JPS6260447B2 - - Google Patents
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- JPS6260447B2 JPS6260447B2 JP304380A JP304380A JPS6260447B2 JP S6260447 B2 JPS6260447 B2 JP S6260447B2 JP 304380 A JP304380 A JP 304380A JP 304380 A JP304380 A JP 304380A JP S6260447 B2 JPS6260447 B2 JP S6260447B2
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Landscapes
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Description
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
この発明は低温での強度と靭性および高温での
強度がそれぞれすぐれた高低圧一体型蒸気タービ
ン用ロータの製造法に関する。 (従来の技術) 所謂る営業用の大型蒸気タービン用ロータが使
用蒸気の温度、圧力によつて高圧部、中圧部およ
び低圧部をそれぞれ所要の性質に応じた異種の材
質を組合せて構成しているのに対し、70〜80MW
程度以下の自家発電用蒸気タービンロータについ
ては小型化および機構の簡略化と言う見地から高
圧部から低圧部までを同一の材質で構成すること
が試みられている。ところで自家発電用蒸気ター
ビンについては使用蒸気温度が高々500℃であつ
たのに対し熱効率の向上から500℃以上の温度で
の使用にも耐える蒸気タービンや発電容量の大き
な蒸気タービンが望まれている。しかしこの種蒸
気タービン用ロータの構成材料として用いられて
いる表−1に示す如き組成の合金で高低圧一体型
蒸気タービン用ロータを構成した場合には次のよ
うな不都合さが認められる。
強度がそれぞれすぐれた高低圧一体型蒸気タービ
ン用ロータの製造法に関する。 (従来の技術) 所謂る営業用の大型蒸気タービン用ロータが使
用蒸気の温度、圧力によつて高圧部、中圧部およ
び低圧部をそれぞれ所要の性質に応じた異種の材
質を組合せて構成しているのに対し、70〜80MW
程度以下の自家発電用蒸気タービンロータについ
ては小型化および機構の簡略化と言う見地から高
圧部から低圧部までを同一の材質で構成すること
が試みられている。ところで自家発電用蒸気ター
ビンについては使用蒸気温度が高々500℃であつ
たのに対し熱効率の向上から500℃以上の温度で
の使用にも耐える蒸気タービンや発電容量の大き
な蒸気タービンが望まれている。しかしこの種蒸
気タービン用ロータの構成材料として用いられて
いる表−1に示す如き組成の合金で高低圧一体型
蒸気タービン用ロータを構成した場合には次のよ
うな不都合さが認められる。
【表】
添付図は高低圧一体型蒸気タービンの構成例を
示す一部切欠断面図であるが、合金Aで高低圧一
体型蒸気タービン用ロータを構成した場合には蒸
気入口1附近………a部………の高温強度は充分
であるがロータ2中芯部の延性脆性遷移温度が80
〜120℃と高いため蒸気出口3附近………b部…
……の温度が50℃程度であるタービンロータ2に
ついては脆性破壊に対する安全性を充分に保障し
得ないと言う欠点がある。一方合金Bで構成した
場合にはロータ2中芯部の延性脆性遷移温度が室
温以下と低いことから蒸気出口3附近………b部
………のロータ2の脆性破壊に対する安全性を充
分確保しうる反面、蒸気入口1附近………a部…
……の高温強度が充分でなく、且つ構成合金がニ
ツケルを多重含むことから高温での長時間使用
(運転)において脆化し易いと言う不都合さがあ
る。さらに合金Cで構成した場合には蒸気入口1
………a部の高温強度が充分でなく、また蒸気出
口3附近………b部………の靭性も充分と言えな
い。即ち上記合金A、B、Cのいずれかを用いて
も構成された高低圧一体型蒸気タービン用ロータ
には一長一短があり、実用に供し難いと言う不都
合さがある。尚図において4は動翼を、5は静翼
を、6はケーシングをそれぞれ示す。 (発明が解決しようとする問題点) 従つて本発明は高温および低温ですぐれた強度
と低温でもすぐれた靭性とを有しており常に所要
の機能を発揮する高低圧一体型蒸気タービン用ロ
ータの製造法を提供しようとするものである。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 以下本発明を詳細に説明すると本発明は真空カ
ーボン脱酸後の化学組成が重量比で炭素(C)
(0.05〜0.3%、硅素(Si)0.1%以下、マンガン
(Mn)0.3〜1.5%、クロム(Cr)9.0〜13.0%、ニ
ツケル(Ni)0.5〜2.5%、モリブデン(Mo)0.5
〜2.0%、バナジウム(V)0.1〜0.5%、ニオブ
(Nb)0.01〜0.5%、残部鉄および附随的不純物よ
りなる低合金鋼を原料とし鋳造および鍛造により
蒸気タービン用ロータ素体を先ず形成した後、こ
のロータ素体をオーステナイト化する際、蒸気タ
ービンの使用時に高温蒸気に曝される高圧部、中
圧部にあたる部分を1000〜1150℃に、また低圧部
にあたる部分は950〜1050℃に、かつこの際中、
高圧部との温度差を50〜100℃とし加熱処理し焼
入れを行い、次いで焼入れしたロータ素体を550
〜700℃で焼戻し処理を施こし実質的に焼戻しマ
ルテンサイト組織を生じさせる工程とを具備する
とを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン用ロー
タの製造法である。 しかして上記本発明に係る高低圧一体型上記タ
ービン用ロータは従来使用されているクロム−モ
リブデン−バナジウム(Cr−Mo−V)系合金
(合金A)或いはクロム−モリブデン−バナジウ
ム−ニツケル(Cr−Mo−V−Ni)系合金(合金
B)などで構成したものに較べ高温強度および低
温での強度や靭性がすぐれており実用に充分供し
得るものである。 (作用) 本発明の高低圧一体型上記タービン用ロータを
構成する低合金鋼の組成分乃至組成比および製造
工程における熱処理条件などについて上記の如く
限定した理由を説明する。先ず上記低合金鋼の組
成分乃至組成比において炭素(C)は焼入性を向
上させ引張さや耐力を向上させるに必要な元素で
あるが、その量が0.05%未満ではフエライト相を
生成して実質的にマルテンサイト組織が得られ
ず、所要の引張強さや耐力を得ることが出来ず、
また0.30%を越えると靭性を低下させるのでこの
範囲とする。硅素(Si)およびマンガン(Mn)
は脱酸、脱硫剤として添加するものであるが、硅
素(Si)を多量に含有すると靭性を害することお
よび焼戻しの脆化度が大きくなるので0.10%以下
とする。一方マンガン(Mn)は焼入性を増し引
張強さを向上させるために、0.3%以上必要であ
るが硅素(Si)と同様に多量含有すると靭性を害
するので、1.5%以下とする。クロム(Cr)は高
温における強度を向上させ、また靭性を向上させ
るに必要な元素で、9.0%未満ではその効果が小
さくまた多量含有すると高温強度および靭性を低
下させるので13.0%の範囲内で選ばれる。さらに
ニツケル(Ni)は焼入性を向上させ低温におけ
る強度および靭性を向上させる元素であるが0.5
%未満ではその効果が十分でなくまた多量含有す
ると高温強度が低下するので、2.5%までとす
る。モリブデン(Mo)は焼入性を向上させまた
クロム(Cr)と同様高温強度を向上させるとと
もに焼戻し脆性を防止するに必要な元素で、0.5
%未満ではその効果が十分でなく多量含有すると
靭性を劣化させるので2.0%までとるす。バナジ
ウム(V)は高温強度を向上させるに必要な元素
であるが、0.1%未満ではその効果が十分でな
く、また多量含有すると靭性を劣化させることか
ら、0.5%までとした。さらにまたニオブ(Nb)
は結晶粒を微細にし靭性を向上させ、また微細な
炭化物を形成して高温強度を向上させるに必要な
元素であるがその量が0.01%未満ではその効果が
十分でなく、多量含有するとフエライト相が生成
して強度が低下するので、0.5%までとなり、上
記組成範囲の合金鋼でないと高低圧一体型タービ
ンロータとして所要の機能を果さないからであ
る。 なおこの発明に係る高低圧一体型タービンロー
タの如き大型鋼塊においては、局部的な合金成分
のばらつきからフエライト相が生成しクリープ破
壊強さの低下をきたす恐れがあるため以下に示す
式でクロム当量を11以下とするのが望ましい。 クム当量=−40×C%−30×N%−2×Mn% −4×Ni%+Cr%+4×Mo% +6×Si%+11×V%+5×Nb% 一方上記高低圧一体型タービンロータを製造す
るに際する熱処理において、高中圧部のオーステ
ナイト化温度は1000℃未満では十分な高温強度が
得られず、また1150℃を越えると高温での切欠弱
化が認められるためこの範囲とする。そして低圧
部のオーステナイト化温度は950℃未満ではフエ
ライト相が生成しやすく、低温の強度が十分に得
られず、また1050℃を越えると低温靭性が低下す
ることからこの範囲とする。 なお高・中圧部のオーステナイト化温度は低圧
部のオーステナイト化温度より50〜100℃高い温
度範囲で選ばれるが、この範囲外では製造が難し
く、また50%未満では高中圧部における強度およ
び低圧部における靭性靭性が得られず、また1000
℃を越えると十分な強度および靭性が得られなく
なる。さらにまた焼戻し温度については550℃未
満では十分な焼戻し効果が得られず、従つて良好
な高温強度や靭性を得れないし、700℃を越えた
温度でも焼戻しでは所要の強度を得られないから
である。 (実施例) 次に本発明の実施例を記載する。 まず表−2に示す化学組成の合金試料を用意し
溶解、鋳造した。この際鋳造の直前に真空カーボ
ン脱酸を実施した。鋳造後、熱間鋳造を行いロー
タモデルを作製した。
示す一部切欠断面図であるが、合金Aで高低圧一
体型蒸気タービン用ロータを構成した場合には蒸
気入口1附近………a部………の高温強度は充分
であるがロータ2中芯部の延性脆性遷移温度が80
〜120℃と高いため蒸気出口3附近………b部…
……の温度が50℃程度であるタービンロータ2に
ついては脆性破壊に対する安全性を充分に保障し
得ないと言う欠点がある。一方合金Bで構成した
場合にはロータ2中芯部の延性脆性遷移温度が室
温以下と低いことから蒸気出口3附近………b部
………のロータ2の脆性破壊に対する安全性を充
分確保しうる反面、蒸気入口1附近………a部…
……の高温強度が充分でなく、且つ構成合金がニ
ツケルを多重含むことから高温での長時間使用
(運転)において脆化し易いと言う不都合さがあ
る。さらに合金Cで構成した場合には蒸気入口1
………a部の高温強度が充分でなく、また蒸気出
口3附近………b部………の靭性も充分と言えな
い。即ち上記合金A、B、Cのいずれかを用いて
も構成された高低圧一体型蒸気タービン用ロータ
には一長一短があり、実用に供し難いと言う不都
合さがある。尚図において4は動翼を、5は静翼
を、6はケーシングをそれぞれ示す。 (発明が解決しようとする問題点) 従つて本発明は高温および低温ですぐれた強度
と低温でもすぐれた靭性とを有しており常に所要
の機能を発揮する高低圧一体型蒸気タービン用ロ
ータの製造法を提供しようとするものである。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 以下本発明を詳細に説明すると本発明は真空カ
ーボン脱酸後の化学組成が重量比で炭素(C)
(0.05〜0.3%、硅素(Si)0.1%以下、マンガン
(Mn)0.3〜1.5%、クロム(Cr)9.0〜13.0%、ニ
ツケル(Ni)0.5〜2.5%、モリブデン(Mo)0.5
〜2.0%、バナジウム(V)0.1〜0.5%、ニオブ
(Nb)0.01〜0.5%、残部鉄および附随的不純物よ
りなる低合金鋼を原料とし鋳造および鍛造により
蒸気タービン用ロータ素体を先ず形成した後、こ
のロータ素体をオーステナイト化する際、蒸気タ
ービンの使用時に高温蒸気に曝される高圧部、中
圧部にあたる部分を1000〜1150℃に、また低圧部
にあたる部分は950〜1050℃に、かつこの際中、
高圧部との温度差を50〜100℃とし加熱処理し焼
入れを行い、次いで焼入れしたロータ素体を550
〜700℃で焼戻し処理を施こし実質的に焼戻しマ
ルテンサイト組織を生じさせる工程とを具備する
とを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン用ロー
タの製造法である。 しかして上記本発明に係る高低圧一体型上記タ
ービン用ロータは従来使用されているクロム−モ
リブデン−バナジウム(Cr−Mo−V)系合金
(合金A)或いはクロム−モリブデン−バナジウ
ム−ニツケル(Cr−Mo−V−Ni)系合金(合金
B)などで構成したものに較べ高温強度および低
温での強度や靭性がすぐれており実用に充分供し
得るものである。 (作用) 本発明の高低圧一体型上記タービン用ロータを
構成する低合金鋼の組成分乃至組成比および製造
工程における熱処理条件などについて上記の如く
限定した理由を説明する。先ず上記低合金鋼の組
成分乃至組成比において炭素(C)は焼入性を向
上させ引張さや耐力を向上させるに必要な元素で
あるが、その量が0.05%未満ではフエライト相を
生成して実質的にマルテンサイト組織が得られ
ず、所要の引張強さや耐力を得ることが出来ず、
また0.30%を越えると靭性を低下させるのでこの
範囲とする。硅素(Si)およびマンガン(Mn)
は脱酸、脱硫剤として添加するものであるが、硅
素(Si)を多量に含有すると靭性を害することお
よび焼戻しの脆化度が大きくなるので0.10%以下
とする。一方マンガン(Mn)は焼入性を増し引
張強さを向上させるために、0.3%以上必要であ
るが硅素(Si)と同様に多量含有すると靭性を害
するので、1.5%以下とする。クロム(Cr)は高
温における強度を向上させ、また靭性を向上させ
るに必要な元素で、9.0%未満ではその効果が小
さくまた多量含有すると高温強度および靭性を低
下させるので13.0%の範囲内で選ばれる。さらに
ニツケル(Ni)は焼入性を向上させ低温におけ
る強度および靭性を向上させる元素であるが0.5
%未満ではその効果が十分でなくまた多量含有す
ると高温強度が低下するので、2.5%までとす
る。モリブデン(Mo)は焼入性を向上させまた
クロム(Cr)と同様高温強度を向上させるとと
もに焼戻し脆性を防止するに必要な元素で、0.5
%未満ではその効果が十分でなく多量含有すると
靭性を劣化させるので2.0%までとるす。バナジ
ウム(V)は高温強度を向上させるに必要な元素
であるが、0.1%未満ではその効果が十分でな
く、また多量含有すると靭性を劣化させることか
ら、0.5%までとした。さらにまたニオブ(Nb)
は結晶粒を微細にし靭性を向上させ、また微細な
炭化物を形成して高温強度を向上させるに必要な
元素であるがその量が0.01%未満ではその効果が
十分でなく、多量含有するとフエライト相が生成
して強度が低下するので、0.5%までとなり、上
記組成範囲の合金鋼でないと高低圧一体型タービ
ンロータとして所要の機能を果さないからであ
る。 なおこの発明に係る高低圧一体型タービンロー
タの如き大型鋼塊においては、局部的な合金成分
のばらつきからフエライト相が生成しクリープ破
壊強さの低下をきたす恐れがあるため以下に示す
式でクロム当量を11以下とするのが望ましい。 クム当量=−40×C%−30×N%−2×Mn% −4×Ni%+Cr%+4×Mo% +6×Si%+11×V%+5×Nb% 一方上記高低圧一体型タービンロータを製造す
るに際する熱処理において、高中圧部のオーステ
ナイト化温度は1000℃未満では十分な高温強度が
得られず、また1150℃を越えると高温での切欠弱
化が認められるためこの範囲とする。そして低圧
部のオーステナイト化温度は950℃未満ではフエ
ライト相が生成しやすく、低温の強度が十分に得
られず、また1050℃を越えると低温靭性が低下す
ることからこの範囲とする。 なお高・中圧部のオーステナイト化温度は低圧
部のオーステナイト化温度より50〜100℃高い温
度範囲で選ばれるが、この範囲外では製造が難し
く、また50%未満では高中圧部における強度およ
び低圧部における靭性靭性が得られず、また1000
℃を越えると十分な強度および靭性が得られなく
なる。さらにまた焼戻し温度については550℃未
満では十分な焼戻し効果が得られず、従つて良好
な高温強度や靭性を得れないし、700℃を越えた
温度でも焼戻しでは所要の強度を得られないから
である。 (実施例) 次に本発明の実施例を記載する。 まず表−2に示す化学組成の合金試料を用意し
溶解、鋳造した。この際鋳造の直前に真空カーボ
ン脱酸を実施した。鋳造後、熱間鋳造を行いロー
タモデルを作製した。
【表】
次いでこのロータモデルを高中圧部に相当する
部分をオーステナイト化温度1050℃に、また低圧
部に相当する部分をオーステナイト化温度1000℃
にそれぞれ設定し、加熱したのち表層部および中
心部の冷却速度をシミユレートした冷却速度で焼
入れした。そして、570℃および640℃二段焼戻し
を行なつた後、それらのモデル片について引張試
験、2ミリVノツチシヤルピー衝撃試験による50
%FATTの測定および高温クリープ破断試験を
行つた結果を表−3に示す。また参考までに前記
従来知られているロータ材A、B、Cをそれぞれ
用いた場合について表−4に示した。 なお実際のロータにおいて油中および水噴霧冷
却した場合のロータ表層部の冷却速度は約600
℃/時間以上、中心部の冷却速度は50〜100℃/
時間程である。
部分をオーステナイト化温度1050℃に、また低圧
部に相当する部分をオーステナイト化温度1000℃
にそれぞれ設定し、加熱したのち表層部および中
心部の冷却速度をシミユレートした冷却速度で焼
入れした。そして、570℃および640℃二段焼戻し
を行なつた後、それらのモデル片について引張試
験、2ミリVノツチシヤルピー衝撃試験による50
%FATTの測定および高温クリープ破断試験を
行つた結果を表−3に示す。また参考までに前記
従来知られているロータ材A、B、Cをそれぞれ
用いた場合について表−4に示した。 なお実際のロータにおいて油中および水噴霧冷
却した場合のロータ表層部の冷却速度は約600
℃/時間以上、中心部の冷却速度は50〜100℃/
時間程である。
【表】
【表】
[発明の効果]
表−3および表−4から明らかのように本発明
に係る高低圧一体型蒸気タービン用ロータの低圧
部は延性脆性遷移温度が低くまたその値が0℃以
下であることに伴ない脆性破壊に対する安全性も
向上する。しかも高圧部および中圧部に相当する
部分のクリープ破断強さも良好であるためタービ
ンの使用上記温度を向上させて熱効率の向上やタ
ービンの大容量化も図り得ると言う利点がある。
しかして本発明に係る高低圧一体型蒸気タービン
用ロータは中低圧用ロータとして用いうること勿
論である。
に係る高低圧一体型蒸気タービン用ロータの低圧
部は延性脆性遷移温度が低くまたその値が0℃以
下であることに伴ない脆性破壊に対する安全性も
向上する。しかも高圧部および中圧部に相当する
部分のクリープ破断強さも良好であるためタービ
ンの使用上記温度を向上させて熱効率の向上やタ
ービンの大容量化も図り得ると言う利点がある。
しかして本発明に係る高低圧一体型蒸気タービン
用ロータは中低圧用ロータとして用いうること勿
論である。
添付図は本発明を説明するための高低圧一体型
蒸気タービンの構成例を示す一部切欠断面図であ
る。 1……タービン蒸気入口、2……タービンロー
タ、3……タービン蒸気出口、4……動翼、5…
…静翼、6……ケーシング、a部……ロータの高
温強度を要求される部分、b部……ロータの靭性
を要求される部分。
蒸気タービンの構成例を示す一部切欠断面図であ
る。 1……タービン蒸気入口、2……タービンロー
タ、3……タービン蒸気出口、4……動翼、5…
…静翼、6……ケーシング、a部……ロータの高
温強度を要求される部分、b部……ロータの靭性
を要求される部分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 真空カーボン脱酸後の組成が、重量比で
C0.05〜0.3%、Si0.1%以下、Mn0.3〜1.5%、
Cr9.0〜13.0%、Mo0.5〜2.0%、V0.1〜0.5%、
Ni0.5〜2.5%、Nb0.01〜0.5%、残部Feおよび不
随的不純物よりなるFe基合金を溶解、鋳造し、
鍛造してタービンロータ形状素体に加工する工程
と、 前記タービンロータ形状素体について、高温蒸
気下、高圧部および中圧部に相当する部分を1000
〜1150℃で、低圧部に相当する部分を950〜1050
℃でかつ、この際中高圧部との温度差を50〜100
℃とし、それぞれ加熱処理乃至焼入れを行なう工
程と、 前記加熱処理等乃至焼入れ処理したタービンロ
ータ素体に550〜700℃で焼戻し処理を施して実質
的に焼戻しマルテンサイト組織を生じさせる工程
とを具備することを特徴とする高低圧一体型蒸気
タービン用ロータの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP304380A JPS56102559A (en) | 1980-01-17 | 1980-01-17 | Integrated high and low pressure rotor for steam turbine and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP304380A JPS56102559A (en) | 1980-01-17 | 1980-01-17 | Integrated high and low pressure rotor for steam turbine and its manufacture |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56102559A JPS56102559A (en) | 1981-08-17 |
JPS6260447B2 true JPS6260447B2 (ja) | 1987-12-16 |
Family
ID=11546277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP304380A Granted JPS56102559A (en) | 1980-01-17 | 1980-01-17 | Integrated high and low pressure rotor for steam turbine and its manufacture |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56102559A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0641723B2 (ja) * | 1984-06-20 | 1994-06-01 | 株式会社日立製作所 | 蒸気タ−ビン |
JPS6196062A (ja) * | 1984-10-17 | 1986-05-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 高温圧力容器用高クロム鋳鋼 |
JPS62192536A (ja) * | 1986-02-18 | 1987-08-24 | Nippon Chiyuutankou Kk | タ−ビンロ−タの製造法 |
JPH05113106A (ja) * | 1991-08-23 | 1993-05-07 | Japan Steel Works Ltd:The | 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法 |
-
1980
- 1980-01-17 JP JP304380A patent/JPS56102559A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56102559A (en) | 1981-08-17 |
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