JPS6262246B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の要約 石油燃焼流体燃焼器のためのノズル噴射装置
は、一端部でシールされた一対の同軸管を有す
る。外側管は入口とシール端部に近接する横方向
出口とを有しかつ空気供給部に接続される。内側
管は燃料油供給部に接続され、外側管と連通する
多数の円周横方向出口を有する。内側管から出る
石油は外側管内の空気流により流動床中に搬入さ
れ、そこで着火されて燃焼される。 （産業上の利用分野） 本発明は流動床燃焼器、さらに詳細には燃料を
流動床燃焼器に供給するためのノズルに関するも
のである。 （従来の技術） 流動床燃焼器は、空気を不活性粒状物質の床中
に吹込んでこの床を流動状態に維持し、燃料を床
中に噴射させて燃焼を生ぜしめることにより操作
される。固体、液体もしくは気体またはその混合
物であつてもよい燃料は、熱の制御採収により典
型的には700〜1000℃の範囲としうる温度に保た
れた床内で燃焼する。 流動床燃焼器は、単位容積当りの極めて高い熱
出力を可能とし、高速の熱移動を床中に浸漬され
た冷却表面に伝達することができる。「流動床の
燃焼器もしくは炉」という用語の使用は、燃料と
酸素含有ガスとの部分反応が流動床から離間した
個所で貯蔵されまたは燃焼されうる燃焼ガスを生
成するような燃焼器としておよび気化器として流
動床を使用することを包含させる意図を有する。 しかしながら、たとえば燃料油のような液体燃
料を流動床炉に供給する際、しばしば困難に遭遇
した。何故なら、供給ノズルは閉塞状態となる傾
向があり、また燃焼特性は燃料分配に対し極めて
敏感であるからである。 英国特許第1502764号明細書は、流動床炉に使
用するのに適した分配板を記載しており、この分
配板は第一および第二同軸管からなり、第二の管
体は第一の管体の一部を囲繞し、第一および第二
同軸管のそれぞれは空気供給用入口と管壁を貫通
する横方向通路からなる出口とを備え、第一同軸
管は第二同軸管の出口よりも突出すると共にその
上方に出口を備え、さらに燃料油供給用入口を有
しかつ第一同軸管内に出口を有する別の管体も存
在する。 英国特許第1487391号明細書は、流動床炉に使
用するのに適した分配板を記載しており、この分
配板は燃料入口を備えたチヤンバとこのチヤンバ
を貫通する空気管とからなり、空気管の内部はチ
ヤンバと連通し、空気管の一端部は燃料と空気と
を含む燃焼混合物を流動床に供給するのに適した
出口を備えるヘツドに終端し、空気管を囲繞する
包囲管が存在し、この包囲管は空気入口と空気出
口とを備え、この空気出口はヘツドの下方におけ
る流動床の領域に空気を供給して燃焼混合物を流
動床に供給するようになつている。 （発明が解決しようとする問題点） しかしながら、これら分配板を使用する場合、
ノズルヘツドから流動床への燃料の不均一な供給
をもたらすような管内の石油流れ状態が生じう
る。本発明は、液体燃料をより均一に流動床に導
入しかつより低い空気圧力の使用を可能にするた
めの改良手段を提供することを目的とする。 （問題点を解決するための手段） したがつて、本発明によれば、流動床燃焼器に
使用するのに適したノズル噴射装置が提供され、
このノズル噴射装置は第一同軸外管および第二同
軸内管からなり、第二同軸内管は液体燃料供給用
の入口を一端部に備えかつ他端部がシールされて
第一同軸外管内に１つもしくはそれ以上の横方向
出口を備え、第一同軸外管は第二同軸内管の横方
向出口の上方の上端近くに横方向出口を備え、第
一同軸管および第二同軸内管の間の空気は酸素含
有ガスの供給部に連結することができ、第二同軸
内管の横方向出口は第一同軸外管の横方向出口の
上流において第一同軸外管内径の８倍以下〜２倍
以上の距離に存在する。 好ましくは、第一同軸外管は第二同軸内管の頂
部においてこの第二同軸内管をシール固定する。
これにより、床中へのより一様な石油供給を達成
することができる。何故なら、石油が主として出
口の下縁部によりまた直接同伴のみによつて床中
に入るような管体が分離されている場合に比較
し、石油は出口の上縁部と下縁部との両者により
また直接的空気同伴により第二同軸内管の出口か
ら流出しうるからである。したがつて、この好適
具体例において、流動床中への液体燃料の移動は
３つの様式で起こりうる。すなわち、(a)直接的空
気同伴によるもの、(b)第一同軸外管の内壁に対す
る液体燃料の上昇膜形成によるもの、および(c)第
二同軸内管の外壁に対する液体燃料の上昇膜形成
によるものであり、それにより前記した床部に対
するより均一な石油供給が得られる。 本明細書において「同軸」という用語の使用
は、厳密な意味では同軸的でないような一方の管
体が他方の管体内に存在する管群をも包含させる
ことを意図する。 第二同軸内管の燃料出口と第二同軸外管の横方
向出口との位置を特に限定する必要がある。何故
なら、もし燃料が第一の管体の出口に近接し過ぎ
て流出するならば供給燃料が床中に不均一に流入
する傾向が生じ、また他方においてもし第二同軸
内管の燃料出口が流動床中への第一の管体の横方
向出口から離間し過ぎているならば空気圧力低下
を増大させて燃料を同伴させる必要がある。 第二同軸内管の燃料出口と第一同軸外管の横方
向出口との好適な距離は第一同軸外管内径の８倍
以下〜２倍以上である。 酸素含有ガス供給物は加圧されて、全体的にま
たは部分的に床物質の流動化に寄与する。 液体燃料は、たとえば燃料油、真空残油、ケロ
シンまたはガスオイルとすることができる。使用
される典型的な液体燃料圧力は５〜25psigであ
る。 本発明は、また流動床用の分配板をも含み、こ
の分配板は好ましくは複数の燃料ノズル噴射装置
から構成される。 燃料ノズル噴射装置の密度は、それぞれ特定の
要求に適するよう変化させることができ、好まし
くは１平方フイート当り0.1〜６のノズル噴射装
置密度が用いられる。（流動化および燃焼の目的
に対する追加空気は分配板を貫通する管群により
供給することができる）。 同軸管の横方向出口は、管壁を貫通する通路を
形成し、これら通路の方向は好ましくは管壁に対
しほぼ垂直である。 たとえば、本出願人の英国特許第1368352号の
ノズルに関する短縮燃料通路は、重質燃料を燃焼
する場合流動化用空気の予備加熱を大して問題と
せず、ノズルにおける圧力低下の減少に寄与す
る。 空気管および石油管は、たとえば、清掃および
点検のため取り外しできるよう設計することがで
き、一方流動床燃焼器は本出願人に係る英国特許
出願第37182／76号明細書に記載された方法と同
様な方法により運転される。 好ましくは、本出願人に係る英国特許出願第
35519／76号明細書に開示された型式の円錐流動
床が使用される。 床自身は、流動ガスの速度に適した寸法範囲と
嵩密度とを有する鉱物粒子からなつている。 好ましくは床部の始動は、英国特許第1159310
号明細書に記載されているように或いは頭上バー
ナーにより達成することができる。 好ましくは、流動床燃焼器を液体燃料燃焼用と
して使用するに先立ち、燃料ガスたとえばプロパ
ンを床内で燃焼させて床を予備加熱する。 （実施例） 以下、単一のノズル噴射装置を備えた分配板の
縦断面図を示す添付図面を参照して本発明を実施
例につき説明する。 流動床燃焼器は、分配板１からなり、その上方
に砂の流動床２が位置する。床部２は耐火ライニ
ングされたまたは水冷された容器３中に収容され
る。 充気室４は、加圧空気源（図示せず）に接続さ
れかつ第三同軸外管６の出口５を介して流動床２
と連通し、第三同軸外管６は充気室４から床部２
中へと上方に突出する。第三同軸外管６と同軸で
ある別の第一同軸外管７は、第三同軸外管６中を
その上方まで貫通し、さらに充気室４を下方に貫
通して分配板下方の個所まで延在し、そこで加圧
空気供給部に接続される（この加圧空気供給部は
充気室４用のものと同じであつても或いは別個の
供給部であつてもよい）。 第三同軸外管６、第一同軸外管７と同軸である
第二同軸内管８は、接続部材１０により出口９の
上方の個所で第一同軸外管７に接続され、分配板
下方の燃料油供給部（図示せず）まで下方に延在
する。第二同軸内管８は接続部材１０から分離可
能であり、所望ならばシール取付け部１１を通し
て分配板から引抜くことができる。接続部材１０
の使用により、石油供給管の第二同軸内管８を包
囲管である第一同軸外管７に対し正確に位置させ
ることができる。第一同軸外管７は接続部材１０
下部近傍に出口１３を備える。多数の空気専用ノ
ズル１２がノズル噴射装置を囲繞して流動化用か
つ酸化用の空気を供給する。 燃焼器を単一の石油ノズルによりガスオイル、
残留燃料油および真空残油を用いてそれぞれ100
時間までの持続時間で運転した。その結果を第１
表に示す。３〜５時間試験においては、床部をガ
スオイルについては約700℃より高い温度また残
留燃料油については780℃より高い温度では運転
しなかつた。これらの条件において、排気ガス中
のO₂濃度は0.5％であつた。或る量のCOが生成さ
れたが、煙突から出る煙の量は無視しうるもので
あつた。高酸素含量にて残留燃料油および真空残
油を用い、かつベツド内熱伝導表面を低減して行
なつた試験を実施例３および４に示す。

【表】 管体６，７および８の内径はそれぞれ67mm、38
mmおよび６mmであつた。ノズル噴射装置の密度は
１平方フイート当り0.1であつた。 前記燃焼実験の他に、さらにコールドモデル実
験を行なつて第２表および第３表に示す結果を与
えた。第２表は各種の試験に対するノズル噴射装
置の詳細を示し、第３表はノズル噴射装置の操作
条件を示している。本発明の軸方向石油供給によ
る床部への石油供給の効果を英国特許第1487391
号の上昇膜石油噴射技術による側方石油供給と比
較する試験を行なつた。 その結果が示すところでは、床部に対する同一
の石油供給速度の場合、側方石油噴射技術と比較
して軸方向のものについてはノズル噴射装置にお
ける顕著に低い圧力低下が必要とされる。

【表】

【表】 【図面の簡単な説明】

第１図は単一のノズル噴射装置を備える分配板
の縦断面図である。 １…分配板、２…床部、３…容器、４…充気
室、５…出口、６…第三同軸外管、７…第一同軸
外管、８…第二同軸内管、９…出口、１０…接続
部材、１１…シール取付け部、１２…空気専用ノ
ズル、１３…出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第一同軸外管および第二同軸内管からなり、
   第二同軸内管は液体燃料供給用の入口を一端部に
   備えると共にこの第二同軸内管は他端部がシール
   されて第一同軸外管内に１つもしくはそれ以上の
   横方向出口を備え、第一同軸外管は第二同軸内管
   の横方向出口の上方の上端近くに横方向出口を備
   え、第一および第二同軸管の間の空間は酸素含有
   ガスの供給部に接続することができるノズル噴射
   装置において、第二同軸内管の横方向出口は第一
   同軸外管の横方向出口の上流において第一同軸外
   管内径の８倍以下〜２倍以上の距離に存在し、第
   二同軸内管の上部は第一同軸外管の前記上端にシ
   ールされかつ固定されることを特徴とするノズル
   噴射装置。 ２ 第一同軸外管の横方向出口は管体の壁部に対
   し直角である特許請求の範囲第１項記載のノズル
   噴射装置。 ３ 第二同軸内管の横方向出口は管体の壁部に対
   し直角である特許請求の範囲第１項又は第２項に
   記載のノズル噴射装置。 ４ 第一同軸外管は第三同軸外管により部分的に
   囲繞され、前記第三同軸外管は酸素含有ガスの供
   給用入口と横方向出口とを備える特許請求の範囲
   第１項〜第３項のいずれか１項に記載のノズル噴
   射装置。 ５ 第三同軸外管は燃料ガス供給用の入口をさら
   に備える特許請求の範囲第４項記載のノズル噴射
   装置。