JPS628999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は玉形弁や安全弁などにおける弁座の
ラツピングマシンに関し、特に現地において、そ
の弁座面の損傷程度に応じた摺り合わせが迅速に
行えるようにしたことを特徴とするものである。

従来、この種の弁座摺り合わせ作業を行う場合
その弁座面が通常の摩耗程度であれば定盤を備え
た公知のラツピングマシンを使用して研磨すれば
良いのであるが、上記弁座面に明らかな欠損など
が生じている場合は通常の定盤による研磨では、
その傷の削除に長時間を要して極めて能率が悪い
ため、荒目の砥石盤を備えた別の研磨機で一旦傷
を除去したうえ、上記ラツピングマシンで仕上げ
ずりを行わねばならず、従つて、それら機材の搬
入・交換などに多大の手間を要していたものであ
る。

このような実情に鑑み本考案は、１台の装置に
モーシヨンの異る定盤と砥石盤とを随時交換でき
るようにしたことにより、この種摺り合わせ作業
の能率を大巾に向上せしめたものである。

以下、その構成を一つの実施例に基づいて更に
詳述すると、図において１は支柱、２は上記支柱
１に腕板３を介して取付けられたラツピングマシ
ン本体であつて、下述する昇降機構４の作用で支
柱上を上下に移動自在としたものである。

而して、上記本体２は公知の偏心研磨機構と、
本考案に係る正常回転機構とから構成されたもの
であつて、上記偏心研磨機構の一例を述べると、
先づ外筐５の上部に装着されたモーター６を始動
させることにより、その駆動軸６′上における駆
動歯車６ａが中間歯車６ｃを介して歯車６ｂ及び
これと同軸上の歯車７ｂを回転させる。

次に、上記歯車７ｂの回転に伴い、該歯車７ｂ
に内周面の歯溝７ａが噛合する内筐７が上記外筐
５の内面に沿つて回動することによつて、上記内
筐７内に支承された遊星歯車７′ａ及び７′ｂが該
内筐７と共に、その中心に固定された中心軸（太
陽歯車）７′の周囲を、その外歯と噛合して自転
しつゝ公転する。

このとき上記歯車７′ａ及び７′ｂと同軸上に設
けられ、それより小径の歯車７″ａ及び７″ｂがオ
ルダム継手８の外歯と噛合し、上記両歯車７′ａ
及び７′ｂと７″ａ及び７″ｂとの径差の関係で、
該継手８を減速回転させることにより、その下端
に連結され先端に定盤を着脱自在とした主軸１１
が回転する。

他方、上記内筐７の回転に伴つてその下端内周
に装着され、上記主軸１１に外嵌された偏心スリ
ーブ９が回転するから、上記主軸１１は上述した
ように自転しつゝそのスリーブ９との関係で偏心
的に回動するものである。

次に、本考案に係る正常回転機構について説明
すると、該機構は上記主軸１１を中空として、そ
の中空部に、上端が上記中心軸７′を貫通して別
個に回転可能な内軸１２を内嵌してなるものであ
る。

而して上記内軸１２は、外筐５の外方に装脱可
能なモーター１３によりベベルギヤー１４を介し
て回転される上部内軸１２ａを上記遊星歯車の中
心軸７′に、又先端に砥石盤１５を装脱自在とし
た下部内軸１２ｂを上記主軸１１内にそれぞれ回
転自在に嵌入し、上記両軸１２ａ，１２ｂを自在
継手１２′を介して連結したものであつて、上記
モーター１３により内軸全体を単独で回転可能と
すると共に、上記下部内軸１２ｂを中心として、
その下端に取付け自在とした砥石盤１５を正常回
転させ得るようにしたものである。

また上述した本体昇降機構４についてその一例
を述べると、支柱１の一側面に適当な長さのラツ
ク１′を切設する一方、腕板３の他側に連設され
たケース１６内にモーター１７の軸端と連結自在
なベベルギヤー１８，１８′及びウオームギヤー
１９を内装し、上記モーター１７の回転を中間ギ
ヤー２０を介して上記ラツク１′に伝達し、本体
全体を支柱１に沿つて昇降自在としたものであ
る。

更に上記昇降機構４には上記ケース１６の外方
にノブ２１を突設し、その軸端に上記ベベルギヤ
ー１８′と連結するギヤー２２を設け、手動によ
り弁座に対する定盤等の圧接力の微調整を行い得
るようにしたものである。

尚、図中２３は上記定盤１０の中心部に立設さ
れるラツプ面圧調整用のスライドスリーブ、２４
は一側に可搬用の車輪を備えた支柱１の脚台、又
２５はその下端部が上記スライドスリーブ２３に
係着され、上部主軸１１に着脱可能なスリーブを
示す。

叙上の構成に係わる本案ラツピングマシンは、
通常の摺り合わせを行う場合には、第１図に見ら
れるように支柱１に各部を装着した上、上記主軸
１１側にスリーブ２５を介して定盤１０を取付
け、昇降機構４でその位置を調整した上、モータ
ー６を駆動させることにより、上記主軸１１を偏
心的に回転させて荒摺り・仕上げ摺りなどを行う
ことは猶、従前のラツピングマシンと同様であ
る。

而して、弁座面に傷が生じている場合には、上
記主軸からスリーブ２５及び定盤１０を取り外し
た上、下部内軸１２ｂの先端に砥石盤１５を取付
けて、昇降機構４により再度適宜な位置決めを行
つた後、上記外筐５にモーター１３を装着して砥
石盤１５による正常回転を行い、弁座面の傷を削
除するものである。

尚、この場合、必要に応じてモーター１３とモ
ーター６を同時に使用することにより上記内軸１
２を偏心的に回転させて、砥石盤１５による荒仕
上げを行うことも可能である。

従つて、本案のラツピングマシンは、必要に応
じてその軸に定盤と砥石盤とを交換するだけで、
弁座の損傷程度に応じた研磨が一台の装置で能率
よく行えるものであるから、従来のような複数台
の機材の搬入やその取付・交換などの手間が一挙
に解消できるうえ、本体２を上述した昇降機構４
に取付けることにより、定盤や砥石盤などの位置
決めや面圧の調整が機械的に行えるなど、特に現
地における弁座摺り合わせ作業の能率を大巾に高
め得るという顕著な特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ラツピングマシンを支柱に取付け
た状態における中心部縦断面図であり、又第２図
はその内軸に砥石盤を装着した状態を示す部分断
面図である。 尚、図中１……支柱、２……ラツピングマシン
本体、３……腕板、４……昇降機構、５……外
筐、６……モーター、７……遊星歯車、８……オ
ルダム継手、９……偏心スリーブ、１０……定
盤、１１……主軸、１２……内軸、１３……モー
ター、１４……ベベルギヤー、１５……砥石盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モーターによつて駆動される遊星歯車との関係
   で作動するオルダム継手を介して、先端に定盤を
   備えた主軸を偏心的に回転させるようにしたラツ
   ピングマシンにおいて、他のモーター１３により
   回転される上部内軸１２ａを上記遊星歯車の中心
   軸７′に、又先端に砥石盤１５を装脱自在とした
   下部内軸１２ｂを上記主軸１１内に、それぞれ回
   転自在に嵌入し、上記上部内軸１２ａと下部内軸
   １２ｂとを自在継手１２′を介して連結すると共
   に、上記定盤１０と一連に構成されたスリーブ２
   ５を主軸１１から着脱可能としたことを特徴とす
   るラツピングマシン。