JPS6251870B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエスカレータの踏段装置、特に踏段
の案内機構の構造に関するものである。

まず、第１〜第４図によつて例えば特開昭56−
23185号公報に示された従来のエスカレータの踏
段装置を説明する。

図中、１はエスカレータの主枠、２は主枠１に
無端状に配置された踏段鎖で、主枠１両端部には
反転部２ａが、また主枠１上部及び下部には曲部
２ｂが構成され、２ｃは踏段鎖２を構成し複数の
歯からなる係合部２ｄを持つリンク、３は軸３ａ
が踏段鎖２に連結された多数の踏段で、３ｂは軸
３ａ端に枢着された踏段３の前輪、３ｃは後輪、
４は踏段鎖２に沿つて配置されて主枠１に固定さ
れ前輪３ｂを案内する前輪レール、５は主枠１に
固定され前輪レール４と同様に設けられて後輪３
ｃを案内する後輪レール、６は主枠１の長手中間
に設けられた駆動機で、電動機６ａにより減速機
６ｂを介して動作し、かつキヤタピラ状をなしリ
ンク２ｃの係合部２ｄに係合する係合体６ｃが設
けられている。

すなわち、多数の踏段３が連続して配置されて
相互に踏段鎖２によつて連結され、駆動機６が付
勢されると係合体６ｃ、踏段鎖２を介して踏段３
が駆動されて、前輪３ｂは前輪レール４に、また
は後輪３ｃは後輪レール５に案内されて所定経路
を循環運転される。この踏段装置は踏段３の側縁
部に踏段鎖２と、これのさらに外側に前輪３ｂが
配置され、踏段３の案内のための機構の幅寸法が
増し、幅の広い主枠１を要するためエスカレータ
設置のために広いスペースが必要となつて場所に
よつては設置困難となる不具合があつた。

この発明は上記の欠点を解消するもので、踏段
鎖を所定経路の要部で直接案内し主枠幅を減小
し、また構成を簡易化し、少ないスペースに設置
可能であり、また容易に製作できるエスカレータ
の踏段装置を提供しようとするものである。

以下、第５〜第１１図によつてこの発明の一実
施例を説明する。

図中、第１〜第４図と同符号は相当部分を示
し、３ｄは全部の踏段２の両側面にそれぞれ設け
られ一端が踏段２にナツト３ｅによつて締結され
外方へ突出した突出軸、２は突出軸３ｄの突出部
中間に嵌合された踏段鎖で、２ｃは枢着された複
数のローラからなる係合部２ｄを持ち、内リンク
と外リンクからなるリンク、２ｅは係合部２ｄの
１つを形成するローラ、７は主枠１に固定され踏
段鎖２の曲部２ｂ及び踏段鎖２と係合体６ｃとの
かみ合い箇所に沿い、かつ突出軸３ｄの突出端部
の上、下にそれぞれ配置された第１種レールで、
７ａは鋼材からなり突出軸３ｄの突出端部との対
向面に鳩尾状の突条７ｂが設けられた第１種レー
ル７の基体、７ｃは一側が突条７ｂに嵌合され、
突出軸３ｄの突出部側面を案内する案内部材で、
超高分子ポリエチレン等の合成樹脂材料で製作さ
れている。８は主枠１に固定され踏段鎖２に沿い
第１種レール７の配置箇所を除いた直線部に配置
されかつ踏段鎖２の上、下にそれぞれ配置されて
直線をなす第２種レールで、第１種レール７と同
様な突条８ｂを持つ基体８ａ、案内部材８ｃによ
つて構成されて、案内部材８ｃがリンク２ｃ、ロ
ーラ２ｅによつて形成された凹状部に嵌合状態に
配置されている。６は電動機６ａにより減速機６
ｂを介して動作して、踏段鎖２の係合部２ｄとか
み合うピニオンからなる係合体６ｃを持つ駆動機
である。

すなわち、第１〜第４図における１体からなる
踏段３の軸３ａの代りに突出軸３ｄが両側へ突設
され、また前輪３ｂが廃止される。そして、踏段
鎖２の曲部２ｂ箇所及び係合体６ｃとの係合箇所
では踏段３の突出軸３ｄの突出端が第１種レール
７によつて案内される。また踏段鎖２の第１種レ
ール７による案内箇所以外の直線箇所は第２種レ
ール８によつて踏段鎖２のローラ２ｅ、係合部２
ｄが案内される。これによつて簡単な装置構成に
よつて踏段鎖２を正常に案内することができ、ま
た踏段３の案内機構の幅が減小し主枠１幅を狭く
することができ設置スペースが少なくて済むエス
カレータが得られる。また、前輪３ｂが省略さ
れ、また踏段３の軸の無用な中間部が廃止される
ので安価な踏段装置が得られる。

なお、この実施例において、第１、第２種レー
ル７，８に合成樹脂製の案内部材７ｃ，８ｃを設
けたので、踏段３の移動による騒音減小、摩耗の
減小等の作用を得ることができる。また一端が踏
段３に固定された突出軸３ｄを設けて踏段鎖２に
連結したので幅寸法の異なる踏段３に対しても同
じ突出軸３ｄを使用でき部材種類が少なくなつて
生産性向上の作用が得られる。なお、踏段鎖２に
張力が作用するので、下部の曲部２ｂ以外の箇所
の踏段鎖２上面側の第１、第２種レール７，８を
省略しても正常な踏段鎖２の案内作用を得ること
ができる。

以上説明したとおりこの発明は、多数が連続し
て配置された踏段を突出軸を介して連結し、傾斜
した主枠の上部及び下部に曲部を構成しかつ複数
の係合部を持つリンクが連結されて無端状をなし
所定経路を循環運転される踏段鎖を、踏段鎖の曲
部箇所及び駆動機との係合箇所は踏段の突出軸を
案内する第１種レールによつて案内し、第１種レ
ールの配置箇所以外の踏段鎖の直線箇所は踏段鎖
のローラを案内する第２種レールによつて案内し
たものである。これによつて、簡易な構成によつ
て踏段鎖を正常に案内することができ、また踏段
の案内機構の幅が減小して幅の狭い主枠とするこ
とができ少ないスペースに容易に設置することが
できるエスカレータが得られ、また前輪等の省略
により安価に製作できるエスカレータの踏段装置
を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエスカレータの踏段装置を示す
エスカレータの概念側面図、第２図は第１図の
部拡大図、第３図は第２図の概念平面図、第４図
は第１図の―線断面拡大図、第５図はこの発
明によるエスカレータの踏段装置の一実施例を示
す第１図相当図、第６図は第５図の―線断面
拡大図、第７図は第５図の部拡大図、第８図は
第７図の―線断面図、第９図は第６図の部
拡大図、第１０図は第５図の部拡大図、第１１
図は第１０図のXI―XI線断面拡大図である。 １…主枠、２…踏段鎖、２ｂ…曲部、２ｃ…リ
ンク、２ｄ…係合部、２ｅ…ローラ、３…踏段、
３ｄ…突出軸、６…駆動機、６ｃ…係合体、７…
第１種レール、８…第２種レール、なお、図中同
一部分又は相当部分は同一符号により示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の係合部が設けられたリンクが連結され
   主枠に無端状に配置され傾斜した上記主枠の上部
   及び下部に曲部を構成した踏段鎖と、上記主枠に
   多数が連続して配置されそれぞれ突出軸を介して
   上記踏段鎖に連結された踏段と、上記主枠の長手
   中間部に設けられて上記踏段鎖の係合部に係合す
   る駆動体を持ち上記踏段鎖を介して上記踏段を循
   環移動させる駆動機と、上記主枠に縦通配置され
   て固定され上記踏段鎖の曲部箇所及び上記駆動体
   と上記踏段鎖の係合部との係合箇所に沿い上記踏
   段の突出軸を案内する第１種レールと、上記主枠
   に縦通配置されて固定され上記第１種レールの配
   置箇所以外の上記踏段鎖の直線部に沿い上記踏段
   鎖のローラを案内する第２種レールとを備えたエ
   スカレータの踏段装置。