JPS6246453Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は理美容用に使用される蒸気噴霧器に於
て、ノズルより湯玉が噴出しないようになした装
置に関するものである。

一般に適温なるスチームはその温度効果と水分
の働きで肌の発汗作用と血行を促進させ、且肌に
水分を与えて毛穴の汚れを落し、皮膚を滑らかに
する作用のあることが知られ、顔面その他の肌に
直接噴霧して美容用に、あるいは髭剃用として顔
面に噴霧して理容用に使用することが提案されて
いる。

しかし従来使用されている蒸気噴霧器は通常シ
ーズヒータ等の加熱手段を有する蒸気発生器と、
黄銅管（内径は通常10数mm）の蒸気導管およびそ
の先端附近に設けた同材質の蒸気噴出ノズルより
なり、通常ノズル出口で温度90℃前後の蒸気を噴
出させ、これを美容にあつては顔面又は全身に、
理容にあつては顔面に向けて30〜40cm離れた所か
ら噴射し、各種の美理容施術を行なうようになし
ている。そして通常の場合蒸気管が新しく管内面
が清浄な場合で、蒸気導管が横方向に突出する角
度が約20゜以上の場合は蒸気管が外気温によつて
冷え、発生蒸気の一部が凝縮して液化することが
あつても、これは管内を滑らかに流れ落ちて元に
戻り、ノズルから湯玉となつて飛び出すことはな
い。しかし蒸気導管のノズルより先の部分は常に
蒸気が停滞して冷却し、これによつて凝縮結露と
なり、この水滴が湯玉となつてノズルより蒸気と
噴出されたり、また長期間例えば３〜４ケ月以上
使用していると蒸気導管内面に使用する水質にも
よるが、所謂かん石様のもの（CaCO₃.CaSO₄.
CaSO₃.Ca（OH）₂.Mg（OH）₂.Na₂SO₄その他有機
酸のCa塩等）の薄膜、未使用時にノズル等より
吸いこまれた粉塵、あるいは微生物膜等が次第に
蒸気管内に附着して凝縮水滴の滑らかな管内の流
れ落ちを妨げ、管内のこれら附着物に保有される
ため、時には湯玉となつてノズルより噴出し、場
合によつては皮膚面に熱感を与え、又ひどい場合
には火傷を起すおそれもあつた。従つて従来は蒸
気管の水平となす角度は30゜以上とし、又定期的
に（２〜３ケ月に１回）管内面を酸洗いする必要
があつた。

本考案は上記の点に鑑み、湯玉の噴出を防止
し、且蒸気導管の使用角度を略水平としても上記
の如き湯玉の噴出の危険性を除き、ノズルより噴
出する蒸気温度を従来より高く保つことによつて
施術法の多様化を図らんとしてなしたものであ
る。

以下本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

図に於て１はスタンドで、該スタンド１には必
要に応じてキヤスターが設けられると共に上部の
伸縮ロツド２を伸縮自在に、且任意位置にて固定
できるようにして設け、この伸縮ロツド２の上端
に蒸気噴霧器の本体３を一体に設ける。この本体
３は第１図に詳記する如く伸縮ロツド２の上端に
固定された取付板３１の下面に耐熱ボトル固定台
３２を設けると共に該固定台３２に耐熱ボトル３
３を装着し、このボトル内に納まるようにしてヒ
ータ３４、温度センサー付水位電極３５及び他極
水位電極を兼ねたる注水管３６を上記固定台下面
に突設せしめる。そしてこの耐熱ボトル３３の外
周面を保護カバー３７を装着される。また注水管
３６の上端には本体頂面に設けたロート状をした
注水口をホース等を介して接続し、この注水口に
注水されると注水管を経て耐熱ボトル内に満たさ
れるようになす。また固定台には水蒸気排出口を
設け、これに接続された水蒸気管３８を経てヘツ
ドアーム５内に挿通された蒸気導管４に接続され
るようになす。

上記耐熱ボトルは望ましくは透明なるガラスあ
るいは合成樹脂製とし、これを固定台３２にねじ
式、圧着式にて装着するものとする。

本体３の一部には先にヘツド６を突設したる所
要長のヘツドアーム５を装着すると共にヘツドア
ーム装着時このパイプ状のアーム６内に嵌挿され
た蒸気導管４が本体側の水蒸気管３８と接続され
るようになす。このヘツドアーム５の先端には球
形その他の形状を有するヘツド６を設けるが、こ
のヘツド６はヘツドアーム５に対してヘツドアー
ム軸心周回方向に旋回自在として取り付けると共
にヘツド５内に於て、蒸気導管の一部にノズル７
を設け、さらにヘツドの一部を開口６１せしめ、
この開口６１からノズルより噴出せしめた水蒸気
を噴出せしめるようになすものである。

また上記ヘツド内にはイオン発生灯等を設ける
ことにあると共に蒸気導管のノズル取付部位にヒ
ータ８を装着し、蒸気の溜室ともなる該管先端部
及びノズル近傍を加熱し、管内の蒸気が凝縮して
水滴となろうとしてもこのヒータにて100℃以
上、例えば110〜130℃程度に加熱され凝縮を未然
に防止し、さらには管内で凝縮した水滴はこのノ
ズル近くで再加熱され水蒸気となつてノズルから
は湯玉が噴出されることなくヘツドアームの角度
に関係なく確実に蒸気のみを噴霧するようになす
ものである。

而して上述の如く構成したる美肌器に於ては注
水口より純水又は製精水を注入すると注水管３６
を経て耐熱ボトル３３内に満たされる。

この時注水量は予じめボトルに附記された最低
水位より最高水位になるようにし、最低水位以下
では安全上ヒータに通電されないようになつてい
る。そして電源を入れるとヒータにて水が加熱さ
れ水蒸気が発生し、またイオン発生灯が附設され
ているならばこれにも点灯されイオンも発生す
る。蒸気導管内を経た水蒸気はノズル附近でさら
にヒータにて加熱され約97℃の高温なる蒸気がヘ
ツドの開口より噴出せしめ、この水蒸気を顔その
他にあてるようなして美肌効果を得るようになす
ものである。この場合ヘツドは旋回あるいは昇降
させて美肌効果を旋す箇所に向けて水蒸気が噴出
されるように調整するものである。

本考案による時はノズル附近の蒸気導管をヒー
タにて加熱するようになしているため該管内で凝
縮して蒸気が水滴となつてもこのヒータにて再加
熱されるためヘツドアームの角度が従来の如く30
度以上の傾斜角がなくても湯玉所謂水蒸気の凝縮
された水滴がノズルより噴出することがなく安全
なる施術が行える利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の概略を示す正面図、第２図は蒸
気導管の正面図、第３図は要部の説明図である。 １……スタンド、２……伸縮ロツド、３……本
体、３１……取付板、３２……固定台、３３……
耐熱ボトル、３４……ヒータ、３５……水位電
極、３６……注水管、３７……保護カバー、３８
……水蒸気管、４……蒸気導管、５……ヘツドア
ーム、６……ヘツド、６１……ヘツド開口部、７
……ノズル、８……ヒータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタンドに昇降自在にして本体を設け、この本
   体に水蒸気を発生せしめるヒータを収納するよう
   になしたボトルを装脱着自在に設けると共に本体
   にさらに先端にヘツドを突設したヘツドアームを
   装着したる蒸気噴霧器に於て、上記ヘツドアーム
   内に挿通され、且先端部位にノズルを具備した蒸
   気導管にノズル近傍を加熱し、蒸気が凝縮して湯
   玉が生じないようにヒータを上記蒸気導管に設け
   たことを特徴とする蒸気噴霧器における湯玉噴出
   防止装置。