JPS629347B2

JPS629347B2 -

Info

Publication number: JPS629347B2
Application number: JP57143818A
Authority: JP
Inventors: Tsuneki Okamoto
Original assignee: RIKEN IRYO DENKI KK
Current assignee: RIKEN IRYO DENKI KK
Priority date: 1982-08-18
Filing date: 1982-08-18
Publication date: 1987-02-27
Also published as: JPS5932466A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は低周波電圧を人体に通電して患部を治
療する低周波電気治療器に関する。

〔従来の技術〕

低周波を用いた電気治療器は、対極端子と治極
端子との間に治療電極を介して人体の治療箇所を
介在させ且つ両端子間に低周波電圧を印加するこ
とにより、皮膚を通じて電気エネルギーを人体に
送り、電気刺激によつて生体細胞の新陳代謝へ影
響を与え治療を行うものである。

従来、この種の治療器としては、例えば複数箇
所の患部をそれぞれ治極端子、対極端子間に介在
して一度に多数の患部を治療するようにしたもの
がある。

しかし、このような治療器にあつては、複数箇
所の患部に対して同時通電すると患部の刺激慣れ
が生じる。そのため的確な低周波の電気治療が困
難であつた。更に、多患部に同時通電すると、各
治療点間において刺激の相殺作用が生起し、最も
強い刺激に他の治療点の刺激が減殺され、有効な
治療器ができないという問題があつた。

そこで、本願発明者は先に上記問題点を解消
し、複数箇所の患部に対して各治療点毎に適応し
た有効刺激を時間的に別々に与えるようにした装
置を公開した。即ち、特公昭56−46432号公報に
記載された低周波電気治療器における交替通電治
療装置である。

その交替通電治療装置は、第１図に示すよう
に、低周波治療用の電圧を発生する治療器１１の
出力に、通電切替用の自動交替スイツチ１２を接
続すると共に、同スイツチ１２の出力より出力電
圧を調整するための電圧調整器１３を介して人体
に通電するための治極端子１４と対極端子１５と
に接続した構成のものである。

このような装置は、電圧調整器１３によつてそ
れぞれの治極端子１４と対極端子１５との間に加
わる電圧を調整し且つ自動交替スイツチ１２を作
動することにより、複数箇所の治療点に対して各
治療点毎に適応した有効刺激を自動的に所定のタ
イミングで交替に与えることができるものであ
る。そして、各治療点間の刺激の相殺を防止する
と共に、従来のように複数の治療点に対して同時
に通電するものでなく、一定間隔の時間毎に交替
に通電するため通電刺激慣れを防止し、治療効果
の減殺を解消するという効果がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、従来の装置にあつては、自動交替ス
イツチが低周波治療用の電圧を発生する治療器の
動作に対して無関係に作動している。そのため、
治療器の周波数が比較的高い場合には、第２図の
ａに示すような周期T₁の治療器出力を同図ｂあ
るいはｃに示すように自動交替スイツチの周期
T₂で交替に各治療点に通電することができ、有
効刺激を各患部に与えることができる。

しかし、治療器の周波数が低くなり、その周期
が自動交替スイツチの周期に近づいた場合、第３
図のａに示すように周期T₃の治療器出力を自動
交替スイツチの周期T₂で交互に各治療点に通電
すると、同図ｂあるいはｃに示すように、その出
力のパルス幅は一定せず通電時間のバラツキを生
じ、更に極端な場合はパルスが出力しない。その
ため、各治療点の通電時間が時間によつて変化
し、確実に患部に対して有効刺激を与えることが
困難であつた。

本発明は上記の実情に鑑みてなされたもので、
各治療点間の刺激の相殺を防止しながら且つ通電
刺激慣れをも有効に防止しながら治療できるよう
にした低周波電気治療器を提供することを目的と
したものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

この目的を達成するため、本発明の低周波治療
器は、一定周期で疎波と密波が交互に切り替わる
電気信号を発生する信号発生部と、その電気信号
の出力と同期して、複数の出力回路をひとつず
つ、順次、通電可能にすることにより、該電気信
号またはそれと同期した電気信号を、それらの出
力回路に順次出現させる動作を繰り返すように構
成した分配装置と、この分配装置によつて分配さ
れた信号をそれぞれ人体の治療点に通電するため
の治療用電圧として出力する複数の治極端子とを
備えたことを特徴とする。

本発明においては、人体の治療点に通電するた
めの複数の治極端子に、低周波治療用の電圧を順
次分配することにより、周波数にかかわりなく有
効刺激を確実に患部に対して与えると共に、複数
箇所の治療点を順次に治療することができる。

これにより、各治療点間の刺激の相殺を防止で
き、刺激慣れも有効に防止することが可能とな
る。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示す実施例に基いて説明
する。第４図は本発明の例を示すブロツク図であ
る。なお、治極端子を４チヤンネル設けた例を示
している。

第４図において、１は任意の同期を有する電気
信号、例えばパルス信号を発生する信号発生部で
ある。この信号発生部１は周波数が比較的高いパ
ルスを発生する密波信号発振回路１ａと、周波数
が比較的低いパルスを発生する疎波信号発振回路
１ｂと、これらの信号を切替える疎密切替回路１
ｃと、この切替えの周期を調整する切替周期調整
回路１ｄとによつて構成している。密波、疎波を
発生する発振回路１ａ，１ｂはそれぞれ任意の周
波数に設定が可能である。切替周期調整回路１ｄ
は発振回路１ａ，１ｂの出力信号を任意の周期で
切替えるように、その周波を調整することがで
き、疎密切替回路１ｃの出力を密波、疎波のパル
ス信号を交互に出力するように機能する。

２は分配装置であつて、任意の数（図例では４
回路）の出力回路を持ち、信号発生部１の電気信
号の出力と同期して、それらの出力回路をひとつ
ずつ、順次、通電可能にすることにより、該電気
信号またはそれと同期した電気信号を、それらの
出力回路に順次出現させる動作を繰り返して行う
ように構成する。このような分配装置は、例えば
リングカウンタ回路を用いて、容易に実現するこ
とができる。

３は分配装置２の出力信号を微分する微分回路
であり、それぞれの分配装置２の出力信号を微分
する。

４は微分回路３の出力信号を増幅する増幅器、
５は治療器の出力電圧を各治療点毎に適応するよ
うに調整する出力電圧調整回路、６，７はそれぞ
れの出力電圧調整回路５の出力に接続し且つ人体
の治療点に通電するための治極端子、対極端子を
示す。

第５図は本発明の実施例のタイムチヤートを示
す。低周波治療器の通電形態の一つに、治療点に
対して治療電圧の周波数を高い周波数と低い周波
数とを交互に与えるようにした疎密通電と呼ばれ
るものがある。第５図はその疎密通電の一例を示
すタイムチヤートである。以下、図面を参照しな
がら疎密通電を行う場合の作用を説明する。

第５図のａは信号発生部１の出力信号である。
密波信号発振回路１ａの出力の周波数が比較的高
い４個のパルスと、疎波信号発振回路１ｂの出力
の周波数が比較的低い４個のパルスとを疎密切替
回路１ｃで交互に切替えて出力するように設定し
た例を示している。なお、これに限ることなくパ
ルスの数は任意に設定が可能である。信号発生部
１の出力信号により、分配装置２の４つの出力に
は、同様に同図ｂ，ｃ，ｄ，ｅの順に順次分配し
た出力信号が取り出せる。この出力信号を微分回
路３で微分し、更に増幅器４によつて患部を治療
しうる電気エネルギーを有する低周波治療用の電
圧に増幅する。そして、出力電圧調整回路５によ
り各治療点毎に適応した電圧に調整すると、各調
整回路５の出力には、各治療点に適応した電圧が
同図ｆ，ｇ，ｈ，ｉに示すように分配装置２の出
力信号に同期して取り出せる。その出力信号は周
波数が高い方から低い方へ、低い方から高い方へ
と交互に変化し、疎密通電の通電形態となる。

このように、複数の治療点に対して順次に疎密
通電を行うことができ、更に各治療点間の電圧は
時間的に互いにずれているので、通電刺激慣れや
各治療点間の刺激の減殺を防止できる。このこと
は、１台の治療器で複数の治療点を交替して通電
することにより、各治療点間の刺激の相殺や通電
刺激慣れを防止しながら治療できることを意味
し、治療効果を高めることや治療時間の短縮を図
るという効果をもたらす。

なお、実施例では治療端子を４チヤンネル設け
た例を示したが、これに限ることなくそれ以下あ
るいはそれ以上であつてもよい。また、発振器の
波形がパルス波形の例を示したが、これに限るこ
となく他の波形にすることもできる。

更に実施例では微分回路によつて治療電圧が微
分波形となる例を示したが、整流ダイオードによ
つて正負のいずれか一方の信号に取り出すことも
でき、あるいは微分波形に限らず、パルス波形等
にすることもできる。

また、４つの対極端子７をそれぞれ直結してお
き、その内の一つを４つの治極端子６の共用の対
極端子７として使用すると、４つの対極端子７に
接続する４つの治療電極を一つに省くことができ
る。

〔発明の効果〕

以上に説明したように本発明においては、複数
の治療点に対して順次に一定周期で疎波と密波が
切り替わる電気信号を治療点に与えるようにして
いる。これにより、単なる一定周波数による刺激
に比べて、通電刺激慣れや各治療点間の刺激の減
殺をも有効に防止でき、治療効果を高めることや
治療時間の短縮を図ることができるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の低周波電気治療器の回路図、
第２，３図はその動作を示すタイムチヤート、第
４図は本発明の一実施例の構成を示すブロツク
図、第５図は第４図における実施例の動作を示す
タイムチヤートである。１；信号発生部、２；分配装置、３；微分回
路、４；増幅器、５；出力電圧調整回路、６；治
極端子、７；対極端子。

Claims

【特許請求の範囲】

１一定周期で疎波と密波が交互に切り替わる電
気信号を発生する信号発生部と、その電気信号の
出力と同期して、複数の出力回路をひとつずつ、
順次、通電可能にすることにより、該電気信号ま
たはそれと同期した電気信号を、それらの出力回
路に順次出現させる動作を繰り返すように構成し
た分配装置と、この分配装置によつて分配された
信号をそれぞれ人体の治療点に通電するための治
療用電圧として出力する複数の治極端子とを備え
たことを特徴とする低周波電気治療器。