また強酸性域で
の生育度合が高く耐酸性にすぐれている点で異なる。
この特性を知る目的で実施した公知の標準株との比較試
験の結果を以下に示す。
まずカンジダ クルセイ 8柏山株及び同7相山株、対
照標準線としてカンジダ クルセイATCC14242
株及び同ATCC6218株の4種菌株を、pH2,0
,2,5,3,0,3,5,4,0及び5.1に調製し
たMY液体培地に夫々接種し、30℃で4日間及び7日
間振とう培養した時の生育を6107mでの濁度で測定
した。次に4日間及び7日間、培養の夫々について、p
H5,1での生育を100とした場合の各pHでの生育
率を算出した。
その結果を表1及び2に示した。
これらの結果から明らかなように、ATCC14242
株及び同6218株ともpH3,0ではpH5,1での
生育の85%前後、またpH2,5では75%前後の生
育率であるのに対し、8柏山株(及び7柏山株)では、
はぼ100%の生育率を示した。
このことからカンジダ クルセイ 8柏山株(及び同7
相山株)は、標準株に比べ低pH域、すなわち強酸性域
での生育度合が高く、耐酸性にすぐれ別異のものである
ことが判明した。
またカンジダ クルセイ以外に近縁の公知菌株としては
、カンジダ ラムビカ(candidalambica
)、カンジダ バリダ(candida valida
)あるいはカンジダ ルゴペリクロf (candid
arugopelliculosa)があるが、カンジ
ダ クルセイ8柏山株(及び7柏山株)は、以下の性質
によりこれらの公知菌株とは異なるものである。
(1)カンジダ ラムピ力とは、ビタミンの要求性がな
く、クエン酸塩を資化しない点で異なる。
(2)カンジダ バリダとは、D−キシロースを資化し
、37℃で生育する点で異なる。
(3)カンジダ ルゴペリクロサとは、D−キシロース
を資化し、クリセリンを資化する点で異なる。
このようにD−キシロースを資化する点では異なるが、
37℃で非常によく生育し、40℃でも生育すること、
またスライド培養で形成される偽菌糸の形態がマイコト
ルラ型で、各種文献に記載されているカンジダ クルセ
イのそれと同一であることから、カンジダ クルセイ 
8柏山株(及び同7相山株)は、前記3菌株よりも、む
しろカンジダ クルセイに最も近似しているものである
使用の態様 本発明の酵母は、公知の乳酸菌と混合して用いる。即ち
いかなる乳酸菌、桿菌をも使用し得る。
好適な乳酸菌としては、ラクトバチルス アシドフィル
ス(Lactobacillus acidophil
usNo、 4 L 5株)、ストレプトコ力ス ラク
チス(Streptococcus 1actis I
FO12546) 、ラクトバチルス  ブルガリクス
(Lactobacillusbulgaricus 
IFO3533)、ラクトバチルス カゼイ(Lact
obacillus casei IFO3425)等
を挙げることができる。
混合培養条件の説明 本発明の酵母による混合培養の条件1−二ついて以下−
具体例をか−げ説明する。
まず10%脂肪粉乳を常法により殺菌し、乳酸菌り、ア
シドフィルス No、 4 L 5を、104〜l Q
5cells 7ml、酵母カンジダ・クルセイ8柏山
株を10’ 〜10’ cells /rn1の初発菌
濃度になるように接種し、次いで37℃で静置培養する
この初発菌濃度で、37℃に1ケ月静置しておくと両者
の菌相バランスは、乳酸菌10:酵母1の割合に維持さ
れている。一方、培養3〜4日目に於ても、このバラン
スが維持されているので、3〜4日目の培養液をもって
混合スクータ−とし、順次発酵に供することが可能であ
る。
尚、上記の接種率は発酵中の菌相の経時的変化を知る目
的で、意図的にや5小さくしたものである。実際の発酵
時には雑菌汚染を考慮して接種率を大きくし、同時に乳
酸法、桿菌を併用してもよい。
従って、実際的には発酵時間を4日前後に短縮し得、全
酸量は乳酸として2.5%前後、pHは3.1〜3.4
になる。尚乳酸菌と酵母の接種率のバランスを多少変化
させても、菌相バランスは、前記のように安定化してい
る。
本発明の酵母は、本来乳中に生育不能な乳糖非発酵性、
非資化性酵母である。しかしながら耐酸性(最適pH4
,0前後即ち3.0〜5.0)及び乳酸の酸化的分解能
(Qco□/ QO2=0.96 )において優れてい
るものである。そのため、本酵母が乳酸発酵過程に共存
した場合、乳酸菌により生成された乳酸は、本酵母によ
り資化、分解される。
一方、スターターで用いられる乳酸菌は、特に乳酸生成
能の比較的高いものであり、低pH1高乳酸濃度に耐え
、しかも蓄積乳酸の一部が酵母により漸次消費される結
果、長期にわたり定常的に高い乳酸生成能を維持するこ
とができる。
言い換えれば、乳酸菌による乳酸生成系途平衡状態にな
ることなく、絶えず進行し、これと酵母による乳酸分解
系との間に一種の定常的な、(steady 5tat
e)乳酸発酵条件が確保されるのである。その結果、例
えば7日目で比較した軟菌重量当りの乳酸菌のグリコリ
ティック アクティビティ(Glycolytic a
ctivity) =乳酸生成能は、混合系の場合に乳
酸菌単独時の約4.3倍であり、該乳酸菌の最大乳酸生
成能(培養24時間目で測定)の約80〜85%のレベ
ルが維持される。
同時に、酵母共存下の乳酸菌は延命効果を与えられ37
℃、2週間目では単画時の約103°7倍の生存能(v
iability)を維持している。この時の乳酸蓄積
量は、酵母混合系では、単画時に比較し0.1〜0.2
%程度少いが、糖消費量は約2倍となり、残存乳糖は極
めて少い状態となる。
このように「本発明の酵母−乳酸菌一混合系スターター
」の使用により、乳酸菌の高い乳酸生成能及び高い生存
率の長期維持が可能であり、更に低乳糖の飲料の製造が
可能である。
なお前述の説明で、乳酸生成能は乳酸菌単独時の約4.
3倍であることを記載し、また乳酸蓄積量は単画時より
も0.1〜0,2%程度少いことを記載していて、両説
明が一致を欠くようであるが、これは共存酵母が乳酸の
一部を消費することによるものである。
更に本発明の酵母は、ビタミン、核酸関連物質、アミノ
酸を含まない合成培地中でも、本酵母生菌を添加すると
、乳酸菌の生育がみられることから、本酵母による乳酸
菌の発育促進物質の供与も考えられる。
その他、乳酸菌と酵母との蛋白分解力の相乗効果による
カゼイン分解由来のアミノ酸の増加もみられ、本酵母と
の混合培養では、隼に使用乳酸菌の物理的環境の改善の
みならず、栄養学的側面でもilJ激的、促進的効果が
みられる。なお、このことは栄養要求性の複雑な乳酸菌
の生育促進だけでなく、発酵飲料自体の栄養学的レベル
の向上、並びに見消化性の助長となってあられれる。
要約すれば、前述の如くにして乳酸菌が延命すると、次
のような利益が達成される。:(1)実質乳酸生成量の
増加(第1図参照);(2)低乳糖製品の生産; (3)酵母の蛋白分解酵素と乳酸菌の蛋白分解酵素との
相乗的効果を奏し、見消化性遊離アミノ酸量を増し、栄
養価を上げ、呈味効果を大とする。
加えて低乳糖製品は、乳糖不耐症防止に資する。
尚前記諸効果は、添付図面の第1〜2図に示された乳酸
菌単独培養(対照)と、各種乳酸菌プラス酵母(カンジ
ダ クルセイ8柏山株)混合培養(本発明)との比較結
果により実証されている(後文参照)。
実験1 本発明の酵母を用いる混合培養による、乳酸発酵のより
一層の理解のために、乳酸菌単画培養と、乳酸菌一本発
明の酵母の混合培養の場合におけろく経時変化から見た
)各種比較について、以下実験にもとづき説明する。
一般に、乳酸発酵時のpHの低下は、生成乳酸量の増大
を直接反映するものであるが、乳酸菌は本来、自らのエ
ネルギー代謝の産物である乳酸によって(そしてそれに
よるpHの低下のために)死滅する。
第1図(A)〜(D)の経時的変化は、乳酸菌り、アシ
ドフィルス Nα4L5と、本発明の酵母カンジダ ク
ルセイ8柏山株との混合培養のpH1乳酸蓄積量、生菌
数及び残乳糖の推移を、該乳酸菌の単画培養時との比較
において測定した結果を示すものである。
しかして(A)図において、37℃、15日口の比較で
は、pH1生成乳酸量とも、乳酸菌単画培養時と混合培
養時とではヌ゛同程度であり、その点では品質的に同質
と見なすことができる。
次に(B)図において横線部面積(乳酸菌単画培養時と
、混合培養時とにおける乳酸量測定値の差)より斜線部
面積(混合時における実質乳酸生成量と同測定値の差)
の方が大きく、これが(D)図の残糖量の著しい差異と
なってあられれていることに注目すべきである。これは
本発明の酵母の混合系では、乳酸菌群による乳酸生成が
実質にお。
いて高水準で維持されていることの直接的な反映である
さらに乳酸菌生菌数については((c)図参照)、混合
培養の場合、単画培養のそれに対し、103・7倍の生
存率を維持している(同時に、乳酸菌−酵母両画相の平
行関係に着目すべきである。)即ち、両培養系における
pHにして0.2〜0.4、乳酸量にして0.2〜0.
4%程度の差異が乳酸菌の死滅に重大な影響を与えてお
り、本発明の酵母が乳酸菌生育の物理的環境を良好に維
持していることがわかる。換言すれば、乳酸菌に対して
致死的なpHの低下を防ぎ、乳酸自体の毒性を緩和する
作用を、本発明の酵母が果しているのである。又、本発
明の酵母は、培地中の溶存酸素を消費し、更に皮膜形成
能を有し、そのため乳酸菌の生育に適した嫌気的条件を
作り出すという点に於ても、乳酸菌の生育環境に有利に
作用している。
さらに注目すべきことは、本発明の酵母が、乳酸菌群の
生育に対し、化学的栄養学的にその生育を促進している
ことである。
即ち、合成培地を用いた実験に於ては、ラクトバチルス
 アシドフィルス No、 4 L 5株は、ビタミン
欠如培地、核酸関連物質欠如培地、アミノ酸欠如培地上
で、いずれも生育不可能であるが、酵母培養濾液(同上
成分欠如合成培地)を添加しても、更には透析培養法(
即ち、培養中の乳酸菌培地内にシームレス セルロース
 チュービング(Seamless cellulos
e tubing)を吊下し、このチューブ内に本発明
の酵母を存在させて行なう培養法)を行っても、とにか
くいずれの場合にも、乳酸菌の生育が見られる。これら
のことから、酵母の自己溶解物質を含めて、本発明の酵
母の供給物質が乳酸菌の生育因子になっていることが明
らかである。
以上のように、本発明の酵母による乳酸菌生育環境の維
持(物理的化学的栄養学的効果)により、乳酸菌は高い
生存率(viability)を維持することができる
また残乳糖の経時変化からも明らかなように、混合培養
の場合には、単画培養の場合に比較して、著しく残糖量
の減少(=消費糖の増加)がみられる。具体的に述べる
と、糖消費量は、単画培養のそれの2.03倍にものぼ
る。(即ち初発乳糖濃度約5%が15日後には1%前後
まで低下する。〉このことは、見かけの乳酸量(測定量
)以上に実質的に乳酸の生成がおこなわれていることを
意味し、残糖棗より計算した乳酸生成量(第1図(B)
中、点線で示す)と乳酸測定量との差(斜線部分)が、
本発明の酵母によって消費されたことになる。
換言すれば、混合培養による乳酸発酵の長期持続化は、
乳酸菌により生成された乳酸が本発明の酵母により耐え
ず分解され、従って乳酸生成が「平衡状態化=停止」す
ることなく、絶えず進行し、一種の定常状態(Stea
dy 5tate)が形成されるのである。
以上、専ら、L・アシドフィルス Nα4L5の場合に
つき説明したが、別の実験によりラクトバチルス ブル
ガリクスIF0 3533、ラクトバチルス カゼイI
FO3425、ストレプトコクス ラクチスIFO12
546についても、第1図と同様のそれぞれの線図が得
られた。
実験2 前記の定常状態の維持の結果として、乳酸菌は長期にそ
の活性を維持しうろことが判明した。そこでこのことを
さらにメチレンブルーの脱色時間(ツンベルク管法)で
測定したところ、乳酸菌の乳酸脱水素酸素活性は、混合
培養の場合、単画培養の場合の8.5倍;更に乳酸生成
能を菌体当りの乳酸分解活性(Glycolytic 
activity)で測定すると、前者は後者の4.3
〜4.9倍の活性を維持していることが判明した(8日
目比較)。
これは乳酸菌のもつ乳酸生成最大活性時の80〜85%
の値であった(第2図参照)。
前述の如く、本発明の酵母を用いる混合培養によって得
られた乳酸発酵液は、乳酸生成能の高い乳酸菌を高い生
存率で保有している。それ故乳酸菌飲料をはじめとし、
各種の品質の優れた乳酸発酵製品をうろことができる。
同時に活性スターター、菌保存としての活用ならびに製
品保存の安定性に資することができるものである。
以上、本発明の実施態様を、本発明の酵母 カンジダク
ルセイ 8柏山株と乳酸菌との混合系に関して説明した
が、該8柏山株と該7柏山株との混合系のそれぞれと、
乳酸菌との混合系とを使用すること、及び該乳酸菌使用
の代替として乳酸を使用すること、及び常用の食品添加
物を使用することも当業者にとって自明であろう。
発酵製品 本発明の酵母の使用によって得られる製品は、一般市販
乳酸菌飲料と異り、乳酸を多く含んでいる。また、酵母
−乳酸菌混合系使用の後に滅菌処理を施さない製品は、
活性乳酸菌を多量に含み、乳酸菌利用本来の目的を満た
すものである。又、製品はカルシウム、ビタミン、良質
タンパク質等のバランスのとれた乳製品本来の特質に加
え、更に呈味性、香気性、見消化性にすぐれたものであ
り、乳糖不耐症をひきおこすことがないものである。
本発明の効果 (1)本発明の酵母は、すべての乳酸量、桿菌について
添加適用できる。又、複数乳酸菌種との混合系において
も同様である。殊に耐酸性において劣る乳酸球菌の場合
の延命効果は著大である。
(2)使用する培地成分を多少変更させることより、香
気的、官能的にすぐれた発酵製品を得ることができる。
(3)本発明の酵母による混合系は、スターターの質的
安定性、保存性の維持のために活用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の酵母 カンジダ クルセイ8柏山株
(微工研条寄 第332号〕と乳酸菌ラクトバチルス 
アシドフィルス No、 4 L 5株との混合培養系
と、前記乳酸菌の単独培養の場合における、各種比較実
験を示すものである。なお、(A)は培養日数とpHと
の関係、(B)は培養日数と乳酸生成量(%)との関係
、(c)は培養日数と生菌数(rn1当り)との関係、
(D)は培養日数と残糖量(%)との関係を示す。 第2図は、3種の乳酸菌それぞれ単独培養の場合と、該
乳酸菌と本発明の酵母との混合系の培養の場合における
該乳酸菌の乳酸生成活性(glycolytic ac
tivity)の比較を示す。 培養日畝  1    88    88CQCOjカ
ロ    −                   
       士       十し2z フIノトバ
ナルス  フ”ルカ゛リクス IFO3533yyy 
 傭 (7,) 写し 西史 (〉り)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記の諸性質、 (a)乳酸発酵過程中で乳酸菌と共存し、培地中の栄養
    源から芳香物を生成し (b)生育好適pH3.0〜7.0、生育至適温度20
    〜40℃ (c)乳糖を資化せず、発酵せず、 (d)乳酸を分解し、 (e)MYゼラチン培地で培養、形成した巨大コロニー
    の中心部が、円滑な隆起であり、 (f)ウィッカハムのビタミン欠培地において、高生育
    度合を示し、 (g)グリセリンを強く資化し、かつ (h)D−キシロースを資化する、 という特性を有することを特徴とする、酵母カンジダ 
    クルセイ 8柏山株(微工研条寄第332号〕。
JP61240543A 1978-08-14 1986-10-09 酵母新株 Granted JPS6296081A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0919283A (ja) * 1995-07-06 1997-01-21 Hisatoki Komaki 乳酸菌及び酵母の菌体成分複合体の製造方法
JP2012055278A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Snow Brand Milk Products Co Ltd 乳飲料類及びその製造方法
JP2018050523A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 株式会社明治 ホエイ調製物の製造方法

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