JPS6254220B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電力接続導体がその円筒外被面を
貫通するほぼ管状の容器を有し、電力接続導体が
容器内にその軸上又は軸と平行に配置されたしや
断間隙を形成する接点システムと共にＵ形の通電
路を形成し、接点システムがしや断時のアークに
作用する通電路のロレンツの力を打消すように働
く強磁性体付き補正装置を備えている電力用ガス
しや断器にかかわる。

Ｕ形の通電路が作る磁界はしや断間隙に生じた
アークをＵ字の開いている方向に反対方向に引伸
ばす力を生じさせる。第１図および第２図に示す
ように、Ｕ字状に形成された通電路に電流ｉが流
れると矢印Ｂで示す方向に磁束が生じ、この磁束
とアーク自身の電流によつて矢印ｊ×Ｂなる方向
の力が生じる。電流の向きが変ると矢印Ｂの向き
も変り力の方向は変らない。アークにかかる力が
作用すると、しや断間隙に設けられた消弧手段の
消弧能力が及ばない範囲へアークが逸脱するおそ
れがある。Ｕ形の通電路により発生しアークに一
方の側から作用する磁界が補正されたガスしや断
器は短絡電流容量が増加される。電力用ガスしや
断器の接点システムに電流に依存して働く強磁性
体を設けることは知られているけれども、既知の
補正装置は接点システムそれ自身の中に配置され
ている。接点システムから与えられる寸法により
決定される強磁性体の大きさは、場合によつては
特に大電流のときは効果が十分でない。

そこで例えば西独国特許出願公告2626245号に
よりノズル形のアーク電極を有するガスしや断器
の接点構成が公知であり、しや断器操作の過程に
おいてアークがアーク電極の中に引込まれる。ア
ーク電極はＵ形の断面を有する回転創成体を成
し、Ｕ形の両脚の間に輪状体を収容した空洞が形
成されている。この輪状体はアークの磁界により
磁化される強磁性材料から成り、ノズル軸の方向
に向う力を発生する。冒頭に述べた種類の電力用
ガスしや断器にこの種の接点構成を採用しても、
Ｕ形の通電路により生じアークに作用する力は、
アークに一方の側から作用するので十分に補正さ
れない、西独国特許公開第2815136号により公知
のように空洞の円周方向の一部分だけを充てんす
る強磁性体はより良好な作用を生じる。しかしな
がらこの公知の強磁性体の大きさは、電力用ガス
しや断器に対し与えられた接点構成の寸法形状に
より制限される。

この発明は、電力用ガスしや断器特にバツフア
形しや断器において、補正装置の効果を高め大き
い短絡電流をしや断できる構造を提供することを
目的としている。

この発明にもとづき強磁性体が接点システムの
外で容器の壁上にＵ形の通電路の両脚の間に配置
されることにより、この目的は達成される。

この発明の利用により強磁性体はもはやアーク
の影響特にアークの高温に直接さらされることは
ない。接点システムから遠ざけて強磁性体を配置
することにより、その形状が自由になり従つて補
正作用が生ずべき場所において求める磁界強さを
大きな短絡電流に対しても得ることが可能とな
る。特に有利な実施例は強磁性体を容器の内壁に
固定することにより構成される。その場合自明の
ように強磁性体がフエライトから成ることも又は
電気的に絶縁された板を積層して形成されること
も可能である。容器が導電性の特に磁化しうる材
料から成つているときは、強磁性体は同時に渦流
損による容器の過熱を防ぐ。

強磁性体は渦電流を誘起する主通電路の磁束の
変化を打消すように作用し、それによつて容器の
熱負荷の低減に寄与する。それに応じてしや断器
はより大きい定格電流で運転可能となる。

つぎに図面にもとづきこの発明の一実施例を述
べその作用を説明する。

第１図は実質的に管状の金属容器を有する電力
用ガスしや断器の透視図、第２図はこの発明にも
とづき強磁性体を内蔵する第１図のしや断器の管
状の容器の横断面図である。

第１図には管状の金属容器１を有する例えば
110kV用の電力用ガスしや断器が図示されてい
る。しや断器の電力接続導体２，３は分岐管４，
５により金属容器１の円筒形外被面６を貫通して
いる。金属容器１は一般に磁化しうる材料例えば
鋼から成つている。しや断器の電力接続導体２，
３を経て流れる短絡電流の影響のもとで、Ｕ形の
通電路７，７ａ，７ｂ，７ｃのために磁果が生じ
又場合によつては磁化しうる材料から成る金属容
器によつて増幅される。磁界はしや断操作の間に
発生するアークを場合によつては好ましくない方
法で接点システムからそらせる。アークに作用す
る磁力を補正するために第２図に示す強磁性体８
が用いられ、それは接点システムの外でＵ形の通
電路７の面脚７ａ，７ｃの間に配置されている。

図示の実施例においては、内壁１ａに固定され
た強磁性体８は相互に電気的に絶縁され、積層さ
れた複数の板８ａ，８ｂから成つている。

自明のように強磁性体８をフエライトで作るこ
とも可能である。

何れの場合においても、しや断過程を導入する
消弧の前にアークの安定化をもたらす補正磁界が
生じる。

上記の金属容器の代りに、非金属材料から成る
容器を用いることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は主として管状の金属容器を有する電力
用ガスしや断器の透視図、第２図はこの発明にも
とづく一実施例の強磁性体を内蔵する第１図のし
や断器の管状の容器の横断面図である。 図面において、１は金属容器、１ａは内壁、
２，３は電力接続導体、４，５は分岐管、６は円
管形外被面７はＵ形の通電路、７ａ，７ｂ，７ｃ
は通電路の一部分、８は強磁性体、８ａ，８ｂは
強磁性体を構成する複数の板、９，１０は接点シ
ステム、である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電力接続導体がその円筒外被面を貫通する実
   質的に管状の容器を有し、電力接続体が容器内に
   その軸上又は軸と平行に配置されたしや断間隙を
   形成する接点システムと共にＵ形の通電路を形成
   し、接点システムがしや断時のアークに作用する
   通電路のロレンツの力を打消すように働く強磁性
   体付き補正装置を備えている電力用ガスしや断器
   において、強磁性体が前記接点システムの外で前
   記容器の壁上にかつＵ形の通電路の両脚の間に配
   置されていることを特徴とする電力用ガスしや断
   器。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の装置におい
   て、強磁性体が容器の内壁上に固定されているこ
   とを特徴とする電力用ガスしや断器。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の装
   置において、強磁性体がフエライトから成ること
   を特徴とする電力用ガスしや断器。 ４ 特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の装
   置において、強磁性体が相互に絶縁され積層され
   た複数の板から構成されることを特徴とする電力
   用ガスしや断器。