JPS627048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、播種装置における苗箱の密接整列搬
送装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

マガジン内に収容した段積み状態の苗箱を、最
下段のものから順次下方の搬送体上に落下供給す
る装置は、既に提案されている。

一方、搬送体上に苗箱を乗せ、床土供給，床上
均平，床上鎮圧，播種，潅水，覆土供給を行わせ
るためには、連続して搬送される苗箱間にギヤツ
プがあることは、床土，種子，潅水，覆土がこの
ギヤツプ部分にもれる欠点があり、作業場は勿論
のこと、搬送機構を著しく汚損する欠点がある
し、また、これら素材の無駄ともなる。

〔考案の目的〕

本考案は、このような欠点を合理的に解消する
ためになされたもので、簡単な構成によつて苗箱
間のギヤツプをなくし、作業性の向上と素材の無
駄をなくしようとするものである。

〔考案の構成〕

考案の目的を達成するための本考案の構成は、
フレームに横架した苗箱搬送体の搬送始端部上方
に。多数の苗箱を段積み収容し、かつ、下段の苗
箱から順次下方に落下供給するマガジンを設けた
播種装置において、上記苗箱搬送体を構成するベ
ルトの搬送始端部を、上記マガジンの臨設範囲中
に設けるとともに、このベルトの搬送始端部に設
けたプーリーと同軸上に、このプーリーより径大
の転輪を設けたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

次に第１図について、播種装置全体の構成の詳
細と、その作用について説明すると、Ａは苗箱の
自動連続供給装置、Ｂは床上供給装置，Ｃは供給
された床上の均平装置，Ｄは鎮圧ローラ、Ｅは播
種機，Ｆは覆土供給装置，Ｇは苗箱搬送体で、こ
れらの装置によつて播種装置Ｈが構成されてい
る。この第１図では、既に５個の苗箱１が苗箱搬
送体Ｇ上にあり、最先の苗箱１には床土２，種子
３，覆土４が収容されたものが示され、次の苗箱
１は、播種済み後覆土が供給される状態であり、
更に、その次の苗箱１には、収容された床土が均
平装置Ｃによつてによつてならされ、かつ、鎮圧
ローラＤにて鎮圧しつつ種子３と水とが同時に供
給される状態にあり、更に、その次の苗箱１には
床土が供給しつつあり、最後の苗箱１は、苗箱搬
送体Ｇに供給された直後のものが夫々示されてい
る。

５は苗箱搬送体Ｇを水平に軸架したフレーム
で、該フレーム５の搬送始端部上には、苗箱１の
マガジン６が設けてあり、このマガジン６内に
は、多段的に積重された苗箱１群が収容されてい
る。この苗箱群の最下段苗箱１の底面縁部は、径
大半円形の第１受座７によつて、片側２個所づつ
左右合計４個所が支持せしめられ、これによつて
苗箱群が支持され、更に、最下段から１つ上の苗
箱１の縁、または、側面は上記半円形の第１受座
７より径小で、かつ、これと同じ回転軸８に設け
た反対向きの半円径第２受座９によつて支持され
るようにしてある。

いま第１図の状態で、マガジン６から苗箱搬送
体Ｇ上に供給されたばかりの苗箱１は、これより
先行の苗箱１の後端部にその前端が乗つており、
このため、苗箱１の底面の接触により回路をオフ
とする第１スイツチS₁は、苗箱１と非接触状態に
あるため、オンの状態にある。従つて、フレーム
５に装着されたモータ１０は回転しており、プー
リー１１，ベルト１２，プーリー１３，スプロケ
ツトホイール１４，１５，チエーン１６の機構を
介して上記第１，第２受座７，９を備えた回転軸
８は回転駆動されている。上記苗箱搬送体Ｇは連
続的に運行されているが、この最終の苗箱１先端
は、マガジン６の下部前端部に設けたストツパー
１７によつて追従進行が阻止せしめられ、先行の
苗箱１が前進して苗箱１同志の乗り合いが解除さ
れると、最終の苗箱１は苗箱搬送体Ｇ上に乗載さ
れ、第１スイツチS₁がオフとなり、モータ１０、
および、これに関連する連動機構は全て停止し、
回転軸８の回転は１回転で止まる。

このとき、各第１受座７が苗箱群の最下端底面
縁部に係合し苗箱群全体を支持している。苗箱搬
送体Ｇ上に乗載された苗箱１は、これより先行の
苗箱との間に遅れギヤツプがあるが、苗箱搬送体
Ｇの搬送始端に設けられ、かつ、苗箱１の底面中
途部が最初に接触する径大の転輪１８の回転作用
により、この最終の苗箱１は先行苗箱１の搬送速
度より早い転輪１８の周速作用によつて送られ、
上記遅れギヤツプがなくなるまで、即ち、先行苗
箱１の後端に前端縁が当接するまで進行し、あと
は先行苗箱１と同速で送られる。そして、この最
終の苗箱１が進行し、これの後端が上記第１スイ
ツチS₁上を通過すると、この第１スイツチS₁はオ
ンとなり、再びモータ１０を駆動して回転軸８を
まわし、最下段の苗箱１を苗箱搬送体Ｇ上に落下
供給すると同時に、第２受座９をこの苗箱１より
１つ上段の苗箱の端部、または、側面部に係合さ
せ、苗箱群を第１受座７が保持する状態になるま
で保持する。

そして、苗箱１内には、床土供給装置Ｂに設け
た供給ベルト１９と、調節部材２０との作用によ
つてホツパー２１内の床土２をカマボコ状に供給
収容させる。収容された床土２は、左右水平方向
に扇形に往復動する均平装置Ｃのブラシ２２によ
つて苗箱１の周縁面と同一面状になるように均平
される。均平された床土２は、一端をフレームに
軸支せしめた鎮圧ローラＤによつて鎮圧せしめら
れる。この鎮圧された床土上には、ホツパー２３
内の種子３を送り出しローラ２４によつて定量づ
つ案内板２５，２６上を滑らせて供給するととも
に、給水パイプ２７から常時給水し、容器２８内
にある水をオーバーフローさせ、この水を上記案
内板２５，２６上に供給して種子３と共に床土上
に供給し、播種と同時に潅水せしめる。

次に最終段階として、ホツパー２９内の覆土４
を常に水平方向に揺動する揺動箱３０内に供給
し、この揺動箱３０の底面に設けた多数の孔３１
から覆土を種子上に被覆させるとともに、この揺
動箱３０の底面が苗箱の周縁面に近接しているこ
とから、スリ切り作用も付与せしめられ、覆土表
面は平面状にならされ苗箱への播種作業は完了す
る。

尚、苗箱搬送体Ｇは、２本の平行したＶベルト
３２と、これの下向き屈撓を防止するための案内
板３３と、上記径大の転輪１８と同軸上のプーリ
ー３４，ベルト３５，モータ３６によつて構成さ
れている。またこの苗箱搬送体Ｇを軸架せるフレ
ーム５の脚３７下端には夫々調節ネジ３８が設け
てある。

〔効果〕

このように本考案によれば、次のような効果が
得られる。

(a) マガジンから落下供給された苗箱は、苗箱搬
送体を構成するベルトの搬送始端部に設けられ
たプーリーより径大の転輪によつてベルトの搬
送スピードより早く運行され、当該苗箱の先端
を、先行苗箱の後端に追従密接させることがで
き、苗箱間にギヤツプを生じさせることがな
い。

(b) 従つて、床土，播種，種子，潅水，覆土など
を無駄に苗箱間のギヤツプ部に漏出させること
がなく、経済的効果が大きいばかりでなく、作
業場や搬送機構を汚損させることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は播種装置の一部切欠正面図、第２図は
要部の一部切欠正面図である。 Ｇ……苗箱搬送体、Ｈ……播種装置、５……フ
レーム、６……マガジン、７……第１受座、８…
…回転軸、９……第２受座、１８……転輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) フレームに横架した苗箱搬送体の搬送始端部
   上方に、多数の苗箱を段積み収容し、かつ、下
   段の苗箱から順次下方に落下供給するマガジン
   を設けた播種装置において、 (b) 上記苗箱搬送体を構成するベルトの搬送始端
   部を、上記マガジンの臨設範囲中に設けるとと
   もに、このベルトの搬送始端部に設けたプーリ
   ーと同軸上に、このプーリーより径大の転輪を
   設けたことを特徴とする播種装置における苗箱
   の密接整列搬送装置。