JPS62471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耐蝕性および耐摩耗耐に優れた寿命の
長い耐蝕耐摩耗管体に関するものである。

従来、耐蝕性を有する配管類として、鋼管体内
面にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フツ素樹
脂、塩ビニール樹脂、ポレプロピレン樹脂等の合
成樹脂よりなる耐蝕性樹脂層を被覆した被覆管体
が一般によく知られている。

しかしながら、従来これらの被覆管体は耐蝕性
に優れているところから、腐蝕性流体の輸送等に
広く用いられているものの流体が固形状の粒子を
含んでいるスラリー状の流体輸送の場合は、耐蝕
性被覆樹脂層が固形状粒子により短期間に摩耗
し、被覆管体の寿命が極めて短いという欠点を有
していた。

本考案の目的は、耐蝕性および耐摩耗耐に優れ
た寿命の長い被覆管体を提供するものである。

本考案は鋼管製の管体内面にセラミツクス多孔
質管に耐蝕耐樹脂好ましくはパーフルオロアルコ
キシ樹脂（PFA）を含浸した耐蝕耐摩耗管体で
ある。

本考案の耐蝕耐摩耗管体の一具体例を第１図に
基づいて説明すると、鋼製管体１の内面にアルミ
ナ、炭化珪素、ムライト、コージライト、ジルコ
ニア等の粒子を焼結一体化したセラミツクス多孔
質管２を嵌合し、そのセラミツクス多孔質管２に
フツ素樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂
好ましくはパーフルオロアルコキシ樹脂
（PFA）等の耐蝕性樹脂３を含浸したものであ
る。そしてセラミツクス多孔質管２は第２図にそ
の一例を示した如く前記の材質あるいは珪砂、磁
器粉砕時よりなる0.1〜１mm程度のセラミツク微
粒子４を多孔質に成形し、焼結して多孔質筒体に
形成したものであつてセラミツクス微粒子４同士
が焼結により互いに強く結合しているものであ
り、肉厚等を通常0.5〜２mm程度に成形したもの
である。又、セラミツクス多孔質管の耐蝕性樹脂
の含浸は、鋼管体にセラミツクスの多孔質管を嵌
合した後、内型（図示せず）をはめて鋼管体と内
型との間に樹脂を圧力注入して、流し込みにより
含浸するのが好ましい。

本考案の耐蝕耐摩耗管体の作用を述べると、鋼
管体の管体内面にセラミツクス多孔質管を嵌合す
るので、管体に耐摩耗耐を付与できると共に、セ
ラミツクス多孔質管は正確に鋼製管体の内径に合
致する外径を有する必要なく、若干のクリアラン
スのあるガタで嵌合が容易な外形としておき、嵌
合後、このセラミツクス多孔質管に耐蝕性樹脂を
含浸し、耐蝕コーテイングを施すことにより、腐
食耐流体であつて固形微粒子を含むスラリー等を
輸送しても耐蝕性と、耐摩耗耐とが得られる二重
構造としたのが特徴である。スラリー状物質を含
む流体が前述のような本考案の管体中を流れた場
合、初期は第３図に示したように管内面は平滑で
あるが、時間の経過とともに第４図に示すように
管内面の耐蝕性樹脂３がスラリーにより摩耗し、
セラミツクス微粒子４の一部が露出して来るがこ
のセラミツクス粒子が耐摩耗耐を発揮し耐蝕樹脂
の摩耗を防ぐ働きをする。そして長時間に至り第
４図のような状態で使用できるものである。又、
セラミツクス微粒子４はお互いに焼結しているた
め結合が強固で脱落することがないため長期間耐
蝕樹脂の摩耗減量を著しく減少できるものであり
耐久耐に極めて優れた管体である。一例を上げれ
ば、従来公知の鋼管体内面に厚さ１mmのPFAパ
イプを嵌合した被覆管体を活耐炭20％を含むスラ
リー流体の輸送に用いた場合約500時間で摩耗が
著しく使用不可となるのに対し鋼管体の内面に
1.5mm厚のアルミナ者多孔質管を嵌合しPFA樹脂
を含浸した本考案のものは2000時間でもまだ十分
使用できるものである。

以上詳述したように、本考案によれば耐久耐、
耐摩耗耐の極めて優れた寿命の長い耐蝕耐摩耗管
体を得ることができ産業上有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の耐蝕耐摩耗管体の一具体例の
断面を示す説明図、第２図はセラミツクス多孔質
管の斜視を示す説明図、第３図は本考案の管体の
部分拡大断面を示す説明図、第４図は本考案の管
体の被覆層が摩耗損失した場合の部分断面を示す
説明図である。 １…鋼製管体、２…セラミツクス多孔質管、３
…耐蝕性樹脂、４…セラミツクス微粒子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 鋼管の内面にセラミツクス多孔質管を嵌合
   し、そのセラミツクス多孔質管に耐蝕性樹脂を
   含浸し耐蝕性コーテイングを形成したことを特
   徴とする耐蝕耐摩耗管体。 ２ 耐蝕性樹脂がパーフルオロアルコキシ樹脂
   （PFA）である実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の耐蝕耐摩耗管体。