JPS627432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗滌槽内において種々の部品を収容
した部品収容かごを回転させ、部品収容かご内の
部品に洗滌液或いは洗油を噴射せしめて部品の洗
滌を自動的に行う部品洗滌機に関するものであ
る。

従来の斯かる部品洗滌機においては、洗滌槽内
への部品の収容、取り出しを行う開口部は洗滌槽
の前面（側面）に設けられており、この開口部に
開閉扉が開閉自在に取り付けられていた。したが
つて、この場合には、洗滌槽内において部品収容
かごの回転に伴つて遠心力によりその回転方向に
飛散する洗滌液が洗滌槽外部へ飛散するのを防止
するために、開閉扉と開口部との接触部に厳重に
パツキングを施す必要があつた。また、パツキン
グとしてゴム製のものを使用した場合には、洗剤
もしくは洗油を使用しているため長期使用時には
パツキングが劣化して使用目的を達しないおそれ
があり、また、フエルトもしくは石綿等のパツキ
ングを使用した場合にはその張り付ける手間が煩
雑であるとともに、フエルトもしくは石綿より生
ずる塵埃が洗滌槽内に混入し洗滌効果を低下させ
るという難点を有していた。

本考案は、洗滌槽に設ける開口部の位置および
開口部と蓋板との嵌合構造に簡潔にして格別な工
夫を施すことにより、パツキングを全く必要とせ
ず上記難点を解消し得る部品洗滌機における洗滌
槽の蓋板開閉装置を提供することを目的とする。

別紙図面について本考案実施の一例を説明す
る。１は、部品洗滌機における洗滌槽で、該洗滌
槽１の上面には開口部２が設けられており、この
開口部２の周縁内部は、階段状の階段を有する断
面形状に形成されている。即ち、開口部２の周縁
内部は、第２図および第４図示のように、洗滌槽
１の上面板１_１より垂下する直立片２_１と、その
先端部より洗滌槽１の中央部側に向つて下方に傾
斜する傾斜片２_２と、その先端部より垂下する直
立片２_３とからなつている。３は、開口部２に蝶
番を介して開閉自在に取り付けられた蓋板で、開
口部２の階段状の周縁内部に嵌合するべく、その
下側周縁外部は開口部２の周縁内部の階段状の断
面形状に対応する形状となつている。即ち、第２
図および第４図に示すように、蓋板３の周縁より
垂下し、前記開口部２の直立片２_１に嵌合する直
立嵌合片３_１と、傾斜片２_２に嵌合する傾斜嵌合
片３_２と、直立片２_３に嵌合する直立嵌合片３_２
とからなつている。４は蓋板３の立て掛用ストツ
パーである。５は洗滌槽１内に配設されたターン
テーブルで、金網製の部品収容かご（図示せず）
を載置するためのものであり、円板の周縁部５_１
を残して内部をくり抜いたドーナツ形の形状を有
し、周縁部５_１にモータ６にて駆動されるスプロ
ケツト７の歯のピツチに対応した間隔にて適宜数
の小孔が円板と同心円状に穿設されているととも
に、周縁部５_１の外周縁に周縁部と一体にほぼ90
゜の角度にて起立する連続した起立片５_２が形成
されており、周縁部５_１における小孔の一部は前
記スプロケツト７に嵌合されている。また、ター
ンテーブル５は、周縁部５_１の下面に回動自在に
当接する３個のガイドローラ８と起立片５_２の外
面に回動自在に当接する４個のガイドローラ９に
より回動自在に支持されている。４個のガイドロ
ーラ９は起立片５_２の外面に互いに90゜の角度を
配して配置されており、また３個のガイドローラ
８もスプロケツト７を含めて互いに90゜の角度を
配して周縁部５_１の下面に配置されており、これ
らのローラ８，９は洗滌槽１の内壁面に取り付け
られた軸受けに回動自在に取り付けられている。
１０は洗滌槽１の外面より内面側に突出する回転
シヤフトで、洗滌槽１内における一側端部には前
記スプロケツト７が固定されており、洗滌槽１外
面に突出する他側端部にはカツプリングによりモ
ータ６の回転軸に連結されている。１１はスプロ
ケツト７と同様回転シヤフト１０の洗滌槽１内に
おける突出端部に固定された駆動ローラで、ター
ンテーブルの周縁部５_１下面に当接しており、ス
プロケツト７と相まつてターンテーブル５を駆動
するためのものである。

しかして、ターンテーブル５は前記外周縁にお
ける起立片５_２に当接する４個のガイドローラ９
によつて心出し（回転の中心位置の決定）がなさ
れ、モータ６により回転するスプロケツト７と周
縁部５_１の小孔との嵌合並びに駆動ローラ１１と
周縁部５_１下面との接触により駆動され、ガイド
ローラ８，９の存在によつて所定位置を中心とし
て回転する。１２はラインポンプ、１３，１４，
１５は夫々ラインポンプ１２に接続し洗滌槽１内
においてターンテーブル５の両側方、上方、下方
に配置された洗滌液或は洗油の噴射パイプ、１６
は洗滌槽１の下側部とラインポンプ１２とを接続
する接続パイプである。

しかして、上記実施例に係る部品洗滌機の作用
について説明する。

モータ６を駆動し、ターンテーブル５を介して
部品を収容した部品収容かごを回転させ、ポンプ
１２を駆動して噴射パイプ１３，１４，１５より
洗滌液もしくは洗油を部品に対して噴射し、その
洗滌を行う。洗滌液もしくは洗油は部品収容かご
および部品に当接して洗滌槽１内において飛散す
るが、部品収容かごおよび部品は回転しているの
で、その遠心力により、飛散した洗滌液もしくは
洗油の飛沫は主として洗滌槽１内の側壁に衝接す
る量が多く、上面即ち蓋板３の内面側に衝接する
量は比較的少ない。したがつて、洗滌槽１の開口
部２およびその蓋板３が洗滌槽１の上部に設けら
れているので、従来の部品洗滌機のように開閉扉
が洗滌槽の前面（側面）に設けられている場合と
異なり、洗滌槽の開口部と蓋板との間にパツキン
グを厳重に施さなくても、洗滌液もしくは洗油の
飛沫が洗滌槽外部にまで飛散するのを極力防止す
ることができる。そして、蓋板３の下側周縁外面
およびこれを嵌合する洗滌槽１における開口部２
の内周面の形状は単なる平板状のものではなく、
段部を有する階段状に形成されているため、パツ
キングを施さなくても洗滌液もしくは洗油の飛沫
の洗滌槽１外部への飛散を確実に防止することが
できる。

本考案は叙上のように、洗滌槽における部品収
容かごの出し入れを行うための開口部を洗滌槽の
上面に設けるとともに、その開口部を閉塞する蓋
板の下側周縁外面およびそれを嵌合する開口部の
内周面の形状を段部を有する階段状に形成したの
で、従来の部品洗滌機と異なり、蓋板と洗滌槽の
開口部との嵌合面にパツキングを施す必要がな
く、洗滌槽内において飛散する洗滌液もしくは洗
油の飛沫が洗滌槽外部に飛散するのを確実に防止
することができるとともに、上述のパツキングを
使用することによりその材質に起因して生ずる弊
害を防止することができる。また、開閉扉を洗滌
槽の側面に設けた場合には、洗滌液もしくは洗油
の飛沫の衝接により開閉扉が開いてしまうおそれ
があるので、必ず開閉扉をロツクしておく必要が
あるが、本考案においては、開閉扉に相当する蓋
板は洗滌槽の上面に位置しているとともに、階段
状の段部形状となつているので、その自重によつ
て、蓋板が開くおそれはなく、蓋板のロツクを不
要となすことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示すもので、第１図
は部品洗滌機の平面図、第２図は同上正面図、第
３図は同上側面図、第４図は洗滌槽の開口部と蓋
板との嵌合構造を示す縦断面図である。 １……洗滌槽、２……開口部、２_１，２_２，２
_３……開口部の内周面における段部、３……蓋
板、３_１，３_２，３_３……蓋板の下側周縁外部に
おける段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 部品洗滌機における洗滌槽の上面に設けた開口
   部の周縁内部を、その周縁に沿つた洗滌槽の上面
   板より直立片にて垂下しその先端部より洗滌槽の
   中央部側に向つて下方に傾斜する階段状の段部を
   有する断面形状に形成し、該洗滌槽の開口部に、
   下側周縁外部を前記洗滌槽の開口部の周縁内部に
   おける階段状の段部を有する断面形状に対応する
   断面形状となした蓋板を開閉自在に設けたことを
   特徴とする部品洗滌機における洗滌槽の蓋板開閉
   装置。