JPS6246530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作物等を搬送するトランスフア装置
に関するものである。

トランスフア装置には、リフトアンドキヤリー
で工作物を搬送する方式と、スライドキヤリーで
工作物を搬送する方式との２種類があり、一般に
は搬送の安定性およびコスト面からスライドキヤ
リー方式が主に採用されるが、工作物の下面が黒
皮であつたり、あるいは下面を傷付けてはいけな
い場合には、リフトアンドキヤリー方式が用いら
れる。

ところで黒皮状態の工作物を始めに基準面加工
し、しかる後工作物の姿勢を変換して異なる面の
加工を行う場合には、始めは工作物をリフトアン
ドキヤリー方式でしか搬送できないが、姿勢変換
後は加工された基準面を搬送基準として工作物を
スライドキヤリー方式で搬送することが可能とな
る場合がある。

ところが従来においては、搬送方式が異なる場
合トランスフアラインを分断しているのが一般的
であり、このものによると、２種類のトランスフ
アバーと、一方のトランスフアバーをリフトする
手段と、他方のトランスフアバーの搬送爪を起倒
する手段と、さらに両トランスフアバーをトラン
スフアする手段を必要とし、構成が複雑となると
共に、コスト高となる不具合がある。

本考案は上記従来の不具合に鑑み、リフトアン
ドキヤリーで工作物を搬送する方式と、スライド
キヤリーで工作物を搬送する方式とを組合わせ、
しかも２種類のトランスフアバーをトランスフア
方向に一体的に連繋させると共に、一方のトラン
スフアバーのリフト動作を利用して他方のトラン
スフアバーの搬送爪の起倒を行うようにしたトラ
ンスフア装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。
第１図及び第２図において、１はリフトアンドキ
ヤリー方式の第１のトランスフアバーであり、所
定の間隔で工作物Ｗを載置する工作物受台２を有
している。３は作動杆であり、図略の公知のリフ
ト駆動装置に連結されている。４はこの作動杆３
により揺動され、第３図に示す支持ローラ４ａに
て第１のトランスフアバー１を支承し、第１のト
ランスフアバー１を上下動する揺動リンクであ
る。

５は前記第１のトランスフアバー１と平行な軸
線で延在するスライド方式の第２のトランスフア
バーであり、工作物Ｗに係合する搬送爪６を有し
ている。

７は前記第１のトランスフアバー１並びに第２
のトランスフアバー５の側方に平行な軸線で固定
ブラケツト８によつて固設されたガイドバーであ
り、これにスライダ９が摺動自在に案内されてい
る。このスライダ９は図略の駆動源に連結され、
一定のピツチで往復動する。

このスライダ９に前記第１のトランスフアバー
１は上下動のみ可能に連結し、第２のトランスフ
アバー５は回転のみ可能に連結される。この詳細
な構成について第３図及び第４図によつて説明す
る。

すなわち、第１のトランスフアバー１は、スラ
イダ９に上下方向に摺動自在に案内された摺動ブ
ロツク１２と一体に結合されている連結部材１０
に連結している。

また、第２のトランスフアバー５は、スライダ
９に固設された支持台１６に回転自在に軸承され
た被動軸１９とピン２１によつて連結されてい
る。

そして、この第２のトランスフアバー５は、搬
送爪６を工作物Ｗに対し係合する位置と係合を解
除する位置とに起倒させるべく、前記第１のトラ
ンスフアバー１の上下運動に基いて回転作動され
る。この第１のトランスフアバー１の上下運動を
第２のトランスフアバー５の回転運動に変換する
運動変換機構は次の通りである。

前記支持台１６に被動軸１９と平行な軸線で駆
動軸１７を回転自在に軸承し、この駆動軸１７と
被動軸１９とを歯車２０によつて連繋される。ま
た、駆動軸１７上にはピニオン１８が設けられ、
スライダ９に上下方向に摺動自在に案内した作動
軸１３の上端部に形成したラツク１５が噛合して
いる。

この作動軸１３は軸方向（上下方向）に長い係
合溝１４が凹設され、これに前記摺動ブロツク１
２に一体に嵌着された係合軸１１の先端の係合突
起１１ａが係入されている。この係合突起１１ａ
と係合溝１４との係合関係は、摺動ブロツク１２
の上昇動に基く係合突起１１ａの全ストロークＬ
の範囲で、そのほぼ上半分のストロークｌの範囲
で係合突起１１ａが係合溝１４に係合して作動軸
１３を上昇作動するようになつている。

上記本考案の動作について説明する。第１のト
ランスフアバー１は、揺動リンク４によつて上昇
し、工作物受台２上に工作物Ｗを支持してスライ
ダ９の一定ピツチの前進動で前進移動し、揺動リ
ンク４によつて下降すると共に、スライダ９の後
退動で原位置に後退移動するリフトアンドキヤリ
動作を行う。

一方、第２のトランスフアバー５は前記スライ
ダ９の往復動によつて第１のトランスフアバー１
と一体に進退移動すると共に、第１のトランスフ
アバー１の上下運動で回転運動を行う。すなわ
ち、第１のトランスフアバー１の上昇動によつて
摺動ブロツク１２が上昇する。この摺動ブロツク
１２の上昇で係合軸１１の先端の係合突起１１ａ
が上昇し係合溝１４に係合したところで作動軸１
３を上昇動する。作動軸１３の上昇動によつてラ
ツク１５はピニオン１８を介して駆動軸１７を回
転し、歯車２０によつて被動軸１９に回転を伝達
して第２のトランスフアバー５を第３図において
反時計方向に回転する。これによつて第３図の実
線で示す係合解除位置にあつた第２のトランスフ
アバー５上の搬送爪６は仮想線で示す工作物Ｗと
の係合位置に回動するのである。

また、第１のトランスフアバー１の下降動では
作動軸１３は係合突起１１ａの押し下げと作動軸
１３の自重力とによつて下降動し、第２のトラン
スフアバー５を前記とは逆の時計方向に回転して
搬送爪６を工作物Ｗに対する係合解除位置に回動
する。

従つて、第１のトランスフアバー１が上昇して
工作物Ｗを支持したとき第２のトランスフアバー
５は搬送爪６が工作物Ｗに係合すべく回転し、ス
ライダ９の一定ピツチの前進移動で第１のトラン
スフアバー１並びに第２のトランスフアバー５上
の工作物Ｗを搬送する。次いで第１のトランスフ
アバー１の下降動で第２のトランスフアバー５の
搬送爪６は工作物Ｗとの係合を外し、スライダ９
の後退移動で第１のトランスフアバー１並びに第
２のトランスフアバー５を原位置まで後退移動す
る動作の繰り返しによつて第１のトランスフアバ
ー１ではリフトアンドキヤリー方式で工作物Ｗを
搬送し、第２のトランスフアバー５ではスライド
方式で工作物Ｗを搬送するのである。

このように本考案では、リフトアンドキヤリー
方式とスライド方式との２種類のトランスフアバ
ーを一定ピツチで往復動するスライダによつてト
ランスフア方向に一体的に連繋させ、リフトアン
ドキヤリー方式のトランスフアバーの昇降動を利
用して運動変換機構によりスライド方式のトラン
スフアバーを回転し、搬送爪を起倒するようにし
たものであるから、駆動装置の削減が得られると
共に、構成が簡単であり低コストで提供できる利
点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の側面図、第２図は平面図、第
３図は第２図−線拡大断面図、第４図は第３
図−線断面図である。 １……第１のトランスフアバー、４……揺動リ
ンク、５……第２のトランスフアバー、６……搬
送爪、９……スライダ、１０……連結部材、１１
……係合軸、１２……摺動ブロツク、１３……作
動軸、１４……係合溝、１５……ラツク、１６…
…支持台、１７……駆動軸、１８……ピニオン、
１９……被動軸、２０……歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動源に連結され搬送方向に一定のピツチで往
   復動するスライダと、このスライダに上下動のみ
   可能に連結され、且つ揺動リンクによつて上下運
   動する第１のトランスフアバーと、前記スライダ
   に回転のみ可能に連結され、且つ第１のトランス
   フアバーと平行な軸線で延在する搬送爪を設けた
   第２のトランスフアバーと、前記搬送爪を起倒さ
   せるべく第１のトランスフアバーの上下運動を第
   ２のトランスフアバーの回転運動に変換する運動
   変換機構とを備えたトランスフア装置。