JPS6261783B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は気化器、とくに吸気通路本体とフロ
ート室とフロート室カバーとを別個に構成して成
る組立式気化器をエンジンに装着する取付装置に
関する。

一般に気化器は、その主要部として、ベンチユ
リを具備する吸気通路と、吸気通路中に開口する
各種のノズルと、常に一定量の燃料を保有してい
るフロート室と、空気弁すなわちチヨーク弁と、
絞り弁などから成つている。気化器のベンチユリ
を具備する吸気通路とフロート室と、フロート室
カバーなどから成る気化器本体は、通常、亜鉛合
金その他の軽合金のダイカスト製で一体に構成し
てある。

従来のこの種軽合金のダイカスト製の一体構造
の気化器では、燃料通路や空気ブリード通路など
多くの通路を気化器本体に構成するために、いわ
ゆる穴あけ加工している。しかし、複雑な多数の
通路を気化器本体に穴あけ加工することは極めて
困難であり、加工時に切り粉などが深い穴の内部
に残存して、通路を閉塞するなどの支障があるば
かりでなく、その加工に熟練と経費とを必要とす
る。

以上に述べた通りの一体構造の気化器の不利益
を解消するために、この出願の出願人は、特願昭
57−88903号、特願昭57−107546号、特願昭57−
116170号および特願昭57−120646号において気化
器本体に燃料系統の通路や、空気ブリード用の通
路などを穴あけ加工することなく構成することの
できる気化器を開発している。

前記出願の発明はベンチユリを有する吸気通路
本体と、液体燃料を収容するフロート室と、フロ
ート室内の燃料を吸気通路の所望の位置に導く燃
料導管などを、それぞれ別個に構成し、これを組
み立てることによつて穴あけ加工などをすること
なく製作することのできる組立式気化器を提供す
るものである。

ところで、気化器は、これを装着する内燃機関
の構成にしたがつて、機関に取付けるフランジの
形状や、機関取付け穴ピツチ、あるいは燃料系統
と接続すべき接合部分などが異なると、気化器自
体をそれに適応するように設計して製造する必要
がある。

しかしながら、前記出願の発明の気化器のよう
に、吸気通路本体、フロート室、フロート室カバ
ー、燃料導管などの主要部分を別個に構成すれ
ば、内燃機関の設計上の必要に応じて、これら主
要部分の一部をのみ変更することにより、その要
求に応ずることができる。

この発明の目的は、以上に述べたような組立式
気化器を内燃機関に固定する取付装置を提供する
ことにある。

さらにこの発明の目的は、気化器を内燃機関に
取付けることにより組立式気化器の各部を的確に
一体化するようにした組立式気化器の取付装置を
提供することにある。

この発明の目的は、また構造が簡単で経済的に
製作でき組み立てが容易な前記型式の気化器の取
付装置を提供することにある。

この発明の以上に述べた目的と、それ以外の目
的および利益とを明瞭にするために、以下この発
明の好ましい実施態様について添付図面について
詳細に説明する。

第１図に示すこの発明の組立式気化器の側面図
と第２図に示す断面図で判るように気化器はフロ
ート室１２と、フロート室１２内に設けられたフ
ロート１４と、フロート室カバー１６と、ベンチ
ユリを有する吸気通路本体１８と、吸気通路本体
１８を支持しこれをフロート室カバー１６に必要
に応じてガスケツト１９を付して取付ける外筒２
０と、フロート室１２内の燃料を吸気通路本体１
８の所要の部位に送るための燃料導管とから成つ
ている。

燃料を収容するためのフロート室１２は鉄板、
アルミニウム板その他の適当な金属板をコツプ状
に成形して上部が開口する容器としてある。

フロート室１２に取付けてその上部開口を閉塞
するカバー１６は、フロート室１２内にフロート
１４を片持ち支持している。フロート室カバー１
６には、フロート室１２内に、燃料ポンプ（図面
に示してない）から圧送される燃料を供給するた
めの導管（図面に示してない）に接続する接手部
となる燃料供給管２７が設けてある。

フロート室１２のカバー１６の中央付近にはエ
アベント口２９が設けてあり、またカバー１６の
中央には軸線方向に下方に突出する管体３０が設
けてある。管体３０の下端はフロート室１２の底
部に近接する位置に開口している。

この管体３０の内部には主ノズル管３２を同心
に挿入し、ベンチユリのノド部４１に開口するよ
うに取付ける。

主ノズル管３２の内部には、これと同心に低速
燃料導管３６を挿入することができる。低速燃料
導管３６は主ノズル管３２の上端よりさらに伸長
し、これを気化器に組み立てるときは、ベンチユ
リのノド部４１を貫通して、主ノズル管３２の開
口と直径的に対向する側において吸気本体１８の
外周面に開口する。

ベンチユリを有する吸気通路本体１８は、肉厚
の中空円筒体から構成してあつて、その内面の中
央付近を内方に突出させて、ベンチユリのノド部
４１としてある。ベンチユリのノド部４１には、
主ノズル管３２の上端を嵌装することのできる開
口４２が、またこの開口と直径的に対向する側の
壁部には低速燃料導管３６の上端を挿入すること
ができる開口４３が設けてある。吸気通路本体１
８の外周壁には、低速燃料導管３６の開口４３と
連通するとともに、吸気通路本体１８の下流側に
伸長して低速燃料通路となる溝４６が設けてあ
る。溝４６の端部には低速燃料をベンチユリの内
部に噴射するための開口４８が設けてある。

また、吸気通路本体１８の外周壁には、管体３
０と主ノズル管３２との間の空気通路３４と連通
し、しかも吸気通路本体１８の上流側に伸長する
細溝が設けてある。

さらに、吸気通路本体１８の外周壁には、フロ
ート室カバー１６のエアベント口２９と連通する
ことのできる細溝５２を設けることができる。

吸気通路本体１８を支持する外筒２０は、吸気
通路本体１８の外周壁に密接してこれを囲繞する
ことのできる円筒体とすることができる。外筒２
０の内部に吸気通路本体１８を押しこんで挿入す
ると、前述した吸気通路本体の外周壁に設けた細
溝４６は低速燃料の通路を形成し、また細溝５２
などは空気通路を形成する。

吸気通路本体１８のベンチユリの上流側と下流
側（エンジン側）とに、それぞれ空気弁すなわち
チヨーク弁Ｃと絞り弁Ｔとが設けてある。

この発明によれば、以上に述べた気化器の、と
くに吸気通路本体１８と外筒２０とを組み立てた
ものを内燃機関すなわちエンジンＥの所要部分と
吸気管Ｍのエア・クリーナ側との間に装架する取
付装置７０を特長とする。

第３図ないし第５図について説明すると、この
発明の気化器の取付装置７０は気化器の外筒２０
の下流側の端部すなわちエンジンＥに取付ける側
の端部に嵌装することのできるように中央に開口
７１を有する第一のフランジ板部材７２と吸気管
Ｍのエア・クリーナ側の端部に嵌装することので
きるように中央に開口７３を有する第二のフラン
ジ板部材７４と、二本の管状のスペーサ７６と、
通しボルト７８とから成つている。

第一のフランジ板部材７２には管状スペーサ７
６を挿入することのできる孔８０があけてあり、
また第二のフランジ板部材７４には管状スペーサ
７６を嵌装することはできないが、通しボルト７
８を通すことのできる孔８２があけてある。

管状スペーサ７６のエンジン側の端部には、そ
の端部に近接して第４図と第５図に示すように、
第一のフランジ板部材７２の孔８０の外径よりも
大きく放射方向に突出し環状膨出部８４が形成し
てあつて、スペーサ７６の端部を第一のフランジ
板部材７２の孔８０に挿入したとき、この膨出部
８４がストツパーとして役立つようにしてある。
スペーサ７６の他方の端部すなわち吸気管Ｍ側の
端部は第二のフランジ板部材７４の孔８２の外周
の表面に載置されるように配設される。

第一のフランジ板部材７２とエンジンＥの取付
け部位との間には適当なパツキンまたはガスケツ
トＧを当てがい、また第二のフランジ板部材７２
と吸気管Ｍとの接続部位にもパツキンまたはガス
ケツトＧを配設し、通しボルト７８を第二のフラ
ンジ板部材７４の孔８２により管状スペーサ７６
内を貫通して第一のフランジ板部材７２の孔８０
を通しエンジンＥに締めつける。

以上のようにして、気化器の吸気通路本体１８
を支持する外筒２０をエンジンＥに取付けること
ができる。

この発明の組立式気化器の取付装置７０によれ
ば、ボルト７８を強く締めて気化器をエンジンＥ
に取り付けても、第一と第二のフランジ７２，７
４の間の距離は一定に保たれ、クリーナ側のフラ
ンジ７４を湾曲されるおそれがない。

また、第５図に示すように、吸気通路本体１８
のエンジンＥ側の端部を外筒２０の端面よりも幾
分か（例えば約0.5mmまで）突出させるように構
成することが望ましい。このようにすると、気化
器をエンジンＥに取りけた場合に両者間の接続を
耐密にすることができる。

この発明によれば、気化器をエンジンＥに取り
付けるフランジ部材７２，７４は、たとえば板金
を打抜き加工することによつて製作することがで
き、また気化器をエンジンにボルトによつて固定
することにより、組み立てられた気化器の各部分
を一体化する効果がある。

以上、この発明の好ましい実施態様について説
明したが、この発明は特許請求の範囲に記載の構
成要件に基づいて、変更して実施することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は組立式気化器とこの発明の取付装置と
を示す側面図、第２図は第１図の線−につい
ての縦断面図、第３図はフランジ板部材の正面
図、第４図は管状スペーサの斜視図、第５図はこ
の発明の取付装置を説明するため第１図の線−
について矢印方向に見た略断面図である。 添付図面における各参照符号と構成要素との関
係は次のとおりである。１２……フロート室、１
６……フロート室カバー、１８……吸気通路本
体、２０……外筒、７０……取付装置、７１，７
３……開口、７２，７４……フランジ板部材、７
６……管状のスペーサ、７８……ボルト、８０，
８２……孔、８４……環状膨出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベンチユリを有する金属製の吸気通路本体
   と、前記本体を嵌装する金属製の外筒と、金属製
   のフロート室と、金属製のフロート室カバーとを
   それぞれ別個に構成し組み立てるようにした気化
   器において、 前記外筒のエンジン側に配設するための開口と
   ボルトを通す孔とを有する金属製の第一のフラン
   ジ板部材と、 前記外筒の上流側に配設するための開口とボル
   トを通す孔とを有する金属製の第二のフランジ板
   部材と、 前記第一と第二のフランジ板部材の間隔を一定
   に保持する管状スペーサと、 前記両フランジのボルトを通す孔と管状スペー
   サとを貫通するボルトと、 前記第一のフランジ板部材の孔の寸法を前記ス
   ペーサの端部が嵌入するようにしたことと、 前記第二のフランジ板部材の孔の寸法を前記ス
   ペーサの端部が嵌入することのないようにしたこ
   とと、 前記スペーサの第一のフランジ板部材の側の端
   部に近接して前記フランジの孔の寸法より大きい
   環状膨出部を形成させたことと、 前記吸気通路本体のエンジン側の端部を前記外
   筒の該当端面より僅かに外方に突出させたことか
   らなる組立式気化器の取付装置。