JPS6254631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、カーボランダム、酸化アルミナの
如き研磨粒を合成樹脂製線条に混在させ、該線条
の多数本を二つに折り曲げ、その折り曲げた部分
を断面Ｕ字型の挾着金具に挾着固定し、該挾着金
具を研削工具用に巻曲形成した研削工具におい
て、前記線条を断面が偏平な長方形状をなすよう
に形成して研削効力を向上させた研削工具の改良
に関するものである。

カーボランダム、酸化アルミナの如き研磨粒を
第２図の如く合成樹脂製線条に混在させ、該研磨
粒の一部が該線条の表面に裸出するところにより
該線条の多数本を集束し、又は該線条の数本で第
３図の如く組紐状に編組したもの多数を集束し、
それを回転させて研磨、研削の用に供したものは
特許830307、830308、861682、その他によつて既
に知られている。それら従来のものは、第２図の
線条１を太く形成すると硬くて曲げにくいから挾
着金具５（第４図参照）への挾着がしにくく、そ
こで直径が１mm程度の太さのものとなしてあり、
しかしそれを第６図の如き形状となして回転研削
に供するときは、線条１の個々が撓みやすく、良
好な研削効果が得られなかつた。そこで線条１の
数本で第３図の如く組紐２に編んだ紐２を集束し
て第６図の如き形状となし、回転研削の用に供し
たが、その紐２も太さが太いから挾着金具５を細
くできず、研削工具が小形化できない欠点があつ
た。

この発明はこのようなところから、従来の線条
１を第４図の如く断面が偏平な長方形をなす線条
３となし、その特定の長さとなしたものを並べ第
４図の如く断面がＵ字形をなす挾着金具５に挾着
固定し、該挾着金具５を回転体に巻着固定したこ
とを特徴とするもので、かくして長方形線条３は
その厚みの方向へは従来の線条１と同様に容易に
撓むが、巾の方向へは剛性が大きいから挾みにく
く、この性質が第４図の如く挾着金具５の狭い隙
間への挿入挾着を容易にし、しかし該金具５の長
手方向への長手形線条３の撓曲性を強剛にし、ゆ
えに該金具５を第６図の如く回転体６へ巻着固定
するときは、その円周面６０及び側面６１での研
削能力は格段に向上し、研削効力の勝れた工具と
することができたのである。

添付図面の第１，４，６図に示す実施例におい
て、研削用合成樹脂製線条３は、ナイロンの如き
合成樹脂線条にカーボランダム、酸化アルミナの
如き研磨粒３０を混在させ、該研磨粒３０の一部
を線条３の表面に裸出させ、該線条３を断面が偏
平な長方形をなす形状に形成してある。その長方
形の条件としては線条３の厚みに対し巾が約３倍
の大きさ程度のもので、巾があまり大すぎると、
線条３を挾着する金具５の第６図の如き折曲加工
に障害を生じるようになるから、およそ３mmくら
いまでがよく、また厚みも0.5mm以上の厚みを可
とする。

以上の構成の長方形線条３の適当な長さとなし
たもの多数を並列し、その中央に芯線４を当て該
線条３を半分に折り曲げてその折曲部に前記芯線
４を挾み込み、該折曲部を断面Ｕ字形の挾着金具
５内に押し込み、該金具５の口辺部５０を左右両
側から挾圧して該金具５内に長方形線条３を固定
するときは、多数の長方形線条３群は第４図の如
く各単線条３の巾方向を同一方向に向けて金具５
に挾着固定されている。

その挾着金具５を所要大きさの回転体６の周面
に第６図の如く巻きつけ固定すると、該回転体６
は該回転体６から放射方向に延びる多数の長方形
線条３，３……で囲繞されており、そこでその回
転体６の軸６２を適宜回転機械に取付け、回転体
６に矢印方向への回転を与えるときは、長方形線
条群３が形成する円周面６０及びその側面６１は
強力な研削効果を発揮する。特に長方形線条３は
その巾方向への曲げに対しては強力に反撥するか
ら、その研削効力は強大となる特長がある。

長方形線条３は、それを挾着金具５へ挾着させ
るに当たつて、該線条３の２本、３本と重ねたも
のを半分に折曲し、その折曲部分を挾着金具５へ
挾み込んでもよいが、そのような挾着方法は、長
方形線条３の二重に重なつたところや三重に重な
つたところなど不揃いになるおそれがあり、また
金具５の大きさも大きくする必要があり、有利な
挾着方法とはいえない。そこで長方形線条３を１
本ずつ並列させるのが最も強力な挾着が得られる
が、しかしそのような挾着の場合、その金具５を
直径の小さい回転体６に巻きつけると、長方形線
条３，３……の周面６０において、該線条３の先
端相互が大きく離れる。そうなるといかに長方形
線条３がその巾方向への撓曲に対しては強剛であ
つても、厚み方向には曲がりやすいから、その曲
がりやすい方向への揺動が生じ、研削効力を低下
させるおそれがある。そこで長方形線条３を並列
させた中に第２図の丸線条１，１……を長方形線
条３の厚みに合わせた太さのものを混ぜ合わせ、
第５図の如く芯線７をまたぐようにして半分折し
たその曲折部を断面Ｕ字形の挾着金具８で挾着固
定し、該金具８を第７図の如く円筒状回転体９に
巻着固定するときは、長方形線条３，３……先端
の開いた間に丸線条１，１……が存在するように
なつて、前述の如き長方形線条３の厚み方向への
揺動が相当に防止され、したがつて研削効力を低
下させるおそれがない。

第３図に示す組紐２は、前述の如く丸線条１の
数本で組紐に編組したもので、これは丸線条１単
体のものよりもその撓性は格段に強剛である。し
かしこれとても長方形線条３の巾方向への強剛性
には敵するものではないが、該組紐２を前例（第
５図）における丸線条１のかわりに長方形線条３
に混合して金具８に挾着するときは、組紐２の撓
性が相当に強剛であるから、長方形線条３の厚み
方向への撓性を補強することができ、その金具８
で適宜研削工具を形成するときは、該工具の側面
（第６図の符号６１に相当する部分）での研削効
力を一層向上させることができる特長がある。

以上のようにこの発明の研削工具は、研磨粒を
混在する合成樹脂線条３を偏平な長方形とするこ
とにより、その巾方向への撓性を強剛にできたか
ら、該線条３の挾着金具５への挾着加工を阻害し
ないで研削効力を向上することができ、勝れた研
削工具とすることができたのである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明研削工具の実施例を示し、第
１図は本発明合成樹脂製線条の斜視図、第２図は
従来の合成樹脂製線条の斜視図、第３図は同線条
の数本で編組した組紐の斜視図、第４図は本発明
研削工具素材の斜視図、第５図は同第２実施例の
斜視図、第６図は本発明研削工具の第１実施例の
斜視図、第７図は同第２実施例の斜視図である。 １は丸線条、２は組紐、３は長方形線条、３０
は研磨粒、４，７は芯線、５，８は挾着金具、
６，９は回転体、６０は円周研削面、６１は側面
研削面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カーボランダム、酸化アルミナの如き研磨粒
   を混在し、該研磨粒の一部が表面に裸出する合成
   樹脂製線条を断面が偏平な長方形に形成し、該線
   条の特定長さとなしたもの多数を並列し、それを
   その線条のほゞ中央部において折り曲げ、その折
   曲部に芯線を当て、該芯線と共に前記折曲部を断
   面Ｕ字型の挾着金具を挾着固定し、該挾着金具を
   円筒形回転体周面に巻着固定した研削工具。 ２ カーボランダム、酸化アルミナの如き研磨粒
   を混在し、該研磨粒の一部が表面に裸出する合成
   樹脂製線条を断面が偏平な長方形に形成し、該線
   条の特定長さとなしたもの多数を並列し、該並列
   内に、該線条と同様の材質の断面が円形をなす丸
   線条の多数を敷き並べ、それらをその線条のほぼ
   中央部において折り曲げ、その折曲部に芯線を当
   て、該芯線と共に前記折曲部を断面Ｕ字型の挾着
   金具に挾着固定し、該挾着金具を円筒形回転体周
   面に巻着固定した特許請求の範囲第１番目に記載
   の研削工具。 ３ カーボランダム、酸化アルミナの如き研磨粒
   を混在し、該研磨粒の一部が表面に裸出する合成
   樹脂製線条を断面が偏平な長方形に形成し、該線
   条の特定長さとなしたもの多数を並列し、該並列
   内に、該線条と同様の材質の断面が円形をなす、
   丸線条の数本で組紐状に編組したもの多数を敷き
   並べ、それらをその線条のほゞ中央部において折
   り曲げ、その折曲部に芯線を当て、該芯線と共に
   前記折曲部を断面Ｕ字型の挾着金具に挾着固定
   し、該挾着金具を円筒形回転体周面に巻着固定し
   た特許請求の範囲第１番目及び同第２番目に記載
   の研削工具。