JPS625212B2 - - Google Patents
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- JPS625212B2 JPS625212B2 JP57214687A JP21468782A JPS625212B2 JP S625212 B2 JPS625212 B2 JP S625212B2 JP 57214687 A JP57214687 A JP 57214687A JP 21468782 A JP21468782 A JP 21468782A JP S625212 B2 JPS625212 B2 JP S625212B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
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- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は熱延ままで極微細なフエライト結晶組
織を有する強度―延性バランスの優れた細粒組織
鋼板の製造法に関するものである。 ここで言う細粒組織は微細フエライト相より成
り、所望の機械的性質によつてはフエライト相以
外に他の微細な組織、例えばパーライト、ベーナ
イト、マルテンサイト、残留オーステナイト等の
うち一つまたは二つ以上を有しても良いし、炭・
窒化物などの析出物を有しても良い。 本発明で細粒フエライトと呼ぶ組織は、粒の形
の著しい伸長を伴わず、ほぼ等方的であり、また
原則としていわゆる大傾角粒界で囲まれた結晶粒
からなる組織を意味し、亜結晶粒界として見なし
ていない。 従来、鋼材の強化方法としては固溶体強化、硬
い組織(マルテンサイト、ベーナイト等)による
強化、析出硬化、転位による強化(加工硬化
等)、結晶粒の微細化などが知られている。これ
らの強化方法の内で強度と共に靭性を高くし、薄
板の強度―延性バランスを良好にする方法として
は結晶粒を微細化するのが唯一のものである。し
かも成分による強化法ではないので成分コストを
低く抑えられるので、もし従来にない細粒が得ら
れれば高材質の低コストな高強度鋼板を製造でき
る。 従来技術では実生産において最も細いフエライ
ト粒径として3〜4μmが得られているが、これ
以下の粒径を得る事は非常に困難であつた。 ところで変態後のフエライト粒径の微細化のた
めに従来考えられてきた方法は以下の通りであ
る。 (1) 変態前のオーステナイト粒径の微細化。 オーステナイト/フエライト変態時に変態核
は主にオーステナイト結晶粒界上に生成する。
従つてオーステナイト粒径を微細化して粒界面
積を大きくする事は変態核の密度を上昇させ変
態後のフエライト粒径を小さくする。オーステ
ナイト粒径を小さくするには再結晶温度域にお
いて加工―再結晶を繰り返す事が一般に行なわ
れる。この時静的再結晶が起るならば粒径は圧
下率に反比例し、動的再結晶が起るならば粒径
は歪速度が大なる程また温度が低い程小さくな
る。 (2) 変態前のオーステナイトに歪を残存させる。 オーステナイトの未再結晶温度域で加工する
と加工歪の一部は解放されずに蓄積し、変形帯
と呼ばれる歪の高い部分が結晶粒内にでき、フ
エライト変態の核生成場所となる。加工量が十
分に大きく変形帯密度が大ならば変態後のフエ
ライト粒径は小さくなる。制御圧延と言われる
技術がこの方法であり、従来技術では最も小さ
いフエライト粒が得られるもので工業的に3〜
4μの結晶を得る事が可能である。 (3) 変態時の冷却速度を大きくする。 オーステナイト/フエライト変態時に冷却速
度を大きくすると過冷却度が大きくなるために
変態核の生成数が多くなり、さらに早く低温に
なる為に粒成長も抑制されフエライト粒径は小
さくなる。 上記(1)〜(3)の方法は良く知られている細粒化法
であるが、これらによつて得られるフエライト粒
径には限度がある。すなわち従来法(1)のオーステ
ナイトを細粒化する方法では静的再結晶の場合で
も動的再結晶の場合でも実生産上得られるオース
テナイト粒径は5μ程度が限界でありその状態か
ら急速冷却を行なつてもオーステナイト粒/フエ
ライト粒変換比はオーステナイト粒径が小さくな
る程1に近付くので得られるフエライト粒径は変
態前のオーステナイト粒径に近いものしか得られ
ない。 従来法(2)の未再結晶オーステナイトに変形帯を
導入するいわゆる制御圧延法では未再結晶域の圧
下率を十分大きく与えさえすればかなりの細粒フ
エライトが得られるが、実生産上では3μ程度が
限界である。しかしこの方法には未再結晶温度域
を拡げるためにNb等の合金元素を添加しなけれ
ばならず合金元素添加によるコスト高が必然的に
生ずる。 従来法(3)においては、冷却速度は大きい程好ま
しいが、大き過ぎるとかえつてフエライト変態が
抑制されてマルテンサイト等の焼入組織が生成し
てしまうので自ずから限度がある。 以上の様に従来の細粒化法には限界があり、実
生産において3μ以下のフエライト粒を得るのは
非常に困難で製造コストは高いものになる。 本発明者らは熱延鋼板の成分系、圧延・冷却プ
ロセスについて研究した結果、前述したような従
来の細粒化法と全く異なつた原理を発見し、従来
法では到底得る事のできない細粒組織からなる新
しい高強度熱延鋼板の製造法を開発したのであ
る。 すなわち本発明の要旨とするところは下記のと
おりである。 (1) C0.3%以下、Si1.5%以下、Mn2.0%以下、
その他の合金元素含有量3%以下である鋼を熱
間圧延するに際し、該熱間圧延の終段におい
て、600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回ま
たは2回以上の合計圧下率が65%以上になるよ
うな加工を加えることを特徴とする極細粒熱延
鋼板の製造方法。 (2) C0.3%以下、Si1.5%以下、Mn2.0%以下、
その他の合金元素含有量3%以下である鋼を熱
間圧延するに際し、該熱間圧段の終段におい
て、600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回ま
たは2回以上の合計圧下率が65%以上になるよ
うな加工を加えた後、5秒以内に10℃/sec以
上の冷却速度で600℃以下の温度に至らしめる
ことを特徴とする極細粒熱延鋼板の製造方法。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明による鋼組織の極細粒化は圧延等の加工
によつてフエライト組織を動的あるいは準動的に
再結晶させることによつて得るものである。 従来の熱間圧延条件では、フエライト組織は積
層欠陥エネルギーが高いため回復が顕著に進み、
かかる熱間圧延工程で再結晶がしにくいことが知
られている。しかし、本発明によれば、かかるフ
エライト組織も十分に加工を受けるため、熱延中
又は熱延直後に再結晶する。 このようにして得られた組織は極細粒組織で粒
の形状の著るしい伸長を伴わず、ほぼ等方的な且
つ強度―延性バランスの良い高張力熱延鋼板とし
て優れた性質を示す。 但し、上記組織は細粒なるが故に粒成長が始ま
ると粒成長速度が速く、従つて熱延後短時間の内
に急冷しないと成分によつては顕著な粒成長を示
す材料があるので、熱延終了後直ちに急冷する必
要がある。 以下、本発明の限定理由について述べる。 本発明の出発鋼の化学成分を限定した理由は次
の通りである。 先ず、炭素量を0.3%以下にした理由は、一般
に炭素量が大きくなるとフエライト量が減少し、
パーライト等の量が多くなつてフエライト主体の
鋼を得ることが難かしくなるからである。 Siは強度を高めるばかりでなくγ→α変態開始
温度を顕著に上げる効果があり、本発明鋼の加工
条件であるAr3変態点とフエライト再結晶可能温
度の温度域を広めるため添加が望まれるが、1.5
%超であると延性の劣化が大きくなるので、1.5
%以下とした。 Mnの添加はSiと同様に鋼を強化するが、2.0%
超の添加は溶製上又はコストの点で不適当であ
る。 上記以外の合金元素の合計を3%以下に限定し
た理由は、これ以上添加するとAr3変態点が低く
なり過ぎたり、微細な析出物が生成したりしてフ
エライト組織が十分に再結晶せず、伸長した加工
組織を示し、延性の大きな劣化を示すからであ
る。 次に、本発明における圧延条件について説明す
る。 本発明で規定した圧延条件、即ち、終段におい
て600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回又は2
回以上の合計圧下率が65%以上という圧延条件は
フエライト組織を加工中あるいは加工直後に再結
晶させるのに適した条件である。 圧下率が65%未満であるとフエライトが熱延工
程で十分再結晶を起さない。加工温度が600℃以
下に下がるとやはり同様のことが言える。一方、
加工温度がAr3変態点を超えるとフエライト粒の
細粒化はオーステナイト粒の細粒化によりフエラ
イト生成サイトを増加させることに基くもので本
発明の意図と異る。フエライトを動的に再結晶さ
せるにはオーステナイトが一部含まれているAr3
〜Ar1の温度範囲の2相域の圧延が特に有利であ
る。 本発明において、熱間加工の終段において、2
秒以内の間に鋼板に加える合計圧下率の上限は95
%とする。これは、現在の圧延技術では、2秒以
内の間に鋼板に合計圧下率95%以上の圧下を適用
することが極めて困難であり、実際的でないから
である。 前記した本発明の限定条件に従つて得られた熱
延鋼板は組織が非常に微細になるが、場合によつ
ては熱間圧延終了後直ちに冷却しないと粒成長を
起し、細粒組織が得られにくくなる。そのため熱
延終了後5秒以内に10℃/s以上の冷却速度で
600℃以下の温度まで冷却し、又マルテンサイト
との2相組織を得たい時は250℃以下まで冷却す
る必要がある。一方薄手熱延鋼板では空冷でも上
記冷却速度が得られ十分微細な組織を得ることが
可能である。 本発明の実施に際し、熱間加工終了後、5秒以
内に鋼板に適用する冷却における冷却速度は、10
℃/s以上が必要十分条件であるけれども、現在
の鋼板冷却技術では、2000℃/sが、限界であ
る。従つて、冷却速度の上限を2000℃/sとし
た。 次に本発明を実施例にもとづき説明する。 表1に示す化学成分の鋼を表2に示す圧延スケ
ヂユールで圧延を行つた。表3にその結果を示
す。本実施例ではスラブ加熱温度を1250℃とした
が、熱エネルギー的にも、細粒化促進の面からも
低温加熱が有利である。
織を有する強度―延性バランスの優れた細粒組織
鋼板の製造法に関するものである。 ここで言う細粒組織は微細フエライト相より成
り、所望の機械的性質によつてはフエライト相以
外に他の微細な組織、例えばパーライト、ベーナ
イト、マルテンサイト、残留オーステナイト等の
うち一つまたは二つ以上を有しても良いし、炭・
窒化物などの析出物を有しても良い。 本発明で細粒フエライトと呼ぶ組織は、粒の形
の著しい伸長を伴わず、ほぼ等方的であり、また
原則としていわゆる大傾角粒界で囲まれた結晶粒
からなる組織を意味し、亜結晶粒界として見なし
ていない。 従来、鋼材の強化方法としては固溶体強化、硬
い組織(マルテンサイト、ベーナイト等)による
強化、析出硬化、転位による強化(加工硬化
等)、結晶粒の微細化などが知られている。これ
らの強化方法の内で強度と共に靭性を高くし、薄
板の強度―延性バランスを良好にする方法として
は結晶粒を微細化するのが唯一のものである。し
かも成分による強化法ではないので成分コストを
低く抑えられるので、もし従来にない細粒が得ら
れれば高材質の低コストな高強度鋼板を製造でき
る。 従来技術では実生産において最も細いフエライ
ト粒径として3〜4μmが得られているが、これ
以下の粒径を得る事は非常に困難であつた。 ところで変態後のフエライト粒径の微細化のた
めに従来考えられてきた方法は以下の通りであ
る。 (1) 変態前のオーステナイト粒径の微細化。 オーステナイト/フエライト変態時に変態核
は主にオーステナイト結晶粒界上に生成する。
従つてオーステナイト粒径を微細化して粒界面
積を大きくする事は変態核の密度を上昇させ変
態後のフエライト粒径を小さくする。オーステ
ナイト粒径を小さくするには再結晶温度域にお
いて加工―再結晶を繰り返す事が一般に行なわ
れる。この時静的再結晶が起るならば粒径は圧
下率に反比例し、動的再結晶が起るならば粒径
は歪速度が大なる程また温度が低い程小さくな
る。 (2) 変態前のオーステナイトに歪を残存させる。 オーステナイトの未再結晶温度域で加工する
と加工歪の一部は解放されずに蓄積し、変形帯
と呼ばれる歪の高い部分が結晶粒内にでき、フ
エライト変態の核生成場所となる。加工量が十
分に大きく変形帯密度が大ならば変態後のフエ
ライト粒径は小さくなる。制御圧延と言われる
技術がこの方法であり、従来技術では最も小さ
いフエライト粒が得られるもので工業的に3〜
4μの結晶を得る事が可能である。 (3) 変態時の冷却速度を大きくする。 オーステナイト/フエライト変態時に冷却速
度を大きくすると過冷却度が大きくなるために
変態核の生成数が多くなり、さらに早く低温に
なる為に粒成長も抑制されフエライト粒径は小
さくなる。 上記(1)〜(3)の方法は良く知られている細粒化法
であるが、これらによつて得られるフエライト粒
径には限度がある。すなわち従来法(1)のオーステ
ナイトを細粒化する方法では静的再結晶の場合で
も動的再結晶の場合でも実生産上得られるオース
テナイト粒径は5μ程度が限界でありその状態か
ら急速冷却を行なつてもオーステナイト粒/フエ
ライト粒変換比はオーステナイト粒径が小さくな
る程1に近付くので得られるフエライト粒径は変
態前のオーステナイト粒径に近いものしか得られ
ない。 従来法(2)の未再結晶オーステナイトに変形帯を
導入するいわゆる制御圧延法では未再結晶域の圧
下率を十分大きく与えさえすればかなりの細粒フ
エライトが得られるが、実生産上では3μ程度が
限界である。しかしこの方法には未再結晶温度域
を拡げるためにNb等の合金元素を添加しなけれ
ばならず合金元素添加によるコスト高が必然的に
生ずる。 従来法(3)においては、冷却速度は大きい程好ま
しいが、大き過ぎるとかえつてフエライト変態が
抑制されてマルテンサイト等の焼入組織が生成し
てしまうので自ずから限度がある。 以上の様に従来の細粒化法には限界があり、実
生産において3μ以下のフエライト粒を得るのは
非常に困難で製造コストは高いものになる。 本発明者らは熱延鋼板の成分系、圧延・冷却プ
ロセスについて研究した結果、前述したような従
来の細粒化法と全く異なつた原理を発見し、従来
法では到底得る事のできない細粒組織からなる新
しい高強度熱延鋼板の製造法を開発したのであ
る。 すなわち本発明の要旨とするところは下記のと
おりである。 (1) C0.3%以下、Si1.5%以下、Mn2.0%以下、
その他の合金元素含有量3%以下である鋼を熱
間圧延するに際し、該熱間圧延の終段におい
て、600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回ま
たは2回以上の合計圧下率が65%以上になるよ
うな加工を加えることを特徴とする極細粒熱延
鋼板の製造方法。 (2) C0.3%以下、Si1.5%以下、Mn2.0%以下、
その他の合金元素含有量3%以下である鋼を熱
間圧延するに際し、該熱間圧段の終段におい
て、600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回ま
たは2回以上の合計圧下率が65%以上になるよ
うな加工を加えた後、5秒以内に10℃/sec以
上の冷却速度で600℃以下の温度に至らしめる
ことを特徴とする極細粒熱延鋼板の製造方法。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明による鋼組織の極細粒化は圧延等の加工
によつてフエライト組織を動的あるいは準動的に
再結晶させることによつて得るものである。 従来の熱間圧延条件では、フエライト組織は積
層欠陥エネルギーが高いため回復が顕著に進み、
かかる熱間圧延工程で再結晶がしにくいことが知
られている。しかし、本発明によれば、かかるフ
エライト組織も十分に加工を受けるため、熱延中
又は熱延直後に再結晶する。 このようにして得られた組織は極細粒組織で粒
の形状の著るしい伸長を伴わず、ほぼ等方的な且
つ強度―延性バランスの良い高張力熱延鋼板とし
て優れた性質を示す。 但し、上記組織は細粒なるが故に粒成長が始ま
ると粒成長速度が速く、従つて熱延後短時間の内
に急冷しないと成分によつては顕著な粒成長を示
す材料があるので、熱延終了後直ちに急冷する必
要がある。 以下、本発明の限定理由について述べる。 本発明の出発鋼の化学成分を限定した理由は次
の通りである。 先ず、炭素量を0.3%以下にした理由は、一般
に炭素量が大きくなるとフエライト量が減少し、
パーライト等の量が多くなつてフエライト主体の
鋼を得ることが難かしくなるからである。 Siは強度を高めるばかりでなくγ→α変態開始
温度を顕著に上げる効果があり、本発明鋼の加工
条件であるAr3変態点とフエライト再結晶可能温
度の温度域を広めるため添加が望まれるが、1.5
%超であると延性の劣化が大きくなるので、1.5
%以下とした。 Mnの添加はSiと同様に鋼を強化するが、2.0%
超の添加は溶製上又はコストの点で不適当であ
る。 上記以外の合金元素の合計を3%以下に限定し
た理由は、これ以上添加するとAr3変態点が低く
なり過ぎたり、微細な析出物が生成したりしてフ
エライト組織が十分に再結晶せず、伸長した加工
組織を示し、延性の大きな劣化を示すからであ
る。 次に、本発明における圧延条件について説明す
る。 本発明で規定した圧延条件、即ち、終段におい
て600℃〜Ar3の温度域で2秒以内に1回又は2
回以上の合計圧下率が65%以上という圧延条件は
フエライト組織を加工中あるいは加工直後に再結
晶させるのに適した条件である。 圧下率が65%未満であるとフエライトが熱延工
程で十分再結晶を起さない。加工温度が600℃以
下に下がるとやはり同様のことが言える。一方、
加工温度がAr3変態点を超えるとフエライト粒の
細粒化はオーステナイト粒の細粒化によりフエラ
イト生成サイトを増加させることに基くもので本
発明の意図と異る。フエライトを動的に再結晶さ
せるにはオーステナイトが一部含まれているAr3
〜Ar1の温度範囲の2相域の圧延が特に有利であ
る。 本発明において、熱間加工の終段において、2
秒以内の間に鋼板に加える合計圧下率の上限は95
%とする。これは、現在の圧延技術では、2秒以
内の間に鋼板に合計圧下率95%以上の圧下を適用
することが極めて困難であり、実際的でないから
である。 前記した本発明の限定条件に従つて得られた熱
延鋼板は組織が非常に微細になるが、場合によつ
ては熱間圧延終了後直ちに冷却しないと粒成長を
起し、細粒組織が得られにくくなる。そのため熱
延終了後5秒以内に10℃/s以上の冷却速度で
600℃以下の温度まで冷却し、又マルテンサイト
との2相組織を得たい時は250℃以下まで冷却す
る必要がある。一方薄手熱延鋼板では空冷でも上
記冷却速度が得られ十分微細な組織を得ることが
可能である。 本発明の実施に際し、熱間加工終了後、5秒以
内に鋼板に適用する冷却における冷却速度は、10
℃/s以上が必要十分条件であるけれども、現在
の鋼板冷却技術では、2000℃/sが、限界であ
る。従つて、冷却速度の上限を2000℃/sとし
た。 次に本発明を実施例にもとづき説明する。 表1に示す化学成分の鋼を表2に示す圧延スケ
ヂユールで圧延を行つた。表3にその結果を示
す。本実施例ではスラブ加熱温度を1250℃とした
が、熱エネルギー的にも、細粒化促進の面からも
低温加熱が有利である。
【表】
【表】
【表】
【表】
表3に示す結果から、本発明範囲内の実施番号
1,2,6,7,8および12によつて得られた鋼
板はいずれも極細粒組織を示し、強度―延性バラ
ンスの優れた材質を示す。一方、本発明範囲外で
圧延―冷却して得られた鋼板は加工組織を示す
か、細粒組織にはならず延性が極端に悪いか(実
施番号3,5)あるいは十分な強度が達成でき
ず、本発明の意図する強度―延性バランスの優れ
た高張力熱延鋼板は得られないことが判る。 又この実施例が示すように材料Bの場合には
550℃捲取で70Kg/mm2級の強度が得られ、200℃以
下の捲取では80Kg/mm2級の材質も確保できる。一
方材料Aの低炭素鋼でも50Kg/mm2級の強度が得ら
れ、従来の製造法と本発明の製造法によつて単一
成分で広範囲の強度を持つ熱延鋼板を造り分ける
ことが可能になつた。
1,2,6,7,8および12によつて得られた鋼
板はいずれも極細粒組織を示し、強度―延性バラ
ンスの優れた材質を示す。一方、本発明範囲外で
圧延―冷却して得られた鋼板は加工組織を示す
か、細粒組織にはならず延性が極端に悪いか(実
施番号3,5)あるいは十分な強度が達成でき
ず、本発明の意図する強度―延性バランスの優れ
た高張力熱延鋼板は得られないことが判る。 又この実施例が示すように材料Bの場合には
550℃捲取で70Kg/mm2級の強度が得られ、200℃以
下の捲取では80Kg/mm2級の材質も確保できる。一
方材料Aの低炭素鋼でも50Kg/mm2級の強度が得ら
れ、従来の製造法と本発明の製造法によつて単一
成分で広範囲の強度を持つ熱延鋼板を造り分ける
ことが可能になつた。
Claims (1)
- 1 重量%で、C:0.3%以下、Si:1.5%以下、
Mn:2.0%以下、その他の合金元素含有量3%以
下である鋼を、熱間圧延するに際し、該熱間圧延
の終段において、600℃〜Ar3の温度域で、2秒
以内の間に、1回または2回以上の圧延パスにお
ける合計圧下率が65%以上、95%以下となる加工
を加え、該熱間加工終了後5秒以内に、10℃/s
以上、2000℃/s以下の冷却速度で、600℃以下
の温度域まで冷却することを特徴とする極細粒熱
延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21468782A JPS59107023A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | 極細粒熱延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21468782A JPS59107023A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | 極細粒熱延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59107023A JPS59107023A (ja) | 1984-06-21 |
JPS625212B2 true JPS625212B2 (ja) | 1987-02-03 |
Family
ID=16659921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21468782A Granted JPS59107023A (ja) | 1982-12-09 | 1982-12-09 | 極細粒熱延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59107023A (ja) |
Families Citing this family (9)
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---|---|---|---|---|
JPS61204328A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Kawasaki Steel Corp | 耐リジング性と耐食性に優れる加工用アズロ−ルド薄鋼板の製造方法 |
JPS61204320A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Kawasaki Steel Corp | 耐リジング性に優れる加工用アズロ−ルド薄鋼板の製造方法 |
JPS61204322A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Kawasaki Steel Corp | 面内異方性が小さく耐リジング性に優れる加工用アズロ−ルド薄鋼板の製造方法 |
JPS61204323A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Kawasaki Steel Corp | 面内異方性が小さく耐リジング性に優れる加工用アズロ−ルド薄鋼板の製造方法 |
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CN1332043C (zh) * | 1999-10-19 | 2007-08-15 | 阿斯帕克特有限公司 | 超细晶粒的非合金钢或低合金钢的生产方法 |
JP2007301623A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Nippon Steel & Sumikin Welding Co Ltd | 薄鋼板の横向重ね継手の高速ガスシールドアーク溶接方法 |
JP6036617B2 (ja) * | 2013-09-10 | 2016-11-30 | Jfeスチール株式会社 | 靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
JP6620446B2 (ja) * | 2015-07-30 | 2019-12-18 | 日本製鉄株式会社 | 熱延鋼板およびその製造方法 |
Citations (3)
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JPS58174523A (ja) * | 1982-04-03 | 1983-10-13 | Nippon Steel Corp | 極細粒高強度熱間加工鋼材の製造法 |
JPS5959827A (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-05 | Nippon Steel Corp | 加工性の優れた熱延鋼板の製造方法 |
-
1982
- 1982-12-09 JP JP21468782A patent/JPS59107023A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59107023A (ja) | 1984-06-21 |
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