JPS6248216B2 - - Google Patents
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- JPS6248216B2 JPS6248216B2 JP54074661A JP7466179A JPS6248216B2 JP S6248216 B2 JPS6248216 B2 JP S6248216B2 JP 54074661 A JP54074661 A JP 54074661A JP 7466179 A JP7466179 A JP 7466179A JP S6248216 B2 JPS6248216 B2 JP S6248216B2
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Landscapes
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は電子写真やレーザビームプリンタなど
(これらを電子印刷と総称する。)に使用する感光
膜に関するものである。とくに照明用光源の波長
が600〜800nmの場合に感度を持つものである。
(これらを電子印刷と総称する。)に使用する感光
膜に関するものである。とくに照明用光源の波長
が600〜800nmの場合に感度を持つものである。
従来、例えば電子写真装置やHe−Cdレーザ
(発光波長442nm)ビームプリンタ装置などにお
いては主として膜厚50nm程度のSeの感光膜が用
いられていた。しかしながら、このSe感光膜は
400〜550nmの短波長光に対して感度を持つもの
であり、700nm以上の光に対してはほとんど感
度がない。最近、半導体レーザが実用段階に入
り、半導体レーザによつて書込みを行なういわゆ
る半導体レーザビームプリンタ装置が要望されて
いるが、半導体レーザの発光波長が800nm付近
なので、従来のSe感光膜では使いものにならな
い。
(発光波長442nm)ビームプリンタ装置などにお
いては主として膜厚50nm程度のSeの感光膜が用
いられていた。しかしながら、このSe感光膜は
400〜550nmの短波長光に対して感度を持つもの
であり、700nm以上の光に対してはほとんど感
度がない。最近、半導体レーザが実用段階に入
り、半導体レーザによつて書込みを行なういわゆ
る半導体レーザビームプリンタ装置が要望されて
いるが、半導体レーザの発光波長が800nm付近
なので、従来のSe感光膜では使いものにならな
い。
したがつて、本発明の目的は800nm付近の光
に対して感度を有する感光膜を提供することにあ
る。
に対して感度を有する感光膜を提供することにあ
る。
上記の目的を達成するために本発明においては
感光膜の構造をAsを3〜10重量%含有するSeの
層と、Asを0〜10重量%含有するSeの層との間
にTeを多量に添加したSeの層とAsを多量に添加
したSeの層とを挿入した構造にする。これを第
1図に示す。以下、この図にしたがつて説明す
る。第1図aは感光膜の構造図、第1図b,c,
dは各々、Se、As、Teの濃度分布を示す。ま
ず、導電体1は電子写真装置の場合、通常アルミ
ニウムの板あるいはドラムが使用されているがガ
ラス板に酸化錫透明導電体を形成したものや、ア
ルミニウム、クロム、金などの金属を形成したも
のも同様に使用できる。また、n型導電膜を用い
得る。たとえばZnおよびCdの硫化物、セレン化
物、テルル化物からなる群から選ばれた1種また
は2種以上の混合物である。光の入射方向は導電
体1が不透光性の場合は導電体1と反対側(右
側)から入射させる。導電体1が透光性の場合は
左右どちら側から入射させても良い。導電体1の
上にAs濃度n2、膜厚aのSe層2(第1のSe層と
称する。)を形成する。この上に、As濃度n3、Te
濃度m3、膜厚bのSe層3(第2のSe層と称す
る。)を形成し、さらに膜厚方向に濃度がn4から
n5近くまで単調に減少するAsを含有する膜厚c
のSeの層4(第3のSe層と称する。)を形成す
る。最後にAs濃度n5、膜厚dのSe層5(第4の
Se層と称する。)を形成する。各々の層の役割を
説明する。まず、Se層3(第2のSe層)から説
明する。Seのバンドギヤツプは約2eVであり、
550nm以上の光に対してほとんど感度を有しな
い。これは10重量%以下のAsを含むSeでも同様
である。このSeにTeを添加してゆくと、例えば
Teを50重量%添加した時にはバンドギヤツプが
1.58eVまで下がり、800nm付近の光に感度を持
つようになる。Se層3はこのように550〜800nm
の波長の光に対する感度を高めるために形成され
るものである。この層3に添加するTeの量m3は
40〜47重量%の狭い範囲内にある。Teの量を
徐々に増加してゆくと、感度は徐々に高くなり、
Teの濃度が47重量%でピークとなり、50重量%
をこえると感度は急激に低くなつてしまう。ま
た、Teの量が増加するにともなつて、ほぼ直線
的にバンドギヤツプが小くなるために熱励起で発
生するキヤリアが増加する。このため、暗電流
(暗減衰)が大きくなる。とくにTe濃度m3が47重
量%をこえると急激に暗電流が増大して使いもの
にならなくなる。したがつて、Teの濃度m3は感
度と暗電流とのかねあいで決定される。実用上、
40から47重量%内であれば問題はない。次にSe
層3の膜厚bであるが、膜厚が60nm以下の場合
は光の吸収量が少なく、あまり増感しない。膜厚
を60nmより厚くしてゆくと、膜厚にともなつて
感度が高くなり、膜厚が180nm付近から飽和の
傾向を示し、300nm以上の膜厚に対しては感度
が下りはじめる。また、このSe層3の膜厚bが
厚すぎると、暗電流が大きくなつたり、長時間動
作で感度が劣化しやすくなる。そのため膜厚bは
60〜200nmの範囲が最適である。Se層3にはAs
がn3添加されている。このAsの役目を説明す
る。SeあるいはTeを含むSeは通常非晶質の状態
にあるがこの種の材料は耐熱性が悪く室温でも結
晶化して、金属Se、あるいはSe−Te合金に相転
位を生じてしまう。とくにTeを含むSeの場合こ
の傾向が強い。Asはこの結晶転位を防止するた
めに添加するものであり、実用上3〜10重量%が
最適である。Asの濃度n3をこれ以上増加する
と、長時間動作で感度が劣化するようになるため
望ましくない。
感光膜の構造をAsを3〜10重量%含有するSeの
層と、Asを0〜10重量%含有するSeの層との間
にTeを多量に添加したSeの層とAsを多量に添加
したSeの層とを挿入した構造にする。これを第
1図に示す。以下、この図にしたがつて説明す
る。第1図aは感光膜の構造図、第1図b,c,
dは各々、Se、As、Teの濃度分布を示す。ま
ず、導電体1は電子写真装置の場合、通常アルミ
ニウムの板あるいはドラムが使用されているがガ
ラス板に酸化錫透明導電体を形成したものや、ア
ルミニウム、クロム、金などの金属を形成したも
のも同様に使用できる。また、n型導電膜を用い
得る。たとえばZnおよびCdの硫化物、セレン化
物、テルル化物からなる群から選ばれた1種また
は2種以上の混合物である。光の入射方向は導電
体1が不透光性の場合は導電体1と反対側(右
側)から入射させる。導電体1が透光性の場合は
左右どちら側から入射させても良い。導電体1の
上にAs濃度n2、膜厚aのSe層2(第1のSe層と
称する。)を形成する。この上に、As濃度n3、Te
濃度m3、膜厚bのSe層3(第2のSe層と称す
る。)を形成し、さらに膜厚方向に濃度がn4から
n5近くまで単調に減少するAsを含有する膜厚c
のSeの層4(第3のSe層と称する。)を形成す
る。最後にAs濃度n5、膜厚dのSe層5(第4の
Se層と称する。)を形成する。各々の層の役割を
説明する。まず、Se層3(第2のSe層)から説
明する。Seのバンドギヤツプは約2eVであり、
550nm以上の光に対してほとんど感度を有しな
い。これは10重量%以下のAsを含むSeでも同様
である。このSeにTeを添加してゆくと、例えば
Teを50重量%添加した時にはバンドギヤツプが
1.58eVまで下がり、800nm付近の光に感度を持
つようになる。Se層3はこのように550〜800nm
の波長の光に対する感度を高めるために形成され
るものである。この層3に添加するTeの量m3は
40〜47重量%の狭い範囲内にある。Teの量を
徐々に増加してゆくと、感度は徐々に高くなり、
Teの濃度が47重量%でピークとなり、50重量%
をこえると感度は急激に低くなつてしまう。ま
た、Teの量が増加するにともなつて、ほぼ直線
的にバンドギヤツプが小くなるために熱励起で発
生するキヤリアが増加する。このため、暗電流
(暗減衰)が大きくなる。とくにTe濃度m3が47重
量%をこえると急激に暗電流が増大して使いもの
にならなくなる。したがつて、Teの濃度m3は感
度と暗電流とのかねあいで決定される。実用上、
40から47重量%内であれば問題はない。次にSe
層3の膜厚bであるが、膜厚が60nm以下の場合
は光の吸収量が少なく、あまり増感しない。膜厚
を60nmより厚くしてゆくと、膜厚にともなつて
感度が高くなり、膜厚が180nm付近から飽和の
傾向を示し、300nm以上の膜厚に対しては感度
が下りはじめる。また、このSe層3の膜厚bが
厚すぎると、暗電流が大きくなつたり、長時間動
作で感度が劣化しやすくなる。そのため膜厚bは
60〜200nmの範囲が最適である。Se層3にはAs
がn3添加されている。このAsの役目を説明す
る。SeあるいはTeを含むSeは通常非晶質の状態
にあるがこの種の材料は耐熱性が悪く室温でも結
晶化して、金属Se、あるいはSe−Te合金に相転
位を生じてしまう。とくにTeを含むSeの場合こ
の傾向が強い。Asはこの結晶転位を防止するた
めに添加するものであり、実用上3〜10重量%が
最適である。Asの濃度n3をこれ以上増加する
と、長時間動作で感度が劣化するようになるため
望ましくない。
次にSe層4(第3のSe層)の説明を行なう。
この感光膜は導電体1がプラスの極性になるよう
に電圧を印加して(Se層5の表面を負に帯電さ
せて)使用するものである。したがつて、前述し
たSe層3で発生した電子あるいは正孔は各々、
左方、右方に走行することになる。この際、も
し、Se層4がなければ、Se層3のバンドギヤツ
プが1.6eVであり、Se層5のバンドギヤツプが約
2.0eVであるから、Se層3とSe層5との間にエネ
ルギ障壁が生じ、これがSe層3の内部で発生し
た正孔がSe層5の内部に注入するのを妨げてし
まい感度がなくなつてしまう。Se層4は上記し
たSe層3とSe層5との間のエネルギ障壁をなく
すために形成するものである。SeにAsを添加し
てゆくと、Asの濃度にほぼ直線的にバンドギヤ
ツプが小さくなり、Asの濃度が40重量%のSeで
はバンドギヤツプ約17eVになる。Se層4はAsの
濃度が最大n4からn5まで単調に減少した構造にな
つている。したがつて、Se層3のTeの濃度が40
〜47重量%の場合、この最大濃度n4を30から40重
量%に選んでおけばSe層3とSe層5とはSe層4
により、バンドがなめらかに接続されるようにな
り、Se層3で発生した正孔は走行を妨げられる
ことなくSe層5の内部に注入することができ
る。したがつて、感度が出るようになる。Se層
4の膜厚(c)が60nm以下の場合には上記した効果
が小さくなるため60nm以上は必要である。Se層
4は以上に説明したようにバンドをなめらかにつ
なぐという効果の他にもうひとつの効果を持つて
いる。それは、SeにAsを添加するとバンドギヤ
ツプ内部の局在状態が生じここにとくに電子がト
ラツプされやすくなる。このため高濃度にAsを
添加した層は負の空間電荷を持つようになる。こ
の負の空間電荷はSe層3にかかる電界を強く
し、Se層3の内部に発生した正孔をSe層5の内
部に引き込みやすくする。しかしながらこの負の
空間電荷の領域(c)が長すぎるとSe層3からSe層
5へと走行する正孔がここで再結合で消滅し感度
が低下するので、長すぎてはいけない。したがつ
て、Se層4の膜厚(c)は200nm以下であることが
望ましい。第1図においてはSe層4はAsの濃度
が膜厚方向に単調に減少する構造にしているが、
このような構造は製法が難しくなる。したがつ
て、Se層4のAsの濃度が一様に30〜40重量%で
あるような膜にした方が製法は簡単になる。(こ
のようにした場合にもSe層4が負に帯電して正
孔を引き出すという効果を持つので感度は出
る。)ただし、こうした場合、Asを膜厚方向に単
調に減少させた場合より、2割程度動作電圧が高
くなる。
この感光膜は導電体1がプラスの極性になるよう
に電圧を印加して(Se層5の表面を負に帯電さ
せて)使用するものである。したがつて、前述し
たSe層3で発生した電子あるいは正孔は各々、
左方、右方に走行することになる。この際、も
し、Se層4がなければ、Se層3のバンドギヤツ
プが1.6eVであり、Se層5のバンドギヤツプが約
2.0eVであるから、Se層3とSe層5との間にエネ
ルギ障壁が生じ、これがSe層3の内部で発生し
た正孔がSe層5の内部に注入するのを妨げてし
まい感度がなくなつてしまう。Se層4は上記し
たSe層3とSe層5との間のエネルギ障壁をなく
すために形成するものである。SeにAsを添加し
てゆくと、Asの濃度にほぼ直線的にバンドギヤ
ツプが小さくなり、Asの濃度が40重量%のSeで
はバンドギヤツプ約17eVになる。Se層4はAsの
濃度が最大n4からn5まで単調に減少した構造にな
つている。したがつて、Se層3のTeの濃度が40
〜47重量%の場合、この最大濃度n4を30から40重
量%に選んでおけばSe層3とSe層5とはSe層4
により、バンドがなめらかに接続されるようにな
り、Se層3で発生した正孔は走行を妨げられる
ことなくSe層5の内部に注入することができ
る。したがつて、感度が出るようになる。Se層
4の膜厚(c)が60nm以下の場合には上記した効果
が小さくなるため60nm以上は必要である。Se層
4は以上に説明したようにバンドをなめらかにつ
なぐという効果の他にもうひとつの効果を持つて
いる。それは、SeにAsを添加するとバンドギヤ
ツプ内部の局在状態が生じここにとくに電子がト
ラツプされやすくなる。このため高濃度にAsを
添加した層は負の空間電荷を持つようになる。こ
の負の空間電荷はSe層3にかかる電界を強く
し、Se層3の内部に発生した正孔をSe層5の内
部に引き込みやすくする。しかしながらこの負の
空間電荷の領域(c)が長すぎるとSe層3からSe層
5へと走行する正孔がここで再結合で消滅し感度
が低下するので、長すぎてはいけない。したがつ
て、Se層4の膜厚(c)は200nm以下であることが
望ましい。第1図においてはSe層4はAsの濃度
が膜厚方向に単調に減少する構造にしているが、
このような構造は製法が難しくなる。したがつ
て、Se層4のAsの濃度が一様に30〜40重量%で
あるような膜にした方が製法は簡単になる。(こ
のようにした場合にもSe層4が負に帯電して正
孔を引き出すという効果を持つので感度は出
る。)ただし、こうした場合、Asを膜厚方向に単
調に減少させた場合より、2割程度動作電圧が高
くなる。
つぎにSe層2(第1のSe層)とSe層5(第4
のSe層)との役割を説明する。先に説明したよ
うにSe層3で発生した電子と正孔は各々、Se層
2、Se層5に向つて移動し、電子はSe層内部に
注入され、そのまま走行して導電体1に達する。
一方正孔はSe層4によつてSe層5内部に入り、
Se層5の表面に帯電している負の電荷と再結合
して消滅する。Se層2とSe層5とはこのように
各々電子、正孔の走行層としての役割を果たして
いるが、この他にも種々の役割を持つている。
Se層2は濃度n2のAsを含有している。これはSe
が結晶化して金属Seに結晶転移するのを防止す
るためである。とくにSeの結晶化は導電体1と
の界面の方が膜内部よりはるかに結晶核が生じや
すく、このためn2を3重量%以上にすることが望
ましい。しかしながら、n2を10重量%以上にする
と先に説明したようにAsがバンドギヤツプ内に
局在状態を生成しすぎるために、負の空間電荷が
大きくなつて、導電体1からSe層2の中へ正孔
を引込むようになり暗電流を著しく増大せしめて
しまう。また、この負の空間電荷のために感光膜
内部の電界分布が変動してしまい、感度が不安定
になつてしまうため、Se層2のAs濃度n2は10重
量%を越えてはならない。Se層2の膜厚aは20n
m以上は必要である。それはaが20nmより小さ
くなると、導電体1とSe層3とが近づいてしま
う。この場合Se層3のバンドギヤツプが小さい
ために、導電体1からSe層3の中へ正孔が注入
されて暗電流(暗減衰)が大きくなり感光膜とし
て使いものにならなくなるからである。逆にaが
極端に大きくなるとつぎのような問題が生じる。
Seにおいては電子の移動度は正孔のそれよりも
2桁小さい。これはAsを数重量%含むSeにおい
ても同じである。このことはSe層2は電子が走
行しにくいことを意味する。また前述したように
Asは電子をトラツプしやすい性質を持つことか
ら、Se層2の膜厚aを厚くしすぎるとここに負
の空間電荷が生じすぎ感度を不安定にしてしま
う。したがつて、aは1μmより小さい方がより
好ましい。とくに、導電体1側から650nmより
短い波長の光を入射する場合はSe層2で光が吸
収されるので極力薄くした方が感度は高くなる。
700nmより長い波長の光に対してはSe層2はほ
とんど吸収しないのでaがある程度大きくても感
度は変わらない。光をSe層5の表面側から入射
させる場合には光の波長は700nmより長いもの
に限る。それは入射光の波長が700nmより短か
いとSe層5によつてほとんど吸収されてしまい
感度が出ないからである。Se層5に添加してい
るAsはやはりSeの結晶化を防止するためであ
る。もし感光膜の寿命をそれ程要求しなければ
As濃度n5は0%で良い。結晶化を防止するには
n5は10重量%以下、好ましくは3%以下で良い。
Se層5の膜厚dは大略1μm以上を用いるが電
子写真装置あるいはレーザビームプリンタに使用
する場合には耐圧との関係で50μm近いものを多
くの場合使用する。したがつて、他のSe層に比
較して極端に厚い。この層にAsを数重量%添加
するとわずかであるが正孔に対するトラツプが増
加し、これが残留電位を高くするので好ましくな
い。As濃度n5が10重量%の感光膜の残留電位は
n5が0重量%のものに比較して3倍以上になる。
したがつてn5は小さい方が良く10重量%以下にし
た方が好ましい。なお、この感光膜は平均電界
1.25×105V/cm以上で極めて良好に動作する。し
たがつて、総膜厚eが4μmの場合、50Vで動作
し、20μmで250V、50μmで600Vで動作する。
この時、eはdを変えることによつて変化させ
る。
のSe層)との役割を説明する。先に説明したよ
うにSe層3で発生した電子と正孔は各々、Se層
2、Se層5に向つて移動し、電子はSe層内部に
注入され、そのまま走行して導電体1に達する。
一方正孔はSe層4によつてSe層5内部に入り、
Se層5の表面に帯電している負の電荷と再結合
して消滅する。Se層2とSe層5とはこのように
各々電子、正孔の走行層としての役割を果たして
いるが、この他にも種々の役割を持つている。
Se層2は濃度n2のAsを含有している。これはSe
が結晶化して金属Seに結晶転移するのを防止す
るためである。とくにSeの結晶化は導電体1と
の界面の方が膜内部よりはるかに結晶核が生じや
すく、このためn2を3重量%以上にすることが望
ましい。しかしながら、n2を10重量%以上にする
と先に説明したようにAsがバンドギヤツプ内に
局在状態を生成しすぎるために、負の空間電荷が
大きくなつて、導電体1からSe層2の中へ正孔
を引込むようになり暗電流を著しく増大せしめて
しまう。また、この負の空間電荷のために感光膜
内部の電界分布が変動してしまい、感度が不安定
になつてしまうため、Se層2のAs濃度n2は10重
量%を越えてはならない。Se層2の膜厚aは20n
m以上は必要である。それはaが20nmより小さ
くなると、導電体1とSe層3とが近づいてしま
う。この場合Se層3のバンドギヤツプが小さい
ために、導電体1からSe層3の中へ正孔が注入
されて暗電流(暗減衰)が大きくなり感光膜とし
て使いものにならなくなるからである。逆にaが
極端に大きくなるとつぎのような問題が生じる。
Seにおいては電子の移動度は正孔のそれよりも
2桁小さい。これはAsを数重量%含むSeにおい
ても同じである。このことはSe層2は電子が走
行しにくいことを意味する。また前述したように
Asは電子をトラツプしやすい性質を持つことか
ら、Se層2の膜厚aを厚くしすぎるとここに負
の空間電荷が生じすぎ感度を不安定にしてしま
う。したがつて、aは1μmより小さい方がより
好ましい。とくに、導電体1側から650nmより
短い波長の光を入射する場合はSe層2で光が吸
収されるので極力薄くした方が感度は高くなる。
700nmより長い波長の光に対してはSe層2はほ
とんど吸収しないのでaがある程度大きくても感
度は変わらない。光をSe層5の表面側から入射
させる場合には光の波長は700nmより長いもの
に限る。それは入射光の波長が700nmより短か
いとSe層5によつてほとんど吸収されてしまい
感度が出ないからである。Se層5に添加してい
るAsはやはりSeの結晶化を防止するためであ
る。もし感光膜の寿命をそれ程要求しなければ
As濃度n5は0%で良い。結晶化を防止するには
n5は10重量%以下、好ましくは3%以下で良い。
Se層5の膜厚dは大略1μm以上を用いるが電
子写真装置あるいはレーザビームプリンタに使用
する場合には耐圧との関係で50μm近いものを多
くの場合使用する。したがつて、他のSe層に比
較して極端に厚い。この層にAsを数重量%添加
するとわずかであるが正孔に対するトラツプが増
加し、これが残留電位を高くするので好ましくな
い。As濃度n5が10重量%の感光膜の残留電位は
n5が0重量%のものに比較して3倍以上になる。
したがつてn5は小さい方が良く10重量%以下にし
た方が好ましい。なお、この感光膜は平均電界
1.25×105V/cm以上で極めて良好に動作する。し
たがつて、総膜厚eが4μmの場合、50Vで動作
し、20μmで250V、50μmで600Vで動作する。
この時、eはdを変えることによつて変化させ
る。
導体1とSe層2との間に膜厚5nm〜50nm程度
の、CeO2やAl2O3、Nb2O5、GeOを代表例とする
n型酸化物等の絶縁膜を介在させると次のような
利点がある。ひとつは導体1からSe層2内部に
正孔が注入されるのを防止するので暗電流が小さ
くなる。もうひとつは導体1に含まれる不純物が
Se層2に拡散するのを防止する。とくに不純物
がアルカリ金属の場合、これがSe層2の中に入
れると著しく結晶化しやすくなる。したがつて、
この絶縁膜は感光膜の寿命を長くするのにも効果
がある。
の、CeO2やAl2O3、Nb2O5、GeOを代表例とする
n型酸化物等の絶縁膜を介在させると次のような
利点がある。ひとつは導体1からSe層2内部に
正孔が注入されるのを防止するので暗電流が小さ
くなる。もうひとつは導体1に含まれる不純物が
Se層2に拡散するのを防止する。とくに不純物
がアルカリ金属の場合、これがSe層2の中に入
れると著しく結晶化しやすくなる。したがつて、
この絶縁膜は感光膜の寿命を長くするのにも効果
がある。
以上説明した感光膜を形成する時の温度と残留
電位との開係について述べる。残留電位は大部分
を占めるSe層5で決まる。この層を形成する時
の温度を50℃から80℃にすると、室温で形成した
ものより残留電位は3分の1以下になり、特性が
良くなる。この時、感度は変わらない。雰囲気は
真空とする。形成時の温度を50℃以下にすると、
残留電位は室温で形成したものとあまり変わらな
い。一方80℃をこえると、一旦ついた膜が再蒸発
してしまい感光膜の表面が穴だらけになつたり、
また、Se層3のTeがSe層2あるいはSe層4に拡
散してしまい感度が低下してしまうので望ましく
ない。もちろん感光膜全体を50℃〜80℃の温度で
形成してもかまわない。
電位との開係について述べる。残留電位は大部分
を占めるSe層5で決まる。この層を形成する時
の温度を50℃から80℃にすると、室温で形成した
ものより残留電位は3分の1以下になり、特性が
良くなる。この時、感度は変わらない。雰囲気は
真空とする。形成時の温度を50℃以下にすると、
残留電位は室温で形成したものとあまり変わらな
い。一方80℃をこえると、一旦ついた膜が再蒸発
してしまい感光膜の表面が穴だらけになつたり、
また、Se層3のTeがSe層2あるいはSe層4に拡
散してしまい感度が低下してしまうので望ましく
ない。もちろん感光膜全体を50℃〜80℃の温度で
形成してもかまわない。
第1図に示した構造の感光膜は電子写真装置や
レーザビームプリンタ装置に応用した場合、光電
変換の中心部であるSe層3が膜の奥の方にある
ので、転写の際記録紙と感光膜とがこすりあうこ
とにより感光膜に傷がついても感度は変わらず鮮
明な画質が得られるという利点がある。
レーザビームプリンタ装置に応用した場合、光電
変換の中心部であるSe層3が膜の奥の方にある
ので、転写の際記録紙と感光膜とがこすりあうこ
とにより感光膜に傷がついても感度は変わらず鮮
明な画質が得られるという利点がある。
第2図に本発明の別の構造図を示す。同図より
明らかなように、これは導電体6に濃度n11が3
〜10重量%のAsを含有するSe層11が形成され
ている以外は第2図aは構造図、第2図b,c,
dは各々、Se、As、Teの濃度分布を示したもの
である。第1図の感光膜を左右ひつくり返した構
造を持つものである。したがつて、第2図におい
てSe層7はAs濃度n7が0から10重量%を含むSe
で形成されており、Se層8はAsの濃度がn7から
n8まで膜厚方向に増加しており、n8は30〜40重量
%、膜厚b′は60〜200nmが最適である。Se層9
はTeの濃度m9として40〜47重量%、As濃度n9と
して3〜10重量%を含むSeで形成され膜厚c′が60
〜200nmが最適である。Se層10はAs濃度n10と
して3〜10重量%のAsを含むSeより形成される
ものである。なおSe層11は導電体6とSe層と
の界面から生じる結晶化を防止するために形成す
るものであり、膜厚fは20nmから100nmあれば
充分である。この結晶化防止層は第4のSe層の
含有As量が特に2重量%以下、もしくはSe層の
場合、挿入することによつて長寿命化を計かるこ
とが出来る。一般には10重量%以下のAsを含有
するSe層を用いる。この感光膜の場合、導体6
がマイナスの極性になるように電圧を印加して
(Se層10の表面をプラスに帯電して)使用する
ので、感光膜の動作は第1図で示した感光膜と全
く同じなので説明を省く。
明らかなように、これは導電体6に濃度n11が3
〜10重量%のAsを含有するSe層11が形成され
ている以外は第2図aは構造図、第2図b,c,
dは各々、Se、As、Teの濃度分布を示したもの
である。第1図の感光膜を左右ひつくり返した構
造を持つものである。したがつて、第2図におい
てSe層7はAs濃度n7が0から10重量%を含むSe
で形成されており、Se層8はAsの濃度がn7から
n8まで膜厚方向に増加しており、n8は30〜40重量
%、膜厚b′は60〜200nmが最適である。Se層9
はTeの濃度m9として40〜47重量%、As濃度n9と
して3〜10重量%を含むSeで形成され膜厚c′が60
〜200nmが最適である。Se層10はAs濃度n10と
して3〜10重量%のAsを含むSeより形成される
ものである。なおSe層11は導電体6とSe層と
の界面から生じる結晶化を防止するために形成す
るものであり、膜厚fは20nmから100nmあれば
充分である。この結晶化防止層は第4のSe層の
含有As量が特に2重量%以下、もしくはSe層の
場合、挿入することによつて長寿命化を計かるこ
とが出来る。一般には10重量%以下のAsを含有
するSe層を用いる。この感光膜の場合、導体6
がマイナスの極性になるように電圧を印加して
(Se層10の表面をプラスに帯電して)使用する
ので、感光膜の動作は第1図で示した感光膜と全
く同じなので説明を省く。
第2図の構造の感光膜の持つ特徴は導体6と反
対側(右側)から光を入射させた場合、400〜
800nmの広い波長にわたる光に対して高感度で
あることである。ただし、電子写真装置や、レー
ザビームプリンタ装置に使用した場合、転写の際
に感光膜に傷がつきやすいのであるが、この場
合、光電変換の中心部であるSe層9にキズがつ
かないようにする必要がある。このためSe層1
0の膜厚d′は極力大きくした方がよい。
対側(右側)から光を入射させた場合、400〜
800nmの広い波長にわたる光に対して高感度で
あることである。ただし、電子写真装置や、レー
ザビームプリンタ装置に使用した場合、転写の際
に感光膜に傷がつきやすいのであるが、この場
合、光電変換の中心部であるSe層9にキズがつ
かないようにする必要がある。このためSe層1
0の膜厚d′は極力大きくした方がよい。
この第2図のSe層10の表面に膜厚30nm程度
のCeO2やAl2O3などの絶縁膜を形成すると次のよ
うな利点が得られる。そのひとつは絶縁膜を設け
ることにより、この上に帯電させられたプラス電
荷が直接Se層10の内部に注入するのを防止
し、暗電流を小さくする。他のひとつは、これら
の絶縁膜は堅固な膜なので感光膜表面の機械的強
度を強くする。この様にこの感光膜を、電子写真
装置や、レーザビームプリンタ装置に使用する場
合、この感光膜に傷がつくことを保護するため耐
刷性の保護膜を設けても良い。代表的な例は有機
物透明導電体のポリビニル・カルバゾルの如きも
のである。以上に説明した第1図記載の感光膜あ
るいは第2図記載の感光膜は電子写真装置やレー
ザビームプリンタ装置に使用する場合には感光膜
表面をコロナ放電によりプラスあるいはマイナス
に帯電させることによつて感光膜に電圧を印加し
動作させるものであるが、感光膜表面にAuやAl
などの金属電極、半透明金属電極や酸化インジウ
ム透明電極を形成し、基板導体との間に電圧を印
加しても動作することはもちろんであり、光電変
換素子としても使用できる。また帯電のさせ方は
コロナ放電に限らず、例えば電子ビームで帯電さ
せても同様に動作する。
のCeO2やAl2O3などの絶縁膜を形成すると次のよ
うな利点が得られる。そのひとつは絶縁膜を設け
ることにより、この上に帯電させられたプラス電
荷が直接Se層10の内部に注入するのを防止
し、暗電流を小さくする。他のひとつは、これら
の絶縁膜は堅固な膜なので感光膜表面の機械的強
度を強くする。この様にこの感光膜を、電子写真
装置や、レーザビームプリンタ装置に使用する場
合、この感光膜に傷がつくことを保護するため耐
刷性の保護膜を設けても良い。代表的な例は有機
物透明導電体のポリビニル・カルバゾルの如きも
のである。以上に説明した第1図記載の感光膜あ
るいは第2図記載の感光膜は電子写真装置やレー
ザビームプリンタ装置に使用する場合には感光膜
表面をコロナ放電によりプラスあるいはマイナス
に帯電させることによつて感光膜に電圧を印加し
動作させるものであるが、感光膜表面にAuやAl
などの金属電極、半透明金属電極や酸化インジウ
ム透明電極を形成し、基板導体との間に電圧を印
加しても動作することはもちろんであり、光電変
換素子としても使用できる。また帯電のさせ方は
コロナ放電に限らず、例えば電子ビームで帯電さ
せても同様に動作する。
これまで説明した感光膜の構成において、第3
のSe層のAsはGeに置換することが出来る。Geの
場合、Se層への含有量は、その最大濃度を10重
量パーセントないし30重量パーセントに設定す
る。
のSe層のAsはGeに置換することが出来る。Geの
場合、Se層への含有量は、その最大濃度を10重
量パーセントないし30重量パーセントに設定す
る。
また、AsとGeを混在させることも可能であ
る。この場合、その最大濃度はAsの場合の最大
濃度およびGeの場合の最大濃度を基準とし、As
とGeの成分比に応じて内挿した値を目安とすれ
ば良い。
る。この場合、その最大濃度はAsの場合の最大
濃度およびGeの場合の最大濃度を基準とし、As
とGeの成分比に応じて内挿した値を目安とすれ
ば良い。
ここで、本発明の感光膜の適用の代表例とし
て、レーザ・プリンタの動作を簡単に説明してお
く。第10図にレーザ・プリンタの構成の概略を
示した。
て、レーザ・プリンタの動作を簡単に説明してお
く。第10図にレーザ・プリンタの構成の概略を
示した。
回転ドラム11の表面に本発明の感光膜が構成
される。回転ドラム11がアルミニウム等導電体
の場合、回転ドラム11自体を本発明の感光膜の
導電体となせば良い。回転ドラムとしてたとえば
ガラス製のものなどを使用する場合、ガラス製回
転ドラムの表面に金属等の導電体を被着し所定の
複数のSe層を積層する。半導体レーザ等の光源
12よりの光15は集光レンズ13を通つて多面
鏡14に当たり、反射されてドラム11の表面に
達する。
される。回転ドラム11がアルミニウム等導電体
の場合、回転ドラム11自体を本発明の感光膜の
導電体となせば良い。回転ドラムとしてたとえば
ガラス製のものなどを使用する場合、ガラス製回
転ドラムの表面に金属等の導電体を被着し所定の
複数のSe層を積層する。半導体レーザ等の光源
12よりの光15は集光レンズ13を通つて多面
鏡14に当たり、反射されてドラム11の表面に
達する。
チヤージヤー16によつてドラム11上に誘起
された電荷はレーザ光に与えられた信号により中
和されて潜像が形成される。ついで、潜像領域は
トナーステーシヨン17に達し、ここで、トナー
がレーザ光によつて照射されそ潜像部分のみに付
着し、このトナーは転写ステーシヨン18におい
て、記録紙19に転写される。転写された像は、
定着用ヒータ20によつて熱定着される。21は
ドラム11のクリーナーである。
された電荷はレーザ光に与えられた信号により中
和されて潜像が形成される。ついで、潜像領域は
トナーステーシヨン17に達し、ここで、トナー
がレーザ光によつて照射されそ潜像部分のみに付
着し、このトナーは転写ステーシヨン18におい
て、記録紙19に転写される。転写された像は、
定着用ヒータ20によつて熱定着される。21は
ドラム11のクリーナーである。
又、ドラムをたとえばガラス製の円筒としガラ
ス円筒上に透明導電膜を設け、次いで所定のSe
層を積層する形態も取り得る。
ス円筒上に透明導電膜を設け、次いで所定のSe
層を積層する形態も取り得る。
この場合、書き込みの光源をドラム内筒内に設
けることも出来る。この場合、光は感光膜の導電
体側より入射することになる。
けることも出来る。この場合、光は感光膜の導電
体側より入射することになる。
本発明の感光膜はここに例示した適用例に限ら
れるものでないことはいうまでもない。
れるものでないことはいうまでもない。
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明す
る。
る。
実施例 1
第1図に示した構造の感光膜を説明する。導電
体としてはガラス基板に通常のCVD法で形成し
た酸化錫透明導電膜を200nm形成したものを用
いた。この上にSeとAs2Se3とのふたつの蒸発源
を5×10-6Torrの真空中で抵抗加熱によつて同
時に蒸発させることにより、As濃度6重量%を
含む膜厚30nmの第1のSe層を形成する。続い
て、SeとAs2Se3とTeの3つの蒸着源を5×
10-6Torrの真空中で同時に蒸発させることによ
つて、36〜50重量%のTeと4重量%との第2の
Asを含有する、膜厚60nmのSe層を形成する。さ
らに、SeとAs2Se3のふたつの蒸発源を5×
10-5Torrの真空中で同時に蒸発させ、As2Se3の
蒸発量を徐々に減少させることにより、As濃度
が40から3重量%まで単調に減少するAsを含有
する構造の膜厚60nmの第3のSe層を形成し、こ
の後、ガラス基板を60〜80℃に加熱してSeとAs
のふたつの蒸発源を1×10-5Torrの真空中で同
時に蒸発させることにより、As濃度3重量%膜
厚3.85μmの第4のSe層を形成する。なお、第4
のSe層はSeのみでも良い。こうして作られた感
光膜に酸化錫透明導電体がプラスの極性で50Vの
電圧を印加した時のガラス基板側から入射する
750nmの光に対する感度と暗電流とを各々第3
図、第4図に示す。第3図よりわかるようにTe
濃度を36重量%から40重量%まで増加すると感度
は徐々に増加してゆく。Te濃度が40重量%から
47重量%までは感度は急激に増加するが、47重量
%をこえると逆に感度は低下してしまう。参考の
ため、全く同様に製作したTeを30重量%にした
感光膜の750nm光に対する感度は10-3A/Wであ
り、Seのみの感光膜では10-4A/Wであるから、
Teを40〜47重量%にした場合この感光膜の感度
は非常に高いことがわかる。
体としてはガラス基板に通常のCVD法で形成し
た酸化錫透明導電膜を200nm形成したものを用
いた。この上にSeとAs2Se3とのふたつの蒸発源
を5×10-6Torrの真空中で抵抗加熱によつて同
時に蒸発させることにより、As濃度6重量%を
含む膜厚30nmの第1のSe層を形成する。続い
て、SeとAs2Se3とTeの3つの蒸着源を5×
10-6Torrの真空中で同時に蒸発させることによ
つて、36〜50重量%のTeと4重量%との第2の
Asを含有する、膜厚60nmのSe層を形成する。さ
らに、SeとAs2Se3のふたつの蒸発源を5×
10-5Torrの真空中で同時に蒸発させ、As2Se3の
蒸発量を徐々に減少させることにより、As濃度
が40から3重量%まで単調に減少するAsを含有
する構造の膜厚60nmの第3のSe層を形成し、こ
の後、ガラス基板を60〜80℃に加熱してSeとAs
のふたつの蒸発源を1×10-5Torrの真空中で同
時に蒸発させることにより、As濃度3重量%膜
厚3.85μmの第4のSe層を形成する。なお、第4
のSe層はSeのみでも良い。こうして作られた感
光膜に酸化錫透明導電体がプラスの極性で50Vの
電圧を印加した時のガラス基板側から入射する
750nmの光に対する感度と暗電流とを各々第3
図、第4図に示す。第3図よりわかるようにTe
濃度を36重量%から40重量%まで増加すると感度
は徐々に増加してゆく。Te濃度が40重量%から
47重量%までは感度は急激に増加するが、47重量
%をこえると逆に感度は低下してしまう。参考の
ため、全く同様に製作したTeを30重量%にした
感光膜の750nm光に対する感度は10-3A/Wであ
り、Seのみの感光膜では10-4A/Wであるから、
Teを40〜47重量%にした場合この感光膜の感度
は非常に高いことがわかる。
参考のため、Teを47重量%にした感光膜とSe
のみからなる感光膜との分光感度特性を第5図に
示す。曲線31が本発明の感光膜、曲線32が
Seのみの感光膜の分光感度特性を示す。このよ
うに400〜900nmの波長領域に対して本発明によ
る感光膜の方が高感度であることがわかる。とく
に600nm以上の光に対して著しく増感されてい
る。一方、第4図の暗電流特性より暗電流はTe
濃度47重量%までは徐々に増加するが、Te量が
47重量%をこえると急激に暗電流が増加すること
がわかる。結局、700〜800nmの波長領域で感度
を有するには40重量%以上のTeが必要であり、
暗電流を小さくするには47重量%でなければなら
ないことがわかる。なお、この感光膜の残留電位
は3%以下であつたが、最後に形成したAs濃度
3%、膜厚3.85μmのSe膜を室温でつけたものは
10%以上であつた。また、感光膜全体を70℃で形
成したものの残留電位も3%以下であつた。補足
するが、基板を加熱してもしなくても感度や暗電
流には差はない。感光膜の形成方法としてはSe
とAs2Se3との蒸発源か、SeとAs2Se3とTeの3つ
の蒸発源を用い、これらの蒸発源を同時に加熱
し、基板に蒸着して所望の膜構造の感光膜を形成
するという方法をとつた。しかし、このように同
時に蒸着しなくてもSeとAs2Se3、あるいはSe、
As2Se3、Teのふたつあるいは3つの蒸着源の上
を基板をくり返して通過させることによつても形
成することができる。この場合、前者の場合Se
の薄膜とAs2Se3の薄膜とが交互に積層され、後
者の場合、Se、As2Se3、Teの3つの薄膜が交互
に積層されるが、この各々の薄膜の膜厚が3nm
以下であれば全く同時蒸着の場合と全く同じ特性
を持つた感光膜が製作できるからである。
のみからなる感光膜との分光感度特性を第5図に
示す。曲線31が本発明の感光膜、曲線32が
Seのみの感光膜の分光感度特性を示す。このよ
うに400〜900nmの波長領域に対して本発明によ
る感光膜の方が高感度であることがわかる。とく
に600nm以上の光に対して著しく増感されてい
る。一方、第4図の暗電流特性より暗電流はTe
濃度47重量%までは徐々に増加するが、Te量が
47重量%をこえると急激に暗電流が増加すること
がわかる。結局、700〜800nmの波長領域で感度
を有するには40重量%以上のTeが必要であり、
暗電流を小さくするには47重量%でなければなら
ないことがわかる。なお、この感光膜の残留電位
は3%以下であつたが、最後に形成したAs濃度
3%、膜厚3.85μmのSe膜を室温でつけたものは
10%以上であつた。また、感光膜全体を70℃で形
成したものの残留電位も3%以下であつた。補足
するが、基板を加熱してもしなくても感度や暗電
流には差はない。感光膜の形成方法としてはSe
とAs2Se3との蒸発源か、SeとAs2Se3とTeの3つ
の蒸発源を用い、これらの蒸発源を同時に加熱
し、基板に蒸着して所望の膜構造の感光膜を形成
するという方法をとつた。しかし、このように同
時に蒸着しなくてもSeとAs2Se3、あるいはSe、
As2Se3、Teのふたつあるいは3つの蒸着源の上
を基板をくり返して通過させることによつても形
成することができる。この場合、前者の場合Se
の薄膜とAs2Se3の薄膜とが交互に積層され、後
者の場合、Se、As2Se3、Teの3つの薄膜が交互
に積層されるが、この各々の薄膜の膜厚が3nm
以下であれば全く同時蒸着の場合と全く同じ特性
を持つた感光膜が製作できるからである。
実施例 2
第1図にしめした構造の感光膜を製作した例を
示す。導電体1としてアルミ板を使用し、この上
にスパツタ蒸着によりAl2O3を膜厚30nm蒸着し
たものと、抵抗加熱蒸着によりCeO2を膜厚30nm
蒸着したふたつの基板と、何もしないアルミ基板
上に実施例1で説明した方法で6重量%のAsを
含む膜厚100nmのSe層を形成し、この上に4重
量%のAsと45重量%のTeとを含むSe層を形成す
る。この層の膜厚を40〜300nmと変えたものを
形成し、その上にAs濃度が40から3重量%まで
単調に減少するAsを含有する構造の膜厚60nmの
Se層を形成し、その後アルミ基板を50℃〜70℃
に加熱して、As濃度0%のSeを4μm形成した
感光膜を製作した。この感光膜の表面をコロナ放
電により−150Vに帯電させ、アルミ板とは反対
方向から750nmのレーザ光を照射して測定した感
度を第6図に示す。同図においては感度として、
表面電位を半減するのに要する光のエネルギをと
つた。したがつて、このエネルギーが少ないほど
感度が高いことになる。第6図よりTeを45重量
%含んだSe層の膜厚が200nmの時感度がもつと
も高くなることがわかる。膜厚が60nm以下にな
ると感度は急激に低下する。この感度はAl2O3、
CeO2膜ありなしに無関係であつた。一方、アル
ミ基板に形成したこれらの感光膜の暗電流を第7
図の曲線aに示す。Al2O3、CeO2を形成した感光
膜においては暗電流は第7図曲線bに示す様にこ
の約1/2であつた。第7図のように暗電流はTe濃
度45重量%を含有するSe層の膜厚が240nmより
厚くなると急に大きくなることがわかる。以上の
結果より、Teを含む層の膜厚は60〜240nmが適
していることがわかる。また、Al2O3やCeO2のよ
うな絶縁膜が暗電流を小さくすることもわかる。
示す。導電体1としてアルミ板を使用し、この上
にスパツタ蒸着によりAl2O3を膜厚30nm蒸着し
たものと、抵抗加熱蒸着によりCeO2を膜厚30nm
蒸着したふたつの基板と、何もしないアルミ基板
上に実施例1で説明した方法で6重量%のAsを
含む膜厚100nmのSe層を形成し、この上に4重
量%のAsと45重量%のTeとを含むSe層を形成す
る。この層の膜厚を40〜300nmと変えたものを
形成し、その上にAs濃度が40から3重量%まで
単調に減少するAsを含有する構造の膜厚60nmの
Se層を形成し、その後アルミ基板を50℃〜70℃
に加熱して、As濃度0%のSeを4μm形成した
感光膜を製作した。この感光膜の表面をコロナ放
電により−150Vに帯電させ、アルミ板とは反対
方向から750nmのレーザ光を照射して測定した感
度を第6図に示す。同図においては感度として、
表面電位を半減するのに要する光のエネルギをと
つた。したがつて、このエネルギーが少ないほど
感度が高いことになる。第6図よりTeを45重量
%含んだSe層の膜厚が200nmの時感度がもつと
も高くなることがわかる。膜厚が60nm以下にな
ると感度は急激に低下する。この感度はAl2O3、
CeO2膜ありなしに無関係であつた。一方、アル
ミ基板に形成したこれらの感光膜の暗電流を第7
図の曲線aに示す。Al2O3、CeO2を形成した感光
膜においては暗電流は第7図曲線bに示す様にこ
の約1/2であつた。第7図のように暗電流はTe濃
度45重量%を含有するSe層の膜厚が240nmより
厚くなると急に大きくなることがわかる。以上の
結果より、Teを含む層の膜厚は60〜240nmが適
していることがわかる。また、Al2O3やCeO2のよ
うな絶縁膜が暗電流を小さくすることもわかる。
実施例 3
第1図に示した構造の感光膜を製作した例を示
す。製作方法は実施例1で説明したのと同じであ
る。基板としてガラス板を用い、この上にCVD
法により酸化錫透明導電膜を200nm形成し、さ
らにこの上にAsを6重量%含む膜厚30nmのSe層
を形成し、この上にTeを41重量%、Asを3重量
%を含有する膜厚60nmの層を形成し、この上に
第1図に示すようにピークAs濃度n4を含む膜厚
cのSe層を形成する。この際、cを60nmに固定
し、n4を3から40重量%と変えたものと、n4を40
に固定しcを0から300nmと変えたものと、As
濃度が40重量%で一様に添加された膜厚60nmの
Se層(第1図のように膜厚方向に単調に減衰し
ていないもの)をつくり、これらの膜の上にAs
を3重量%含有する膜厚4μmの感光膜を製作し
た。これらの感光膜に酸化錫透明電極がプラスの
極性で50Vの電圧を印加した時の波長700nmの光
に対する感度を第8図、第9図に示す。第8図は
cを60nmに固定しn4を3〜40重量%と変化した
時の感度を示し、第9図はn4を40に固定して、c
を0〜300nmと変化した時の感度を示す。第8
図よりAsのピーク濃度が30〜40重量%の時もつ
とも高感度であることがわかる。また同図中に△
印で示したものはAsを40重量%で一様に添加し
た感光膜の感度である。このようにAs濃度を単
調に減少させる構造にせず、一様に添加しても同
じ感度を示すことがわかる。また、第9図によ
り、膜厚cとしては60nmから200nmまではほぼ
一定である。一般には40nmないし240nmの範囲
を選択する。
す。製作方法は実施例1で説明したのと同じであ
る。基板としてガラス板を用い、この上にCVD
法により酸化錫透明導電膜を200nm形成し、さ
らにこの上にAsを6重量%含む膜厚30nmのSe層
を形成し、この上にTeを41重量%、Asを3重量
%を含有する膜厚60nmの層を形成し、この上に
第1図に示すようにピークAs濃度n4を含む膜厚
cのSe層を形成する。この際、cを60nmに固定
し、n4を3から40重量%と変えたものと、n4を40
に固定しcを0から300nmと変えたものと、As
濃度が40重量%で一様に添加された膜厚60nmの
Se層(第1図のように膜厚方向に単調に減衰し
ていないもの)をつくり、これらの膜の上にAs
を3重量%含有する膜厚4μmの感光膜を製作し
た。これらの感光膜に酸化錫透明電極がプラスの
極性で50Vの電圧を印加した時の波長700nmの光
に対する感度を第8図、第9図に示す。第8図は
cを60nmに固定しn4を3〜40重量%と変化した
時の感度を示し、第9図はn4を40に固定して、c
を0〜300nmと変化した時の感度を示す。第8
図よりAsのピーク濃度が30〜40重量%の時もつ
とも高感度であることがわかる。また同図中に△
印で示したものはAsを40重量%で一様に添加し
た感光膜の感度である。このようにAs濃度を単
調に減少させる構造にせず、一様に添加しても同
じ感度を示すことがわかる。また、第9図によ
り、膜厚cとしては60nmから200nmまではほぼ
一定である。一般には40nmないし240nmの範囲
を選択する。
実施例 4
第1図に示した構造の感光膜を製作した例を説
明する。導電体1としてアルミニウム板を使用
し、これにCeO2を30nm蒸着し、この上に、As
を6重量%含有する膜厚60nmのSe層を形成し、
つぎにTeを45重量%、Asを3重量%含む膜厚
180nmのSe層を形成する。この上に、As濃度が
40重量%から3重量%まで単調に減少する膜厚
60nmのSe層を形成し、この上にアルミニウム基
板1を50℃〜80℃に加熱してAs濃度がn5の膜厚
50μmの感光膜を形成した。As濃度n5としては
0、3、5、10重量%の4種類を製作した。これ
らの感光膜をコロナ放電によりアルミニウム基板
1がプラスの極性になるように帯電させて、
600Vの電圧を印加して、アルミニウム基板1と
は逆の方向から774nmの発光波長のレーザ光を
照射して感度を調べた。その結果、感度はAs濃
度n5によらず同じで6mJ/m2であつた。しかし
ながら残留電位は大きく異なり、n5が0と3重量
%のものは初期電位に対して3%以下であり、5
重量%のものが7%程度、10重量%のものは10%
以上になることがわかつた。このことから、n5は
10重量%以下であることが望ましいことがわか
る。
明する。導電体1としてアルミニウム板を使用
し、これにCeO2を30nm蒸着し、この上に、As
を6重量%含有する膜厚60nmのSe層を形成し、
つぎにTeを45重量%、Asを3重量%含む膜厚
180nmのSe層を形成する。この上に、As濃度が
40重量%から3重量%まで単調に減少する膜厚
60nmのSe層を形成し、この上にアルミニウム基
板1を50℃〜80℃に加熱してAs濃度がn5の膜厚
50μmの感光膜を形成した。As濃度n5としては
0、3、5、10重量%の4種類を製作した。これ
らの感光膜をコロナ放電によりアルミニウム基板
1がプラスの極性になるように帯電させて、
600Vの電圧を印加して、アルミニウム基板1と
は逆の方向から774nmの発光波長のレーザ光を
照射して感度を調べた。その結果、感度はAs濃
度n5によらず同じで6mJ/m2であつた。しかし
ながら残留電位は大きく異なり、n5が0と3重量
%のものは初期電位に対して3%以下であり、5
重量%のものが7%程度、10重量%のものは10%
以上になることがわかつた。このことから、n5は
10重量%以下であることが望ましいことがわか
る。
実施例 5
第2図に示した構造の感光膜を製作した例を説
明する。第2図を参照して導電体6としてはアル
ミニウム板を使用しこの上にAsを10重量%含有
する膜厚30nmのSe層11を形成し、この上に、
アルミニウム板を50℃〜80℃に加熱してSeを50
μm形成し、As濃度が0から40重量%まで単調
に増加する構造の膜厚60nmのSe層8を形成す
る。ついで、Teを45重量%、Asを4重量%含む
膜厚180nmのSe層9を形成し、さらにその上に
6重量%のAsを含有する膜厚100nmのSe層10
を形成する。この上にCeO2を30nm蒸着したもの
としないもののの2種類を製作した。これらの感
光膜をコロナ放電によりアルミニウム基板6がマ
イナスの極性になるように帯電させ600Vの電圧
を印加する。そして、アルミニウム基板と反対側
から774nmの発光波長のレーザ光を照射した時
の感度を測定した結果、CeO2膜のありなしによ
らずどちらも実施例4の感光膜と同じく6mJ/
m2であつた。しかし、暗電流(暗減衰)はCeO2
のあるものはないものの約1/2であり特性の良い
ことがわかつた。
明する。第2図を参照して導電体6としてはアル
ミニウム板を使用しこの上にAsを10重量%含有
する膜厚30nmのSe層11を形成し、この上に、
アルミニウム板を50℃〜80℃に加熱してSeを50
μm形成し、As濃度が0から40重量%まで単調
に増加する構造の膜厚60nmのSe層8を形成す
る。ついで、Teを45重量%、Asを4重量%含む
膜厚180nmのSe層9を形成し、さらにその上に
6重量%のAsを含有する膜厚100nmのSe層10
を形成する。この上にCeO2を30nm蒸着したもの
としないもののの2種類を製作した。これらの感
光膜をコロナ放電によりアルミニウム基板6がマ
イナスの極性になるように帯電させ600Vの電圧
を印加する。そして、アルミニウム基板と反対側
から774nmの発光波長のレーザ光を照射した時
の感度を測定した結果、CeO2膜のありなしによ
らずどちらも実施例4の感光膜と同じく6mJ/
m2であつた。しかし、暗電流(暗減衰)はCeO2
のあるものはないものの約1/2であり特性の良い
ことがわかつた。
以上の説明より明らかに本発明による構造を有
する感光膜はとくに600〜800nmの波長領域での
感度が従来のSe感光膜の感度よりも著しく高い
ものである。また、本発明の構造を有する感光膜
の774nm光に対する感度は従来使用されている
Se感光体の442nm光に対する感度に匹敵するも
のである。
する感光膜はとくに600〜800nmの波長領域での
感度が従来のSe感光膜の感度よりも著しく高い
ものである。また、本発明の構造を有する感光膜
の774nm光に対する感度は従来使用されている
Se感光体の442nm光に対する感度に匹敵するも
のである。
したがつて、He−Neおよび半導体レーザビー
ムプリンタ感光膜に適したものといえる。
ムプリンタ感光膜に適したものといえる。
実施例 6
導電体としてはガラス基板に通常のCVD法で
形成した酸化錫透明導電膜を200nm形成したも
のを用いた。この上にSeとAs2Se3とのふたつの
蒸発源を5×10-6Torrの真空中で抵抗加熱によ
つて同時に蒸発させることにより、As濃度6重
量%を含む膜厚30nmの第1のSe層を形成する。
続いて、SeとAs2Se3とTeの3つの蒸着源を5×
10-6Torrの真空中で同時に蒸発させることによ
つて、40〜47重量%のTeと4重量%とのAsを含
有する、膜厚60nmの第2のSe層を形成する。さ
らに、SeとGeのふたつの蒸発源を5×10-5torrの
真空中で同時に蒸発させ、Geの蒸発量を徐々に
減少させることにより、Ge濃度が40から3重量
%まで単調に減少するGeを含有する構造の膜厚
60nmの第3のSe層を形成し、この後、ガラス基
板を60℃〜80℃に加熱してSeとGeのふたつの蒸
発源を1×10-5torrの真空中で同時に蒸発させる
ことにより、As濃度3重量%、膜厚3.85μmの
第4Se層を形成する。こうして、本発明の感光膜
を製造し所望の特性を得ることが出来た。
形成した酸化錫透明導電膜を200nm形成したも
のを用いた。この上にSeとAs2Se3とのふたつの
蒸発源を5×10-6Torrの真空中で抵抗加熱によ
つて同時に蒸発させることにより、As濃度6重
量%を含む膜厚30nmの第1のSe層を形成する。
続いて、SeとAs2Se3とTeの3つの蒸着源を5×
10-6Torrの真空中で同時に蒸発させることによ
つて、40〜47重量%のTeと4重量%とのAsを含
有する、膜厚60nmの第2のSe層を形成する。さ
らに、SeとGeのふたつの蒸発源を5×10-5torrの
真空中で同時に蒸発させ、Geの蒸発量を徐々に
減少させることにより、Ge濃度が40から3重量
%まで単調に減少するGeを含有する構造の膜厚
60nmの第3のSe層を形成し、この後、ガラス基
板を60℃〜80℃に加熱してSeとGeのふたつの蒸
発源を1×10-5torrの真空中で同時に蒸発させる
ことにより、As濃度3重量%、膜厚3.85μmの
第4Se層を形成する。こうして、本発明の感光膜
を製造し所望の特性を得ることが出来た。
また前記第3のSe層のGeをAsとGeを共存させ
た組成としても類似特性を得ることが出来た。
た組成としても類似特性を得ることが出来た。
第1図は本発明による感光膜の構造図、第2図
は本発明によるもうひとつの構造図、第3図は
Te濃度と感度との関係を示す図、第4図はTe濃
度と暗電流との関係を示す図、第5図は本発明に
よる感光膜とSeのみの感光膜との分光感度の比
較図、第6図はTeを含有したSe層の膜厚と感度
との関係を示す図、第7図はTeを含有したSe層
の膜厚と暗電流との関係を示す図、第8図はAs
濃度のピーク量と感度との関係を示す図、第9図
は第1図に示した感光膜のcと感度との関係を示
す図、第10図はレーザ・プリンターの構成を示
す説明図である。 1,6……導電膜、2,10……第1のSe
層、3,9……第2のSe層、4,8……第3の
Se層、5,7……第4のSe層。
は本発明によるもうひとつの構造図、第3図は
Te濃度と感度との関係を示す図、第4図はTe濃
度と暗電流との関係を示す図、第5図は本発明に
よる感光膜とSeのみの感光膜との分光感度の比
較図、第6図はTeを含有したSe層の膜厚と感度
との関係を示す図、第7図はTeを含有したSe層
の膜厚と暗電流との関係を示す図、第8図はAs
濃度のピーク量と感度との関係を示す図、第9図
は第1図に示した感光膜のcと感度との関係を示
す図、第10図はレーザ・プリンターの構成を示
す説明図である。 1,6……導電膜、2,10……第1のSe
層、3,9……第2のSe層、4,8……第3の
Se層、5,7……第4のSe層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 3重量パーセントないし10重量パーセントの
Asを含有する第1のSe層と、40重量パーセント
ないし47重量パーセントのTe、および3重量パ
ーセントないし10重量パーセントのAsを含有す
る第2のSe層と、前記第2のSe層に接する部分
に最大濃度が30重量パーセントないし40重量パー
セントに設定されたAs又はその最大濃度が10重
量パーセントないし30重量パーセントに設定され
たGeを含有する第3のSe層と、Se、もしくは10
重量パーセント以下のAsを含有する第4のSe層
とが順次積層され、前記第1のSe層もしくは前
記第4のSe層のいずれか一方の表面に接して導
電体を、少なくとも有する電子印刷用感光膜。 2 前記第3のSe層はAsおよびGeを含有する層
なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の電子印刷用感光膜。 3 前記第3のSe層は前記第2のSe層から前記
第4のSe層に対しAs又は/およびGeの含有濃度
が順次減少していることを特徴とする特許請求の
範囲第1項又は第2項記載の電子印刷用感光膜。 4 前記第2のSe層の膜厚が60〜240nm、前記
第3のSe層の膜厚が40〜240nmなることを特徴
とする特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項
記載の電子印刷用感光膜。 5 前記導電体上に絶縁物薄膜を設け、この表面
に前記第1のSe層もしくは前記第4のSe層が接
して成る特許請求の範囲第1項、第2項、第3項
又は第4項記載の電子印刷用感光膜。 6 前記第1のSe層又は前記第4のSe層のいず
れか一方の表面に接して保護膜が形成されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第
5項記載の電子印刷用感光膜。 7 少なくとも表面が導電性なる基体上に、少な
くとも、3重量パーセントないし10重量パーセン
トのAsを含有する第1のSe層と、40重量パーセ
ントないし47重量パーセントのTe、および3重
量パーセントないし10重量パーセントのAsを含
有する第2のSe層と、前記第2のSe層に接する
部分に最大濃度が30重量パーセントないし40重量
パーセントに設定されたAs又はその最大濃度が
10重量パーセントないし30重量パーセントに設定
されたGeを含有する第3のSe層と、Se、もしく
は10重量パーセント以下のAsを含有する第4の
Se層を各々蒸着にて形成する電子印刷用感光膜
の製造方法において、少なくとも前記第4のSe
層を形成する場合、準備された蒸着用基体を50℃
ないし80℃に保つて行なう工程を有することを特
徴とする電子印刷用感光膜の製造方法。 8 前記少なくとも表面が導電性なる基体を50℃
ないし80℃に保つて、前記第1、第2、第3、お
よび第4のSe層を各々蒸着することを特徴とす
る特許請求の範囲第7項記載の電子印刷用感光膜
の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7466179A JPS55166648A (en) | 1979-06-15 | 1979-06-15 | Photosensitive film and its production |
US06/158,369 US4314014A (en) | 1979-06-15 | 1980-06-11 | Electrophotographic plate and process for preparation thereof |
DE8080302002T DE3062885D1 (en) | 1979-06-15 | 1980-06-13 | Electrophotographic plate and a process for preparation of such a plate |
EP80302002A EP0021751B1 (en) | 1979-06-15 | 1980-06-13 | Electrophotographic plate and a process for preparation of such a plate |
CA000354038A CA1142789A (en) | 1979-06-15 | 1980-06-16 | Electrophotographic plate and process for preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7466179A JPS55166648A (en) | 1979-06-15 | 1979-06-15 | Photosensitive film and its production |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55166648A JPS55166648A (en) | 1980-12-25 |
JPS6248216B2 true JPS6248216B2 (ja) | 1987-10-13 |
Family
ID=13553633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7466179A Granted JPS55166648A (en) | 1979-06-15 | 1979-06-15 | Photosensitive film and its production |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS55166648A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57161869A (en) * | 1981-03-31 | 1982-10-05 | Hitachi Ltd | Electrophotographic method |
JPH01118149A (ja) * | 1988-09-30 | 1989-05-10 | Ricoh Co Ltd | 画像記録方法 |
-
1979
- 1979-06-15 JP JP7466179A patent/JPS55166648A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55166648A (en) | 1980-12-25 |
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