JPS62465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は三方電磁弁の改良に関し、構造を簡単
にするとともに安定した作動を行なうようにした
ものである。

従来から油圧回路や各種油圧制御回路等に三方
電磁弁が用いられており、従来の三方電磁弁の慨
略は、第１図に示すように構成されている。この
三方電磁弁はケーシング１内に２つのランド部２
ａ，２ｂを有するプランジヤ２が精密に嵌合さ
れ、プランジヤ２が弁棒３を介して電磁コイル４
の可動鉄心５に接続してある。また、ケーシング
１には供給ポート６、出力ポート７、排出ポート
８が穿孔してあり、プランジヤ２のランド部２
ａ，２ｂで供給ポート６と排出ポート８とが開閉
されるようにしてある。尚、図中９，１０はスプ
リングである。

このような構成の電磁弁の作動は、電磁コイル
４が消磁されている図示した状態ではスプリング
９がスプリング１０に打ち勝つてプランジヤ２を
図中の右方に押し、供給ポート６を閉じ、排出ポ
ート８と出力ポート７とを連通させ、圧油を出力
ポート７、排出ポート８を介して排出する。一
方、電磁コイル４が励磁されると可動鉄心５が吸
引されて図中の左方にプランジヤ２を押す。この
結果、排出ポート８が閉じられ、供給ポート６と
出力ポート７とが連通し、出力ポート７から図示
しないアクチユエータ等に圧油が送給される。

ところが、このような電磁弁にあつては、供給
ポート６からケーシング１内に油が洩れないよう
にするためにはプランジヤ２のランド部２ａの幅
を大きくし、供給ポート６とのオーバラツプ量を
多くとる必要がある。しかし、こうすることによ
つて、供給ポート６を開くときに要するストロー
ク量が長くなるとともに摩擦抵抗も増大し、プラ
ンジヤ２の作動が不確実となり、信頼性の低下と
なつていた。

本考案はかかる従来の欠点を解消し、ポペツト
弁を用い簡単な構造でしかも安定した作動を行な
う三方電磁弁の提供を目的とする。かかる目的を
達成する本考案の構成はプランジヤの両側にポペ
ツト弁を相対向させて連設し弁本体を形成すると
ともにこの弁本体を電磁コイルの可動鉄心に接続
し、この弁本体が収納される弁ハウジングの弁室
の両端部に前記ポペツト弁の弁座を形成し、前記
弁本体のプランジヤとポペツト弁とで２つに仕切
られる前記弁室の一方を排出ポートに、他方を供
給ポートに夫々連通させる一方、前記弁座外方に
形成される２つの室が連通する通路を弁ハウジン
グに穿設するとともに当該室の一方と連通させて
出力ポートを設けたことを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

本考案の三方電磁弁は、第２図に示すように構
成され、弁ハウジング１１内に収納される弁本体
１２は中央部にプランジヤ１２ａを有し、このプ
ランジヤ１２ａの両側に相対向して２つのポペツ
ト弁１２ｂ，１２ｃが連設してある。この弁本体
１２は図示したようにプランジヤ１２ａの部分で
２分割としても一体としても良い。そして、この
ポペツト弁１２ｂ，１２ｃが当接する弁座１３
ａ，１３ｂが弁ハウジング１１の弁室１４の両端
部に形成してある。また、弁本体１２の上端面に
弁棒１５を介して電磁コイル１６の可動鉄心１７
が連結してある。尚、１８は固定鉄心である。ま
た、可動鉄心１７の上端面と、ポペツト弁１２ｃ
の下端面にそれぞれ当接するスプリング１９，２
０が設けてあり、電磁コイル１６を消磁した状態
では第２図のようにポペツト弁１２ｃが弁座１３
ｂに着座するようバネ力が付勢してある。

各ポートは、プランジヤ１２ａとポペツト弁１
２ｂ，１２ｃとで仕切られる弁室１４の２つの弁
室２１，２２のうち、一方の弁室２１には排出ポ
ート２３が連通するよう弁ハウジング１１に穿孔
され、他方の弁室２２には供給ポート２４が連通
するよう弁ハウジング１１に穿孔してある。

また、ポペツト弁１２ｂ，１２ｃの外方と弁ハ
ウジング１１とで形成され、ポペツト弁１２ｂ，
１２ｃの開閉によつて弁室２１，２２と連通する
２つの室２１ａ，２２ａを連通する通路２５が弁
本体１２と平行に弁ハウジング１１に穿設してあ
り、さらに、下側の室２２と連通して下方に向け
て出力ポート２６が穿設してある。

尚、図中、２７は可動鉄心が収納されるケーシ
ングである。

このように構成した三方電磁弁は電磁コイル１
６が消磁されている状態（第２図の状態）では上
側のポペツト弁１２ｂが弁座１３ａから離座し、
下側のポペツト弁１２ｃが弁座１３ｂに着座して
いる。したがつて、排出ポート２３が弁室２１、
室２１ａ、通路２５、室２２ａを経て出力ポート
２６に連通し、アクチユエータ等（図示せず）の
圧油を排出することができ、供給ポート２４と弁
室２２は室２２ａと遮断されているので圧油の送
給はなされない。

一方、電磁コイル１６を励磁すると可動鉄心１
７が吸引されて下降し、上側のポペツト弁１２ｂ
を弁座１３ａに着座させるとともに下側のポペツ
ト弁１２ｃをスプリング２０に抗して弁座１３ｂ
から離座させる。この結果、排出ポート２３は出
力ポート２６から遮断され、供給ポート２４は出
力ポート２６と連通することとなり、圧油が出力
ポート２６を介してアクチユエータ等に送給され
る。

第３図は、本考案の三方電磁弁の応用例であ
り、アクチユエータとしてのプランジヤ３１のケ
ーシング２８に２個の三方電磁弁，を組込ん
だものである。この三方電磁弁のうち一方の電磁
弁はプランジヤ３１の左方のシリンダ室２９に
圧油の給排を行ない、電磁弁はプランジヤ３１
の右方のシリンダ室３０に圧油の給排を行なうも
のであり、図中の２３は排出ポート、２４は供給
ポート、２６は出力ポートを上記実施例と同様に
それぞれ示す。

この応用例の作動は電磁弁を励磁し、電磁弁
を消磁することでシリンダ室２９に圧油が送給
されるとともにシリンダ室３０の油が電磁弁を
介して排出されるのでプランジヤ３１が図中の右
方に移動する。一方、逆に、電磁弁を消磁し、
電磁弁を励磁すると、シリンダ室２９の油が排
出されるとともにシリンダ室３０に圧油が送給さ
れ、図中の左方にプランジヤ３１が移動する。

以上、実施例とともに具体的に説明したように
本考案によれば弁としてポペツト弁を用いたので
弁と弁座の接触が線接触であり洩油を防止できる
とともにストローク量も短かくてすむ。また、摩
擦抵抗も小さいので作動が確実であり、構造も簡
単でコンパクトにすることができる。

したがつて、アクチユエータのケーシング内に
電磁弁を組み込むこともできアクチユエータ等も
小型化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の三方電磁弁の概略を示す縦断面
図、第２図は本考案の三方電磁弁の一実施例の縦
断面図、第３図は本考案の三方電磁弁の応用例を
示すアクチユエータの一例の縦断面図である。 図面中、１１は弁ハウジング、１２は弁本体、
１２ａはプランジヤ、１２ｂ，１２ｃはポペツト
弁、１３ａ，１３ｂは弁座、１４は弁室、１５は
弁棒、１６は電磁コイル、１７は可動鉄心、１８
は固定鉄心、１９，２０はスプリング、２１，２
２は弁室、２１ａ，２２ａは室、２３は排出ポー
ト、２４は供給ポート、２５は通路、２６は出力
ポート、２７，２８はケーシング、２９，３０は
シリンダ室、３１はプランジヤである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プランジヤの両側にポペツト弁を相対向させて
   連設し弁本体を形成するとともにこの弁本体を電
   磁コイルの可動鉄心に接続し、この弁本体が収納
   される弁ハウジングの弁室の両端部に前記ポペツ
   ト弁の弁座を形成し、前記弁本体のプランジヤと
   ポペツト弁とで２つに仕切られる前記弁室の一方
   を排出ポートに、他方を供給ポートに夫々連通さ
   せる一方、前記弁座外方に形成される２つの室が
   連通する通路を弁ハウジングに穿設するとともに
   当該室の一方と連通させて出力ポートを設けたこ
   とを特徴とする三方電磁弁。