JPS632087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両に塔載される燃料フイルタあるい
はオイルフイルタ等のフイルタ装置に適用されて
便利な併用型フイルタに関するものであつて、そ
の目的は一個のフイルタヘツドを共通化すること
によつて、異なる２つのフイルタ型、すなわちい
わゆるエレメント交換型のフイルタ又はカートリ
ツジ型フイルタのいずれか一方を適宜上記フイル
タヘツドへ取付けられるようにして互換性を持た
せるようにした併用型フイルタ装置を得ることに
ある。

従来のエレメント交換型のオイルフイルタ装置
を第１図について説明すると、１はオイルの流入
口２およびオイル流出路部３内側に形成した流出
口４をそれぞれ有するフイルタヘツド、５はフイ
ルタケース６、エレメント７およびセンタボルト
８よりなるエレメント交換型フイルタであつて、
センタボルト８を上記流出路部３内側に刻設した
雌ねじ部９にねじ込むことによつてフイルタ５の
開口部１０をヘツド１下面に取付けることができ
る。なお、１１はエレメント７とフイルタケース
６との間に縮設されたスプリングであつて、エレ
メント７を上方に押圧させることによつて、パツ
キン１２とヘツド１の流出路部３との間のシール
性を確保するものである。また、流入口２から入
り込んだオイルは矢印に示すように、エレメント
７を通過してセンタボルト８内の流通孔１３を通
り流出口４から流出することによつてろ過され
る。

上記フイルタ装置において、古くなつたエレメ
ント７を交換する場合には、センタボルト８を弛
めて、フイルタ５をヘツド１から取外してエレメ
ント７だけをセンタボルト８から抜取り、新しい
エレメント７を挿入したフイルタ５を再びセンタ
ボルト８を介してフイルタヘツド１に取付けるこ
とにより行なわれる。

一方、第２図に示されるいわゆるカートリツジ
型フイルタ装置を説明すると、１４はフイルタヘ
ツド１に鋳込まれ後述のカートリツジ型フイルタ
１５を取付けるための取付ボルトであつて、外周
壁の一部に雄ねじ部１６が形成されている。上記
カートリツジ型フイルタ１５はフイルタケース
６、エレメント７、スプリング１１、フイルタケ
ース６開口部に設けられ上記雄ねじ部１６に螺合
する雌ねじ部１７を形成した取付部材１８からな
るもので、オイルは矢印に示す方向に流れてエレ
メント７でろ過されるものである。なお、図中１
８′はＯリングである。上記構造を有するカート
リツジ型フイルタ１５をフイルタヘツド１に取付
けるには、取付部材１８の雌ねじ部１７を取付ボ
ルト１４の雄ねじ部１６にねじ込むことによつて
行なわれ、エレメント７が古くなつたときはカー
トリツジ型フイルタ１５全体を取付ボルト１４か
ら取外し、別の新しいカートリツジ型フイルタ１
５を取付ボルト１４にねじ込むことにより行なう
ものである。

上記のように、第１図に示すエレメント交換型
のフイルタ装置にあつては、エレメント７だけを
取換えられるようにしたものであり、また第２図
に示すカートリツジ型フイルタ装置にあつては、
エレメント７内蔵のフイルタケース６を取替える
構造であつた。ところが、上記前者の場合では、
後者のフイルタ１５を取付けることはできず、ま
た後者のフイルタヘツド１には前者のフイルタ５
を取付けることができず、そのため上記前後両者
の部品の間には、部品の互換性がないので、それ
だけ各フイルタ装置のコストが上昇するだけでな
く、エレメントの取替え作業に手間どるといつた
不具合があつた。

本考案は上記従来装置の欠点を解消することを
目的として工夫されたものであつて、フイルタヘ
ツドに形成した流体流出路部内壁に雌ねじ部を、
上記流体流出路部外壁に雄ねじ部をそれぞれ螺設
し、上記雌ねじ部にはエレメントを収容したフイ
ルタケース中心部にセンタボルトを挿通せしめた
エレメント交換型フイルタの上記センタボルトを
螺合することにより、また上記雄ねじ部にはエレ
メントを収容したフイルタケース開口部側に雌ね
じ部を形成せしめたカートリツジ型フイルタの上
記雌ねじ部を螺合することにより上記エレメント
交換型フイルタ又は上記カートリツジ型フイルタ
を適宜上記フイルタヘツド下面に取付けられるよ
うに構成したことを特徴とする併用型フイルタ装
置を要旨とするものである。

次に本考案を第３図に示す実施例にもとづいて
具体的に説明すると、第３図はエレメント交換型
フイルタ装置の場合を示したものであり、上記従
来装置と均等な部材には、第１，２図に付したと
同一符号を付す。１９はフイルタヘツド１のオイ
ル流出路部３に鋳込まれ第２図に示された取付ボ
ルト１４とほぼ同一構造を有する取付ボルトであ
つて、上記取付ボルト１４と相違する点は取付ボ
ルト１９の外周壁に雄ねじ部２０を形成するだけ
でなく、内周壁にも雌ねじ部２１を螺設した点に
ある。また、２２はフイルタヘツド１とフイルタ
ケース６との間に介装されたアダプタであつて、
その下部にはガスケツト２３が、上部にはＯリン
グ２４がそれぞれ設けられ、さらに中心部には上
記取付ボルト１９の雄ねじ部２０に螺合する雌ね
じ部を螺設した取付ねじ部２５を有する。

上記構成を有する本実施例において、エレメン
ト交換型フイルタ５をフイルタヘツド１に取付け
る場合には、先ずアダプタ２２を予め取付ボルト
１９の雄ねじ部２０にねじ込む。次いでフイルタ
ケース６の中心部に挿通されたセンタボルト８を
取付ボルト１９の雌ねじ部２１にねじ込むと、ガ
スケツト２３を介しフイルタケース６はアダプタ
２２下面に取付けられる。このため流入口２から
入り込んだオイルは矢印に示す方向に流動してエ
レメント７によつてろ過される。エレメント７を
交換する場合には、センタボルト８を弛めてフイ
ルタケース６をアダプタ２２から取外し、エレメ
ント７だけをボルト８から抜き取り、新しいエレ
メント７をケース６に入れて再びセンタボルト８
を取付ボルト１９に螺合させることにより交換を
完了できる。なお、上記では上記アダプタ２２の
取付ねじ部２５を取付ボルト１９の雄ねじ部２０
にねじ込んだが、アダプタ２２の取付ねじ部２５
にねじを形成しないで、単に取付ねじ部２５内周
を取付ボルト１９に遊挿できるようなばか穴に形
成して、Ｏリング２４の位置決めを行なわせるよ
うにしてもよい。

一方、上記エレメント交換型フイルタ５の替り
に第２図に示したとほぼ同一構造のカートリツジ
型フイルタ１５をフイルタヘツド１に取付ける場
合には、センタボルト８を抜いてフイルタケース
６およびアダプタ２２をフイルタヘツド１から取
外し、次いでカートリツジ型フイルタ１５の取付
部材１８の雌ねじ部１７を、取付ボルト１９の雄
ねじ部２０にねじ込む。すると、第２図に示すよ
うに、Ｏリング１８′を介してフイルタケース６
はフイルタヘツド１の下面に取付けられる。

本実施例装置によれば、フイルタヘツド１を互
換性の有る構造に構成したため、フイルタヘツド
のオイル流出路部３内壁の雌ねじ部２１にセンタ
ボルト８をねじ込めばエレメント交換型フイルタ
装置として、また雄ねじ部２０にカートリツジ型
フイルタ１５の取付部材１８をねじ込めばカート
リツジ型フイルタ装置として適宜使用できるた
め、それぞれのフイルタ装置の取付作業が単純化
され、かつコストを低下できる作用効果を有す
る。

上記実施例装置ではアダプタ２２を使用した
が、エレメント交換型フイルタ５の開口部１０の
径をフイルタヘツド１との間にシール性を得られ
るような大きさにすれば、アダプタ２２を省略で
きるものであり、また上記ではろ過される流体を
オイルとしたが、車両用燃料であつてもよいもの
である。また、上記の取付ボルト１９のような別
体構造のものを設けるのではなく、フイルタヘツ
ド１自体に雌ねじ部２１と雄ねじ部２０とを螺設
する構造であつてもよいことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレメント交換型フイルタ装置
の断面図、第２図は従来のカートリツジ型フイル
タ装置の断面図、第３図は本考案の一実施例にお
ける断面図である。 １；フイルタヘツド、３；オイル流出路壁、
５；エレメント交換型フイルタ、６；フイルタケ
ース、７；エレメント、８；センタボルト、１
５；カートリツジ型フイルタ、１８；取付部材、
１９；取付ボルト、２０；雄ねじ部、２１；雌ね
じ部、２２；アダプタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタヘツドに形成した流体流出路部内壁に
   雌ねじ部を、上記流体流出路部外壁に雄ねじ部を
   それぞれ螺設し、上記雌ねじ部にはエレメントを
   収容したフイルタケース中心部にセンタボルトを
   挿通せしめたエレメント交換型フイルタの上記セ
   ンタボルトを螺合することにより、また上記雄ね
   じ部にはエレメントを収容したフイルタケース開
   口部側に雌ねじ部を形成せしめたカートリツジ型
   フイルタの上記雌ねじ部を螺合することにより、
   上記エレメント交換型フイルタ又は上記カートリ
   ツジ型フイルタを適宜上記フイルタヘツド下面に
   取付けられるように構成したことを特徴とする併
   用型フイルタ装置。