JPS6249548B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分〕 本発明は冷蔵庫に関するものである。

〔発明の背景〕

従来この種の冷蔵庫の構造上の問題および性能
上の問題としては、一般に採用されている冷凍室
と冷蔵室とを区画する、中仕切壁を内箱と一体に
成形していない冷蔵庫と比べると次のような問題
があつた。

(1) 一体成形された中仕切部に、現場発泡前にあ
らかじめ挿入される、冷気通風路、冷却器の除
霜水排水路等が形成された中仕切断熱が、発泡
時の発泡圧力により動くため内箱に対し確実に
固定する必要がある。

(2) 上記の如く中仕切断熱が動いた場合には、冷
凍室背面に設置された冷却器の除霜水の処理が
難かしく、また冷却器と通風路との関係も狂う
ので、冷却性能がバラツキを生じる原因となつ
た。

(3) 冷却器の前面に取付けられる冷気仕切板、冷
気風向板等の部品の取付が、従来の冷蔵庫では
中仕切壁上板が射出成形等で成形されているの
で、突起あるいは凹みを一体に成形できるのに
対し、中仕切一体成形内箱は一枚のシートか
ら、真空成形等により、成形されるものである
から、突起や凹みを成形するのは大変難しく、
これらの部品の取付に際しては別部品を要し、
手数も多く要していた。

〔発明の目的〕

本発明はかかる問題点を改良するためになされ
たもので、冷凍室と冷蔵室を区画する中仕切壁を
冷凍室と冷蔵室とを形成する内箱と一体に形成
し、かつ上記冷凍室の背壁と中仕切壁にまたがつ
て冷却器を設置し、その冷却器の下端を除霜水を
受ける樋を利用して固定すると共に、その樋を基
準にして冷気通風路等を形成するようにしたもも
のである。

〔発明の概要〕

本発明は、冷凍室と冷蔵室とを区画する中仕切
壁を、冷凍室と冷蔵室を形成する内箱と一体に形
成する冷蔵庫に於いて、冷凍室の底面を形成する
内箱の奥部に抜穴を設け、該抜穴を挿通し、冷凍
室の背面と中仕切壁とにまたがつて冷却器を設置
し、該冷却器下部に略冷却器下端および抜穴を包
む如く設置され、上記中仕切壁とは別体に成形さ
れた樋と、該樋を覆い包む凹部、冷蔵室冷気吸込
通風路、冷凍室冷気吸込通風路等より構成された
中仕切断熱を中仕切壁内に挿着し、外箱、内箱間
に発泡断熱材を充填発泡するとともに、冷却器の
下端部を樋に固定し、冷却器の上端部を内箱に固
定し、更に樋の両端に冷却器の下を狭持する狭持
部、中央部に冷却器の霜詰りを防止する冷気バイ
パス通路部を形成したことを特徴とする冷蔵庫。

〔発明の実施例〕

以下本発明の詳細を第１図〜第３図に示す一実
施例で説明すると、１は冷蔵庫本体、２は外箱、
３は内箱であり、この内箱３は、冷凍室４と冷蔵
室５を区画する中仕切壁６を一体に形成してい
る。７は外箱２と内箱３間に充填された発泡断熱
材である。８は中仕切断熱であり、内箱３により
形成される中仕切壁６内に、あらかじめ組付られ
た後前記発泡断熱材７を充填、発泡するようにな
つている。９は冷却器であり、冷凍室４の背面に
冷凍室４との中仕切壁６とにまたがつて取付られ
ている。またこの取付を可能とするため、冷凍室
４の底面を形成する内箱３の奥部には冷却器９を
落し込むための抜穴１０が設けられている。

１１は樋であり、上記冷却器９の下端を包む如
く、冷却器９の下方に設置され、また同時に前記
抜穴１０をも包み込むようになつている。該樋１
１の横断面図は第３図に示す如くであり、左右両
端は内巾寸法が冷却器９の側板９ａの巾寸法より
僅かに大きい程度に設定された狭持部１１ａと、
中央部は冷却器９の巾より大きく設定された、冷
気バイパス通路部９ｂを形成し、前者の狭持部１
１ａは冷却器９の下端部の側板９ａを狭持固定
し、後者冷気バイパス通路部９ｂは除霜時の残霜
をなくする目的で、一般に設置される樋ヒータ１
２を収納し、なおかつ冷気吸込口付近での冷却器
９の霜詰りを緩和するための間隙を、冷却器との
間に保つようになつている。

１１ｃは係止片であり樋１１と一体に成形され
ており、前記抜穴１０より冷凍室４内に突出する
もので、後述する冷気仕切板、冷気風向板を固定
するためのものである。

尚、上記の如く構成された樋１１は、中仕切断
熱８に形成された凹部８ａ内に、あらかじめ挿着
された状態で、内箱３に前組され発泡断熱材７が
注入、発泡するものである。

８ｂは冷蔵室冷気吸込通風路、８ｃは冷凍室冷
気吸込通風路であり、これらは前記中仕切断熱８
内に形成されており、冷蔵室５、冷凍室４の冷気
を冷却器９へ戻すための通風路である。またこれ
らの通風路の冷却器９側終端開口と対応する位置
の樋１１には通風路９ｄ，９ｅが設けられてい
る。

１３はフアン、１４は冷気仕切板、１５は冷気
風向板であり、この冷気仕切板１４は冷却器９の
前方に取付られるもので、その取付は下端が樋１
１の係止片１１ｃに、上端に設けられた爪１４ａ
が内箱３の穴に係合し固定されている。また冷気
風向板１５は冷気仕切板１４の更に前方に取付ら
れ、フアン１３からの吐出冷気を冷凍室４内に分
配するもので、下端を樋１１の係止片１１ｃに、
上端部に設けられた係合片１５ａが、先の冷気仕
切板１４に設けられた係合片１４ｂに係合固定さ
れている。

１６は冷蔵室冷気吐出通風路であり、フアン１
３により吐出された冷気を冷気仕切板１４、冷気
風向板１５の間に設けられた、冷蔵室冷気吐出入
口１７より取り入れ、中仕切壁６を形成する内箱
３の冷蔵室５の天井奥部に設けられた冷蔵室冷気
吐出出口１８に導くもので、ダクト断熱３２と前
記中仕切断熱８とによつて、冷却器９の側面およ
び下面に形成されている。

１９は自動ダンパーサーモであり、冷蔵室５へ
の冷気吐出風量を自動的に制御し、冷蔵室５の庫
内温度を調節するためのもので、その周囲はサー
モ断熱２０にて包まれ、断熱されている。

また自動ダンパー１９、サーモ断熱２０はあら
かじめ部組されており、部組されたものが自動ダ
ンパー１９の上端フランジ１９ａを、上記冷蔵室
冷気吐出出口１８にシール材２１を介して挿入
し、サーモ断熱２０の下端を、内箱３の冷蔵室背
面に設けた突出部３ａ嵌合することにより、前記
シール材２１を圧縮し、冷蔵室吐出通風路１６と
自動ダンパー１９内の吐出通風路１９ｂとを完全
に連結するようになつている。

１９ｃは冷蔵室冷気吹出口、１９ｄは低温容器
吹出口であり、前記吐出通風路１９ｂが途中で分
岐して両者を形成している。２２は低温容器であ
り低温容器吹出口１９ｄの前方に位置している。
２３は化粧パネルであり、自動ダンパーサーモ１
９、サーモ断熱２０の部組されたものを前方およ
び下方から覆い包むようにして冷蔵室冷気吐出出
口１８と内箱３の突出部３ａに嵌合されたこれら
の部品が、前方へ外れるのを防止するとともに冷
気通風路の連結を確実にしている。２４は自動ダ
ンパーサーモ１９の温度調節用ダイアルであり、
化粧パネル２３の前面に取付けられている。

２５はキヤピラリチユーブ、２６は冷媒吸込パ
イプであり、その大半は発泡断熱材７中に埋設さ
れており、その終端の一部が内箱３の天井に設け
られた貫通孔２７より冷凍室内に延出され、冷却
器９の入口パイプ９ｂ、出口パイプ９ｃに夫々接
続されている。さらに貫通孔２７は冷却器入口、
出口パイプ９ｂ，９ｃの冷却器９本体の出口側と
反対側に設け、冷却器入口、出口パイプ９ｂ，９
ｃが冷却器９の上方を左右に横切り、中仕切壁６
内に挿入されている冷却器９の下端部を冷凍室４
内に引出せるように弾力性をもたせている。２８
は冷却器９の上方を内箱３に固定するためのネジ
である。

２９は冷凍室冷気吸込グリルであり、冷凍室４
内の冷気を吸込み、冷凍室吸込通風路８ｃに送る
ためのもので、冷凍室吸込通風路８ｃの入口部に
対応する位置に開けられた、内箱の穴３３を覆う
ように、該穴３３の一端に嵌合溝２９ｂが挿入さ
れ反対方向の下方に設けられた爪部２９ａを後述
の固定具の角穴に挿入固定されている。

３０は固定具であり、中仕切断熱８の前上端部
に接着、あるいは同時成形等により固着されてお
り、上面には前記冷凍室冷気吸込グリル２９の爪
部２９ａと嵌合固定する角穴３０ａを、前面に
は、中仕切断熱８を内箱３の中仕切壁６に固定す
るボス部３０ｂとを一体に成形している。ボス部
３０ｂは中仕切壁６の前面からネジ３１にて内箱
３に固着されている。

本発明は以上説明した如く構成されているの
で、次の如き効果を得られるものである。一体成
形された内箱３の中仕切壁６内に中仕切断熱８を
挿入し、中仕切断熱８に固定された固定具３０の
ボス部３０ｂを利用して内箱３にネジ３１によつ
て確実に固着された後、発泡断熱材７が注入、発
泡されるので、発泡時の発泡圧力によつて中仕切
断熱８動くのを防止できるとともに、ボス部３０
ｂと一体に成形された角穴３ａを利用して冷凍室
冷気吸込グリル２９をも固定することができる。

また、冷却器９は樋１１の狭持部１１ａにその
下端部を挿入するだけで固定されるので特別の部
品を要することもなく、作業性も改善され冷却器
９の除霜水が樋１１の外へ漏れるようなこともな
い。さらに樋１１の中央部は冷気バイパス通路部
１１ｂがあるので冷却器９の下方が局部的に霜詰
りを生じるのを防止し、この部分に設置される樋
ヒータ１２を収納し、且つ冷却器９を樋１１に挿
入する際側板９ａが狭持部１１ａにより狭持され
るので、冷却器９が前後にガタツキを生じること
もなく、樋ヒータ１２を冷却器９の冷却フインの
端部等で傷つけることもない。

さらに樋１１の係止片１１ｃを基準にして冷気
仕切板１４、冷気風向板１５が組立られるのでこ
れらの部品の位置関係が仮に発泡時に中仕切断熱
材８が若干動いたとしても常に一定となり、安定
した冷却性能、通風性能が得られる。また、冷蔵
室冷気吐出通風路１６と自動ダンパー１９との連
結は、自動ダンパー１９とサーモ断熱２０＝が部
組されたものを冷蔵室冷気吐出口１８と、内箱３
の突起部３ａ間に嵌合するだけなので、特別な取
付部品を必要とせず、作業性も良い。

さらに、自動ダンパー１９、サーモ断熱２０は
化粧パネルル２３により覆われているので、冷気
通風路の連結はさらに確実なものとなつている。

また冷却器９の入口パイプ、出口パイプ９ｂ，
９ｃは冷却器の上方を左右に横切つているのでこ
の部分の弾力性を利用して、中仕切壁６内に挿入
されている、冷却器９の下端部を冷凍室４内に引
出せるので、冷却器９およびその付属部品のサー
ビス交換を可能となる。さらに冷却器９の入口、
出口パイプ９ｂ，９ｃに接続されるキヤピラリチ
ユーブ２５、冷媒吸込パイプ２６は内箱３の天井
に設けられた貫通孔２７より延出されるので第２
図に示すＨ寸法を最大限に確保でき、上記の冷却
器９のサービス時の弾力性を増し作業性が更に向
上するものである。

〔発明の効果〕

本発明は冷却器９の固定に特別の部品を必要と
せず作業性が向上するとともに、樋１１基準に冷
却器９が取付けられるので、除霜水の処理も完全
に行なえる。

また冷気バイパス通路部１１ｂにより、冷却器
９の下方が局部的に霜詰りをおこすこともなく、
樋ヒータ１２を冷却フイン端部等で傷つけること
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を備えた冷蔵庫の要部縦断面
図、第２図は第１図の―断面図、第３図は第
２図の―断面図である。 １…冷蔵庫本体、２…外箱、３…内箱、３ａ…
突出部、４…冷凍室、５…冷蔵室、６…中仕切
壁、７…発泡断熱材、８…中仕切断熱、８ａ…凹
部、８ｂ…冷蔵室冷気吸込通風路、８ｃ…冷凍室
冷気吸込通風路、９…冷却器、１０…抜穴、１１
…樋、１１ａ…狭持部、１１ｂ…冷気バイパス通
路部、１１ｃ…係止片、１２…樋ヒータ、１４…
冷気仕切板、１５…冷気風向板、１６…冷蔵室冷
気吐出通風路、１８…冷蔵室冷気吐出出口、１９
…自動ダンパーサーモ、２０…サーモ断熱、２１
…シール材、２３…化粧パネル、２５…キヤピラ
リチユーブ、２６…冷媒吸込パイプ、２７…貫通
孔、２９…冷凍室冷気吸込グリル、３０…固定
具、３０ａ…角穴、３０ｂ…ボス部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍室と冷蔵室とを区画する中仕切壁を、冷
   凍室と冷蔵室を形成する内箱と一体に形成する冷
   蔵庫に於いて、冷凍室の底面を形成する内箱の奥
   部に抜穴を設け、該抜穴を挿通し、冷凍室の背面
   と中仕切壁とにまたがつて冷却器を設置し、該冷
   却器下部に略冷却器下端および抜穴を包む如く設
   置され、上記中仕切壁とは別体に成形された樋
   と、該樋を覆い包む凹部、冷蔵室冷気吸込通風
   路、冷凍室冷気吸込通風路等より構成された中仕
   切断熱を中仕切壁内に挿着し、外箱、内箱間に発
   泡断熱材を充填発泡するとともに、冷却器の下端
   部を樋に固定し、冷却器の上端部を内箱に固定
   し、更に樋の両端に冷却器の下端を狭持する狭持
   部、中央部に冷却器の霜詰りを防止する冷気バイ
   パス通路部を形成したことを特徴とする冷蔵庫。