JPS625209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内燃機関のオイルフイルタにおけ
るドレーン装置に関する。

オイルフイルタのフイルタエレメントの交換
は、ケーシング内のフイルタエレメントのみ、あ
るいはケーシングとともにカートリツジ式に交換
されるようになつているが、特にカートリツジ式
交換する形式のものでは、フイルタ本体の下部を
取付基部にて支持したいわゆる倒立型に取付けら
れる場合が多い。このような倒立型オイルフイル
タにおいては、フイルタエレメントの交換の際
に、フイルタ本体内に溜つていたオイルが外部へ
流出してしまうために、機関周辺を汚染すること
が多く、とりわけオイルフイルタの取付位置によ
つては、流出オイルを容器等により受けることが
できずに著しい油汚れを生じる場合がある。

この考案は上記のような従来の問題に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、オイル
フイルタ内部の濾過後および濾過前のオイルを瞬
時に機関オイルパンに排出し得るドレーン装置を
提供し、これによりフイルタエレメント交換時の
油汚れを防止することにある。

すなわち、この考案に係るオイルフイルタのド
レーン装置は、フイルタエレメントを収納したフ
イルタ本体と、このフイルタ本体の下部を支持
し、かつ入口通路および出口通路を有する取付基
部とからなるオイルフイルタにおいて、上記取付
基部に機関のオイルパンに連通するドレーン通路
を形成し、かつ入口通路および出口通路をそれぞ
れ上記ドレーン通路に接続するとともに、この接
続部に、それぞれの通路間を同時に開閉するドレ
ーンバルブを設けたことを特徴とする。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

第１図から第４図は、この考案を適用したオイ
ルフイルタを示すもので、このオイルフイルタは
カートリツジ式に交換可能なフイルタ本体１と取
付基部２とから構成されている。上記フイルタ本
体１は、有底円筒状のケーシング３内に円筒状の
エレメント４を収納するとともに、該ケーシング
３の下端開口部をベースプレート５にて封止した
ものであつて、上記ベースプレート５の中心にオ
イル出口となるネジ部６が開口し、かつ周縁にオ
イル入口となる連通孔７が開口している。

一方、上記フイルタ本体１を着脱可能に支持す
る取付基部２は、上記フイルタ本体１下端面を受
ける円盤状の座部８を有するとともに、該座部８
の中心に取付筒部９が立設されており、該取付筒
部９に上記ベースプレート５のネジ部６が螺合す
ることによつて、上記フイルタ本体１が固定され
るようになつている。また、図示せぬシリンダー
ブロツクに対する取付面１０には、第３図に示す
ように入口ポート１１、出口ポート１２およびド
レーンポート１３が区画されて形成されている。
上記入口ポート１１は、第２図に示すように入口
通路１４から環状凹部１５に連通し、ここから上
記ベースプレート５の連通孔７を通してフイルタ
エレメント４の外周側に連通している。上記出口
ポート１２は、出口通路１６および上記取付筒部
９内を通してフイルタエレメント４の内周側に連
通している。

また、上記ドレーンポート１３は、第４図に示
すようにドレーン通路１７を介してバルブ収納部
１８に連通しているとともに、上記バルブ収納部
１８は大径部１８ａおよび小径部１８ｂからな
り、上記大径部１８ａ側面に上記入口通路１４が
連通孔１９を介して接続され、かつ上記小径部１
８ｂ側面に上記出口通路１６が連通孔２０を介し
て接続されている。そして、上記バルブ収納部１
８の大径部１８ａの内周には螺条が刻設されてお
り、ここにドレーンバルブ２１が螺合している。

上記ドレーンバルブ２１は、六角頭部２１ａ
と、上記大径部１８ａに螺合するネジ部２１ｂ
と、上記小径部１８ｂに比較的密に嵌合し得る中
間部２１ｃと、これによりもさらに小径なドレー
ン通路１７に比較的密に嵌合し得る先端部２１ｄ
とを有し、かつ上記中間部２１ｃと上記先端部２
１ｄのそれぞれの先端側にシールリング２２，２
３が嵌着されている。

すなわち、第４図の実線に示す状態では、一方
のシールリング２３が出口通路１６とドレーン通
路１７との間を閉路し、かつ他方のシールリング
２２が入口通路１４とドレーン通路１７および出
口通路１６との間を閉路しているが、上記ドレー
ンバルブ２１を緩めて、第４図の想像線に示す状
態まで後退させると、出口通路１６および入口通
路１４が同時にドレーン通路１７に連通する。こ
こで、上記ドレーンポート１３は図示せぬシリン
ダーブロツク内の通路を介して機関のオイルパン
に連通されているものであつて、結局出口通路１
６および入口通路１４が図外のオイルパンに連通
されることになる。

従つて、ドレーンバルブ２１を緩めればフイル
タ本体１内に溜つていた濾過後のオイルおよび濾
過前のオイルは、極めて短時間でオイルパンに排
出され、その後フイルタ本体１を交換するに際し
てオイルの流出を防止できる。

なお、実施例ではフイルタ本体全体をカートリ
ツジ式に交換可能な例を示したが、本考案のドレ
ーン装置は、フイルタエレメントのみを交換する
形式のものにも使用できることは勿論である。

以上の説明で明らかなように、この考案に係る
オイルフイルタのドレーン装置によれば、フイル
タエレメントの交換に際して、フイルタ本体内に
溜つていた濾過後のオイル、濾過前のオイルをと
もに極め短時間でオイルパンに排出でき、オイル
フイルタ周辺の機器をオイルで汚染することなく
フイルタエレメントの交換が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るオイルフイルタの正面
図、第２図は同側断面図、第３図はその要部のみ
の背面図、第４図は第１図における−線に沿
つた断面図である。 １……フイルタ本体、２……取付基部、３……
ケーシング、４……フイルタエレメント、８……
座部、９……取付筒部、１１……入口ポート、１
２……出口ポート、１３……ドレーンポート、１
４……入口通路、１６……出口通路、１７……ド
レーン通路、２１……ドレーンバルブ、２２，２
３……シールリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタエレメントを収納したフイルタ本体
   と、このフイルタ本体の下部を支持し、かつ入口
   通路および出口通路を有する取付基部とからなる
   オイルフイルタにおいて、上記取付基部に、機関
   のオイルパンに連通するドレーン通路を形成し、
   かつ上記入口通路および出口通路をそれぞれ上記
   ドレーン通路に接続するとともに、この接続部
   に、それぞれの通路間を同時に開閉するドレーン
   バルブを設けたことを特徴とするオイルフイルタ
   のドレーン装置。