JPS629325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、内部に液体を収容し、それを高温
に沸かしかつ保温する保温ポツトに関する。

液体を保温する器具としては、容器を二重に構
成し、その相互間内を真空にして断熱を図り、容
器内の液体を保温するいわゆる魔法瓶や、容器の
外周を断熱材で被いかつヒータを組込んだ保温ポ
ツトがある。前者の真空断熱方式の魔法瓶は保温
効果が極めて良好である利点があるが、液体を別
途の手段で沸かし、それをその容器に移し換えな
ければならない面倒な点がある。また後者の保温
ポツトにおいては、容器内に収容した液体をヒー
タを介して沸かし上げることができるが、それを
容器の外周の断熱材のみで長時間保温することが
困難で、その後にもヒータに断続的に通電をしな
ければならず、経済的な面で不利となる難点があ
つた。

この発明はこのような点に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、液体をヒータを
介して沸かすことができるとともに、それをヒー
タを用いることなく、真空断熱方式により確実か
つ経済的に保温することができるようにした保温
ポツトを提供することにある。

以下、この発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図中１は有底内筒状のケースで、
このケース１内に容器本体２が収納されている。
容器本体２は内容器３と外容器４とを互いに離間
して重合させ、その相互間に密閉構造の加熱室５
を構成してなる。加熱室５の上端一部には注入口
６が形成され、この注入口６が着脱自在なキヤツ
プ７を介して密封されている。また加熱室５の上
端からその内底部に亘つて導出管８の一端側が挿
入され、この導出管８の他端側の端部が内容器３
の上端開口部に設けられた断熱材からなる壁体９
を貫通してその内部に臨んでいる。上記壁体９に
は注出口１０が形成され、この注出口１０に空気
置換用の穴１５を有するキヤツプ１１が着脱自在
に取付けられている。また、上記導出管８内の中
途には逆止弁１２が設けられている。外容器４の
外周側面には下端部に帯状のヒータ１３が、また
中間部に温度感知器１４がそれぞれ取付けられて
いる。

次に作用について説明する。まず、キヤツプ７
を取外し、注入口６から加熱室５内に水を注入
し、ついで上記注入口６にキヤツプ７を取付けて
密封するとともに、ヒータ１３に通電をする。こ
の通電に伴い、加熱室５内の水はヒータ１３によ
り徐々に加熱され、ついには100℃近くの湯に沸
き上る。このようにして加熱室５内の液体が沸き
上ると、その上層側に蒸気が充満し、その圧力で
液体の上面が押圧される。そしてこの押圧により
加熱室５内の液体が逆止弁１２を押し拡き、導出
管８を通して内容器３内に順次流出する。このよ
うにして加熱室５内の液体のほとんどが内容器３
内に移行したのちには、逆止弁１２が閉じ、加熱
室５内への空気の流入が阻止され、したがつて加
熱室５内が真空に近い状態に保たれる。また加熱
室５内の液体のほとんどが流出すると、その加熱
室５の温度が急激に上昇し、この温度上昇が温度
感知器１４により感知され、この感知に応じてヒ
ータ１３に対する通電が自動的に断ち切られる。
内容器３内に収容された液体はその周囲が真空に
近い状態の加熱室５により被われており、したが
つていわゆる魔法瓶の場合と同様に優れた断熱効
果によつて長時間に亘つて確実に保温される。そ
してこの保温時にはヒータ１３の通電を必要とし
ないから、経済的で電力の削減を図ることができ
る。なお、内容器３内の液体を使用する場合に
は、キヤツプ１１を取外し、注出口１０からその
液体を所要量流出させて使用するものである。

以上説明のようにこの発明によれば、ヒータで
沸かし上げた液体を、その沸かし上げ後に自動的
に形成される真空断熱壁により、ヒータを用いる
ことなく保温することができ、したがつて保温が
確実であるとともに、電力消費を削減して経済性
の向上を達成できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す断面図である。 ２…容器本体、３…内容器、４…外容器、５…
加熱室、８…導出管、１２…逆止弁、１３…ヒー
タ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内容器と外容器とを重合してその相互間に密
   閉構造の加熱室を構成してなる容器本体と、一端
   が上記加熱室の内底部に挿入され他端が上記内容
   器内に臨んだ導出管と、この導出管内に設けられ
   た逆止弁と、上記加熱室を加熱するヒータとを具
   備したことを特徴とする保温ポツト。