JPS627144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、衣服を吊り下げるハンガーパイプと
棚とを備えた洋服箪笥に関するものである。

従来の洋服箪笥でハンガーパイプと棚との両者
を備えたものでは、衣服吊り下げ収納空間の上部
に棚を架設し、ハンガーパイプを当該棚の下側に
架設するか又は、衣服吊り下げ収納空間の上部の
内、左右何れか片側にのみ棚を架設し、反対側と
当該棚の下側とに段違いにハンガーパイプを架設
していた。前者の構成では、ハンガーパイプの架
設高さが低くなるのでコート類を吊り下げること
が出来なくなり、後者の構成では、高い方のハン
ガーパイプを利用してコート類も吊り下げること
が出来るが、２本のハンガーパイプを架設しなけ
ればならないので部品点数が多くなると共に架設
工数も増加してコスト高になる。

本考案は上記のような問題点を解決し得る洋服
箪笥を提案するものである。

以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於て、１は
本考案のハンガーパイプであつて、洋服箪笥２に
於ける衣服吊り下げ収納空間３内の上部に架設さ
れており、第３図にも示すように両端の水平部分
４ａ，４ｂと中間傾斜部分５とを備え、前記水平
部分４ａ，４ｂ及び中間傾斜部分５の上側に、長
さ方向適当間隔置きにハンガーフツクの滑り止め
用突起６を突設し、更に長さ方向適当複数箇所に
リング７を吊り下げて成るものである。

８，９は、前記ハンガーパイプ１の両水平部分
４ａ，４ｂの内、長い方の水平部分４ｂ及び中間
傾斜部分５と天板１０との間の空間３ａ内に架設
された吊り棚であり、両吊り棚８，９の後側縁と
一側縁とは背板１１及び側板１２に支持され、上
段吊り棚８のフリーコーナー部は天板１０に吊り
杆１３を介して吊り下げられ、下段吊り棚９のフ
リーコーナー部は前記上段吊り棚８に吊り杆１４
を介して吊り下げられている。１５，１６は前記
吊り杆１３，１４の下端に装着されたリングであ
る。尚、第１図及び第３図に於て、１７はハンガ
ーパイプ１の両端に嵌合する取付け用アタツチメ
ントである。

第４図及び第５図に示すように、前記ハンガー
パイプ１は縦断面形状が上下方向に長い長円形の
パイプ材によつて構成されているが、真円形のパ
イプ材を利用しても良い。そして前記リング７の
取付け位置の真上に位置する突起６ａには、ハン
ガーパイプ１を貫通する螺軸１８を設け、この螺
軸１８によりハンガーパイプ１の下側に固定され
たリング枢着部材１９に一対のリング枢着穴２０
を設け、このリング枢着穴２０にリング７の両端
７ａを各別に嵌合して、該リング７をハンガーパ
イプ１の長さ方向に揺動可能に枢着している。
又、他の突起６ｂには短い螺軸２１を突設し、ハ
ンガーパイプ１に設けた螺子穴に該螺軸２１を螺
入することにより該突起６ｂをハンガーパイプ１
に取付けているが、前記螺軸２１を単なるピンと
し、ハンガーパイプ１に設けた穴に該ピンを圧入
することにより突起６ｂを取付けても良い。

前記上段吊り棚８を吊り下げる吊り杆１３は、
第６図に示すように天板１０と吊り棚８との間に
介装されるスペーサー用筒軸２２、この筒軸２２
の両端と天板１０及び吊り棚８との間に介装され
る座金２３、前記筒軸２２内を貫通し且つ両端螺
子部２４ａ，２４ｂが天板１０及び吊り棚８に設
けられた貫通穴２５ａ，２５ｂ内に遊嵌する長尺
螺軸２４と、天板１０の上側から前記貫通穴２５
ａ内に嵌合し且つ前記螺軸２４の上端螺子部２４
ａに螺嵌する頭部付きナツト２６、及び吊り棚８
から下方へ突出する下端螺子部２４ｂに螺嵌する
リング枢着部材２７によつて構成されている。前
記リング１５は、このリング枢着部材２７にリン
グ７と同様に枢着されている。２８は座金であ
る。下段吊り棚９の吊り杆１４も同一の構成であ
る。勿論、吊り杆１３，１４の構成はこれに限定
されない。

上記の構成によれば、第１図に示すようにコー
ト等の丈の長い衣服２９を吊り下げるハンガー３
０は、そのフツクをハンガーパイプ１の上段側水
平部分４ａ又は中間傾斜部分５の上方域に係止さ
せ、丈の短い衣服３１を吊り下げるハンガー３２
は、そのフツクをハンガーパイプ１の下段水平部
分４ｂ又は中間傾斜部分５の下方域に係止させれ
ば良い。このとき、中間傾斜部分５に係止される
ハンガーフツクは、突起６によつて滑り落ちるの
を防止され、水平部分４ａ，４ｂに係止されるハ
ンガーフツクは、突起６によつて横方向に遊動す
るのを防止されている。勿論、水平部分４ａ，４
ｂの突起６は省くことも可能である。

尚、実施例に於けるリング７，１５及び１６
は、ネクタイやスカーフ等の吊り下げに利用する
ことが出来る。

本考案は以上のように実施し得るものであつ
て、その特徴は、両端に適当長さの水平部分を残
して中間部を傾斜させたハンガーパイプを洋服箪
笥の衣服吊り下げ収納空間内の上部に左右横方向
に架設し、このハンガーパイプの両端水平部分の
内、低い側の水平部分と前記収納空間の天板との
間の空間に棚を架設すると共に、前記ハンガーパ
イプの少なくとも中間傾斜部分の上側に、長さ方
向適当間隔置きにハンガーフツクの滑り止め用突
起を突設した点にある。

このような本考案の構成によれば、ハンガーパ
イプの高い方の水平部分や中間傾斜部分の上部を
利用して丈の長いコート類を吊り下げ、低い方の
水平部分や中間傾斜部分の下部には丈の短い衣服
を吊り下げることが出来る。そして棚には小物類
を載置することが出来るので、衣服吊り下げ収納
空間内を極めて効率良く便利に活用することが出
来る。

しかも架設するハンガーパイプは１本であるか
ら部品点数や架設工数が多くなることはなく、
又、ハンガーパイプを直角クランク状に屈曲させ
る場合に比べて加工に無理がなく、容易に製造し
得ると共に、上段水平部分に吊り下げた衣服がハ
ンガーパイプの垂直部分に接触すると云うような
ことがなく、中間傾斜部分にもハンガーを係止さ
せることが出来るので、収納効率を低下させない
で済む。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態の正面図、第２図は要部の縦
断側面図、第３図はハンガーパイプの正面図、第
４図はハンガーパイプに対するトツキ及びリング
の取付け構造を示す縦断側面図、第５図は同一部
切り欠き正面図、第６図は吊り棚の吊り構造を示
す縦断側面図である。 １……ハンガーパイプ、３……衣服吊り下げ収
納空間、４ａ，４ｂ……水平部分、５……中間傾
斜部分、６……ハンガーフツク滑り止め用突起、
７，１５，１６……リング、８，９……吊り棚、
１３，１４……吊り杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に適当長さの水平部分を残して中間部を傾
   斜させたハンガーパイプを洋服箪笥の衣服吊り下
   げ収納空間内の上部に左右横方向に架設し、この
   ハンガーパイプの両端水平部分の内、低い側の水
   平部分と前記収納空間の天板との間の空間に棚を
   架設すると共に、前記ハンガーパイプの少なくと
   も前記中間傾斜部分の上側に、長さ方向適当間隔
   置きにハンガーフツクの滑り止め用突起を突設し
   て成る洋服箪笥。