JPS628220B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は固体、粒体、液体等の被処理物と一
諸に強磁性材あるいは非磁性導電材で作られたワ
ーキングピースを処理容器内に収容し、この容器
に対して外部より移動磁界を作用させることによ
り、ワーキングピースに激しいランダム運動を生
起させて、被処理物の粉砕、混合、撹拌等の処理
を行うようにした電磁式処理装置に関する。

この種の移動磁界による電磁式処理装置とし
て、第１図および第２図に示すものが既に提案さ
れている。図において、１は砕料などの被処理物
２と一諸に強磁性材あるいは非磁性導電材で作ら
れた多数のワーキングピース３を収容した処理容
器であり、この容器１を中央に挾んでその上下に
は移動磁界発生装置４，５が対向配置されてお
り、かつその移動磁界はφ_１，φ_２で示すように
互に逆方向に定められている。この移動磁界発生
装置４，５はいわゆるリニアモータとしてよく知
られているものであつて、例えば３相交流巻線６
を回転電機と同じように鉄心７の磁極面側のコイ
ルスロツト内に巻装して構成され、多相交流電源
からの給電を受けて移動磁界φ_１，φ_２を生成す
る。

かかる構成により、移動磁界φ_１，φ_２の作用
する磁場の中に置かれたワーキングピース３には
移動磁界との相互作用に基づき磁化、渦電流等に
よる電磁力が働き、これによつて移動磁界方向φ
_１，φ_２への並進力、浮上力および回転トルクを
受けるとともに、更にワーキングピース同士の衝
突、ワーキングピースと容器の壁との衝突等が加
わつて、ワーキングピース３は容器１の中でラン
ダムな運動を生起する。そしてこのワーキングピ
ースのランダム運動によつて、被処理物２は粉
砕、混合、撹拌等の処理が行われる。

かかる装置を用いて行う処理方式として、次記
のバツチ処理方式および連続処理方式が知られて
いる。このうちのバツチ処理方式は、処理容器１
への被処理物２およびワーキングピース３の投
入、処理容器１の装荷、移動磁界発生装置４，５
による運転処理、処理容器１の抜取り、被処理物
２およびワーキングピース３の容器からの取出
し、および必要に応じて行う処理容器内の浄化の
各工程を１サイクルとして処理作業が進められ
る。一方、連続処理方式は、処理容器１を予じめ
磁場空間内の所定位置にセツトしておき、ホツ
パ、パイプミキサーなどを経由して被処理物２を
処理容器１へ連続的に送り込み、その出口からス
クリーンを通して被処理物のみを連続的に取出
す。

かかるバツチ処理方式、連続処理方式は一長一
短がある。すなわち、バツチ処理方式はその都度
処理容器１の装荷、抜き取りを行わなければなら
ず、作業能率がすこぶる悪い。一方、被処理物の
種類によつては真空、不活性ガス雰囲気中で処理
を行うもの、あるいは冷凍粉砕方式のように砕料
を極低温に冷却した状態で粉砕処理を行う場合が
あり、このような処理を前述の連続処理方式で実
施するには、装置全体を所定の雰囲気に保つ必要
があり、その付帯設備が大がかりになるし、また
多品目の処理を行うには、被処理品目に対応した
数の装置を設備しなければならない。

この発明は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は簡易な設備で特殊雰囲気での処
理、および少量多品目の処理がすべて１台の装置
で作業能率よく実施できるようにした電磁式粉
砕、混合等処理装置を提供することにある。

かかる目的はこの発明により、上下に間隔を隔
てて対向位置する一対の移動磁界発生装置の間に
挾まれた磁場空間の中を通して搬送コンベア機構
を敷設し、このコンベア機構にそれぞれ所定寸法
に定めて作られた密閉容器としてなるカートリツ
ジ式の処理容器を逐次順番に並べて搭載し、コン
ベア機構の運転によつて各処理容器を順次移動磁
界の作用する磁場空間へ送り込んで被処理物の粉
砕、混合等の処理を行わせるように構成したこと
により達成される。

以下この発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

まず第３図において、上下に対向して配置され
た一対の移動磁界発生装置４と５の間の磁場空間
の中を通してベルトコンベア式の搬送コンベア機
構７が移動磁界方向に沿つて敷設されている。な
お８はコンベア機構のプーリ、９はコンベア駆動
モータである。一方、これとは別にそれぞれ所定
寸法に定めて構成された非磁性密閉容器としてな
る各独立したカートリツジ式の処理容器１０が多
数用意されている。この処理容器１０は個々に前
段工程でその処理品目に応じた被処理物２とワー
キングピース３が収容され、更に必要に応じて容
器内が特殊雰囲気に気密保持されるものである。

次に上記装置の運転動作について述べる。まず
前記のように前段工程で被処理物２とワーキング
ピース３が収容された密閉式のカートリツジ容器
１０を図示のようにコンベア機構７の入口側へ逐
次並べて搭載し、運転状態にある移動磁界発生装
置４と５の間に挾まれた移動磁界φ_１，φ_２の作
用する磁場空間内へ送り込む。したがつて磁場内
を通過する過程で第１図に述べたように処理容器
１０の中でワーキングピース３が激しくランダム
運動し、被処理物２の粉砕、混合操作を行う。こ
こで予めコンベア機構７の移動速度、あるいは必
要によつては途中での停止時間等を被処理物２の
種類、目的に応じて定めて運転制御することによ
り、前記のカートリツジ容器１０を処理単位とし
て次々に連続的に処理操作することができる。

また第４図に前記実施例を更に発展させた別な
実施例を示す。この実施例では、移動磁界発生装
置４，５に対して複数例のコンベア機構７，７
，７が並行して敷設されている。また各コン
ベア機構はそれぞれ単独に運転操作されるように
構成されており、これ等各列のコンベア機構に対
して第３図の実施例と同様にカートリツジ容器１
０を搭載して磁場空間へ送り込む。この実施例に
よれば、各コンベア機構７，７，７の運転
条件を変えることにより、多品目の処理を同時に
行うことができる。例えばコンベア機構７は速
度を早く、７は速度を遅くすることにより、そ
れぞれのコンベアラインで粗粉砕、微粉砕処理が
できる等、第３図のものと較べて少量多品目処理
を行う場合に有利である。

以上述べたように、この発明は密閉形のカート
リツジ容器を処理単位として移動磁界の作用する
磁場空間内へ搬送コンベア機構を介して順次連続
的に送り込んで処理するように構成したものであ
り、したがつて１台の装置で多品目の各種処理作
業を能率よく行うことができる。しかも処理単位
となる個々の処理容器はすべて所定寸法の密閉形
カートリツジ容器として作られているので、その
取扱性に優れ、かつ容器内を被処理物の種類に応
じて真空、特殊ガス雰囲気に保持することが可能
である等、その実用的効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は電磁式処理装置の構成原理図、第２図
は第１図の矢視−断面図、第３図および第４
図はそれぞれこの発明の異なる実施例の構成斜視
図である。 ２……被処理物、３……ワーキングピース、
４，５……移動磁界発生装置、７，７，７，
７……搬送コンベア機構、１０……カートリツ
ジ式の処理容器、φ_１，φ_２……移動磁界。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下に間隔を隔てて対向配置された互にその
   移動磁界方が逆向きに定めてある一対の移動磁界
   発生装置、該移動磁界発生装置の間に挾まれた磁
   場空間の中を通して敷設された搬送コンベア機
   構、およびそれぞれ所定寸法の各独立した密閉容
   器として構成され、その中に被処理物とともに磁
   性材あるいは非磁性導電材で作られた多数のワー
   キングピースを収容するカートリツジ式の多数の
   処理容器を備え、前段工程で被処理物およびワー
   キングピースが収容された個々の処理容器を処理
   単位として、これ等の処理容器を前記のコンベア
   機構の上に並べて搭載するとともに、コンベア機
   構の運転により各処理容器を順次移動磁界の作用
   する磁場空間内へ送り込み、移動磁界との相互作
   用に基づくワーキングピースのランダム運動で被
   処理物の粉砕、混合等の処理を行うことを特徴と
   する電磁式粉砕、混合等処理装置。