JPS625826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷間静水圧加圧装置に関するもので
ある。

冷間静水圧加圧装置は、いわゆるCIP（Cold
Isostatic Pressing）装置といわれ、パスカルの
原理を粉末成形に応用した装置である。すなわ
ち、粉末をゴムのような変形抵抗の少ない袋の中
に密封し、該袋を上方開口の成形容器に収納し、
該成形容器をプレスフレーム内に収納して、プレ
スフレームに設けられた蓋体を成形容器の開口部
に上方より嵌着して密封し、成形容器内に高圧の
液圧を加え、粉末表面のあらゆる面をその液圧に
等しい加圧力で圧縮して成形するものである。

上記CIP装置において、蓋体と成形容器との嵌
合寸法は、内部の圧力が漏洩しないよう密嵌寸法
に成形されているため、成形容器の内径が大径
（約1000mm以上）になると、蓋体を閉める時、蓋
体が少しでも傾くと、外周部での傾きが非常に大
きくなり、いわゆるこじれ現象により、蓋体が嵌
着できなくなると云う問題が生じていた。

そこで、本考案は、上記問題点に鑑みて案出さ
れたものであり、蓋の嵌着を円滑に行なうことが
できる冷間静水圧加圧装置を提供することを目的
とする。従つて、その特徴とする処は、デイライ
トを有するプレスフレームと、該プレスフレーム
内に進退可能に設けられた高圧容器と、該高圧容
器の上部開口部に進退自在に嵌合し高圧容器の上
部開口部を密封・開放する上蓋と、上部プレスフ
レームの上方に設けられ前記上蓋を昇降させる上
蓋昇降用シリンダと、前記上蓋が下降し高圧容器
に嵌合した状態で上蓋の上面と上部プレスフレー
ムの下面との間に進退可能に設けられた受圧盤と
を含む冷間静水圧加圧装置であつて、前記上蓋の
フランジ部を対向する辺が各々平行となる八角形
に形成するとともに、前記上部プレスフレームの
下部に前記上蓋のフランジ部の対向する１対の辺
をはさんで各々平行に配置される一対の受圧盤移
動ガイドを取付け、さらに、前記上蓋フランジ部
における受圧盤移動ガイドに対面する辺に隣りあ
う２辺が摺動する上蓋昇降ガイドを受圧盤移動ガ
イドに各々２個ずつ取付けた点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基き詳述する。

第１，２図に示すものは、本考案に係る冷間静
水圧加圧装置の全体図であり、１はベース、２は
プレスフレームである。プレスフレーム２は、ベ
ース１上に載置され、成形容器３を進退可能に収
納するデイライトを有すべく、高張力鋼板をくり
抜き重ね合わせた構造とされている。

成形容器３は、上下端開口の筒状高圧容器であ
り、下端開口部は下蓋４で密閉され、上部開口部
５は、開閉自在な上蓋６で密閉されている。この
上蓋６は、その上面の中心部が、プレスフレーム
２上部に垂直姿勢に設けられた上蓋昇降用シリン
ダ７から下垂するシリンダロツド８に連結されて
おり、成形容器３がプレスフレーム２内の所定位
置に収納されたとき、該上蓋６はシリンダ７によ
り下降して成形容器３に嵌着される。

９は受圧盤であつて、成形容器３に嵌着された
上蓋６上面と、上部プレスフレーム２下面との間
に介在され、成形容器３の内圧をプレスフレーム
２に伝達するものである。この受圧盤９は上部プ
レスフレーム２下面に設けられた受圧盤移動ガイ
ド１０に沿つて水平方向に移動自在であり、上蓋
６上面とプレスフレーム２下面間に出入自在であ
る。

第３図は、成形容器３と上蓋６の嵌合が解除さ
れている状態であり、上蓋６はシリンダ７によつ
て上方に移動している。このとき受圧盤９は移動
ガイド１０に沿つて後方退避している。

第４図は、成形容器３に上蓋６が嵌合している
状態であり、上蓋６はシリンダ７によつて下方に
移動している。そして受圧盤９は上蓋６上面とプ
レスフレーム２下面間に侵入している。

さて、上記上蓋６は、第５図に示すように、そ
のフランジ部１１を対向する辺が各々平行となる
八角形に成形されている。そして上記受圧盤移動
ガイド１０は、上蓋６のフランジ部１１の対向す
る一対の辺１２，１２をはさんで各々平行に一対
配置されている。この一対の受圧盤移動ガイド１
０，１０に、各々一対の上蓋昇降ガイド１３，１
３，１３，１３が取付けられている。この昇降ガ
イド１３は、上蓋６の昇降時に上蓋６が傾斜しな
いようフランジ部１１をガイドするものであつ
て、受圧盤移動ガイド１０に対面するフランジ部
１１の辺１２に隣接する辺１４に摺接すべく設け
られている。従つて、各上蓋昇降ガイド１３は、
上蓋６中心点に対して対称位置に設けられてい
る。この上蓋昇降ガイド１３は、受圧盤移動ガイ
ド１０に摺動自在に設けられ、せりボルト１５に
よつて各辺１４との摺接具合が調整される。

尚、本考案は、上記実施例に限定されるもので
はない。

本考案によれば、上蓋形状を八角形とし、受圧
盤移動ガイドに上蓋昇降ガイドを４ケ所設け、上
蓋の対角４点をガイドすることにより、上蓋の傾
きを防止しているので、プレスフレームの中央部
に設けた１本の上蓋昇降用シリンダにて上蓋を成
形容器に着脱する場合、極めて円滑にその着脱が
行なわれ、かつパツキン寿命の向上を図ることが
できるものである。更に八角形の対向辺をはさむ
ように受圧盤移動ガイドが配置されているので、
上蓋上昇時、上蓋は移動ガイド間に収納されるた
め、成形容器上端面と上部フレーム下面間の距離
を短かくすることができ、装置をコンパクト化で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す全体正面図、第
２図は第１図−線断面図、第３図は上蓋開き
状態を示す断面図、第４図は上蓋閉じ状態を示す
断面図、第５図は第３図−線断面図である。 ２……プレスフレーム、３……成形容器（高圧
容器）、５……上部開口部、６……上蓋、７……
シリンダ、９……受圧盤、１０……受圧盤移動ガ
イド、１１……フランジ部、１２……辺、１３…
…上蓋昇降ガイド、１４……辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイライトを有するプレスフレーム２と、該プ
   レスフレーム２内に進退可能に設けられた高圧容
   器３と、該高圧容器の上部開口部５に進退自在に
   嵌合し高圧容器３の上部開口部５を密封開放する
   上蓋６と、上部プレスフレーム２の上方に設けら
   れ前記上蓋６を昇降させる上蓋昇降用シリンダ７
   と、前記上蓋６が下降し高圧容器３に嵌合した状
   態で上蓋６の上面と上部プレスフレーム２の下面
   との間に進退可能に設けられた受圧盤９とを含む
   冷間静水圧加圧装置であつて、前記上蓋６のフラ
   ンジ部１１を対向する辺が各々平行となる八角形
   に形成すると共に、前記上部プレスフレーム２の
   下部に、前記上蓋６のフランジ部１１の対向する
   １対の辺１２，１２をはさんで各々平行に配置さ
   れる１対の受圧盤移動ガイド１０，１０を取付
   け、更に、前記上蓋フランジ部１１における受圧
   盤移動ガイド１０，１０に対面する辺１２，１２
   に隣りあう辺１４，１４，１４，１４が摺動する
   上蓋昇降ガイド１３，１３，１３，１３を、受圧
   盤移動ガイド１０，１０に各々２個ずつ取付けた
   ことを特徴とする冷間静水圧加圧装置。