JPS6255569B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は石油燃焼器に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来灯芯降下により消火するものについては震
動消火装置を利用して瞬間的に消火させる方式
と、灯芯上下調節ツマミを回転させて消火させる
方式とがある。前者の方が消火が速い（10秒以
内）為安全であるが臭気が強い。これは芯収容部
の温度が高い為降下した灯芯から石油が気化し、
これがまだ熱い燃焼筒内で分解して、アセトアル
デヒド等の臭気の元となるからである。したがつ
て、通常消化時にこの前者の消火を行うと臭気が
問題となる。

発明の目的 そこで本発明は通常消火時には消火時間を長く
して臭気の発生を少なくし、地震等の振動時には
消火時間を短かくして安全性を高めたものであ
る。

発明の構成 そしてこの目的を達成するために本発明は灯芯
上下軸と、この灯芯上下軸に装着した消火歯車
と、前記灯芯を降下する方向に付勢するバネ手段
と、前記消火歯車を所定位置で係止する一つの係
止レバーと、この係止レバーを作動させて消火歯
車の係止を解除する消火操作体および震動感知器
とを備え、前記消火歯車には第１のツメ部とこの
第１ツメ部より高い第２のツメ部を設け、かつ消
火操作体は第１のツメ部と係止レバーとの係合を
解除し、震動感知器は第１、第２のツメ部と係止
レバーとの係合を解除するようにして石油燃焼器
である。

実施例の説明 第１図、第２図において１は円筒状の灯芯で、
内、外部に芯収容部を形成する円筒状の芯案内筒
２、芯外筒３がそれぞれ設けられ、芯案内筒２は
下タンク４に、芯外筒３はタンクパツキン５を介
して上タンク６に固定している。なお、上タンク
６と下タンク４は溶接により一体とする。灯芯１
の内側には円板状の芯固定金具７が糊付け及びツ
メで固定され、この芯固定金具７にラツク部を設
けた灯芯上下金具８が灯芯１の一部を介して溶接
されている。またこれに当接するようにピニオン
部をもつた芯調節軸９が上タンク６正面部に固定
されており、その途中には周囲にツメ加工し一部
分のみツメを高くした消火歯車１０が挿入固定さ
れており、先端にはツマミ１１が挿入されてい
る。１２はコイル状の消火バネで、下端は灯芯上
下金具８に固定され、上端は芯外筒３平面部に当
接し、灯芯１を灯芯上下金具８を介して下方向に
付勢している。消火歯車１０の通常ツメ部ａは震
動消火装置のレバー１３に当接、係止される。第
１図に示す震動感知器において、震消本体１５に
消火ボタン１６にインサートした軸１７を通し、
この軸１７を介してレバー１３とねじりバネ１８
が挿入され、レバー１３を消火歯車１０側に付勢
している。なお震消本体１５の前部右側には、消
火ボタン１６（消火操作体）が通常消火時に当接
するバネ板１４が、バネ支持金具２２に保持され
て設けられ、バネ支持金具２２は震消本体１５に
溶接等で保持されている。消火ボタン１６の左部
はピン１９、ピン２０を設ける為、一部を伸して
いる。このピン１９、ピン２０はレバー１３を押
し下げたり、持上げたりする為のものである。レ
バー１３の左部は穴ｃを介しておもり部２１が可
動自在に取付けられ、感震部になつている。次に
操作と作用を説明すると、点火時、ツマミ１１を
右回転し一回転弱でセツトした状態が、第１図、
第２図で、この状態で点火ヒータ（図示せず）で
灯芯１に点火し、芯外筒３の小穴ｄからの空気で
燃焼が始まり、芯外筒３、芯案内筒２上部に設置
した燃焼筒（図示せず）で正常燃焼する。通常消
火時は第３図、第４図に示すように、消火ボタン
１６をバネ板１４に当接するまで、押すと軸１７
を支点としてピン２０が一定位置まで持上る為レ
バー１３を持上げ消火歯車１０のツメａがはずれ
て消火バネ１２の付勢により、芯調節軸９が、左
回転し、高くなつたツメ部ｂが、レバー１３に当
接し止まる。（なお震消本体１５から下方に係止
片を伸ばし、この係止片に持上がり時のピン２０
が当接して、それ以上ピン２０の持上げが行われ
ないようにすることもできる。）この状態が、通
常消火である。この時灯芯１先端を芯外筒３、芯
案内筒２の火皿部ｅより浅く沈ましている（10〜
15mm）為上部には空気もあり、火皿部ｅに近い
為、芯外筒３芯内筒２の温度も高い為（約100
℃）灯芯１からの気化も長びき、消火時間が長く
なる（90〜200秒）。消火時の火は火皿部ｅで火が
くるくる回つている状態なので、燃焼筒、芯外筒
３芯案内筒２を温める程の熱量もない為、燃焼筒
は芯案内筒２を通してドラフトで空気が流入し、
急激に冷却され（１分30秒で最大部700℃から400
℃以下）消火した時には灯芯１から気化した灯油
を分解する温度（500〜700℃）以下になつてお
り、消火時の臭気は大きく低減する。

第５図、第６図は緊急消火時で、消火ボタン１
６をバネ板１４の付勢に抗して押し下げ（２〜３
Kgの押圧）たもので、さらにピン２０が持上が
り、その上にあるレバー１３を持上げるので、消
火歯車１０のツメ部ａ，ｂは共に外れる。このた
め、消火ストローク（火皿ｅより20〜24mm）まで
灯芯１が降下し、従来技術の芯案内筒２上部の小
穴ｇにより芯収容部に急激に空気が流入し、芯案
内筒２、芯外筒３の温度低下、灯芯１からの灯油
の気化の希薄化等により瞬間的（10秒以内）に消
火する。これは従来の瞬間消火と同じで燃焼筒の
温度が高い為、消火後の灯芯１からの灯油の気化
ガスが分解され刺激のある臭気が発生するが、緊
急時には問題とならない。

第７図、第８図は地震等の時の震動消火時で、
震動感知器のおもり部２１が倒れ、おもり部２１
のツバ部ｆで最大限レバー１３を持上げるので消
火歯車１０のツメ部ａ，ｂ共はずれて10秒以内に
消火する。なお上記実施例では消火ボタン１６下
にバネ板１４（コイルバネでもよい）を設ける構
成としたが、ピン２０の上に設けて通常消火時、
緊急消火時にピン２０にバネ板が当接するように
した構成であつてもよい。

発明の効果 本発明では通常消火による消火臭気の低減化
と、地震等の振動時の瞬間消火による安全性向上
が行えるとともに係止レバーは従来通り一つでよ
く構成も簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明の一実施例にかかる石
油燃焼器の通常燃焼時を示す要部正面断面図と要
部側面断面図、第３図、第４図は同通常消火時を
示す要部正面断面図と要部側面断面図、第５図、
第６図は同瞬間消火時を示す要部正面断面図と要
部側面断面図、第７図、第８図は同振動消火時を
示す要部正面断面図と要部側面断面図である。 １……灯芯、９……灯芯上下軸、１０……消火
歯車、１３……レバー（係止レバー）、１６……
消火ボタン（消火操作体）、２１……おもり部
（振動感知器）、ａ……ツメ部（第１のツメ部）、
ｂ……ツメ部（第２のツメ部）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 灯芯上下軸と、この灯芯上下軸に装着した消
   火歯車と、前記灯芯を降下する方向に付勢するバ
   ネ手段と、前記消火歯車を所定位置で係止する一
   つの係止レバーと、この係止レバーを作動させて
   消火歯車の係止を解除する消火操作体および震動
   感知器とを備え、前記消火歯車には第１のツメ部
   とこの第１ツメ部より高い第２のツメ部を設け、
   かつ消火操作体は第１のツメ部と係止レバーとの
   係合を解除し、震動感知器は第１、第２のツメ部
   と係止レバーとの係合を解除するようにした石油
   燃焼器。