JPS629573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気シートカートリツジに関し、薄手
（30μｍ程度）の磁気シートを用いても保管時や
使用時に変形する問題がなく、また磁気シートに
直接に手を触れることなく装置に載置可能で、か
つ磁気シートの安定回転を得ることのできる磁気
シートカートリツジの提供を目的とする。

従来、磁気シートカートリツジとして、薄い樹
脂材料を２つ折し、内面に不織布を裏張りしたケ
ースを用いたものが使用されており、この場合磁
気シートはケース内面に接触して回転駆動してい
る。また、ケースより磁気シートのみを引出手段
で引出して装置のスピンドルに載置するものが使
用されている。これらにおいて、磁気シートには
いずれも比較的剛性のある厚手（80μｍ程度）の
ものを使用している。しかし、駆動中に磁気シー
トを他の部分に接触させたり、磁気シートを単独
で装着、離脱することはその操作上損傷するおそ
れが大であり、また静止画像等を記録再生する場
合、ケースとの接触は負荷変動となる等の問題が
ある。

本考案は上記の問題を解消したもので、以下そ
の一実施例を図面に基づいて説明する。１は円形
の磁気シートで、中心部の上下面にリング部材２
が固着されている。リング部材２は筒状部２ａと
鍔部２ｂからなる。３はカートリツジ本体で、矩
形の底板４の上面に磁気シート１を収容する円形
の凹部５が設けられている。凹部５の中央に駆動
用のスピンドルが通過するスピンドル通過孔６が
設けられ、磁気シート１のリング部材２の筒状部
２ａはスピンドル通過孔６に遊嵌する。リング部
材２の鍔部２ｂは、スピンドル通過孔６の周辺に
載せられる。７は凹部５に半径方向に設けられた
磁気ヘツド移動用長孔である。磁気ヘツド移動用
長孔７は上当て方式の場合に形成され、下当て方
式の場合は不要である。８は凹部５より外側で底
板４に設けられた孔であり、カートリツジの位置
決めおよび磁気シート高さ設定用に用いられる。
底板４の対向する一組の側辺には断面コ字形の嵌
合溝形成壁９が向い合つて形成され、嵌合溝形成
壁９の嵌合溝１０にカートリツジ蓋１１の両側縁
が挿脱可能に嵌挿される。カートリツジ蓋１１は
一対の肩部１１ａを有し略Ｔ字状に形成されてお
り、カートリツジ本体３の嵌合溝１０の一端に、
カートリツジ蓋１１の肩部１１ａが嵌合する深溝
部１０ａが形成されている。なお、カートリツジ
蓋１１の抜け止めが必要な場合は、例えば嵌合溝
１０に弾性部材を設け、カートリツジ蓋１１に弾
性部材と係合する切欠を設ける等、簡単に係合が
解除できるロツク機構を設けることが可能であ
る。このカートリツジ蓋１１は、カートリツジ本
体３が装置内に装着されるときに、後述のよう
に、嵌合溝１０を通して挿入される安定化板１２
との入れ替りが可能である。

このような構成であると磁気シート１１はリン
グ部材２の鍔部２ｂを介してカートリツジ本体３
に保持され、またリング部材２の筒状部２ａがス
ピンドル通過孔６に遊嵌して横方向の移動も規制
されるため、磁気シート１に直接に力が作用する
ことがなく、磁気シート１の変形の危険がない。
なお、リング部材２の筒状部２ａと、スピンドル
通過孔６の内周面との間の隙間は、磁気シート１
と凹部５との外径の差より狭くすることが必要で
ある。また、リング部材２の上端とカートリツジ
蓋１１との間の隙間よりも、リング部材２の筒状
部２ａの高さを大きくすれば、カートリツジを上
下反転した場合にもリング部材２の筒状部２ａが
スピンドル通過孔６から抜け出すことがなく、同
様に磁気シート１の変形の問題がない。磁気シー
ト１はカートリツジ本体３の凹部５内に収容され
カートリツジ蓋１１で密閉されるので、防塵効果
も得られる。なお、カートリツジ本体３に凹部５
を設ける代りに、カートリツジ本体３の底板４の
上面とカートリツジ蓋１１との間の隙間を磁気シ
ート１の収容に十分な間隔とし、底板４の前縁ａ
と、カートリツジ蓋１１の後縁ｂとに沿つて上記
隙間を閉塞する突条を設けても、上記の防塵効果
や変形防止効果が得られる。

次に記録再生装置の安定化板１２にカートリツ
ジを装着する場合につき説明する。カートリツジ
は安定化板１２がカートリツジ本体３の嵌合溝１
０に係合するように矢印ｐ方向に移動させる。カ
ートリツジ本体３が嵌合溝１０を介し、安定化板
１２に摺動しつつ装着されるに従い、カートリツ
ジ蓋１１は安定化板１２と徐々に入れ替つて装置
外に残される。この際、磁気シート１は安定化板
１２等と何等接触することなく、またカートリツ
ジのまま装着されるため損傷の問題がない。カー
トリツジ本体３が完全に安定化板１２に装着され
ると、装置内の回動手段（図示せず）により安定
化板１２が回動し、磁気シート１は駆動用スピン
ドル１３に載置される。この時、磁気シート１の
安定回転のためにシート高さを設定しかつカート
リツジの位置決めをするピン（図示せず）が装置
に植設されており、カートリツジ本体３の孔８を
通過して安定化板１２を保持する。したがつて、
カートリツジが多少変形していても、安定化板１
２とスピンドル１３の位置が設定されているた
め、磁気シート１は磁気ヘツド以外に接触するこ
とがなく安定回転する。すなわち、磁気シート１
は安定化板１２に沿つて安定浮上回転が与えられ
ると共に、磁気ヘツド１４と軟接触し、通常の記
録又は再生を行なうことができる。

以上説明したように本考案によれば、保管時、
装着時、駆動時において、磁気シート損傷の危険
性がなくまた、装着時においても、カートリツジ
蓋がカートリツジ本体の嵌合溝を通して挿入され
る安定化板と徐徐に入れ替ることにより、磁気シ
ートは装置内の大気に対して露出されることのな
い略密閉構造として防塵効果を得ることもでき
る。また、安定化板の装着もカートリツジ本体の
装置への挿嵌と同時に自動的に行なえ、非常に便
利に使用できる。さらに、駆動時に磁気ヘツドを
除く他の部材との接触がないため、安定回転が得
られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は分解
斜視図、第２図は断面図、第３図は装着途中の断
面図、第４図は装着完了状態の断面図である。 １……磁気シート、２……リング部材、２ａ…
…筒状部、２ｂ……鍔部、３……カートリツジ本
体、４……底板、５……凹部、６……スピンドル
通過孔、９……嵌合溝形成壁、１０……嵌合溝、
１１……カートリツジ蓋、１２……安定化板、１
３……駆動用スピンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形の底板の対向する一組の側辺に断面コ字形
   の嵌合溝形成壁を向い合つて形成してなるカート
   リツジ本体と、上記嵌合溝形成壁の嵌合溝に両側
   縁が挿脱可能に嵌入されるとともに、上記カート
   リツジ本体が装置内に装着されるときに上記嵌合
   溝を通して挿入される安定化板と入れ替り可能な
   カートリツジ蓋と、上記カートリツジ蓋と上記カ
   ートリツジ本体の底板との間に配設された磁気シ
   ートとを備えた磁気シートカートリツジ。