JPS627301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、体内に挿入して超音波による診断
を行なう機械走査式の超音波診断装置に関する。

従来この種の装置としてたとえば第１図に示さ
れるように、挿入部の先端ａに光学系各種部材ｂ
を配置するとともに、超音波振動子ｃを内蔵さ
せ、この振動子ｃから発信される超音波を、超音
波走査部材たとえば反射体ｄを回転させることに
よつて機械的に走査させるようにしたものが本考
案者らによつて開発されている。このものはモー
タにより回転される可撓軸ｅによつて反射体ｄを
回転させるのであるが、超音波走査方位を知るた
めに回転角度検出器を設ける必要がある。この検
出器としては、たとえば反射体ｄと一体に回転し
回転位置情報を記録した表示板ｆと、この情報を
読み取る検知器ｇなどが採用されるが、この表示
板ｆを収容するための比較的広い専用のスペース
ｈを確保しなければならない。したがつて挿入部
先端ａの長さが長くなる原因となり、小形化が要
求されるこの種装置にとつて不利になるという問
題があつた。

この考案は上記事情にもとづきなされたもので
その目的とするところは、位置情報表示体を超音
波走査部材と一体化させることにより挿入部先端
を小形化でき、かつ構造の簡略化が図れる超音波
診断装置を提供することにある。

以下この考案の第１実施例を、第２図ないし第
４図を参照して説明する。図中１は内視鏡機能を
備えた超音波診断装置を示すものであり、２はこ
の超音波診断装置１の操作部、３はユニバーサル
コード、４は体内に挿入される細長状の可撓性の
挿入部である。この挿入部４の先端部分の一部は
彎曲部４ａとなつており、この彎曲部４ａは上記
操作部２に設けた彎曲操作ノブ５を操作すること
によつて、図示しない操作ワイヤ等を介して自由
に彎曲できるようになつている。また彎曲部４ａ
の先端には先端構成部４ｂが設けられている。

この先端構成部４ｂは第３図に示されるように
構成してある。すなわち、６は先端ベースであ
り、この先端ベース６には超音波伝播効率の優れ
た合成樹脂などからなるキヤツプ７が液密に取着
されている。そしてこのキヤツプ７の内側には振
動子収容室８が形成され、この収容室８には超音
波の伝播媒体となる液体が充填されている。

また、上記先端ベース６には軸受１０，１１に
よつて超音波走査部材としてのホルダ１２が回転
自在に支持されている。そしてこのホルダ１２の
基部には密着巻きしたコイルのごときフレキシブ
ルな可撓軸１３の一端が連結され、この可撓軸１
３の他端側は挿入部４内を挿通してモータ１４の
出力軸に連結されている。そして上記ホルダ１２
に超音波振動子１５を設けてある。この振動子１
５は、キヤツプ７の径方向に超音波を送受信する
ものである。１６は上記振動子１５に超音波駆動
信号を伝送するとともに受信されたエコー波を伝
送する信号ケーブルであり、この信号ケーブル１
６は、上記可撓軸１３内を挿通して操作部２に導
びかれ、図示しない超音波送受信回路に電気接続
されている。

そして上記ホルダ１２の端面には、回転位置情
報を記録した表示体１７が一体に取着されてい
る。この表示体１７は例えば第４図に示したよう
に、回転位置情報として鏡面あるいは白色系の色
とした光反射部１８ａと、黒色系の色とした光吸
収部１８ｂとを回転周方向に沿つて交互に放射状
に形成したものである。これら光反射部１８ａと
光吸収部１８ｂは、互いに等間隔の規制的パター
ン配列としてもよいし、あるいは特定の回転角度
のときに特定信号を反射できるような不規則な分
布のパターン配列としてもよい。

そして上記表示体１７と対向した位置には、こ
れらの位置情報を続み取るための光学的検知器と
して光フアイバ束１９の一端が配置されている。
この光フアイバ束１９の他端側は挿入部４内を挿
通して操作部２に導びかれて分岐し、発光および
受光手段の一例としての発光素子２０と受光素子
２１に対向させてある。これら発光素子２０およ
び受光素子２１は、信号制御回路２２に接続され
ている。

また、先端構成部４ｂの側面には観察窓２５を
配置してある。この観察窓２５の内側には図示し
ない対物レンズ群を介して、光フアイバ束などを
利用したイメージガイドの一端が配置され、イメ
ージガイドの他端側は挿入部４内を挿通して、接
眼部２６に導びかれている。また、観察窓２５の
近傍には照明窓２７が配置されており、この照明
窓２７には、図示しない照明光学系導光部材を介
して光源装置からの照明光が与えられるようにな
つている。２８は上記観察窓２５を洗浄する際な
どに使用する送気送水ノズル、２９は吸引口であ
る。

以上のように構成された一実施例は、挿入部４
を体内に挿入し、観察窓２５を通じて目視観察を
行ないつつ、先端構成部４ｂを診断すべき目的の
体壁に位置させ、キヤツプ７の側面を体壁に密着
させる。そしてモータ１４を駆動し、可撓軸１３
を回転させてホルダ１２の超音波振動子１５を回
転させるとともに、図示しない超音波送受信回路
を駆動して振動子１５から超音波を発信し、その
エコー波を受信する。このとき発光素子２０を点
灯させると、この光は光フアイバ束１９を通つて
表示体１７に投光される。この表示体１７はホル
ダ１２と一体に回転しているため、投光された光
は光反射部１８ａを照射するときは反射されて光
フアイバ束１９に入射し、受光素子２１に受信さ
れる。ついで光吸収部１８ｂが通過するときは光
は吸収され受光素子２１には受信されない。した
がつてこの受光素子２１によるオン・オフ信号が
信号制御回路２２で処理され、表示パターンにも
とづく回転角度情報として取出されるものであ
る。そしてこの位置情報と上記エコー波信号をも
とに、超音波断層像が図示しないモニタ装置に映
し出される。

このように本実施例によれば、表示体１７はホ
ルダ１２の端面に一体に設けたものであり、表示
体１７を収容するための特別なスペースを必要と
することなくホルダ１２と一体に振動子収容室８
に収容できるとともに、表示体１７を検出するた
めの手段として、細くかつ可撓性のある光フアイ
バ束１９の一端を配置するだけでよいから、先端
構成部４ｂを短かく小形にかつ細く構成する上で
非常に有利となり、しかも構造が簡略化する。そ
して先端構成部４ｂの小形化によつて体腔内への
挿入が容易となり、患者の苦痛を軽減させること
ができる。

なお第５図はこの考案の第２実施例を示すもの
であり、この実施例では超音波振動子１５自体は
回転させることなく、超音波走査部材としての反
射体３０を可撓軸１３によつて回転させるように
構成してある。この反射体３０は45゜の角度で傾
斜した超音波反射面を有し、超音波振動子１５か
ら発信された超音波はこの反射面によつて直角方
向に反射される。そして表示体１７はこの反射体
３０の端面に一体に取付けてある。したがつて第
１実施例と同様に先端構成部４ｂは小形に構成で
きる。その他基本的構成は第１実施例と同様であ
るから対応する箇所に同一符号を付して説明は省
略する。

なお表示体１７は必らずしもホルダ１２あるい
は反射体３０と別部材である必要はなく、これら
ホルダ１２あるいは反射体３０の端面に直接記録
した表示面であつてもよい。また、受光素子を検
知器として用いてもよい。

この考案は以上説明したように、超音波走査部
材の端面に、光反射部と光吸収部とを回転方向に
交互に形成した表示体を一体に設けるとともに、
この表示体と対向した位置に光フアイバーの一端
を配置し、かつこの光フアイバーの他端側は上記
挿入部内を挿通させて挿入部の他端側に導くとと
もに上記表示体を検出するための発光および受光
手段を設けたものであるから、挿入部の先端部分
に表示体専用の組込みスペースを確保する必要が
なく、構造が簡略化するとともに、挿入部先端を
細くかつ小形化できる。したがつて体腔等への挿
入性が向上し、患者の負担が軽減するなど、その
効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の超音波診断装置の先端部を一部
断面で示す側面図、第２図ないし第４図はこの考
案の第１実施例を示し、第２図は全体の側面図、
第３図は先端部を一部断面で示す側面図、第４図
はホルダの斜視図、第５図はこの考案の第２実施
例に係る先端部を一部断面で示す側面図、第６図
は同先端部に使用する反射体の斜視図である。 １……超音波診断装置、４……挿入部、４ｂ…
…先端構成部、１２……ホルダ（超音波走査部
材）、１４……モータ、１５……超音波振動子、
１７……表示体、１８ａ……光反射部、１８ｂ…
…光吸収部、１９……光フアイバ束（光学的検知
器）、３０……反射体（超音波走査部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 挿入部の先端に超音波振動子を設け、この振動
   子から発信される超音波をモータによつて回転駆
   動される超音波走査部材を用いて走査させるよう
   にした超音波診断装置において、 上記超音波走査部材の端面に、光反射部と光吸
   収部とを回転方向に交互に形成した表示体を一体
   に設けるとともに、この表示体と対向した位置に
   光フアイバ束の一端を配置し、かつこの光フアイ
   バ束の他端側は上記挿入部内を挿通させて挿入部
   の他端側に導くとともに上記表示体を検出するた
   めの発光および受光手段を設けたことを特徴とす
   る超音波診断装置。