JPS6261771B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は噴射内燃機関のための遠心調速機、特
に自動車用ジーゼルエンジンのための最高最低調
速機であつて、噴射ポンプの吐出量調整部材に連
結された中間レバーが設けられており、この中間
レバーに、調速機重りによつて回転数に関連して
運動させられる制御スリーブと、吐出量の任意の
変化のために旋回させられる調整部材とが係合し
ており、かつケーシングに固定したストツパに調
速機ばねの予荷重によつて圧着された支持部材が
設けられており、この支持部材と、前記制御スリ
ーブとが、アイドリングばねの力に抗して行なわ
れるアイドリングスリーブ行程の経過後に協働す
る形式のものに関する。この種の公知遠心調速機
（ドイツ連邦共和国特許第1287852号明細書及びオ
ーストリア特許第201928号明細書）は、ジーゼル
エンジンのための最高最低調速機として設計され
ており、回転数に依存して運動する制御スリーブ
並びに吐出量の任意の変化のために旋回可能な調
整部材が互いに無関係に、噴射ポンプの吐出量調
整部材に結合した中間レバーに係合しており、こ
の調整部材の軸支個所は他方の調整部材の調整時
に中間レバーの一時的な旋回の中心として役立て
られる。調整しようとする最高最低回転数は所属
のばねの支えを移動調節することによつて調整さ
れ、所属のアイドリング時吐出量及び全負荷時吐
出量は、調整部材に結合された操作レバーの両終
端位置に設けた調節可能なストツパによつて固定
される。調速機の部品が誤差なしでは製作されな
いので、操作レバーのすでに述べた終端位置並び
に所属の旋回角は、同じ使用目的で設計された多
数の調速機間で均一でない。この終端位置の相
違、就中旋回角の相違は、この操作レバーの位置
に関連して自動変速機が切換えられるような場合
には許容することができない。それゆえ、自動車
製造業者は操作レバー若しくは調速機調整部材の
常に均一な、誤差の少ない旋回角を得るために努
力を重ねている。さらに、調整すべき回転数及び
所属の吐出量のための調整個所を調節するさい若
しくはアイドリングスリーブ行程の調節のさい
に、別のすでに調整済みの個所が再び変化するよ
うなことがないようにしなければならない。しか
しこのような要求は公知調速機では実現不能であ
る。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第2224755号明
細書によれば、支持部材にねじはめられてアイド
リングスリーブ行程の固定に役立つ行程ストツパ
を備えたこの種の遠心調速機が公知であり、この
場合、調速機ばねの位置及び予荷重の変化なしに
アイドリングスリーブ行程の修正が可能である。
しかし、冒頭に述べた形式の調速機でと同様この
調速機でも使用されている調整部材及び制御スリ
ーブの軸支形式は、調整部材の旋回角が一定でな
いというすでに述べた同様な欠点を有している。

これに対して本発明の利点は、調整部材及びこ
れに連結された操作レバーの位置が全負荷位置で
常に同じであることにある。それというのは、誤
差範囲内での修正若しくは必要な基本調整が、中
間レバーの調整可能な旋回支承体によつて行なわ
れるからである。これによつて、全負荷ストツパ
が調整不能な定置のストツパである必要がなく、
しかも、旋回支承体の移動調節のための係合個所
がカバーによつて閉鎖されて調速機ケーシング内
部に位置しているため、この調速機においてもみ
だりな全負荷吐出量の調整は不可能である。固定
された全負荷位置でアイドリング位置へ作用する
誤差が、てこ腕が比較的長くかつ分割されたレバ
ーの回転の中心が固定されているために、実際に
は作用せず、このため、全負荷位置及び調整部材
の旋回角が狭い誤差内で一定に保たれ、これによ
つて、この旋回角を、有利にも自動変速機のため
の切換信号又は切換え移動距離を生ぜしめるため
に利用することができる。

本発明の有利な実施例は特許請求の範囲第２項
〜第５項に記載した通りである。特許請求の範囲
第３項記載の実施例の旋回支承体は有利には同時
に逃げ部材としても役立つており、この逃げ部材
によつて「下方調整」時の調速機部分の過負荷が
排除される。例えばエンジンブレーキ状態におい
て、調整部材がアイドリング位置へ戻つた状態、
及び吐出量調整部材がストツプ位置にある状態に
おいて、最高回転数を上回つたさい、及び吐出量
調整部材がストツプ位置を越えて運動しようとす
るさいには、調整部材が調速機のばねの力に抗し
て調整運動を行なう。

特許請求の範囲第１項〜第３項に記載した遠心
調速機では、アイドリングスリーブ行程の固定の
ために、支持部材にねじはめられた行程ストツパ
が設けられており、特に有利に、アイドリング時
吐出量を規定する調整部材の位置が、有利には調
速機ケーシングの内部に配置されてみだりに調整
することのできないアイドリングストツパによつ
て固定されている。これによつて、不慮のかつみ
だりなアイドリング時吐出量調整が不可能とな
り、かつ、支持部材にねじはめられた行程ストツ
パによつて、すでに調整済みの回転数への影響な
しに、アイドリングスリーブ行程が正確に調整で
きる。このアイドリングスリーブ行程の調整はア
イドリング調整時の所要の負荷の受取りに必要で
ある。特許請求の範囲第５項に記載の実施例で
は、全負荷時吐出量のみだりな調整が完全に排除
され、かつ、自動変速機のための切換信号若しく
は切換え移動距離の発生のために、調整部材の常
に一定な調整角が固定可能である。その理由は、
吐出量調整部材の全負荷位置の固定が、中間レバ
ーの旋回支承体の移動調節によつて行なわれるか
らである。アイドリングスリーブ行程の可能な限
り狭い誤差は、旋回角のための所定の許容誤差を
越えることはない。

次に図示の実施例につき本発明を具体的に説明
する。

内燃機関のための噴射ポンプのカム軸１０に、
最高最低調速機として形成された遠心調速機の調
速機重り支持体１１が固定されており、この調速
機重り支持体に調整機重り１２が旋回可能に支承
されている。この調整機重り１２は押圧腕１３に
よつて、制御スリーブ１４に係合しており、この
制御スリーブ１４は、調速機重り１２によつて生
じた自体の移動を圧力支承体１５を介してスリー
ブピンへ伝達する。このスリーブピン１６は支承
ピン１７によつて案内レバー１８に軸支されてお
り、この案内レバー１８は、調速機のケーシング
１９内に固定した支承ピン２１に旋回可能に軸支
されており、これによつて、制御スリーブの移動
時に旋回させられる。さらに、支承ピン１７を介
して変向レバー２２の端部２２ａが制御スリーブ
１４のスリーブピン１６に軸支されており、この
変向レバー２２の他端部２２ｂは長孔２３を介し
てレバー状の調整部材２５のピン２４に係合して
いる。この調整部材２５はケーシング１９内に支
承した、旋回軸として役立つレバー軸２６に固定
されており、このレバー軸２６はさらに破線で示
すようなケーシング１９の外部に位置する操作レ
バー２７を支持している。変向レバー２２はこれ
の両端部２２ａ，２２ｂ間に位置する支承個所２
８を介して、調整レバーとして役立つ中間レバー
２９に結合されており、この中間レバー２９は一
端で弾性的な舌片３１を介して、噴射ポンプの吐
出量調整部材として役立つ調整棒３２に軸支され
ており、かつ他端で旋回支承体３３に支持されて
いる。この旋回支承体３３は、中間レバー２９の
支承個所３４を両側からつかむ滑り片３５を有し
ており、この滑り片３５は図示の位置では逃げば
ね３６によつて、ケーシング１９に調節可能に固
定した調節ねじ３８のヘツド３７に押付けられて
いる。調節ねじ３８にねじはめたナツト３９の位
置によつて、中間レバー２９の支承個所３４の位
置が制御スリーブ１４の軸線方向で規定される。
この支承個所３４の位置は全負荷吐出量を規定す
る調整棒３２の全負荷位置の基本調整のために調
節ねじ３８を回動させることによつて変化する。
例えば操作レバー２７ひいては調整部材２５の図
示の始動位置及び全負荷位置が、ケーシングに固
定された変化不能な全負荷ストツパ４１によつて
固定されている場合には、調節ねじ３８を回動さ
せて支承個所３４の位置を変化させることができ
る。全負荷ストツパ４１は有利には円筒形の頭を
有するねじの頭から成り、このねじは中間レバー
２９の支承軸に対して平行にケーシング１９に固
定的にねじ込まれておりかつ調節不能である。

すでに述べた基本調整は、調整部材２５の図示
の始動・全負荷位置で機関がアイドリング回転数
と最高回転数との間の回転数で運転され、制御ス
リーブ１４がアイドリングスリーブ行程ａだけ移
動しかつスリーブピン１６がストツパとしてのア
ングライヒカプセル４２に当付けられたさいに、
行なうことができる。アングライヒカプセル４２
は、支持部材として役立つ力伝達レバー４３にね
じ固定されており、この力伝達レバー４３は支承
ピン２１に軸支されており、かつ調速機ばね４４
によつて自由端４３ａが、ケーシングに固定され
たストツパ４５に向かつて押されている。最高回
転数調整ばねとして役立つこの調速機ばね４４の
予荷重はねじスリーブ４６として形成されケーシ
ング１９にねじはめられた支えの位置によつて調
整される。このねじスリーブ４６は止めナツト４
７によつて所定位置に固定され、かつアングライ
ヒカプセル４２、旋回支承体３３の調節ねじ３８
並びにストツパねじとして形成されたアイドリン
グストツパ４８と同様に、ケーシング１９の内部
に配置されており、閉鎖カバー４９を取外したと
きにだけ接近可能である。機関に封止されている
この閉鎖カバー４９はすでに述べた諸ストツパを
使用者がみだりに調整するのを妨げており、これ
によつて、排気ガス値に影響を与える調速機の調
整個所にはみだりに接近を許さないという自動車
製造業者の意図が満たされる。アイドリングスト
ツパ４８は、特に自動変速機の制御のために調整
部材２５の旋回角がレバー軸２６又は操作レバー
２７によつて受取られ、それゆえに自動車製造業
者によつて認められた誤差の範囲内で所定の角度
に固定されている場合には、みだりに調整されな
いようにしなければならない。

アイドリング回転数の修正のための調整ねじ５
１だけは、閉鎖カバー４９によつて閉鎖されたケ
ーシング部位の外部に位置しており、従つてこの
封止された調速機においても接近可能である。こ
の措置は特別有利であると同時に、アイドリング
回転数を種々異なる機関の互いに異なる摩擦力に
適合させるために必要である。調節ねじ５１の、
ケーシング１９の内部に位置する頭５１ａは、板
ばねとして形成されたアイドリングばね５２の端
部５２ａのための移動調節可能な支えとして役立
つている。アイドリングばね５２は、支持体若し
くは支承体として役立つ支持アングル部材５３を
介して力伝達レバー４３に支持されている。アイ
ドリングばね５２は頭５１ａとは逆の側の端部５
２ｂで案内レバー１８の横ピン５４に圧着されて
いる。この横ピン５４によつて、アイドリングば
ね５２の予荷重は制御スリーブ１４へ伝達され、
支持アングル部材５３を介して力伝達レバー４３
へ伝達されるリアクシヨン力によつて、アイドリ
ングばね５２の力は最高回転数へ作用するのみで
なく、力伝達レバーへ伝達されたリアクシヨン力
を介して補償される。この理由で、この調節ねじ
５１も、力伝達レバー４３及び案内レバー１８の
ための旋回支承部として役立つ支承ピン２１とほ
ぼ同じ高さのところに配置される。

公知調速機と異なり、本発明によつて形成され
た遠心調速機では、調整部材２５並びに制御スリ
ーブ１４が変向レバー２２を介して中間レバー２
９に作用し、かつ、調整部材２５による調整運転
時には支承ピン１７が、かつ制御スリーブ１４の
制御運動時には調整部材２５のピン２４が変向レ
バー２２の一時的な回転の中心として役立てられ
る。両方が操作された場合には、中間レバー２９
は変向レバー２２の支承個所２８を介して操作さ
れ、そのさい中間レバー２９の旋回支承体３３は
中間レバー２９の一時的な旋回の中心を形成す
る。これによつてこの中間レバー２９は舌片３１
を介して調整棒３２を、変向レバー２２のてこ腕
と中間レバー２９のてこ腕とによつて与えられる
変換比に相応して運動せしめる。

逃げばね３６によつて支持された、旋回支承体
３３の滑り片３５は「下方制御」時に、調整棒３
２の過負荷を阻止する。その理由は、例えば機関
のエンジンブレーキ状態において、すでに調整棒
３２がストツプ位置にある状態では、制御スリー
ブ１４が超過回転数によつて必要以上に移動した
さいに中間レバー２９が旋回支承体３３の範囲で
逃げることができるからである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例の略示縦断面図であ
る。 １０……カム軸、１１……調速機重り支持体、
１２……調速機重り、１３……押圧腕、１４……
制御スリーブ、１５……圧力支承体、１６……ス
リーブピン、１７……支承ピン、１８……案内レ
バー、１９……ケーシング、２１……支承ピン、
２２……変向レバー、２２ａ，２２ｂ……端部、
２３……長孔、２４……ピン、２５……調整部
材、２６……レバー軸、２７……操作レバー、２
８……支承個所、２９……中間レバー、３１……
舌片、３２……調整棒、３３……旋回支承体、３
４……支承個所、３５……滑り片、３６……逃げ
ばね、３７……頭、３８……調節ねじ、３９……
ナツト、４１……全負荷ストツパ、４２……アン
グライヒカプセル、４３……力伝達レバー、４３
ａ……自由端、４４……調速機ばね、４５……ス
トツパ、４６……ねじスリーブ、４７……止めナ
ツト、４８……アイドリングストツパ、４９……
閉鎖カバー、５１……調節ねじ、５１ａ……頭、
５２……アイドリングばね、５２ａ，５２ｂ……
端部、５３……支持アングル部材、５４……横ピ
ン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 噴射内燃機関のための遠心調速機であつて、
   噴射ポンプの吐出量調整部材に連結された中間レ
   バーが設けられており、この中間レバーに、調速
   機重りによつて回転数に関連して運動させられる
   制御スリーブと、吐出量の任意の変化のために旋
   回させられる調整部材とが係合しており、かつケ
   ーシングに固定したストツパに調速機ばねの予荷
   重によつて圧着された支持部材が設けられてお
   り、この支持部材と、前記制御スリーブとが、ア
   イドリングばねの力に抗して行なわれるアイドリ
   ングスリーブ行程の経過後に協働する形式のもの
   において、前記調整部材２５並びに前記制御スリ
   ーブ１４が、これら両部材を結合せしめる変向レ
   バー２２を介して前記中間レバー２９に軸支され
   ており、この中間レバー２９が、全負荷時吐出量
   の基本調整のためにのみ調速機ケーシング１９内
   で移動調整される旋回支承体３３を備えているこ
   とを特徴とする噴射内燃機関のための遠心調速
   機。 ２ 前記制御スリーブ１４及び調整部材２５が、
   変向レバー２２の両端２２ａ，２２ｂに軸支され
   ており、この変向レバー２２が、両端２２ａ，２
   ２ｂの間に位置する１支承個所２８を介して前記
   中間レバー２９に軸支されている特許請求の範囲
   第１項記載の遠心調速機。 ３ 中間レバー２９のための旋回支承体３３が、
   中間レバー２９の一端の支承個所３４に係合する
   滑り片３５から成り、この滑り片３５が、静止位
   置で逃げばね３６によつて、調速機ケーシング１
   ９内で調整可能に固定された調整ねじ３８のスト
   ツパ３７に圧着されている特許請求の範囲第１項
   記載の遠心調速機。 ４ 前記支持部材内にねじはめられてアイドリン
   グスリーブ行程の固定に役立つ行程ストツパが設
   けられており、前記調整部材２５の、アイドリン
   グ時吐出量を規定する位置を固定するために、有
   利には調速機ケーシング１９の内部に配置された
   みだりに調整することのできないアイドリングス
   トツパ４８が設けられている特許請求の範囲第１
   項記載の遠心調速機。 ５ ケーシングに固定した調節不能な全負荷スツ
   パ４１及び予め調節された前記アイドリングスト
   ツパ４８によつて前記調整部材２５の一定の調整
   角が固定されるようにした特許請求の範囲第４項
   記載の遠心調速機。